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落葉松亭日記(2014年11〜12月)


ニュース・評論のスクラップ、凡夫の日々雑感

12月31日(水) 私の2014

今年古希路に入った。体調もまずまず、健康に恵まれ山歩きに精出すことが出来た。
昨年「兵庫100山」が終わり、今年は県外に出ることが多くなった。

4月
熊野古道中辺路を歩いた。大雲取越では、ゴール地点でバスに乗り遅れ途方に暮れたが親切なご夫婦に夜道を車で送って頂いたのが忘れられない。
外人さんが多く訪れていた。片言だがスイス人やイングランド人、カタロニア人と言葉を交わすことが出来、海外旅行に行ったことがない自分には嬉しい体験だった。

5月
同じく熊野古道小辺地。ここでは台湾人と出会った。
果無山脈や大峰山脈の釈迦ヶ岳、笠捨山にも足をのばした。
知の巨人南方熊楠記念館、白浜海岸の露天風呂崎の湯もよかった。

9月
大山。昨年晩秋の頃大山に登ったが雪でまわりがさっぱり見えなかったので再挑戦した。 緑の山と青い日本海、隠岐諸島も遠望できた。
三徳山投入堂、ペアを組んだ青年に助けられ嶮しい登山道をゆき国宝投入堂を拝観した。帰路、不覚にも転倒し膝や顔を擦りむいた。

10月
再び秋の大山山系へ。黄葉の矢筈ヶ山、船上山、そして中蒜山から奥津渓谷を回った。
四国の剣山。翌日石鎚山を予定していたが雨で断念。四国岬巡りをし、太平洋岸を周回した。

11月
四国石鎚山系へ再挑戦。中旬であったが山には雪が来ており、樹氷が見られ感動した。
西日本最高峰といわれるが、自分の登った頂上は弥山(1972m)、その先の天狗岳(1982m)が真の西日本最高峰だ。ほんの100mほど距離だが雪がついた岩場があり自重した。
そして翌日、同じ石鎚山系の笹ヶ峰、ちち山を歩いた。頂上は広々した高原状で四国山地や瀬戸内海を一望できた。


近くの里山を含め、自分にしてはよく歩いたなぁと思う。
出かけるときは(今日はイマイチ気分が乗らない、やめとこうかな)、登山道にかかると(なんで、こんなシンドイことをやってるのか)と思うときもあるが、やはり谷川を渡り森林を抜け頂上からの展望を楽しみ帰って来る、その過程が楽しいのだろうか続いている。


12月26日(金) 激しくなる「南京虐殺」宣伝

韓国は「従軍慰安婦」「強制連行」「旧植民地搾取」「竹島」等が反日宣伝のお題目だ。
しかし韓国の経済危機でトーンが下がりつつあるが、日本の韓国利権が支えるのだろう。
TVでは東大出の美人韓国人学者が口角泡を飛ばして宣伝にこれ勤めている。
中共の「尖閣」「南京虐殺」宣伝は民族統一、共産党独裁体制を維持するためのお題目。日本という「悪役」が必要なのだ。宣伝工作に乗って「抗日記念館」詣でをする日本人が多いらしい。
両国が発展途上にあったときはいろいろと日本は支援をしてきたが、来年終戦七十周年にもなろうとするのにこのネタが幅をきかしている。
【メルマガ台湾は日本の生命線!】
台湾で「南京虐殺」に様々な見方―総統、ネットユーザー、そして中共の傀儡和尚 2014/12/22/Mon
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2484.html

■台湾総統府は有権者への配慮で曖昧姿勢
支那事変下の一九三七年、日本軍が中華民国の首都南京に入城してから、十二月十三日で七七周年。南京大虐殺なるフィクションを宣伝してきた国共両党にとってこの日は、「大虐殺」の記念日だそうだ。
中共は今年からこの日を国家哀悼日に指定し、南京では国家公祭が行われ、習近平主席が日本の「罪業」を激しく糾弾する演説をやってみせたが、それでは現在台湾へ移っている国民党は何をやったかというと、総統府がプレスリリースを発表し、こう述べている。

―――今日に至ってもなお日本の一部の人々が「大虐殺」の問題を避け、曖昧にし、あるいは否定をもしようとしているのは残念である。「大虐殺」を直視したくない人々には戦争の歴史の傷跡に直面しながら、共感し、罪を認める勇気を見せてほしい。
―――目下我が国と日本との関係は断交後の四十数年来で最も良好で、双方はハイレベルにおいても両国関係の改善を重視し、努力している。そのため日本側には「大虐殺」の史実に、勇気をもって直面してほしい。

「良好な対日関係」をアピールして反日色を薄めようとした形跡が認められる。きっと中共と歩調を合わせ、対日関係が悪化するのを望まない有権者への精一杯の配慮なのだろう。
だから中共も、あるいは在台中国人の政治勢力も、これには不満に違いない。人民日報系の環球時報は十四日、中国統一派である在台中国人、謝啓大元新党主席の談話を載せている。

―――馬英九が台北市長の時、市役所で七七事変(支那事変)の写真展を行ったが、南京大虐殺の写真と言えば二、三人の日本兵が略奪した品物を載せた車を引っ張っているものだけ。しかし彼は「展示者の観点を尊重する」と説明していたこれほど媚日思潮が台湾では浸透しているのだ。

謝啓大氏など中国人が批判するところの台湾における「媚日思潮」とは、「中華民族主義に煽られない、拒絶する思潮」のことだ。一言で「台湾人意識の高まり」と言ってもいいかもしれない。

■「南京」を追悼しない者は中国人ではない
台湾には中国人の反日キャンペーンに眉を顰めるネットユーザーたちがいるらしい。環球時報は十九日、以下の報道も行っている。

―――香港メディアの報道によれば、内地(※中国を指す。台湾を中国の外地と位置付けたい)で南京大虐殺犠牲者に対する国家公祭の日(※十二月十三日)には香港、台湾の芸能人も関心を寄せ、台湾の歌手、范●■(※中国人系米国人)は微博(※中国版ツィッタ―)で「歴史を忘れるな」と書いたのだが、これに対して一部の台湾のネットユーザーが攻撃した。
―――ある人々は「自分たちの歴史(※台湾の歴史か?)も知らないくせに、他人のことに口出しするのか」「向こうへ渡って南京大虐殺を偲べばいい」と責めた。
―――、范●■を応援する人たちはこう反撃した。「あなたたちを中国人とは思わない。だから誰もあなたなんかに歴史を忘れるなとは言っていない」「台湾人は(中国人の)先祖に背くな」「他に哀悼の意を表した香港、台湾の芸能人は何人いるのか。彼女は何もしないでもいられたのに、今回は勇気を発揮した」と。
―――「大陸(※中国)を応援して攻撃に曝される香港、台湾の芸能人は彼女だけではない。

中国側の台湾人への憎悪が籠った報道と言える。この記事内容にどれほどの脚色があるかは確かめようもいないが、ただこれが強調したいのは要するに、中国人と中国人であることを忘れた台湾人(媚中の台湾人)とが政治的に、または国家観、民族観、歴史観において対立している構図ではないだろうか。
台湾での台湾人意識の高揚に伴う、そうした反中(中国人から見れば媚日)意識の高まりだが、その背景については前出の謝啓大氏が次の如く悔しそうに説明している。

―――私たちの世代は蒋介石、経国時代。当時は台湾同胞もあの時代の歴史に詳しく、教科書でも南京大虐殺の史実を載せていた。
―――しかし残念なことに、蒋経国が台湾を李登輝に渡し、その十二年の総統就任期間と、続く陳水扁の八年の就任期間において、台湾の若者たちの抗日戦争に対する観念が改変されてしまったのだ。脱中国化教育も行われたため、若者世代が自国の歴史を知らないのは不思議ではない。

李登輝、陳水扁政権が実際に行ったのは、歴史教育の台湾化だ。かつて行われた中国の抗日戦争勝利の歴史の強調のような中華民族意識高揚のためのプロパガンダが排されたことを、在台中国人勢力も中共も残念がっているわけだ。
(●=王に韋、■=王に其)

■仏光山の星雲大師は「大虐殺」目撃者だった
しかしその一方で「台湾に台湾人はいない。みな中国人だ」との「名言」で知られる在台中国人の統一派和尚、星雲大師(国際仏光会世界総会長)は逆に、「南京大虐殺」の宣伝に乗り出している。
七日に新華社のインタビューを受け、「南京大虐殺の生存者」として、「記憶する大虐殺の模様を初めて語った」のだ。
それによると当時彼は十歳。「日本人は焼き、殺し、略奪し、南京の周囲は百里先まで見渡せた。日本人は男を見れば捉えて荷を運ばせ、女を見れば飯を作らせ、ある者は殺された。刀の光には血の色が滲み、悪事なら何でもした」「父親はたぶん大虐殺で死んだ。母親と一緒に父を探したが、河も道も死体だらけだった」。
戦場の後を見ただけではないのか。この程度の話なら、とても「大虐殺」の目撃談とは認定し難い。そもそもこの人は、あれほど中共とは大の仲良しであるのに、なぜこれまでこの話をしないできたのか。
台湾人の脱中国化に歯止めをかけたい思いで、今回は新華社に語らせられたのかもしれない。

いずれにせよ新華社は、国家哀悼日である十三日、この記事を配信している。もちろん対日本、そして対台湾のプロパガンダとしてだろう。
台湾人が中国人の反日宣伝に疑いを強めつつある中、肝心の日本人がそんな宣伝にいまだ惑わされ続けるのはどうかと思うのである。

ちなみに余談だが、「星雲大師は日本で富士山麓の本棲寺、東京仏光山、福岡仏光山、群馬の法水寺など日本各地に仏光山道場を建てた。『私は彼ら(日本人)が仏光山と私の影響を受けるかもしれない。そのようなばで平和の宣伝をしたい。日本人に平和を尊重させたいのだ。彼らに我々中国人の心を教えたいのだ。そして中国人の彼らに対する希望をも』と話している」(中国報新聞網、十二日)。

「日本各地の仏光山道場」は日台「交流」活動にとても熱心のようだが、親台湾の日本人はそんなところで中国の宣伝に洗脳されないようご注意を。



ブログ「台湾は日本の生命線」
河野洋平の訪中で判明した中国の攻撃ターゲット 2014/12/20/Sat
ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2482.html

日本国際貿易促進協会会長である河野洋平・元衆院議長は十二月十九日、北京の人民大会堂で兪正声・中国全国政治協商会議議長(中共序列四位)と会見。
日本テレビの報道によれば、その時兪氏は次のように話したそうだ。

「河野談話と村山談話は、日中友好や日中の重大な問題について態度が鮮明だったため、中国人民に強い印象を残した」
「来年は戦争終結70周年で、日本が歴史問題でどういう態度を取るのか、中国人民は注視している」

これらの発言について共同通信は「安倍晋三首相が戦後70年に出す予定の新たな首相談話に、歴代内閣の歴史認識を継承するように牽制した」と解説する。
国内では風当たりが強くなった河野談話にお褒めの言葉をいただいたのだから、河野氏はきっとニンマリしたことだろう。
それにしても、あの二つの談話について中共が「日中友好や日中の重大な問題について態度が鮮明だった」と評価したことには注目したい。
このセリフを言い換えるなら、「日本が敗戦国として中国に服従するとの忠誠の態度が鮮明だった」となるだろう。それがかねてから変わらぬ中共の本音というものである。
中共にとっての河野談話の価値は、近年高まるばかりだ。なぜなら現在彼らは、慰安婦問題を巡る反日宣伝戦の主導権を、韓国から奪わんばかりの勢いだからだ。

最近も中共御用メディアが一斉に「アジア慰安婦の総数は四十万人で、その半数は中国人。全四十万人の内、南京大虐殺と同規模の三十万人が日本軍に殺された」とのデマ宣伝を強化したばかり。国際社会で語れば語るほどウソがばれそうな「南京大虐殺」に代わる新たな反日宣伝のネタとして、「慰安婦の連行・虐殺」をでっち上げようとしているかに見える。

兪氏はまた、十二月十三日に習近平総書記が南京大虐殺記念の反日演説にも触れた。
「中国侵略の日本軍は野蛮にも南京に侵入し、この世のものとは思えぬ惨たらしい南京大虐殺事件を惹き起し、三十万の同胞を殺戮し、無数の婦女を蹂躙して殺し、無数の子供を悲鳴の死に至らしめ、三分の一の建築を破壊し、大量の財物を略奪した」。このような捏造の歴史に基づく強烈な日本糾弾の演説だったわけだが、習氏はこの時、日本をここまで誹謗中傷する一方で、次のようにも訴えていた。

「中日両国人民は代々友好を続け、歴史を鑑として未来へ向かい、共に人類平和のために貢献すべきだ」
「歴史を忘れることは裏切りであり、罪責を否定することは再犯に等しい。我々は一つの民族の中で少数の軍国主義分子が侵略戦争を起こしたことを理由に、その民族を敵視すべきではなく、戦争の罪責は少数の軍国主義分子にあり人民にはない」

こうしたアピールは言うまでもなく、中共お得意の統一戦線工作、つまり日本国内に親中勢力を扶植し、拡大させ、戦争反省の声を上げさせ、反中勢力を圧し、政府の中国政策を左右するという日本分断工作の一環であるが、兪氏が持ちだしたのがこれらの訴えだった。こうしたものに「日本側は正しく理解し、両国関係の改善に向けて努力するよう希望する」と述べたそうだ。

朝日新聞による慰安婦報道の撤回を機に、河野談話を撤回する形での新たな首相談話を求める声が国民や各地の地方議会で高まりを見せる中、河野・村山談話という日本の中国への従属の絆を守らせようと、中共が日本の親中勢力に呼び掛けていることがわかる。

このような働きかけを受けた河野氏は、おそらく「任せて下さい」と答えたに違いない。何しろこの日本における中共の傀儡の巨頭にとり、自国を中国の従属国の如くすることがライフワークだからだ。
「河野談話」問題や「戦後七十年首相談話」問題に関し、中国の側に立って発言する政治家、マスメディアに注目せよ。もちろん河野氏は頑張るだろうが、それ以外のどこの誰が中共の統一戦線工作に引っかかっているかの見当が付いてくると思う。



12月24日(水) YouTube『ピラミッドはこうして造られた』

暇爺さんのネットサーフィン、YouTubeでたまたま行き当たったこの番組、非常に面白かった。
エジプトの古代ピラミッド建設の謎に挑む建築家ジャン・ピエール・ウーダン氏の仮説。
建築家ならではの仮説と、それを裏付ける証拠の痕跡が次々に見つかり、検証する考古学者、コンピュータ・シミュレーションが面白く、きっとそうに違いないと思われるほどだ。
1〜5話まであるが一気に見てしまった。

https://www.youtube.com/watch?v=8tO4Q8cyyDI


12月23日(火) 夕月

冬至を過ぎ第一日目。
これから寒さも本格、窓が凍り付くような寒波が幾度となくやってくるでしょうが、
今日からまた春分を経て夏至に向かって日が長くなって行くと思うとほっとします。
日が沈んでしまった空を見ると夕焼けに微かな三日月が見えました。
夕月は秋の季語とのことですが、冬の三日月は冷えびえとしています。
三日月は陰暦三日目の月ですが、明日が旧暦十一月三日のようです。
(月はやや強調しています。「写真」ではないかも。)


12月20日(土) 原油安

一頃170円/Lだったガソリンが今や140円台、有り難いことである。
しかし、これでもまだ原油安を充分に反映しておらず、本当に安くなるのはもう少し先とのこと。
なぜ安くなったのかは、中東やロシア等の産油国やアメリカのシェールガスなどの状況がからみ、武器を使わない戦略的経済戦らしい。
原油安で貿易赤字も縮小傾向、日本にとっては結構なことと思いきや、来年は経済危機が来るかも知れないという説もある。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル 第169号(12月19日)
http://melma.com/backnumber_190875/

サウジの原油戦略

 原油価格が1バーレル60ドルを割り込んだ。5年5か月ぶりだという。世界で最も効率よく原油を生産できるのはサウジアラビアである。従ってサウジが原油を増産すれば、原油価格は下がり、減産すれば価格は上がる。
 つまりこの低価格もサウジの戦略である。ではサウジの狙いは何か?一説には米国のシェールガス開発を阻止する為だとも言われるが迂遠な説明であろう。

 現在のサウジアラビアにとって最大の脅威はイスラム国である。イスラム国はイラクの原油精製施設を占拠し原油を密輸して軍事費を賄っている。だから原油価格の低下はイスラム国の軍事費減となる訳だ。
 これは同時にサウジにとって長年の敵であるイランに対する打撃にもなる。イランは1979年のホメイニ革命以来経済制裁を受けてきたが、やはり原油を密輸することで軍事費を賄い、核ミサイル開発を推進してきたのである。
 だが価格低下の影響はこれらに留まらない。ロシアも原油収入で軍事費増額を図ってきたから当然国防戦略の変更を迫られることになる。ウクライナ問題でも妥協的にならざるを得なくなるから西側にとっては歓迎すべき事態である。
 中南米の反米主義国ベネズエラも原油収入があればこそ米国に対して強気でいられた訳で、価格が低下すれば盟友キューバを支援できなくなる。キューバは悲鳴を上げて米国との関係改善に乗り出さざるを得なくなった。

 こうして見るとサウジの原油戦略は日米を含めた西側陣営にとって好ましい戦略だといえる。だがこの戦略に問題はないかと問われれば、やはり問題はある。それは他ならぬサウジアラビア自身の問題だ。
 サウジもまた国庫収入の殆ど全てを原油収入に頼っている。サウジ王室は日本の皇室と異なり歴史的な権威を持たない。原油で得た莫大な収益を国内の有力部族にばら撒いて統一を維持している。
そんなサウジアラビアにとって原油価格の低下の長期化は実は国家分裂の危機をはらむのである。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
著書:
「領土の常識」(角川学芸出版)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321212000089
「国防の常識」(角川学芸出版)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)
共著:「総図解よくわかる第二次世界大戦」
http://www.kadokawa.co.jp/product/301310010411/
監修:
「イラスト図解 戦闘機」
http://www.tg-net.co.jp/item/4528019388.html
「超図解でよくわかる!現代のミサイル」
http://www.tg-net.co.jp/item/486298102X.html?isAZ=true
インターネット動画配信中:
「現代戦闘機ファイル」
http://www.nicovideo.jp/watch/1411697197
「よくわかる!ミサイル白書」
http://www.nicovideo.jp/watch/1383640409

アングル:原油安で貿易赤字は来春半減か、不安は「逆石油ショック」 2014年 12月 17日 15:18 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JV0E020141217/?sp=true

[東京 17日 ロイター] - 11月貿易赤字は、前年比で31.5%減と大幅に縮小した。内需停滞で輸入数量が減少したことに加え、原油輸入価格の前年比下落も赤字縮小に直結した。
しかし11月の原油の輸入価格は1バレル=87ドル程度と、足元の大幅な相場下落からみればまだかなり高めで、来春には貿易赤字が現状の半分程度に縮小する見通しも浮上している。逆石油ショックが起これば、輸出もマイナスに転落して経済収縮に直面するリスクもある。
11月の貿易赤字は前年同月比で3割程度縮小し、8900億円となった。円安で輸入価格は増加したが、内需の低迷で輸入数量が大きく減少したためだ。原油輸入も円安による価格上昇を原油安が緩和した面もある。
もっとも原油価格の下落はまだ十分反映されておらず、1バレル=87ドル(ニッセイ基礎研試算)での輸入価格となっている。年初の110ドル程度に比べると2割程度下落しているが、現状の60ドル割れの原油相場が反映されるのはもう少し先となる。
相場下落が入着原油に反映されるまでのタイムラグや、為替相場が1年前の1ドル100円程度から116円程度(11月平均)まで円安が進行したことも、円ベースの輸入価格がさほど下がらないことに影響している。

年間で27兆円の鉱物性燃料の輸入金額が2割低下しただけでも6兆円分の輸入額削減につながり、年間貿易赤字額が半減されることになる。
ニッセイ基礎研究所・経済調査部長・斉藤太郎氏は「現時点の9250億円の赤字(季節調整済)は、15年春ごろには5000億円程度の赤字まで縮小する」と指摘、来春にも赤字が半減するとの予測も浮上している。
一方、11月の輸出金額は5%程度の増加となった。数量ベースでは9、10月の持ち直しから11月に1.7%減と、一進一退が続いているものの、ドル建て分の輸出は円安の効果で金額増につながった。
今後の輸出環境を見渡せば、しばらくは円安の恩恵で輸出金額自体は伸びていくことになりそうだ。

ただ、輸出環境については、原油価格の下落が世界経済への不安を誘い、米国経済のみが好調さを維持したとしても、世界全体の低成長リスクはぬぐえない面がある。
それでも輸出環境の改善を見通すエコノミストも多い。「米国向け輸出の主力製品である自動車については、国内メーカーの現地生産化の進展によって伸び悩んでいるものの、企業部門の回復に伴い、資本財を中心とした輸出の増加が期待される。米国依存度が高い中国以外のアジア新興国経済に関しては、米国の景気拡大にけん引されて増勢を強める」(大和総研・チーフエコノミスト・熊谷亮丸氏)といった見方がある。
こうした輸出金額の改善が期待通りに進めば、輸入額削減とあいまって貿易赤字の縮小にも寄与するはずだ。

原油安はサウジアラビア初め中東諸国の減産の意思が見られない中で、底が見えない状況が続いている。原油輸入価格が円安に阻害されずにストレートに輸入金額の減少に反映されれば、懸案のエネルギーコスト上昇から解放される。
日本経済全体に交易利得をもたらせば、それが企業や家計にもさまざまな恩恵が及ぶとして、政府としても、急速な円安の一段落と原油価格の下落のシナリオが来年の日本経済に恩恵をもたらすと期待感を示している。
ただ、その前に原油価格の下落が急速に進んでいることで、新興国懸念を起点として世界のマーケットに「逆石油ショック」が波及しかねない情勢も見え始めてきた。株安が広がれば、リスクオフ心理が実体経済を収縮させる懸念も、足元で急速に広がっている。
そのケースでは、輸入額とともに輸出額も減少に転じ、経済収縮のスパイラルに陥る危険性もある。プラスになるかマイナスに転ぶか──。その帰すうは、原油価格の下落ペースが握っていると言えそうだ。
(中川泉 編集:田巻一彦)

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26年(2014)12月19日(金曜日)通巻第4419号
http://melma.com/backnumber_45206/

ロシア、想定外の経済苦境だが西側へ衝撃的な対抗策を発表
ルーブル下落をいう経済危機は「克服可能」と表明(プーチン大統領)


 ロシアのプーチン大統領は12月18日、恒例の記者会見をおこない、「最悪のシナリオは、このルーブル安、原油下落という経済苦境を脱するのに二年かかる」とした。「しかしながら資本規制は見送る」。
 原油安はロシアばかりか米国を撃った。シェールガス開発が一気に挫折する展望となって、サウジアラビアの思惑は着々と図に乗っている。
 三月のクリミア併呑とウクライナ問題を契機に欧米はロシア制裁にでた。濾紙ロシアは農作物輸入を留めるなど対抗措置を講じた。
 ロシアに経済政策を継続する欧米には、一方でドイツのようにエネルギーをロシア依存する国があってEUの制裁強硬路線に反対する国もがあり、他方ではフランスのように武器取引を制限する国などとの温度差が顕著である。

 ブリスベンのG20で、プーチンは予定を切り上げて急遽帰国した「事件」があった。プーチンは前夜、ヒルトンホテルでメルケル独首相と六時間密室の会談をしており、ウクライナ問題を討議したが、その翌日だけに様々な憶測を呼んだ。
 メルケルは東独出身でロシア語が流ちょう、プーチンはKGB時代にドレスデンに滞在したためドイツ語が流ちょうである。

 プーチンが帰国後、ロシアは重大な路線変更を発表した。
 ロシアは原油とガスの輸送ルートを大幅に変更すると衝撃の発表だっただが、日本のマスコミでは話題となっていない。不思議である。
 つまりウクライナ経由の対欧輸送ルートをトルコ経由とするのである。
EU諸国のなかでも、ロシアへのエネルギー依存度に濃淡があって、フランスから南欧にかけてはロシアとは貿易額もエネルギー依存度も低いから衝撃は薄いが、このロシアの路線変更に狼狽した国々がある。

 ▼ユーラシアの新しいグレートゲームが始まった
 こうしたプーチン大統領の西側接近外交から東へ向きを変えるという外交路線の変更はピョートル大帝以来のロシアの基本姿勢の変更にいたるか、どうか。ともかくG20から帰国後のプーチンは中国寄りをさらに鮮明にし、その上でトルコに急接近した。また先週はインドを訪問している。
 「ノーザンストリーム」(北海からドイツへのルート)はそのままだが、「サウザンストリーム」(黒海からルーマニアを経由して欧州へ輸出)をトルクメニスタン、アゼルバイジャンからトルコを経由してバルカンで分岐させ、オーストリア、イタリアなどへの輸出ルートに変更する。
このための投資は50億ドル。半分をガスプロムが負担するとした。
従来の「サウザンストリーム」は黒海からブルガリアを経由する計画だったため「通過料」を失うブルガリアは欧州議会に対ロ制裁を解くよう強く抗議した。

最大の裨益者はトルコである。
しかもトルコはイラン原油がイラクを経由してシリアに運ばれる輸送ルートの建設に反対し、カタールのガスをイラクからシリア経由トルコへ運ぶルートを提案していた。
小誌はトルコのイスラム回帰と脱欧州の動きに注目してきたが、欧米マスコミで悪評高いエルドアン大統領は「勇士連合」に加わったもののISIL対峙には消極的であり、むしろオスマントルコ帝国復活の夢を描いてきた。

 2015年の展望は経済危機が続行され通貨戦争が再発することになるだろう。



12月19日(金) 米キューバ国交正常化

52年前、冷戦時代に キューバ危機があった。
キューバ危機(キューバきき、英: Cuban Missile Crisis、西: Crisis de los misiles en Cuba)は、キューバを舞台に、1962年10月14日から28日までの14日間に亘って米ソ間の冷戦の緊張が、核戦争寸前まで達した危機的な状況のことである。(Wikipedia)

米とキューバ、国交正常化へ始動 歴史的政策転換
2014年12月18日 09:05 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/articles/-/3034590

【12月18日 AFP】米国とキューバは17日、冷戦(Cold War)以来の対立関係を打開する歴史的な突破口を開き、国交正常化と、米国による50年に及ぶ禁輸措置の緩和に向け動き出した。
 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、キューバとの通商関係の見直しと、1961年に閉鎖された在キューバ米大使館再開の用意があると発表。また、キューバのテロ支援国家指定の再検討を米国務省に指示したことも明らかにした。

 キューバのラウル・カストロ(Raul Castro)議長は、首都ハバナ(Havana)でほぼ同時に行った演説で、旧敵国同士の両国が半世紀以上を経た後に「外交関係の再樹立に同意した」と発表した。一方で、禁輸措置を「封鎖」と呼んだ上で、この問題はこれから解決すべき事案だと注意を喚起した。
 オバマ大統領は、米国による禁輸措置は失敗だったと認め、外交関係や渡航制限の問題に関する前進とともに、禁輸解除を検討するよう米議会に要請すると述べた。

 歴史的な発表に先立ち、両国はそれぞれが拘束していた情報要員の身柄交換を行っていた。まず、キューバで投獄されていた米国人アラン・グロス(Alan Gross)氏と、米国のスパイとして20年間身柄を拘束されていたキューバ人が解放された。オバマ大統領は、このキューバ人を、最も重要な駐キューバ米工作員の一人としている。これに対し、米国はキューバのスパイ3人を解放した。

 オバマ大統領はまた、ローマ・カトリック教会で中南米初の法王となったフランシスコ(Francis)法王と同教会が、両国の関係改善を仲介したことを明らかにし、その功績をたたえた。(c)AFP/Jérôme CARTILLIER, Dave Clark

歓喜に沸くキューバ国民、米との国交正常化交渉で
2014年12月18日 09:55 発信地:ハバナ/キューバ
http://www.afpbb.com/articles/-/3034595

【12月18日 AFP】米国とキューバが国交正常化に向けた交渉の開始を発表したことを受け、キューバ国民らは歓喜に沸いている。冷戦以降、約50年にわたり続いた禁輸措置などにより、キューバの人々は厳しい経済状況に置かれていた。交渉の開始発表後、生活の向上を期待する声も上がっている。(c)AFP

■ブログ「白髪頭でズバリと斬る -じじ放談-」2014年12月19日
「もはや失うものがなくなった」米オバマ大統領の捨て身の作戦(キューバ・北朝鮮との国交正常化交渉)は成功するか?
http://blog.livedoor.jp/gold_7777/archives/52003690.html
・・・
「失うものがない」オバマ大統領は米国の国益最大化を図るために賭けに出た。
米国が覇権国家として存続するためには何をなすべきか?
公然と米国覇権に挑戦している中共とロシアとの総力戦を勝ち抜くために何を為すべきか?
を熟考して到達した結論が「米国の戦略をムチからアメに転換させること」、つまり「経済制裁→民主化」という手順を、「制裁解除→民主化」に改めることであった。
米国が覇権国家として君臨し続けるためには、北風で脅しつけ、被制裁国を中共陣営に追い込む「まず制裁ありきのムチ型」ではなく、中共やロシアの藩屏(保護国)を「陽光で包容するアメ型」でなければならないと考えた。
・・・



12月17日(水) 石原氏引退表明

次世代の党顧問の石原慎太郎氏が記者会見で引退表明をした。
82歳、まだまだ政界で活躍できるお歳と思うが・・・。
「憎まれて死にたい」「橋下首相あり得る」「「私が首相なら(中国船を)追っ払う」 など石原節も健在なだけに惜しい。
石原慎太郎氏の引退会見詳報 中国共産党独裁、壊滅させなければ  産経新聞2014年12月17日(水)07:59
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20141217073.html

 ■言いたいこと言い、憎まれ死にたい
 ■「歴史の十字路」に身をさらした
 ▼冒頭発言
 大してニュースバリューもないこの私が、大がかりな記者会見を申し込んだ理由は、私も延べ50年以上政治に携わってきて、今度の衆院選でああいう(落選の)結果になって、引退を決心したからだ。
 かねがね私は衆院解散をきっかけに引退するつもりだった。私自身も肉体的にひびが入り、見回してみると国会議員の中の最高齢者になっていた。かつては奥野誠亮さんという尊敬すべき大先輩が、90歳を過ぎるまでかくしゃくとして国会議員を務められたが、とても私にはその自信も能力もないので、引退を声明しようと思った。

 振り返ってみると、参院の全国区から始まって、衆院議員を25年務め、思うところあって東京都知事に就任した。できるだけのことはやったつもりだ。どの国も物書きが政治に参画、コミットするのは例がないわけではない。
 今までのキャリアの中で、「歴史の十字路」に何度か自分の身をさらして立つことができたことは、政治家としても物書きとしてもありがたい、うれしい経験だった。
 それをもって、私が欣快(きんかい)として、わりと晴れ晴れとした気持ちで政界を去れるな、という気でいる。
                   ◇
 ■演説うまい「橋下首相」あり得る

 ▼質疑応答
 --選挙では石原氏も、次世代の党も討ち死にした
 「次世代の党という党名そのものに私は異議を唱えていた。説明しなくてはなかなか意思が伝わらないネーミングだった。政党の名前としてはどうも問題がある。いくつか他にも案があって、『新党富士』や『新党ヤマト』でいけばよかったと思う。(選挙戦に)時間がなかったこと、日本維新の会が分党したことも結果につながった」

 --自主憲法制定は
 「憲法は良い意味でも悪い意味でも、これだけ日本社会に定着してしまうと、国民の関心はあまり憲法にないという気がする。本当に憲法を変えなくてはいけないと考えている人は、残念ながら希少な存在でしかなくなった」
 「あの醜い前文ひとつを見ても、助詞の間違いがたくさんある。例えば『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し』。せめて『に』だけは国文学者を集めて、変えようじゃないかと、俺がアリの一穴となって憲法を変えることができるんじゃないかと(衆院予算委員会で安倍晋三首相に)いったら、安倍さんは残念ながら答えませんでしたな」

 --今日は田中角栄元首相の命日だが、宿敵の田中元首相と安倍首相に何を言い残すか
 「安倍さんには初志貫徹してもらいたい。角栄という人物は素晴らしかった。あんな面白い人はいない」

 --(石原氏が参加した自民党政策集団の)青嵐会をやっているころは河野洋平氏のような憲法改正反対派が自民党内にもいた
 「さあ。河野君というのはまったく例外的な人物で、私は大嫌いだ」

 --今回の選挙で民意は何を示したか
 「共産党の躍進だと思う。共産党への支持は、自分たちを囲んでいる社会的な現実に対する、漠として感じている現況への不満の社会心理学的なリアクションだ。これから日本を担っていく20、30代の人にあまり希望がない、自分の人生に対して大きな期待を持てない現象だ。その不満や不安がこの結果になった」

 --橋下徹(大阪市長)という政治家と出会った
 「彼は天才だ。私は絶対、(衆院選に)彼は出るべきだと思った。前日まで私は何度も電話をして口説いたが、出なかった。本当に残念だ。私は彼に『君は大阪の井戸の中にいて、なかなか大海が見えていない。一回井戸から出て、国会議員になって日本を全部眺めろよ』といったが、残念ながら忌避した」

 --橋下氏が首相になる可能性はあるか
 「あると思う。あんなに演説のうまい人をみたことがない」

 --忘れ得ない「歴史の十字路」は
 「(元首相の)佐藤栄作さんに随行してワシントンに行ったとき、日本の国会議員として初めて米国の戦略基地を訪れた。佐藤はすごい人だと思う。非核三原則を唱えながら、米大統領のジョンソンに『日本は核を持ちたい』といって断られている。それをあきらめた後、ニクソン(米大統領)と丁々発止やりながら、ドイツと一緒に核開発しようと持ちかけている。これだけの大きな二枚舌を使った政治家はいない」
 「私は米国の核の傘は全く信用できないということを暴いた。そのおかげで核保有論者にされたが、あの体験は日本に覚醒をもたらしたし、自分にとっても歴史的な十字路に立ったポイントだと思っている」

 --中国が嫌いか
 「嫌いだ。共産主義を好きな人はいない。共産中国は嫌いだ。(中国は)チベットをなくした」

 --日中関係はこれからどうすればいいか
 「(中国人は)もうちょっと頭を冷やして、共産党の独裁というのを壊滅させる。それが、幸せなことではないか」

 --中国の若者にメッセージを
 「自分の人生を自由闊達(かったつ)に開いていくために、共産党の独裁というのを壊滅させなければだめだ」

 --尖閣諸島(沖縄県石垣市)での日本と中国の衝突で、自分が首相ならどう対応していたか
 「私が首相なら(中国船を)追っ払う。けんかを仕掛けているのは向こう(中国)だ。頭を冷やした方がいいよ、シナの人は」

 --引退後は何をするか
 「若い内外の芸術家を育てたい。アラブや東南アジアなどの若い芸術家に日本に来てもらい刺激を受けて、新しい芸術を世界のために展開してもらいたい。来年もまだ生きてて元気だったら、ヨットのレースの試合をしたい」

 --今の心境は
 「いつ死ぬか知らないが間もなく死ぬのだろう。死ぬまでは言いたいことを言い、やりたいことをやる。人から憎まれて死にたい」
石原氏の足跡(同記事より)




12月16日(火) 加瀬英明氏「神代から連綿と続くリーダー不要の日本」

スターリン、ヒトラー、毛沢東等々、世界には強烈なリーダーがいた。
日本にはいないと云われる。云われてみればそうかも。
自分のことはさておいて、リーダー不在だとか、小者ばかりだなぁと評したりする。
首相も閣僚も外国から見ると頻繁に替わっていると映っている。なぜだろうか。
■「加瀬英明のコラム」メールマガジン2014年12月16日
件名: 神代から連綿と続くリーダー不要の日本
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi

 今年、ハーバード大学出版局から、『近代アジアを創った人々(メイカーズ・オブ・モダン・エイシア)』という著作が、出版された。
 20世紀のアジアをつくりだしたリーダーたちが、取り上げられている。私はさっそく購入して、読んだ。
 編者は歴史家として国際的に高名な、インドのラマチャンドラ・グハ教授である。ガンジー、ネール、毛沢東、鄧小平、蒋介石、パキスタンの“建国の父”のアリ・ブット、ベトナムのホー・チミン、シンガポールのリー・クアンユーをはじめとする、アジアの指導者の生涯を描いている。

 ところが、なぜなのか、日本の指導者は、1人も取り上げられていない。
 だが、20世紀のアジアを創ったのは、日本ではないか。
 20世紀が明けるとすぐに、日本は1904年に強大なロシア大帝国と戦って、勝利を収めた。それによって、数世紀も西洋の苛酷な植民地支配のもとに耐いでいた、アジアの民が覚醒した。
 日本は唯一つの有色人種の国として、白人の国ばかりだった列強の仲間入りを果して、万丈の気を吐いた。もし、日本が第二次世界大戦を戦わなかったとすれば、アジアが解放されることがなかった。
 それなのに、どうしてこの本のなかで、1人も日本人が、入っていないのだろうか?

 編者のグハ教授が前書きのなかで、こう述べている。
「日本から一人も取り上げていないのは、特定の日本の政治家をあげるのは、きわめて難しく、不可能に近いからである」
 日本で1885年に内閣制度が発足して、伊藤博文公が初代首相となってから、先の大戦に敗れるまで、42回も内閣が変わった。平均して1年4ヶ月ごとに、首相が交替するか、内閣改造が行われた。日本には、指導者(リーダー)が存在しないのだ。
 安倍内閣ははじめの2年が順調だったのに、内閣改造を行ったために、新しい閣僚たちの不祥事によって悩まされている。
 これは、日本に独特な現象だ。他の国々であれば、閣僚は4、5年は交替しない。

 アメリカでは閣僚も、各省の幹部も全員が「大統領任命官(プレジデンシャル・アポインティ)」と呼ばれ、大統領によって任命されるから、全員が大統領の代理人だ。
 ところが、日本の閣僚は首相の代理人ではない。そのために、首相が与党の支持をとりつけるために、内閣を頻繁に改造して、閣僚を入れ替えなければならない。

 日本神話では、女神の天照大御神が最高神である。至上神が女神なのは、他の主要な神話にみられない。
 中国、朝鮮の至上神は、男性である。ギリシア、ローマ神話、北欧、インド、エジプト、バビロニア、ペルシア神話の最高神も、ユダヤ・キリスト・イスラム教の最高神も、みな絶対権力をもつ男神である。

 天照大御神が天の岩屋に籠(こも)ると、八百万(やおよろず)の神々が天(あめ)の安(やす)の河原に集まって、どうしたらよいか、相談する。リーダーが、不在なのだ。他の神話では、上に立って決定する主神がかならずいる。きわめて、日本らしい物語だ。
 聖徳太子の『十七条憲法』をとれば、「自分だけが頭がよいと思ってはならない」(10条)、「重要なことを、ひとりで決めてはならない。全員でよく相談せよ」(17条)と、定めている。

 指導者という言葉は、明治以前の日本語に存在しなかった。リーダーという英語を訳するために、造った明治訳語だ。それまで上に立つ者は、お頭(かしら)、頭立(かしらだつ)、主立(おもだて)などと呼ばれて、合議することによって人々をまとめた。
 今日でも、日本人にとって、神代が続いているのだ。
 男親が子どもたちに優劣を競わせて、規律を課すのに対して、母親はできる子も、できない子も、均しく守る。日本人は優しいのだ。



12月15日(月) 衆院選終わる

終わってみれば自公325で圧勝、2/3議席を上回ることになった。
当方期待の「次世代の党」は公示前19議席から17議席も減らし2議席のみとなった。
比例代表は一人も通らなかったとは・・・
日本の自立、国防に熱心な田母神氏、西村氏、教育の中山氏等残念と云うほかはない。
民主党の海江田氏が落選、安倍さんのふるい落とし作戦は成功したようだが、「戦後レジュームの脱却」「自主憲法制定」を掲げる次世代の党への影響は大きく、ブレーキ公明党に取って代わる夢は潰えた。
投票率は戦後最低とか、これでは組織票を持つ公明や共産が楽勝、憲法改正も遠のいたのではないか。
次世代・石原最高顧問、田母神さんら落選 2014年12月15日 03時44分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2014121490201231.html?ref=rank

 次世代の党の石原慎太郎最高顧問は、比例代表の東京ブロックで落選が確実となった。同党は知名度の高い石原氏らが支持を呼び掛けたが、広がらなかった。
 石原氏は「若い人を当選させたい」として、比例単独で東京ブロックの同党名簿の最下位となる9位で立候補。選挙期間中の応援演説で、引退を明言していた。
 石原氏は2012年に東京都知事を辞職。同年の衆院選で当選し、国政に復帰した。
      ◇
 田母神俊雄元航空幕僚長は東京12区で、公明党前職の太田昭宏国土交通相に敗れた。比例でも議席を得られず、落選した。
 田母神氏は自主憲法制定の必要性などを訴え選挙戦を繰り広げたが、自民支持層や無党派層の支持が広がらず、強固な組織力を持つ太田氏には及ばなかった。
      ◇
 中田宏国対委員長が神奈川18区で自民党前職の山際大志郎経済産業副大臣に敗れ、落選した。
 中田氏は2002〜09年に横浜市長を務め、12年衆院選では旧日本維新の会から出馬し初当選。同区で支部長に就いたのは昨年10月で、活動できないまま選挙に。終盤は駅前で握手作戦に力を入れたが支持を広げられず、組織戦を展開した山際氏の逃げ切りを許した。
      ◇
 北朝鮮による拉致被害者家族会の元事務局長で増元照明氏の落選が確実になった。宮城2区で敗北し、同党が比例東北ブロックの議席を獲得できないため。
      ◇
 東京19区の山田宏幹事長は比例東京ブロックで、桜内文城政調会長は比例四国ブロックで復活できず、落選が確実になった。 (共同)

焦点:安倍政権は予算編成加速、歳出絞り込みが財政再建の試金石 2014年 12月 15日 08:24 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0JS0VT20141214?sp=true

・・・
来年度税制改正大綱は当初、来年1月9日で調整をしていたが、大幅に前倒しされ、12月30日にもとりまとめる予定。これらを踏まえて15年度予算案の閣議決定は1月14日となる見通し。・・・



12月12日(金) 選挙前に(2)

選挙戦も終盤、ネットでは厳しい意見が掲載され参考になったり、呆れたり。

最高裁判所裁判官国民審査広報にはその方の関与した事例が掲載されている。
だがそれ以外に「これは?」と思う判例があるがそこには載っていないものもある。

■ダメ裁判官に×を!最高裁判所裁判官国民審査で鬼丸かおる、木内道祥、山本庸幸、山崎敏充に×を!
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-5659.html

対応の仕方で男を上げたかも知れないのに・・・共産党

最近政治ブログランキングに急浮上した「小坪しんや」氏のブログより
■日本共産党、選挙カーの対応を謝罪 倒れた女性を前に演説を中止せず、救急隊に通報遅れる 
目撃者「真ん前やで。倒れてんの丸見えやのに」
http://samurai20.jp/2014/12/aka/

民主党が復活するとは思えないが・・・

■あと数日で日本人は民主党をこの世から一掃することができる
http://www.bllackz.com/2014/12/blog-post_11.html

支持政党アンケートでは、公明党は3.4%(2014/10)
にもかかわらず衆院の議席6.4%、参院8.3%を占める。
小選挙区制、自公選挙協力の結果か、自民党にひっつき、中韓に阿る。

■公明党は「進歩的知識人」の劣化コピー
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51921876.html#more


12月11日(木) 選挙前に

大義なき解散選挙などと云われたが、安倍さんはやはり「戦後レジュームからの脱却」「憲法改正」を忘れていないと思われる。
(1)河野談話の検証に端を発して、朝日新聞が従軍慰安婦報道の謝罪にまで至った。
(2)みんなの党など野党の離合集散を誘発。
(3)自民党内の親中親韓議員のふるい落とし?
選挙争点の中心は消費税などではなく、中韓にどう対処するのか国民に問うているのではないだろうか。
総理が喧嘩を売ったGHQの占領期に遡る日本の変質中韓に偏るメディアが伝えないインドも東南アジアも称賛する安倍外交〜山村明義氏
2014.12.05(金) JBpress
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42366

マット安川 作家・ジャーナリストの山村明義さんが初登場。安倍自民党政権について、選挙前に考えておきたい日本の現状や課題、消費増税をめぐる財務省との駆け引きや対中政策のポイントなど幅広くお伺いしました。

山村 安倍(晋三)総理は消費増税を先延ばしにして、解散を決断しました。ぶっちゃけたことを言うと、これは財務省に喧嘩を売ったことにほかなりません。財務省の役人がお膳立てをし政治家に根回しして、日本のシステムを決めてしまう現状に、総理大臣として打てる手を打ったということです。

 しばらく前に政治と金の問題が取り沙汰されたのは、ある勢力が糸を引いた結果でした。彼らは反日的な情報を流しては、安倍政権の力を弱めようとします。それで急に元気になった財務省の方々が、10%に上げる方向に勢いづいた。
 それでも先延ばしを決めた安倍さんに、彼らは1年半後には必ず上げると言わせました。官僚が権力を握ることの危うさとはこういうことです。そのときの景気がどうでも消費税を上げると決めてしまうのはまずいでしょう。
 彼ら黒子のやっていることはベールに覆われ、いつの間にか全部安倍さんが悪いことになっているんです。

 速報値からすると、今年のGDPは上がらないことがはっきりしています。それでも消費税率を上げようと動いているのは、よほど何かの思惑がある、日本人をだまそうとしている勢力としか思えません。税率を上げれば景気はガタッと落ち込みます。

 8%に上げたことだって、どう考えても失敗でした。そこをさらに10%に上げなければいけない理由など、経済評論家にだって答えられません。財政再建が必要とはいいますが、その前に日本人の暮らしを豊かにすることに取り組むべきでしょう。

中韓に土下座しない安倍総理に権力を集中させよ

 第2次安倍内閣は外交面で素晴らしい成果を収めています。国連加盟国の半数近くに訪問しているというのは、今までならありえないことと言ってもいい。
 私が見聞きする限り、インドの人も東南アジアの人も、安倍さんを称賛しています。いい総理だ、自分たちのことを本当によく考えてくれる、と。日本のメディアは彼らに背を向けて、中国と韓国が言うことばかりを報道しています。不思議なことです。

 日中首脳会談に向けて事前に動いたのは、福田(康夫)元総理でした。訪中して、総理は靖国神社に参拝しないこと、尖閣諸島に関しては絶対に領有権を主張しないこと、という2つの条件を飲んできた。
 その上で安倍さんに、会談のときにそれを言ってほしい、言えば会談がうまくいくからと伝えたといいます。しかし、安倍さんはその通りにしなかった。いわば無条件でお会いになって、日本の言うべきことをきっちり言われたのです。

 今までの総理大臣とはずいぶん違います。昔なら中国に行けばペコペコするのが当たり前でした。チャイナスクールと言われる外務省の役人も、外交の場で何かというと頭を下げたものです。
 土下座外交と言われましたが、本当に情けない。その点安倍さんは、蹴るべきことは蹴るというスタンスでやっています。

 例えば親中派、親韓派の政治家が相手国に行き、勝手にご機嫌を取るようなことを言ってはうまくいきません。外交は信用第一なのですから、この人がこう言うのなら国が動くんだと思わせる必要がある。安倍さんに権力を集中させるべきです。
 安倍さんが強いことを言うと、危険だの戦前への回帰だのと言う人が多いのですが、それなら総理がリーダーシップを発揮できなくていいのでしょうか。改革の邪魔をしようというのか、日本を変えないほうがいいとでも言うのか・・・? そういう考え方はそろそろ改めたほうがいいと思います。

憲法、官僚支配・・・GHQの占領政策が日本人を変えてしまった

 昭和21年3月、GHQ民政局の局長コートニー・ホイットニーは、スタッフ24人を集めて、これからわれわれが日本の憲法を作ると宣言しました。これが今の日本国憲法の始まりです。

 今までは10日間と言われていましたが、実際には5日から8日間しかかかっていません。十数万点の関係資料からは、憲法の中身、少なくとも骨子となる部分はGHQが作ったということがはっきり読み取れます。前文も9条も、彼らが文案を練り、そのまま今日まで残っているのです。

 東日本大震災でも思い知らされたことですが、日本は緊急事態に弱い国家です。そもそも緊急事態にどうするということが、憲法には書かれていません。だから領海、領空を侵されても反撃はおろか、文句ひとつ言えないのが今までの日本政府でした。
 このままではいけない、少しは考えようという人が増えてもいいのではないか。しかし憲法は大事だから議論すらしないほうがいいと思わせる何かが、日本を覆っています。おかしなことです。

 財務省が国の徴税権、歳出権を牛耳っている今の状況も、さかのぼればGHQの占領期にたどり着きます。
 当時、GHQとの交渉や通訳をやられていたのは、大蔵省(当時)の事務次官だった宮沢喜一(元総理)さんをはじめとする方々でした。占領が終わるとき、彼らはGHQから権力を行使していいよと言われているんです。
 いわばGHQに権力を委託されて、戦後の彼らは動いてきた。財務省のお膳立ての通りに動いてくれる総理大臣がいいんだということを、財務官僚から直接聞いたことがありますが、背景にはそういう経緯があるわけです。

 アメリカの占領政策は日本人を変えてしまった。戦後の私たちが、絶えず改革を叫びながら、実際には組織や既得権益を守ることばかりをしてきたのもそのせいでしょう。
 占領政策を改めて見直して、日本人に必要なこととそうではないことの仕分けをしないといけません。その上で必要なことだけを残し、本当の改革を始めるべきです。

拉致問題解決のためにロシアの力を借りるのも手

 拉致問題の解決に向けて、北朝鮮に調査をさせていますが、なかなか答えが返ってきません。
 実は外務省自体、今回は無理だと思いながらことに臨んできたようです。ひとつには朝鮮総連本部の売却が影響しているという話もあります。日本政府が売ったものと思い込んで、朝鮮労働党の幹部が怒っているというんです。
 最近は中国も韓国も北朝鮮に対する影響力を失っています。特に中国は以前が100だったとすると今は10もありません。北朝鮮は中国に対して戦争を仕掛けかねない雰囲気ですし、韓国にも厳しい態度で臨んでいます。孤立せざるをえない中、残っているのが日本とロシアです。
 ことに目を引くのはロシアが北朝鮮に接近していること。今までの北朝鮮は石油から何から中国頼みでしたが、今ではすっかりロシアの世話になっています。事態を打開するには、ロシアの力を借りざるをえない局面ではないかと思います。

「マット安川のずばり勝負」2014年11月28日放送
安倍総理は消費増税先延ばしで財務省に喧嘩を売った

山村 明義(やまむら・あきよし)氏
作家・ジャーナリスト。『GHQの日本洗脳』(光文社)、『本当はすごい神道』(宝島社新書)、『民主党政権―悪夢と恐怖の3年3ヶ月』(青林堂)など著書多数(撮影:前田せいめい)

マット安川(本名:安川昌之)
(株)オフィスヤスカワ代表取締役。1973年1月10日生、神奈川県出身。O型。大学在学中から30種以上の仕事に携わり、のちに渡米。語学を学び、インターンシップ、のち現地法律事務所へ勤務、3年間マネジメントを担当する。帰国後、各界著名人のトレーナー兼マネジメントなどを手がけ、企業コンサルティング、事業マッチングのほか、TV・ラジオの番組DJ・企画制作など多方面に活躍中。



12月8日(月) 開戦記念日

大東亜戦争(1937--1952)は日中戦争、太平洋戦争という局面を含んでいる。
日米交渉決裂の結果、東條内閣は12月1日の御前会議において、日本時間12月8日の開戦を最終決定した。
日本時間1941年(昭和16年)12月8日未明の真珠湾奇襲攻撃がよく知られているが、もう一つ、同じ時間帯、南方のマレー作戦・コタバル強襲上陸がある。
第18師団歩兵第56連隊を基幹とする佗美支隊5,300名は、淡路山丸、綾戸山丸、佐倉丸の3隻と護衛艦隊(軽巡川内基幹の第3水雷戦隊)に分乗し、12月8日未明(日本時間)にコタバルへ接近した。波高は2メートルを超え上陸用舟艇への移乗は困難を極めた。午前1時30分、コタバルの海岸線で英印軍第8旅団6,000名との交戦が始まった。(Wikipedia)

参考ブログ・ホームページ
ブログ「老人タイムス」
■墨で消された大東亜戦争を伝えるマレーシアの歴史教科書 2014-12-08 05:43:58 | Weblog
http://blog.goo.ne.jp/bagus_2006/e/ea0b731eb07bbb90bd59f55222c307d5

沖縄県・読谷山村史
二章 読谷山村民の戦争体験
■コタバル敵前上陸   池原※※ 大正十年生
http://www.yomitan.jp/sonsi/vol05a/chap02/sec03/cont00/docu119.htm


12月8日(月) 反日国に侵されるメディア

「日本国民皆様」のNHKの敷地内にCCTV(中国中央電視台・中国中央テレビ)の日本支局が在る。
「同センターに電話をかけると、内線でそこに繋いでくれるほどだから、NHKとしては相当深い「関与」である。」(ブログ「台湾は日本の生命線」)

朝日新聞も本社にニュヨークタイムズ(米の反日新聞)東京支社、韓国の東亜日報の東京支社があるという。
30年以上も嘘の従軍慰安婦報道で謝罪はしたが、本気かどうか疑わしく、廃刊するという話は聞いたことがない。
おりしも衆院選、様々なプロパガンダを展開しているという。

鈴木傾城氏ブログ「DARKNESS」
■韓国で反日を煽る東亜日報の東京支社は、朝日新聞本社だ
http://www.bllackz.com/2014/12/blog-post_6.html

■日本を大批判するNYタイムズの東京支社は朝日新聞本社だ
http://www.bllackz.com/2014/12/blog-post_5.html

ニュヨーク・タイムズにはオオニシ・ノリミツと日本名を名乗る日系カナダ人(一説には韓国人)が活躍?し上記のプロパガンダに精出している。


12月6日(土) 石平氏のチャイナウォッチ「失聯」「土豪」

メルマガ「石平(せきへい)のチャイナウォッチ」より。
〜誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考〜
石平(せきへい)のチャイナウォッチ 2014年12月5日 10:58:02JST
http://www.seki-hei.com

■ 金融不安、貸し渋り、ヤミ金融…「失聯=夜逃げ」ドミノに見る中国経済の末日

中国の新聞に今、 頻繁に登場する新造語に「失聯」というのがある。
「連絡を絶つ」という意味だが、 多用されるのは企業経営者の場合である。
倒産寸前の企業の経営者が突然連絡を絶って夜逃げする、 それが失聯事件となって世間を騒がすのだ。
もちろんその際、企業の借金や未払い賃金などが 踏み倒されるのは普通である。
 たとえば最近、新聞に報じられた失聯事件を拾ってみよう。

10月22日と24日、広東省にある 2つの照明器具企業の経営者が相次いで失聯した。
そのうちの1つの企業の場合、 踏み倒された借金は7千万元(約13億4千万円)に上る。

23日、陝西省の企業経営者が 数億元の借金を踏み倒して失聯。
25日、山東省でも企業経営者が 従業員の未支払い給料45万元を踏み倒して失聯。

11月5日、雲南省では、 不動産開発会社の経営者が 県の「重点開発プロジェクト」の工事の途中で失聯している。
13日、中国中古車のトップブランドとされる 「易車匯」の経営者が失聯、 全国に点在する数多くの店舗が閉鎖された。

同じ13日、河南省の物流大手「東捷物流」の経営者が失聯、 同社に商品を供給している数百の企業は 売掛金の回収ができなくなってしまった。

そして14日、大連市で前代未聞の失聯事件が起きた。
中之傑物流と邁田スーパーという 2つの会社の経営者が同時に失聯したのだが、 この2人は実は夫婦だったのである。

このように多くの業界で、 経営者たちによる夜逃げ事件が多発しているが、 経済環境全体の悪化以外に、 「高利貸」と呼ばれる闇金融の氾濫も、 失聯事件を多発させた大きな原因である。

金融不安が高まってきている中で、 保身に走る国有銀行が民間中小企業への融資を渋った結果、 多くの中小企業が生き延びるために闇金融に手を出すことになった。

だが、借りた金の法外な高金利に耐えられなくなると、 経営者たちは結局、元本を踏み倒して失聯を選んでしまうのである。

このような現象が広がると、窮地に立たされるのは 高利貸をやっている民間金融業者である。
貸金が踏み倒された結果、 破綻に追い込まれるのは彼らの方だ。
そうすると今度は、民間金融業者の失聯も始まる。

たとえば、四川省の成都市では10月20日、 民間金融業者、創基財富会長の 段家兵氏の失聯が発覚したが、それに先立って、 9月4日には聯成●という民間金融の経営者が姿をくらまし、 同12日には、内江聚●融資理財公司の経営者が 飛び降り自殺した。
※●=晶の三つの日を金に

そして10月初旬、 地元民間金融大手の四川財富聯合が破綻して、 経営者の袁清和氏は夜逃げ先で拘束された。
9月からの一連の破綻・失聯事件で 焦げ付きとなった融資総額は百億元にも上ったという。

かくして今の中国では、 多業界にわたる「失聯」が各地で広がり、 そのドミノ現象で民間金融の破綻を誘発する という悪循環が始まっている。
民間金融から大量の資金を調達しているのは 不動産開発業者だから、現在進行中の不動産バブル崩壊はまた、 悪循環に拍車をかけることとなろう。
バブル崩壊後にやってくるのは金融の崩壊であるから、 中国経済の末日が確実に近づいてきているのが分かる。

習近平国家主席がアピールしてきた 「大国中国」の経済という名の土台はすでに崩れかけている。
( 石 平 )

〜誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考〜
石平(せきへい)のチャイナウォッチ 2014年11月17日 15:04:12JST
http://www.seki-hei.com

■ 成り金「土豪」が横行する中国

中国では今、「土豪」という新造語がはやっている。
日本語に意訳すれば、「泥臭い成り金」、 あるいは「あか抜けていない成り金」といった意味合いになる。

何らかのはずみで大金持ちとなった人が、 金のあることを露骨に誇示して世間の注目を集めようとしている。
こうした連中が、軽蔑と嘲笑の意をこめて「土豪」と呼ばれているのである。

それでは、土豪たちは一体、どのような行いで世間を騒がせているのか。

たとえば先月6日、江蘇省塩城地区の大豊市で 人々が仰天するような出来事が文字通り「天から降ってきた」。
この町で生まれ育った土豪の一人が「中秋の名月」の帰省のため、 自家用のヘリコプターで町の真ん中に降り立ったからである。

彼の生家がそこにあったわけでもない。 町の真ん中にヘリコプターを着陸させた唯一の目的は 「自家用ヘリを持つほどの大金持ちとなったこと」 を多くの市民に知らせることであろう。
よそで成功し郷里に帰って自己顕示する土豪は別にもいる。
昨年11月、重慶市栄昌県で老婦人が亡くなると、 企業家の息子は帰郷して盛大なお葬式を執り行った。
その際、この「大土豪」の息子は何と500卓の食卓を設置して 数千人参加の大宴会を催した。

生前の故人と縁があるかどうかはいっさい関係なく、 町の人なら誰でも、あるいはそこを通りかかった人なら誰でも 自由に参加して飲み食いすることができた。
宴会は空前のにぎやかさの中で大いに盛り上がったが、 それはどう考えても、亡くなった母親のためというよりも、 まさに土豪息子による、土豪息子のための、 単なる「見えっ張り大会」だったのではなかろうか。

お葬式が土豪たちの「金持ち自慢」の場となることがあれば、 結婚式も同様だ。今年8月、浙江省台州市では、 地元の土豪が高級ホテルで自分のための結婚披露宴を催した。
そのとき、会場の真ん中にピカピカの金色に塗られた机が置かれ、 金や銀や宝石の装飾品の類と一緒に、新札の山が「展示」されていた。
それらは全部、新郎から新婦への贈り物だというが、 決して、「新婦のため」でないのは誰にでも分かっているはずである。

札束の「展示」で驚くのはまだ早い。
今年3月、福建省長楽市で、 ある地元土豪の結婚披露宴が盛大に開催された。
宴会の最後、大皿に盛られて出された圧巻の「料理」を目にしたとき、 賓客たちは酔いがいっぺんにさめ、驚愕(きょうがく)の声を上げた。
それは別に「料理」でも何でもない。 大皿に載せられているのは実物の札束だった。

このように、今の中国では、カネというもの以外に 自分の存在価値を見いだすことのできない 成り金の「土豪」たちが横行している。
彼らの存在はまた、 この国のこの時代における 精神の貧困と堕落の象徴なのであろう。

その一方で、人々が彼らの行いを 軽蔑のまなざしで捉えて嘲笑していることはまた、 拝金一辺倒の風潮に中国人が嫌気がさし、 より洗練されたものを志向し始めたことの証拠ではないか。
「カネを手に入れたとしてもあの連中のようになりたくない」 と思う人は今でも多くいるはずだ。

おそらく今後、バブルの崩壊に伴って 土豪たちのよりどころとなる経済繁栄の「邯鄲(かんたん)の夢 (人の世の栄枯盛衰は、はかないものであることのたとえ)」 が一度破れた後、中国人は自分たちの身丈のほどをきちんと認識して、 より堅実にして節度のある生き方を求めることになろう。
そういう意味では、中国人自身のためにも、 一度の経済破綻はやはり必要ではないだろうか。
( 石 平 )

夜逃げ、成金は日本でも勿論ある。
罪の意識、ペーソス、少しの同情、滑稽味が加わる。
夜逃げでは取り立て屋にトコトン追い詰められる場合もあるが・・・


12月4日(木) 

選挙戦が始まっているらしいが、我が住まいの近所は静かなもの。
選挙区の有権者35万人に候補者は3名(公、民、共)だけだ。
人材がいないんだろうか、あるいは選挙にカネがかかりすぎるのだろうか。
当選挙区では、ここ何年も某宗教団体を支持母体とする公○党が居座っている。
当方支持政党の候補者はないから「戦略的投票」しかない。
つまり、当選させたくない候補者の次に支持の多そうな候補者に投票する。
無駄な抵抗かも知れないが、棄権すると強大な組織票に易々と潰されるのだ。
■「加瀬英明のコラム」メールマガジン
2014年12月4日 02:00:05JST
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi

侍日本から幼児日本へ

本稿を総選挙の結果ででる前に、書いているが、日本国民が幼児化してしまったことを、慨嘆しなければならない。

 アメリカでオバマ大統領が指導力(リーダーシップ)を失って、内に籠るようになったために、世界が騒然となっているというのに、自民党の最大の選挙公約といえば、「景気回復、この道しかない」というものだ。
 民主党のマニフェストをみると、「GDPが二期連続マイナスに! アベノミクスは期待はずれ」「社会保障充実の予算が半分に減らされた!」「実質賃金が15ヶ月連続マイナス。働く人はますます苦しく」といった大きな見出しが、躍っている。
 公明党は「いまこそ、軽減税率実現へ」、生活の党は「生活者本位の実現へ」、他の党も、国民により快適な生活を約束しており、似たようなものだ。

 だが、今の日本にとって何よりも重要な問題は、アメリカが意志力を萎えさせ、中国の脅威が募るなかで、日本の独立を守るために、何をなすべきかという、1点にあろう。
 もちろん、安倍政権も「憲法改正」と「国防」を、公約として打ち出すわけにはゆかない。
そうしたら、国民が背を向けて自滅する。

 これまで歴代の政府も、政党も、国民に国のために辛いことに耐えて、犠牲を払うことを求めたことが、一度もなかった。国民は国家を顧(かえりみ)ることがまったくなく、経済的な損得しか考えない。

 アメリカは享楽的な国として知られるが、ジョン・ケネディ大統領が就任演説で、「国が何ができるかということではなく、国のために何ができるか考えよう」と訴えたのは、有名である。
 歴代のアメリカ大統領は就任するに当たって、国民に国家に対する責任を果たすことを、つねに求めてきた。
 この20年をとっても、クリントン大統領が就任式において、国民に「奉仕の時代(シーズン・オブ・サービス)が来た」と呼びかけ、ブッシュ(子)大統領は、国民に「責任の時代(リスポンシビリティ・エラ)に応える」ことを求めた。
オバマ大統領も、国民に「耐え」「責任を分かちあい」「勤勉、忠誠心、愛国心」を訴えた。

 日本では総選挙のたびに、政党が「生活第一」とか、「生活重視」といったスローガンを、掲げる。与野党とも「何よりも生活」を優先するということでは、変わらない。
 だが、日本が幕末から明治にかけて、国家として存立を問われた時に、為政者が何よりも「生活を重視する」ことを、訴えただろうか。

 今日の日本の政治家には、国民に困難を分かち合い、犠牲を払うことを求める気概がない。

 かつて日本占領にあたって、マッカーサー元帥が「日本人の精神年齢は12歳だ」と、嘲(あざけ)ったことがあった。だが、12歳だったら、国の独立を守ることが大事であることを、理解しよう。
 ところが、今日の日本人の大多数が、国の役割といえば、オヤツか、ケーキを配ることだと信じているから、いつのまにか、3歳か、4歳の幼児になってしまっている。

 多くの国民が「日本国憲法」を、“平和憲法”として崇めているが、日本を非武装化して、二度とアメリカの脅威とならないようにしたものだから、“アメリカのための平和憲法”である。



12月3日(水) 加瀬英明氏「日本の政治風土を考える・総理と大統領の違い」

■「加瀬英明のコラム」メールマガジン
日時: 2014年12月2日 02:00:06JST
件名: 日本の政治風土を考える 総理と大統領の違い
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi

 10月に、ワシントンに戻った。国務省の元日本担当者で、国防大学の教授をつとめている友人と、昼食をとった。
 すると、「安倍首相は日本にとって、久し振りに世界に通用するリーダーだ。ところが、安倍内閣は順調だったのに、どうして2年しかたたないのに、大幅な内閣改造を行ったのか」と、たずねられた。
 私は「『指導者(リーダー)』という言葉は、日本語に明治に入るまで、存在していなかった。日本は決定が合議(コンセンサス)によって行われたから、リーダーという西洋語が入ってきた時に、新しい翻訳語が必要となったために、造ったものだ」と、説明した。

もちろん、日本には、今日でもリーダーはいない。

 アメリカの大統領
 アメリカの大統領をとれば、本来の言葉どおりの指導者(リーダー)であって、かつて絶対権力を握っていた王に近い。
 閣僚も、各省庁の幹部も、上から下まで「プレジデンシャル・アポインティ」(大統領任命官)と呼ばれて、大統領によって任命されて、その地位にいるから、全員が大統領の代理人である。1人ひとりが、“大統領の人格の延長”であるとされている。

 指導者も独裁者も輸入語
 ところが、日本は歴史を通じて合議制をとってきたから、「指導者」という言葉も、「独裁者」という言葉も、明治に入ってからしばらくたつまで、存在していなかった。2つとも、いわゆる明治翻訳語である。
 日本の閣僚は、首相の代理人ではない。そこで、西洋人には理解しがたいことだが、首相が与党の支持をとりつけるために、内閣を頻繁に改造して、閣僚を入れ替えなければならない。

 『雙解英和大辞典』をひいてみると
 私は神田の古本屋で求めて、いまから130年あまり前になる明治25(1892)年に発刊された、『雙解英和大辞典』(東京共益商社)を私蔵している。
 分厚い辞書で、1288ページにわたる。先人たちがいかに英語と苦闘したか、偲ばれる。
 この辞典でリーダーleaderをひいてみると、「案内者、嚮導(きょうどう)者、先導者、指揮者、首領、率先者、巨魁(きょかい)、総理、首唱者」と説明されている。まだ、「指導者」という言葉がなかった。
 今日では、「独裁者」という言葉も、日本語のなかにすっかり定着しているが、ディクテーターdictatorをひくと、「命ズル人、独裁官、主宰官(危急ノ時ニ当リテ一時全権ヲ委ネラレタル)」としか、説明されていない。

 比較宗教と神話の研究

 私は比較宗教と神話の研究者であるが、世界の文化のありかたを、それぞれの宗教と神話によって、説明することができる。

 日本の神話の最高神は女性
 日本神話では、女神の天照大御神が最高神でいらっしゃる。
 至上神が、女性であるのは、他の主要な神話にみられない。
 中国の最高神である天帝は、男だ。朝鮮の檀君(タンクン)神話の至上神は上帝恒因(ソンジェファンイン)であるが、やはり男性神である。

 ギリシアの最高神
 ギリシア神話では、男性神のゼウスが最高神である。ローマ神話のユピテルも男であって、ゼウスと同じように雷を武器として、高天から世界を支配する。北欧神話の最高神で、男神のオーディンは風の神であり、「吹く」という意味だ。どの宗教も、神話も、それぞれの地域の人々が造った、いってみれば民芸品なのだ。

 インドの最高神
 インドのヒンズー神話の最高神も、男性だ。古代エジプトの最高神のラーも、男性神であって、太陽神である。バビロニア神話と、ペルシア神話の主神であるマルドゥクと、アフラ・マズダーも、男性神である。

 これらの最高神は、絶対権力をもっているリーダーである。
 神話を古代人による造り話だといって、斥けてはなるまい。神話はそれぞれの文化を、模している。
 日本神話を読むと、今日でも日本人のありかたが、あの時代からほとんど変わっていないことを、教えてくれる。

 天の岩屋戸の物語
 天照大御神が、天の岩屋に籠(こも)られると、全宇宙が暗闇に閉ざされてしまった。
 八百万(やおよろず)の神々が、天(あめ)の安(やす)の河原に慌てて集まって、どうしたらよいものか、相談――神謀(かむばか)る。さまざまな知恵が、講じられる。
 天の岩屋戸の物語は、きわめて日本らしい。
 八百万(やおろず)の神々が、「神集(かむつど)ひ集(つど)ひまして神謀(かむばか)る」が、リーダーが不在なのだ。他国の神話には、このような場面はみられない。他の国々の文化であれば、全員をまとめて決定する主神がかならずいる。

 聖徳太子が『十七条憲法』
 そのはるか後の604(推古12)年に、聖徳太子が『十七条憲法』を制定した。
第10条目では、「自分だけが頭がよいと思ってはならない」と、諭している。第17条では、「重要なことを、ひとりで決めてはならない。大切なことは、全員でよく相談しなさい」と、定めている。
 このような衆議による伝統は、神代からあったものだ。
 「神話」という言葉も、明治に入るまでは、日本語のなかに存在しなかった。
 「神話」も英語のミソロジーmythologyを訳するために造られた、翻訳語である。
 先の英和辞典でmythologyをひくと、まだ「神話」という訳語がない。「神祇譚、神代誌神怪伝(異教ノ)」としか、説明されていない。

 「ふること」の意味
 徳川時代が終わるまでは、神話を「ふること」といった。古事(ふること)、古言(ふること)という漢字が、あてられた。『古事記』は「ふることぶみ」と、読む。
 このごろでは、日本民族の成り立ちである神話を否定して、原発の「安全神話」が崩壊したといったように、現実から遊離した造りごとか、虚構といった意味で使われている。
 だが、明治訳語はいまだに新入りであって、私たちから遠いところにあるはずだ。「神話」は、「ふること」と呼びたい。

 女親のふところ包む親心
 男親が子どもたちに優劣を競わせて、規律を課すのに対して、女親はできる子も、できない子も均しく守って、暖かく包む。女性を最高神とする日本は、優しい文化であってきた。

 国の呼び名「母国」の暖かさ
 日本では祖国を指して、「母国」としか呼ばない。英語、ドイツ語ではファーザーランド、ファーターラントという。フランス語にはラ・パトリ――父国という、表現しかない。
 大化改新が行われた皇極4(645)年に、皇極天皇が詔(みことのり)を発して、「独(ひと)リ治ムルベカラズ。民ノ扶(たす)ケヲ俟(ま)ツ」と、述べている。衆議を定めている17条憲法と、同じものだ。

 このようなことは、あの時代に専制政治体制がとられていた、中国、朝鮮、ヨーロッパなどの諸国では、考えることができない。
 何ごとも合議によるから、謙虚である。日本の歴代の天皇は、国土が天災によって襲われると、自分の過ちであり、徳が備わっていなかったからだといって、反省する詔をしばしば発してきた。

 天皇は民と共に
 平城天皇(在位774年から824年)は、大規模な水害に見舞われた後に、「朕の真心が天に通じず」天災を招いたが、「この災いについて考えると、責任は朕一人にある」と詔のなかで、自らの不徳を責めている。
 このような詔は、平城天皇だけに限らず、聖武天皇、清和天皇などの多くの天皇によって発せられている。他のリーダー諸国では、ありえないことだ。
 江戸時代が終わるまで、上に立つ者は、頭(おかしら)、頭目、頭立(かしらだつ)、重立(おもだて)、主立(おもだて)などと呼ばれたが、合議によって、人々を統率した。

 「自然」という言葉も、ネイチュアの明治訳語である。それまで、日本には人とネイチュアを区別するような、発想がなかった。
 いまでは、「神話」という言葉が「古事(ふること)」を置き換えている。
 西洋に傾(かぶ)くようになって、日本人らしさが失われるようになっている。



12月1日(火) 台湾統一地方選挙・国民党惨敗

民進党に惨敗した台湾国民党 「中国政府もショック」
http://www.epochtimes.jp/jp/2014/12/html/d38098.html

【大紀元日本12月1日】29日に投開票された台湾次期総統選の前哨戦となる統一地方選挙は、与党国民党の大敗、最大野党民進党の圧勝で幕を閉じた。親中派の国民党の惨敗について、大紀元時報米国本社のコラム二ストは「中国政府も大きなショックを受けたに違いない」と指摘した。

 6直轄市を含む22の県市のトップや地方議員など九つの選挙を同時に行う台湾史上最大規模の選挙戦。総人口の約7割を占める6直轄市長選で国民党は新北市のみ死守した。22の県市のトップ選挙においては、国民党の6県市に対し、民進党は倍以上の13の県市で勝利を収めた。

 国民党の党首、現職の馬英九総統は29日夜、敗北を認めて支持者に謝罪した。

 投票所の出口調査によれば、民進党と無党派に若者層の支持が集まったほか、30〜50代の従来の国民党支持層の票も大量に流入した。有権者が馬政権にはっきりと「ノー」を突き付けた選挙結果ともいえる。

 馬英九総統は2008年の就任以来、両岸の経済・貿易往来を強化する対中融和策を推進してきた。また、中国資本が台湾メディアに参入するなど、中国政府の台湾に対する各方面の影響力が日増しに強まっている。市民の間では、この現状への懸念が広がる一方だ。今年3月、中国・台湾間の市場開放を目指す「サービス貿易協定」の調印に反対する学生たちが立法院(国会)を占拠し大規模な抗議運動を引き起こした。また、格差社会の広がりや住宅価格高騰、食の安全問題など馬政権に対する有権者の不満も高まっている。

 今年6月から続いてきた香港での学生ら民主派の抗議活動も、一国二制度の形骸化を台湾社会に印象付けた。そもそも、一国二制度は当初、台湾との統一のために提案された構想だった。香港への露骨な政治干渉に多くの台湾人は「明日は我が身」と危惧している。

  中国大陸・国務院台湾事務弁公室(国台弁)の張志軍主任が、柯文哲氏が当選した場合、同氏も対話・交流の基礎として92年コンセンサスの共通認識を持つことを望むとするコメントを出したが、柯氏は選挙活動中、「92年コンセンサスはどういう内容ですか」と疑問視する発言をした。

 今回の選挙結果を受け、与党国民党の主導権が弱まるのは避けられない。中国政府は今後、両岸の交流に慎重的な民進党と接しなければならないことになる。大紀元時報米国本社のコラム二スト楊寧氏は、「中国政府にとって大きな悩みであるに違いない」と指摘した。
(翻訳編集・叶子)

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26年(2014)12月1日(月曜日)通巻第4409号

http://melma.com/backnumber_45206/

台湾統一地方選挙で国民党が惨敗したが
  すでに次の運動は2016年、総統選挙へ移行


 11月29日に投開票が行われた台湾の統一地方選挙で、中国国民党は歴史的な大敗を喫し、江宜樺・行政院長(首相に相当)が引責辞任した。
 6つの直轄市で中国国民党候補が勝ったのは新北市のみ。それも民進党候補に約2万4千票差に迫られる接戦だった。この直轄市6市を含む22の県・市で、中国国民党は15席から6席となり、民進党が6席から13席に倍増、無所属も1席から3席に増えた。
 中央選挙委員会によると、投票率は67.59%、有権者数は1851万1356人。29日夜11時25分にすべての開票作業が終わった。
 今回選挙の最大の特徴は台北市に現れている。組織に頼らない無所属の柯文哲候補が24万票もの大差をつけ、中国国民党の連勝文候補を下した。連候補は、中国国民党の正統を象徴する連戦・中国国民党名誉主席の御曹司。一方の柯候補は台湾大学医学部の外科医で無所属。いわゆる藍(ブルー)と緑(グリーン)という2大政党によるイデオロギーのぶつかり合いとはならなかった。

 柯候補は民進党に頼ることなく、自らの力で民意に訴えた。民進党は遠巻きに支持するだけだった。台北市民は柯候補を選んだ。
 これは、ひまわり学生運動の学生たちが示した構図だ。民進党などの政党に頼ることなく、自らの力で立法院を占拠し、中国とのサービス貿易協定に異を唱えたのとまったく同じ構図だ。民進党は学生たちを遠巻きにして応援するしか術がなかった。
 選挙中、連候補の父の連戦氏は、ひまわり学生運動世代について「社会の不安定を招いている」と批判した。しかし、民意はひまわり学生運動を支持した。
 今回の選挙で、台湾の民意は、政党によるイデオロギー対立を望んでいないことが明らかになった。社会の不安定を招いていたのは政党対立だったのだ。台湾の民主主義は新たな段階に入った。
 今回の選挙結果で、2016年の初頭に行われる立法委員と総統の国政選挙では、俄然、民進党が優勢になったのかもしれない。しかし、この見方は浅いのではないだろうか。
 当選した柯文哲氏が記者会見で「政治を信頼することはすなわち良心を取り戻すことだ」と述べたように、台湾の民意は政党のイデオロギー対立ではなく、台湾人としての良心を取り戻すことにある。民進党は大幅な路線修正を求められている。大勝して浮かれているときではない。
       ◇  ◇  ◇
2014九合一選舉 各縣市長選舉結果【自由時報:2014年11月30日】
http://www.ltn.com.tw/
(カーソルを選挙区に合わせると、全候補者の政党や得票数、得票率が示されます) 次点との差が3万票を切った接戦地区は以下の通りです。

新北市:24,528票
朱立倫(国民党)959,302票(50.06%) 
游錫●(民進党)934,774票(48.78%) ●=方方の下に土

桃園市:29,281票
鄭文燦(民進党)492,414 票(51.00%)
呉志揚(国民党)463,133票(47.97%)

新竹県:5,611票
邱鏡淳(国民党)124,309票(46.94%)
鄭永金(無所属)118,698票(44.82%)

南投県:5,642票
林明?(国民党)149,361票(50.96%)
李文忠(民進党)143,719票(49.04%)

台東県:10,412票
黄健庭(国民党)64,272票(54.41%)
劉櫂豪(民進党)53,860票(45.59%)

澎湖県:5,631票
陳光復(民進党)29,164票(55.34%)
蘇崑雄(国民党)23,533票(44.66%)

金門県:8,819票
陳福海(民進党)23,965票(52.77%)
李沃士(国民党)15,146票(33.35%)

        (「李登輝友の会メルマガより転載」)
         ◇□ ▽□



11月29日(土) 田母神俊雄氏・次世代の党から衆院選出馬

都知事選で60万票をとった田母神俊雄氏が次世代の党から衆院選に出馬することになった。 東京12区の太田氏(公明)と激突。
自公の共通公約なるものを見ると、自民公約「日本を取り戻す」自主憲法制定・憲法改正の一字もなかった。
公明党ブレーキによって本来の自民党公約が消されたのだろう。
同様に西村眞悟氏が大阪16区で前国交相北側氏(公明)と戦う。
自公分離を目指す田母神氏・西村氏に期待する。
次世代・田母神氏「自民党の右側に柱をたて、自公を分離させる」 出馬会見詳報
 (産経新聞)2014年11月28日(金)19:09
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20141128563.html

 元航空幕僚長で太陽の党代表幹事の田母神俊雄氏が28日、国会内で記者会見し、次期衆院選に東京12区から次世代の党の公認を受けて立候補する意向を正式に表明した。記者会見には次世代の党の平沼赳夫党首と藤井孝男総務会長が同席した。詳細は以下の通り。
     ◇
 「このたび、次世代の党の公認を受けて東京12区から衆院選に出馬することを決心した。私は安倍(晋三)自民党内閣の『日本を取り戻す』とか『戦後レジームからの脱却』を支持する立場だ。女性の社会進出とか増税の方向性とか、違う点はあるけれども、基本的に『日本を取り戻す』という考え方に賛成だ。そのために憲法を改正し、日本を取り戻すことが必要だし、集団的自衛権の公使を容認することも必要だと考える」

 「しかし、自公連立政権の中で、公明党はこれら安倍総理がやろうとしていることに基本的にみんな反対だ。だから安倍首相が頑張っても、今の自公連立政権では日本を取り戻すことは無理なのではないかと私は思っている。したがって、自民党の右側にしっかりと柱を立てて「安倍首相、もっとしっかりやってくれ」という健全野党ができ、次世代の党が勢力を拡大して自公分離ができて、いわゆる保守の連合が成立するようになって初めて、日本を取り戻すことができるのではないかと思う」

 「私は太陽の党を今年9月に設立したが、(来年)1月1日を過ぎないと公職選挙法の(候補者届け出)政党になれず、太陽の党から立候補できないということだった。何とか立候補の道を探っていたところ、考え方も非常に近い次世代の党から今回立候補させていただくことになり、公認をいただいた」

 「私は東で現国土交通相の太田昭宏先生と戦い、西村眞吾衆院議員は大阪16区で前国交相の北側一雄さんと戦う。公明党と戦って自公分離を進めたいという思いで立候補する。自公を分離させなければ日本の将来は危ないのではないかと私は思っている」

 「『公明党と戦うことはやめたほうがいい』と、ずいぶんいろんな方から注意を受けた。『ひどい嫌がらせがあるから』ということで。でも、そんなことを言っていたら戦えない。嫌なことがあったら皆さんに全てお知らせする」
 --昨日の次世代の党都連大会で立候補予定者が登壇した際は田母神氏はいなかった。今日の会見とのタイムラグが生じたのはなぜか

 藤井氏「短期決戦だ。12月2日公示だから時間的余裕がない。議論している余裕がない。いろいろな意見があったのは事実だが、解散後の両院議員総会で最終的には平沼党首に一任することを全会一致で決定した。今日、党首から最終的な判断が出て、それを田母神候補が引き受け、今日(の表明)になった」

 --東京12区からの立候補は単に自公分離が目的なのか、地縁があるのか
 田母神氏「(東京12区内にある)赤羽に1年ほどいたことがあるが、地縁は特にない。自公分離を狙いとして立候補する」

 藤井氏「東京12区は自民党候補者が出ない。前回の選挙では無効票が4万票ぐらいあったようだ。それで本当に有権者の選択肢があるのかどうか。全く自民党の候補者も出さないのは、ある面ではおかしいのではないか。有権者が選択できる幅を持たせることが必要ではないか」

 --党内でいろんな意見があっても田母神氏に出てほしいという最終判断をした平沼氏の思いは
 平沼氏「私は党首であると同時に選挙対策本部長だ。だから、いろいろご意見があるけれども最後の決断は私にさせてほしいという形で、今日が決断する時期だと思って、決断させていただいた」

 --公示以降、何を訴えるか
 平沼氏「私どもは安倍さんのやり方を前向きに評価しているところもあるが、アベノミクスの第三の矢に具体性がない。東京なんかは割合景気が良くなってきているけれども地方は疲弊している。第三の矢をもっと具体的に補強すべきだと主張していきたいし、8つある(次世代の党の)基本政策の筆頭は自主憲法の制定だから、このことも訴えていかなければならない」

 同「田母神さんは安全保障の専門家だ。安全保障の面でも、憲法の前文の『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』という考え方じゃなくて、軍国主義になるという形じゃなくて、われわれの安全と平和は自らの力で担保していく。そういうことも盛り込んで主張していきたい」

 --西村氏も田母神氏も自公分離を訴えている。平沼氏の考えでもあるのか
 平沼氏「同じ考えを私はずっと持っている」

 --田母神氏は太陽の党の代表幹事だ。太陽を離党して次世代から出馬するのか
 田母神氏「その通りだ」

 --田母神氏が一番訴えたい政策は何か
 田母神氏「国民を守れる政治にしなければいけないと思う。例えば尖閣の海は日本の漁船が操業できない。中国の船は自由に操業する。そして中国の漁船と日本の漁船の衝突が起きると大変だからということで、海上保安庁は日本漁船に『尖閣の海に近づくな』という指示をしている。そういうことが長く続くのは全くおかしいと思う。国は国民の生活を守らなければいけない。でも守られていない状態が続いて放置されている。こういうことを改善しなければいけないし、こういうことが放置されているから小笠原でサンゴがとられるとかいう事件も起きる。国際社会の中では富と資源のぶんどり合戦みたいなものだから、きちんと国を守るということを細かい部分でやっておかなければ、どんどんこういうことが起きると思う。国民を守れる政治を実現したい」

 --党の認知度アップを課題としてきた。知名度の高い田母神氏にどんな役割を期待するか
 平沼氏「わが党は8月1日に結党し、9月16日に結党大会をしたばかりの政党だから知名度がない。石原慎太郎最高顧問も全国的に大変有名な人だし、田母神さんも東京都知事選に出て61万票を取るぐらいの全国的に顔の広い人だから、大いに知名度を上げ、そして党のためになってくれると認識している」

 --平沼氏は憲法改正についての質問に対し、首相が何も答えなかったのに不満を示していた。これも対決姿勢の理由になったのか
 平沼氏「次世代の党はいいものはいい、悪いものは悪いというというのが基本姿勢だ。是は是、非は非でいくわけだから、対決はしていない。ただ、私は25年間自民党にいて、安倍首相とも深い付き合いがある。この前の所信表明演説をよくみてみたら憲法のけの字も出ていなかったので、代表質問でそのことは指摘させていただいたけれども、私の感じでは安倍さん自身は諦めていないと思っている」



11月29日(土) 沖縄県知事は『福州市名誉市民』

親中議員は国会、地方議会に少なからず見られる。
若手議員を大挙引き連れて接待を受けたO氏とか、
ハニートラップにかかった議員や自殺に追い込まれた外務職員など。
外部からみるとどうしてそんなことになるのかと思うが、渦中にあるものは中々自覚できず罠にはまっていく。中には確信的に売国行為を行う人もいる。
この方はどうか。
台湾は日本の生命線! [メルマ!:00174014]
日時: 2014年11月27日 21:17:49JST
件名: 【メルマガ台湾は日本の生命線!】
 翁長雄志・新沖縄県知事への中国「取込み」プロセス

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
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2014/11/21/Fri

十一月十六日、沖縄県県知事選挙で普天間飛行場の辺野古移設反対を掲げる翁長雄志前那覇市長が当選を決めるや、英BBCの中国語サイトはこれを速報。見出しは実に「福州『名誉市民』が沖縄県知事に当選」。
記事は「選挙の最大の争点は普天間基地の移転問題」「沖縄県民の大部分が日米政府による移転計画に反対していることが反映された」「困難だらけの日米計画に新たな不確定要素が添えられた」と論じながら、次のように伝えるのである。

「翁長氏は二〇〇〇年に那覇市長に就任後、同市が中国の福州と姉妹都市関係にあることから、〇五年には福州市から『名誉市民』の称号を贈られている。先月に市長を辞任しているが、那覇市のホームページには『私が名誉市民の表彰を受けたのは、上山中学校と福州市の外語学校との交流を行なうなど、市民の方々、それから歴代の市長を始め、職員が一生懸命、福州市とこれまで交流を続けていただいたことでの表彰であり、那覇市の代表ということで受け取って参りました』と載せている」

つまり今回の選挙結果の日米関係への影響を考える上で、この報道は翁長氏と中国との密接な関係に着目しているわけである。実際に同氏は、名誉市民とされてから親中反米姿勢を強めだしたと言われている。
ちなみに上記のホームページにある翁長氏の言葉は、福州からの帰国後、市の広報のインタビューに答えてのもの。

「福州市から『栄誉市民』の表彰を受けましたが、何かものすごい歓迎を受けたと聞きました。そこで、まず、具体的にどのようなことで、表彰を受けたのか、と、中国式と言うのでしょうか、その歓迎ぶりについて、少しお話しをしていただけますか」との質問に対してだった。

同氏はそこではさらに下のようにも話している。翁長氏が福州市に籠絡されて行くさまがありありと感じ取れるだろう。

―――その歓迎については、お国柄といいましょうか、すべての道路を交通規制して、厳重に警備されながらパトカーに先導され、ノンストップで案内してくださいました。
―――また、夜には中国共産党のトップの方々、福州市長を始めトップの方々と、私たち那覇市から六名が参加し晩餐会が催され、たいへん感激をしまして、最後はカチャーシーをして終わりました(笑)。
―――ただ、びっくりしたのが、翌日からフリーになるのかな?と思ったら、ショッピングなどの個人的な時間が若干あったのですが、この若干にもパトカーが付いて来て、ほんの二時間ほど福州の街を自由に歩きたいと思っていたのですが、ぴったりと中国の警官と職員が尾行して、僕が選んだお土産にもジッと見ているので、「僕はここを動かないから、少し離れてください」とお願いをしたのですが、五メートル以上は離れず、またジッと見ていましてね。たいへん戸惑いました(笑)。
―――このような歓迎は、たいへんありがたいのですが、しかし今度は福州市からおいでになられた場合は、あのような歓迎は日本の体制ではできないので、引け目を感じますね。渋滞する国際通りを通行止めにしたり、車が通ると同時にパレット前の掲示板で「歓迎!福州市長」と歓迎したり、まず無理ですよね(笑)。

―――今回の出張では、福建省の博物館の一つのコーナーにある、琉球の人の名前が彫られたお墓を見て、先人たちが築いてきた福州市と那覇市の長い交流をあらためて感じることができました。
―――今後も交流の輪をしっかり受け継ぎ広げていこうと決意を固めた授章式でした。

すっかり中国にメロメロのようだ。独裁国家の異常ともいえる待遇に、翁長氏は何の警戒心も持たなかったのか。どう見ても、中国お得意の「大歓待」という名の取込み工作を加えられているではないか。
こうしたことによって翁長氏が、あの国の善意に感激し、恩を感じる一方で、「名誉市民」などと持ち上げられて自尊心が満たされ、優越感を味わい、中国に従属することに生き甲斐を感じるという歪んだ心理状態に陥り、「交流の輪をしっかり受け継ぎ広げていこうと決意を固めた」のだとすれば、まさに中国の沖縄反米闘争支援のために進める県内分断工作の一つが成功をおさめたということになる。

このように見ると、福州市との友好交流を記念するとして、現在那覇市内で予定される龍柱の建設などは、翁長氏が「あのような歓迎」をやってみたいとの思いからのものではないかと思えて来る。
十八日の産経新聞コラム「産経抄」もこう書いている。

―――沖縄在住の作家、恵隆之介氏によれば、翁長氏は「鳩山氏よりもっと危険な親中派の人物」だという。すでに那覇市内の市有地には孔子廟(びょう)が建てられ、中国の石材を使った、高さ15メートルもの龍柱の建設が予定されている。
―――翁長氏に名誉市民の称号を授与した中国福建省の省都福州市は、習近平国家主席のお膝元でもある。翁長氏の背後には、習氏の影が見え隠れする。中国共産党の機関紙はかつて、琉球諸島の帰属は未解決との論文を掲載した。翁長沖縄県知事は、中国の支援を受けて独立を果たし、日米両国政府に「米軍撤退」を要求するのではないか。
―――こんなシナリオを紹介した恵氏の近著『迫りくる沖縄危機』(幻冬舎)が、沖縄で売れている。

翁長氏は当選証書を受け取った十九日、辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前に出向き、移設反対活動に狂奔し続ける極左グループを激励している。中国に取込まれ、日本国民としての誇り、理性を奪われた人物の行動の恐ろしさが発揮されるのは、いよいよこれからか。
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11月28日(金) 加瀬英明氏「日本国憲法第9条は『包装紙』にすぎない」

衆院が解散した。ただでさえせわしない師走に選挙戦が展開される。
当方の住む公営賃貸団地では公示前から公○党候補者のポスターがぺたぺたと窓外の桟にくくりつけられ見苦しい。外側は共有物の筈だが・・。URも甘い。
一棟二十四、五所帯で二,三軒が○○学会であることがわかる。
そのポスターは安倍首相の顔入りで今回も選挙協力前提か。
これでは自民党の憲法改正公約は何時になることやら。
日本国民のために働いてくれる候補者に投票したいのだが、党利党略小選挙区制では難しいのではないか。

衆院解散で「みんな」とか「生活」等の政党が消滅の憂き目にあっているそうな。
中共や韓国の方ばかり向いた政党や国籍不明の議員が多すぎる。
中共の東南シナ海侵略、半島の精神文化侵略が激しい今日、無関係ではないだろう。
山陰地方では道路標識、観光施設、山中の標識までハングル併記だった。
先般またしても対馬の仏像や経典が韓国人によって盗まれた。民放某キャスターは「物質世界への執着はダメだ」「怒るようなことではない」などと視聴者に説教を垂れたそうな。

来年は終戦(敗戦)七十周年にあたる。
GHQ押しつけ直訳の現行憲法は破棄し真の独立国になってもらいたいものだ。
■「加瀬英明のコラム」メールマガジン
件名: 日本国憲法第9条は「包装紙」にすぎない
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衆参議員会館前の歩道に、秋雨のなかに濡れながら、「憲法第9条を守れ」と書いたプラカードを持った10数人が立っていた。
 それほど、第9条が素晴しいものなら、ウクライナまで出かけて、9条の崇高な精神をウクライナ国民に説くことを、奨めたい。
 プラカードを手にした善男善女は、9条が「金甌(きんおう)無欠」のものだと、固く信じているにちがいなかった。
 戦前、昭和12年につくられた『愛国行進曲』に、「金甌無欠揺らぎなき、我が日本の誇りなれ」という歌詞があった。
 だが、いったい、憲法第9条は全世界に向かって、胸を張って、誇れるものなのだろうか?

 「平和憲法」と、誤まって呼ばれているが、誰もが、アメリカが占領下で日本からいっさいの武装を解除して、日本を未来永劫にわたって属国とするために、押しつけられたことを知っていよう。
 憲法というものの、憲法を装った不平等条約である。

 日本文化の大きな特徴の1つは、「包む」ことに、異常なまで執着してきたことだ。
 東大卒であれば、80、90の爺さまになっても、「あの人は東大出だ」といわれる。
 高島屋の包装のほうが、「西武百貨店」の包装よりも、有難がられる。
 御進物は、中身よりも包装のほうが、立派なことが多い。
 日本女性を包む着物は、世界のどの文化の衣(ころも)よりも、贅沢なものだ。世界のなかで、もっとも金(かね)がかかっている。
 日本の花嫁衣裳、歌舞伎の装束や、能衣装をとれば、マリー・アントワネットたちがベルサイユ宮殿で纏ったドレスや、中国の歴代の皇妃たちの衣装を圧倒している、絢爛豪華なものだ。
 つい、このあいだまでは、洋酒のジョニ黒や、輸入物のブランデーを貰うと、桐の箱に入っていたものだった。

 昨年は、富士山が世界文化遺産に登録されたところ、登山者が急増した。今年は、群馬県の富岡製糸工場が、世界文化遺産に指名されたが、それまでは誰も訪れることがなかったのに、観光客が殺到するようになった。
 日本は、包装文化なのだ。日本国民の多くが、憲法第9条も包装紙にすぎないのに、アメリカが日本を無抵抗な国民にするために、銃剣によって脅かして、強要したものだという、中身をよく見ようとしない。

 平和は祈ることや、念じることによって、もたらされない。平和は国民が努力して、創りだすものだ。
 議憲派の人々は昭和20年に金甌無欠の日本を守るために、「一億玉砕」の掛け声のもとに、「神州不滅」を念じて、竹槍を持って本土決戦に備えたことを、連想させられる。
 多くの国民が神風が吹いて、日本が最後の勝利をおさめると、教えられていた。
 青年たちによって、「神風(しんぷう)特別攻撃隊」が結成されて、敵艦に突っ込んでいった。

 元寇にあたって、全国の神社仏閣で護摩壇を設けて、敵国降伏を祈った。
 しかし、それと同時に、全国の武士たちが肌赤、褌(ふんどし)に日本刀をぶち込んで、槍を手に博多湾に集まって善戦したために、祖国が護られた。

 9条という衣を脱ぎ去って、素っ裸になって、日本の行く末を考えてほしい。



11月25日(火) 加瀬英明氏「『ミズーリ』号上の悔しさと誇り」

■「加瀬英明のコラム」メールマガジン
件名: 明年で70年〜「ミズーリ」号上の悔しさと誇り
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi

 9月が巡ってくると、東京湾に浮ぶ米戦艦『ミズーリ』号上で降伏式典が催されてから、70年目を迎える。
 私の父・俊一(としかず)は、重光葵(まもる)全権に随行して参列した。
 重光外相がマッカーサー元帥の前にしつらえられた机に置かれた降伏文書に、万涙を呑んで調印するすぐわきに、父が立っている。

 その前夜に、母のか津が俊一を呼んで、「あなた、ここにお座りなさい」といった。
 座ると、毅然とした態度で、「母はあなたを降伏の使節にするために、育てたつもりはありません」と叱って、「行かないで下さい」といった。
 俊一は「お母様、どうしても、この手続きをしないと、日本が立ち行かなくなってしまうのです」と答えて、筋を追って恂恂(じゅんじゅん)と訳(わけ)をあかした。

 しかし、か津は納得しなかった。
 「わたしには、どうしても耐えられないことです」といって立ち上ると、嗚咽(おえつ)しながら、新しい下着を揃えてくれた。
 私は中学に進んでから、父にミズーリ艦上で、どう思ったか、たずねた。
 すると、父は「日本は戦いには敗れたけれども、数百年にわたって、奴隷のように虐げられていたアジアの民を、解放した。そういう歴史的な大きな、新しい時代を開いたという意味で、日本は勝ったという誇りを胸に秘めて、甲板を踏んだ。重光も同じ考えだった」と、答えた。

 甲板にあがった時に、小さな日の丸が7、8個、灰色の壁に描かれているのが、父の眼に入った。あきらかに『ミズーリ』号が撃墜した特攻機を、表わしていた。すると、胸に熱いものがこみあげた。だが、敵将の前で涙を見せてはなるまい。
 父は「これほど、生涯で泣くのをこらえたことはなかった」と、語った。
 私は『ミズーリ』号の甲板に立った父の悔しさと誇りをいだいて、成長した。そして、今日に至っている。

 日本が大きな犠牲を払って、アジアが解放されると、その高波がアフリカ大陸も洗って、西洋の列強によって虐げられていたアフリカの民が、つぎつぎと独立していった。
 今日の人種平等の世界は、日本が戦ったことによって創り出された。
 日本は人類史で大きな役割を果した。大いに誇るべきである。


ネットより拝借画像


11月24日(月) 宮崎正弘氏「日清戦争から120年・・」

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26年(2014)11月19日(水曜日)弐通巻第4399号
http://melma.com/backnumber_45206/

日清戦争から120年の歳月が流れた
                         宮崎正弘

 2015年は中国、韓国が主体となり、ロシアを巻き込んだ「反日キャンペーン」がさらに拡大しそうである。
 まず韓国では2015年3月1日を「独立運動記念日」として、政府主催の記念式典を開催する。朴大統領は「加害者と被害者の立場は千年経っても変わらない」と演説している。
ついで韓国は3月26日は「テロリスト」の安重根を愛国烈士として祭り上げ、中国ハルビンの「安重根記念館」でも行事を行うという。

 中国ではどうか。
まず5月4日に「五四運動記念日」、7月7日が廬溝橋事件の記念日。おそらく習近平は北京の「抗日戦争記念館」の記念式典に出席し、日本批判の演説をするだろう。7月25日は日清戦争開戦の日に当たるが、すでに2014年に120周年の集会を行っている。8月15日の終戦記念日に韓国は「光復節」を行う。

 また中国では9月3日を「抗日戦争勝利記念日」と位置づけており、日本がミズーリ号で降伏文書に署名した翌日にあわせ、対日戦争で「勝利した」ことにする。歴史捏造である。
 9月18日は瀋陽にある「918記念館」で抗日行事を行う。
くわえて11月21日に「旅順大虐殺記念日」なるものを定め、1894年に旅順で日本軍の大虐殺があったという歴史捏造日にも記念行事、続いて12月13日、南京陥落を「南京大虐殺殉難国家追悼日」なる式典とする。

いずれも歴史的事実とは無関係の歴史捏造による政治宣伝、愛国主義の政治プロパガンダ記念日だが、反日気運を盛り上げ、つぎの尖閣諸島強奪に正統性を加味しようとする試みである。
ここにロシアが加勢しそうな雰囲気がある。
第二次世界大戦70周年にあたり、旧連合国の政治キャンペーンやイベントと意図的に重ね合わせられると、厄介なことになる危険性がある。

さて2015年4月17日は、日清戦争の終結となった「下関条約」から120周年の節目にあたる。
この条約を以て李鴻章は日本に賠償金を支払い、台湾は「化外の地」といって割譲した。
 本来なら国家が祝賀行事を行うべきだが、民間団体が主催のイベントしか日本では予定されていない。英国はトラファルガー勝利記念日を、フランスもパリ解放記念日を、豪やNZはたとえ敗戦した日であろうと「ガリポリ記念日」に盛大な軍事パレードを行う。

 習近平の中国は「甲午戦争の仇を討つ」と放埒に豪語してやまない。「愛国主義による中華民族の復興が中国の夢」と本気で唱えているのだから。

 ▼当時、東洋一の艦船を誇った清がなぜ日本に負けたのか?
 「甲午戦争」とは中国でいう日清戦争のことだ。当時、世界第四位の海軍力を誇った清は、西欧から購入した新鋭最強の軍艦を保有し「アジア一の海軍力だ」と自慢していた。
ところが日本ごときに「なぜ負けたのか」と多少の反省を籠めて甲午戦争を研究してきた。そしてこんどこそ日本を打ち負かせると自信過剰なほどの論説が中国のネット上に展開されている。  「愛国」を鼓舞し、反日で国民を糾合しようとする中国共産党の宣伝戦争の一環だが、あちこちで矛盾が吹き出している。

 陳破空(米国に亡命した論客)がこうした動きに厳しい論評を加えている(香港誌『開放』、14年八月号)。
 1888年、清は北洋艦隊を創設した。
これは清末期の洋務運動と富国強兵策の結果である。北洋艦隊の規模は日本の連合艦隊を上回り、艦船比較で12 vs 10,火砲の数量にいたっては日本の連合艦隊の三倍だった。
 現在の日中軍事力比較では中国海軍が質量ともに圧倒的に日本より勝る。中国海軍は65隻の潜水艦、31隻の駆逐艦、61隻の護衛艦、数百隻のミサイル装備船と一隻の空母を誇る。中国海軍の23万5000人に対して日本の海上自衛隊は僅か4万5000人しかいない。

 経済力を見ても当時の清のGDPの五分の一が日本の国力だった。世界の総合GDP比較で清は17・6%,日本は僅かに3・5%だったのである。
 こんにち、中国のGDPは世界第二位。日本は三位。こうした比較を勘案すれば戦う前に勝敗は明らかであろう。

 しかし清は日本に負けたのである。 
 第一の理由は軍の果てしなき汚職と腐敗である。軍の費用をがじるように幹部が食いちぎった。
訓練費用から兵士の食費にいたるまで貪官の汚職の犠牲となり、兵士の士気があがるわけはなかった。武器庫から砲弾を横流ししていたのだ。開戦三ヶ月前に慌てて砲弾を買い直した。艦船を動かす燃油を売り払い修理工場では機械を売り払っていた。
 いまもこの汚職と腐敗体質に替わりがないばかりか、中国人民解放軍の汚職の金額はべらぼうである。

たとえば2002年、中国海軍はロシアから現代級駆逐艦を購入したが、ロシアの売値6億ドルが中国軍の装備修理工場をへて最終的には14億ドルに化けていた。
 近年摘発されただけでも王守業中将(海軍副司令)の横領額は一億六千万元。谷俊山のそれは200億元と桁外れ。各地に豪邸、皇帝並みの大豪邸を建てて皇帝並みだった。
 失脚した徐才厚、郭伯雄らは中南海の贅を尽くしたお屋敷に暮らしていた。戦略ミサイル部隊もセメントでできたミサイルで員数を偽装し、予算は使い切っていた。

 北洋艦隊の基地は威海衛の沖合に浮かぶ劉公島だった。
艦長以下は艦で寝泊まりせず自宅には妻妾が同居していた。一般兵士は淫売窟へ通い、賭場は華やか、技楼だけでも70軒を数え、「武人は荒淫である」と嘯いて、まじめに艦隊勤務をしていない。開戦時、「威遠」と「来遠」の艦長は不在で妾の家にいた。指揮官が不在で誰も何をして良いか分からず、たちまち日本軍に撃沈された。
さきの王守業は愛人が六名、谷俊山は二十三人だった。

 北洋艦隊司令の丁汝昌らは責任を取って自殺した。まだ彼らは恥を知っていた。
 いまの人民解放軍幹部らは恥を知らない。日本に必ず負けるだろうが、誰も自決する軍人はいないだろう、と陳破空は結論した。

   さて外的な勝因がある。
 第一にアメリカは当時、朝鮮を見限っていた。
 第二に英国はロシアの南下を防ぐ手だてとして清を利用しようと試みたが、とても駄目と判断し日本に梃子入れをする。英国はこの時点で日本重視に舵取りを切り替えた。したがって英国領事館の情報は代理人を通じてほとんど日本へ流された。
 旅順で虐殺がなかったことは既に多くの文献で証明されている。
 この流れが1902年の日英同盟に繋がり、それから三年後の日露戦争勝利に繋がった。

(この文章は昨日(11月18日)に開催された「日清日ロ戦争記念顕彰国民大会」での宮崎の講演に加筆したものです)



11月11日(火) 日中首脳会談・進展無し

APECと並行して行われた三年ぶりの日中首脳会談はこれといった進展はなかった。
会談でいろいろ条件付けをした中共に対して日本側は一切譲歩しなかったゆえ、習近平の表情は硬く、握手も儀礼的なものにすぎなかったそうな。
反日一辺倒の中共、ニコニコしたらかえっておかしい。「一切譲歩しません」と主張した日本外交の勝ち。中韓には「ドアは開けておきます、用があればいつでもどうぞ」でいいのではないか。韓国も同様。
習主席、無礼のウラに中国国内不安 「弱腰」「譲歩」批判に怯える  2014.11.11
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20141111/frn1411111533009-n1.htm

 3年ぶりに実現した安倍晋三首相と中国の習近平国家主席による日中首脳会談。笑顔で語りかける安倍首相に対し、ニコリともせずそっぽを向く習氏の無礼な態度が話題になったが、習氏の対応は、「日本に譲歩した」という国内世論の批判を意識したものにほかならない。「会談」ではなく「会見」との表現を用いた中国外務当局の発表が、国内で追い込まれ、怯える習氏の立場を物語っている。

 「私も映像を見たが、どうすればよかったのか…」
 菅義偉官房長官は10日夕の記者会見で、外交儀礼上、例を見ない習氏の振る舞いへの困惑を隠さなかった。

 会談は、北京市の人民大会堂で約25分間にわたって行われ、第1次安倍政権当時の首相が胡錦濤国家主席との間で合意した「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻ることで一致した。
 国際政治学者の藤井厳喜氏は、会談での習氏の態度について「当然だろう。ニコニコしたりすれば、国内から批判を受けてしまう」と指摘する。首脳会談をめぐり中国側は、尖閣諸島や靖国神社参拝をめぐる問題での歩み寄りを開催の“条件”として示してきたが、日本側は一切譲歩しなかったからだ。
 実際、首脳会談に先立って日中両国が発表した合意文書に靖国問題が明記されていないことについて、中国のインターネット上では「(政府は)弱腰だ」と非難する声も起こっている。中国指導部は「日本に譲歩した」との批判を押さえ込むことに腐心しているのだ。

日中首脳会談に関する中国外務省の発表は、「会談」との表現ではなく、ホスト役が客人に会う時などに使う「会見」を用いた。「会見」のニュアンスは、日本語の「面会」や「接見」に近い。中国の国営通信、新華社(英語版)も、会談について「日本側の要請に応じて」行われたと速報した。

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の主催国として、安倍首相の「求めに応じて」あくまで儀礼的に面会した-。国内外にそうアピールしようという魂胆がミエミエだ。
 ただ、今回の首脳会談は、日本側にとって無意味だったわけではない。
 尖閣諸島や靖国神社の問題には両首脳とも言及しなかったものの、偶発的衝突を避ける「海上連絡メカニズム」の運用について合意したことは、危機管理面での大きな前進といえる。
 前出の藤井氏は「日本の原則的立場を貫いたまま会談を行ったという意味で、これまでの日中首脳会談とはまったく性格が異なる。立派な外交だったと評価していい」と語った。
日中首脳会談、ぎこちない握手も思惑通り 会談したことに「最大の意味」 2014/11/11
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141111/plt1411111540002-n1.htm

 【北京=阿比留瑠比】3年ぶりに実現した安倍晋三首相と中国の習近平国家主席による日中首脳会談は、個別の具体的懸案の処理や重要政策テーマを協議することではなく、会談を開くこと自体が主目的だった。

 「きょう両首脳が直接会い、関係改善に向けて率直な話し合いをもったことに最大の意味がある」
 会談後、政府筋はこう振り返った。会談前に外務省幹部も「今回は、会って会談して写真を撮ればそれでいい」と語っていた。

 会談冒頭、首相と握手を交わした習主席の表情はぎこちないままだったが、日本側としてはいったん握手をしてしまえば主導権も握れるという計算もあった。日中外交筋はこう語る。
 「第1次安倍政権当時の平成18年に、首相が胡錦濤国家主席と会談したときもそうだ。会って握手した瞬間にこっちが強い立場になる。中国側は対日方針を転換して会った以上、関係が悪くなると習執行部の失点となって後ろから矢が飛ぶ。だから一生懸命関係をよくしようとすることになる」
 会談で第1次安倍政権当時の首相が提唱した「戦略的互恵関係」がキーワードになったことも、日本側の狙い通りだ。これまで中国側は、いくら首相が「日本側のドアは開かれている」と呼びかけても、歴史問題などで対日非難を強めるばかりで応じてこなかった。にもかかわらず今回、日本に要求してきた靖国神社不参拝の確約や、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権問題の存在確認など諸条件を引っ込めて会談したことで、日中関係のあり方は変わった。

中国としては、主張の一貫性を保つため国内向けに安倍政権は「いい方向に変わった」「反省した」と宣伝せざるを得ない。そうなると、今後は対日批判を弱めていく可能性が高い。
 実際、会談でも「靖国」「尖閣」という言葉への言及は一切なかった。この問題で日本を批判すると、会談実施と整合性がとれず、中国国内で政権批判を招くことになりかねないからだ。

 「今後も徐々に、関係改善の努力をしていきたい」
 会談で習主席が「徐々に」という言葉を用いたののも、日本の対応を見守りつつ少しずつ軌道修正を図りたいと中国側の意向を反映しているといえる。
 もちろん日本政府は、会談したからといって諸懸案がただちに解決するとはみていない。尖閣諸島についても中国側が領有をあきらめることはないとみているが、偶発的衝突を避ける「海上連絡メカニズム」の運用も合意したことで、当面の危機管理上の意味は大きい。政府高官は今回の会談をこう位置づける。

 「尖閣諸島問題などで中国を押さえ込むためのキックオフだ」



11月10日(月) 石平氏「人民日報『勝利宣言』は根拠無し」

APECで行われる日中首脳会談の条件として、中共は上から目線で「首相の靖国参拝、尖閣領土問題など」条件付けを出していたようだが、日中両政府が会談についての合意文書では一致しなかった。当然の話。
しかし、中国のメディアは「外交勝利」の宣伝をした。日本でもこれに則った評論があったという。
いずれにせよ10,11日APEC首脳会議に併せて行われる日中首脳会談が注目される。
日中合意文書、3つの火種  産経新聞2014年11月9日(日)07:59
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20141109053.html

 ■歴史 重い「靖国」明記の回避
 ■領土 尖閣めぐり宣伝戦懸念
 ■危機管理 揺れる連絡メカニズム

 10、11日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて行われる日中首脳会談。日中両政府は7日、その地ならしとして合意文書を発表した。だが、日中間の懸案である「歴史」「領土」「危機管理」について、双方の立場が完全に一致したわけではない。約2年半ぶりに行われる首脳会談では表向き“友好ムード”が演出されるとみられるが、3つの火種はどうなるのか。

 安倍晋三首相と習近平国家主席の会談実現に向けて水面下で行われた交渉では、中国側が、(1)安倍首相が靖国神社に参拝しないと確約(2)尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権問題が存在-の2点を認めるよう強く迫った。

 靖国問題について、日本側は合意文書に「靖国」と明記することを拒否。首相が外国に強制されて靖国参拝をしないと明言する可能性がないことは中国側も認識しているとみられ、最終的に「政治的困難を克服」との表現に落ち着いた。

 「政治的困難」に靖国問題が含まれていることは、日本外務省幹部も認めているが、首相は7日夜のBSフジ番組で「これは個別の問題を含むものではまったくない」と説明。中国側の意向に関係なく、靖国神社に参拝するかしないかを判断する考えを表明した。

 首相が今後参拝すれば、中国政府が今回の合意文書に「違反」していると批判する可能性もあるが、合意文書に「靖国」の文言が入らなかった事実は重い。外務省幹部は同日夜、文書で「若干の認識の一致をみた」と表現されていることについて「そこがいいところじゃないですか。この万感の思いをかみしめてほしい」と語った。

 一方、尖閣諸島の領有権問題に関しては、文書の中に「尖閣諸島」と明記された。
 ただ、日本側は「変な妥協は一切していない」(交渉担当者)としている。文書で「異なる見解を有していると認識」としている点についても、首相は7日夜、「日本の領海に(中国の)公船が入っていることについて中国側に抗議している。そうしたことが『緊張状態』となっているという見解となる」と述べ、あくまで安全保障問題について立場を異にしていることが文書に反映されているとしている。

 とはいえ、首相自身が「中国側はおそらく中国側の考え方があるわけだが…」と認めるように、尖閣諸島領有権問題の棚上げを主張し続けてきた中国側は、日本側が歩み寄ったと評価している。国際的な宣伝戦で「日本が棚上げを認めた」と触れて回る可能性が高い。

 こうした事態を見越してか、日本側は合意文書の解釈をめぐる発信に余念がない。首相や外務省幹部が7日夜に日本の立場を繰り返し説明したほか、8日には石破茂地方創生担当相も読売テレビの番組で「(尖閣に)領土問題があることを認めたわけでない。日本の姿勢はまったく変わらない」と強調した。

 米国を含む国際社会が最も関心を寄せているのが、日中間における軍事的緊張の緩和。中国軍による射撃管制用レーダー照射や、中国軍機の異常接近などは、世界第2位と第3位の経済大国が偶発的に衝突しかねない危険をはらむからだ。

 この点について、合意文書には「危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた」と明記。日中両政府が大筋合意したまま、棚ざらしとなっている「海上連絡メカニズム」の早期運用開始に期待が集まる。

 ただ、連絡メカニズムに関する協議再開は9月に中国・青島市で開かれた高級事務レベル海洋協議で合意されているが、2カ月以上経過しても作業部会の日程は固まっていない。9月の海洋協議は日中双方の外務省幹部が団長を務めており、慎重姿勢を崩していない中国人民解放軍が日程調整に応じていないためだ。

 日本政府内には「中国軍部は首脳レベルのお墨付きがなければ動けない」(日中関係筋)との観測もあり、谷内正太郎国家安全保障局長と中国の楊潔●(ようけつち)国務委員との間で取り交わされた合意文書が膠着(こうちゃく)した現状を動かす保証はない。

 このため、首相は7日夜、日中首脳会談で習主席に連絡メカニズムの運用開始を働きかける方針を明言した。これに対し、習主席がどのように応じるか。これが首脳会談における焦点の一つとなる。

●=簾の广を厂に、兼を虎に

日中合意文書 中国各紙、1面トップ報道 領有権見解明文化 産経新聞2014年11月9日(日)07:56
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20141109052.html

 ■外交交渉の“勝利”
 【北京=矢板明夫】8日付の中国各紙は、日中両国政府が双方の関係発展のための4項目で7日に合意したことを1面トップなどで大きく伝えた。
 発表された合意文書には、中国が日本に要求してきた「(尖閣諸島の)領有権問題の存在を認める」「首脳は靖国神社に参拝しない」といった内容は盛り込まれなかった。しかし、国際情報紙の環球時報は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)について『異なる見解を有する』ことを初めて明文化した」などとし、中国側が外交交渉で日本側に“勝利”したとの印象を読者に与えようとしている。

 また、国際問題研究院の曲星院長は中国メディアに対し、「双方は歴史を直視する」の文言について「靖国問題で日本が正しい対応をするという意味だ」との解釈を示した。「4項目合意は中国が過去2年間、日本に対して妥協せずに闘争した成果だ」と主張するメディアもあった。

 共産党機関紙の人民日報は、「両国関係を良好な発展の軌道に踏み出させる必要な一歩だ」などと評価した。

 一方、日中首脳会談が行われることについて、ネット上では「国のトップ同士が会うことは良いことだ」「貿易を促進して景気を良くしてくれ」といった賛成の意見がある一方、「弱腰外交しかできないのか」「日本人は信用できない。交渉すれば必ずだまされる」などの批判的な声も少なくなかった。

〜誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考〜 石平(せきへい)のチャイナウォッチ  http://www.seki-hei.com

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■ 日中合意文章、中国側の「勝利宣伝」に乗せられた日本の論評
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  近日、日中両国間で交わされた「合意文章」について、 日本国内の一部メディアや論者は、 「日本は尖閣の領有権にかんする中国の言い分を認めて譲歩した」 との論調を展開しているが、 それはどう考えても、まったく根拠のない曲解である。

問題となっている合意文章の原文はこうである。
「双方は、尖閣諸島など東シナ海の海域で、近年、 緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識」である。

この文を素直に読めば、「異なる見解」の対象となっているのは 「近年、緊張状態が生じていること」であるとは一目瞭然である。
つまりここでは、日本が認めたのは 「領有権にかんする中国の異なる見解」ではまったくなく、 「緊張状態が生じていること」について「異なる見解」なのだ。
しかも、「近年」という言葉も付けられているから、 それはますます「領有権問題」とは関係が遠くなる。
というのも、領有権にかんする中国側の主張は決して 「近年」から始まったわけではなく、数十年前からそうなっている。

要するに、最低限の日本語解読力があって 問題の文章を素直に読めば、それはいくらなんでも、 「日本が領有権にたいする中国の見解を認めた」 とのことにならないはずだが、 それでは一部の論者たちは 一体何を根拠を持ってそう断じているのだろうか。

その一例として、筑波大学名誉教授の遠藤誉氏が ヤフーニュースで掲載した 「日中合意文書──習近平の戦略を読み解く」を取り上げてみよう。

この論評の中では遠藤氏は 「今般の日中合意文書は、結果的に “中国と日本の間に領有権に関する主張の違いがあることを認識した” ということを意味しているのである。」との結論を出しているが、 問題は彼女は一体どうやってこのような結論に達したのか。

遠藤氏の論評の全文を読んでまず分かったのは、 彼女がその中で、日中合意文章の原文を引用して それを解析する作業をいっさいしなかったことだ。
合意文章の意味を解説するのに、 原文に対する解析をいっさいしないというのは、 学者としてはまったくの無責任というしかない。 というよりも、彼女はむしろ、 わざわざと原文を無視しているのではないか。

それでは、原文を解析せずにして 一体どうやってその内容にたいする結論を引き出したのかといえば、 遠藤氏の文章を読めばすぐ分かるように、 彼女が冒頭に持ってきて自分の結論の最大の根拠としているのは 実は、11月8日の人民日報の出した「勝利宣言」である。

そして遠藤氏がとりわけ引用したのは、 人民日報が合意文書について 「日中が尖閣問題について初めて文字で明確にした」との一言である。

しかし前述のように、合意文章が明文化したのは 「尖閣問題」ではなく「緊張状態」であるから、 そもそも人民日報の「勝利宣言」は根拠のない自己宣伝であるにすぎない。
しかし、中国の人民日報が中国のために行った このようなデタラメの「勝利宣言」はそのまま、 日本の知識人の遠藤誉氏の論評の最大の根拠となったわけである。

それはすなわち、日本国内で流布されている 「日本が中国に譲歩して中国の言い分を認めた」 との論調の実体なのである。
彼たちはただ、中国による 一方的な「勝利宣言」にまんまと乗せられたのではないか。
( 石 平 )



11月6日(木) 中国密漁船団は海上民兵

小笠原諸島沖で煌々と灯りを付けて珊瑚の密漁をする船団の写真があった。
実はこの密漁船団は中共海上民兵と見られている。
中国のサンゴ密漁船団、日本の海上警備挑発か 専門家「単なる密漁と思えぬ」  産経新聞2014年11月3日(月)08:03
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20141103036.html

 200隻以上に膨れあがった小笠原・伊豆諸島沖での中国のサンゴ密漁船団について、専門家からは「単なる密漁目的ではなく、日本の海上警備態勢への挑発ではないか」といった見方が浮上している。
 小笠原諸島沖で今秋増加した中国漁船によるサンゴ密漁は、中国近海での採取禁止や沖縄周辺での海上保安庁の警備強化が背景にあるとみられる。海保の佐藤雄二長官は「一獲千金を狙った違法な操業だ」と述べ、中国公船の航行が常態化している尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域での海洋権益拡大に向けた動きとは別との認識を示す。

 ただ、小笠原諸島沖では約30年前にも台湾漁船によるサンゴの密漁が横行した時期もあったが、古参のサンゴ販売業者は「今回は船団が異常に多い。取り合いになって行き帰りの燃料代が回収できないリスクもあるのに…」と船団の急増に首をかしげる。

 東海大の山田吉彦教授(海洋政策)も「数十隻ならまだしも、200隻以上に増えれば単なる密漁目的とは考えにくい」と指摘。中国漁船が領海に侵入し、島から見える距離まで大胆に近づいている状況などから「日本の海上警備態勢への挑発の意味合いもあるのでは。現状を国際世論に訴え、中国側にサンゴ密漁をやめさせるよう圧力をかけるべきだ」と話している。

 漁業関係者の間では、小笠原諸島沖で中国漁船が領海侵入を繰り返すことで、尖閣諸島の領海警備態勢に揺さぶりをかける狙いを指摘する向きもある。

サンゴ密漁 自民が決議採択「蛮行に憤り」 監視態勢・罰則強化求め  産経新聞2014年11月6日(木)07:59
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20141106107.html

 自民党は5日、小笠原・伊豆諸島(東京)周辺で中国のサンゴ密漁船が急増している問題をめぐり、外交部会などの合同会議を開いた。中国政府への対応や密漁船に対する罰則の甘さに批判が集中し、政府に警戒監視態勢や罰則の強化を求める決議を採択した。
 決議文は、日本政府が中国側に再発防止を要求しているにもかかわらず、密漁船が激増していることを踏まえ、「根こそぎサンゴを奪い取る蛮行を繰り返していることに、激しい憤りを禁じ得ない」と強調。「政府の総力を挙げて厳正な対処と厳重な抗議を行うことを要望する」と明記した。
 排他的経済水域(EEZ)内での密漁は、船長が漁業主権法違反で逮捕されても担保金(罰金)を支払えば釈放され、漁船や押収物も返還することになっている。このため、会合では「担保金の額を引き上げるべきだ」との批判も出た。

 一方、菅義偉官房長官は5日の記者会見で「海上保安庁は大型巡視船や航空機を集中的に投入し、特別態勢を取っている。やりくりして対応しているが、非常に無理があるのは事実だ」と述べ、対応に苦慮していることを明らかにした。
 政府は平成26年度補正予算などで態勢を強化する考え。西川公也農林水産相は5日の参院本会議で、釈放時の担保金に関し「抑止力の観点から引き上げが可能かどうか、関係省庁と早急に協議したい」と述べた。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26年(2014)11月4日(火曜日)弐
     通巻第4382号    
http://melma.com/backnumber_45206/

小笠原で珊瑚を密漁する中国漁船団の本当の目的は第二列島線突破だ
遠洋漁業はレーダー搭載、かならず海軍の管轄下に入らなければならない


 2010年、尖閣諸島海域で不法操業の中国漁船を警戒していた海上保安省の船に中国の暴力船長が体当たりしてきた。おりしも民主党政権、弱腰の日本は船長の取り調べもそこそこに釈放し、衝撃のヴィデオ公開をふせた。
一色正春氏の勇気ある行動でテレビに流れ、日本の世論は激高した。

この前後から『漁船』が同海域をうろつきまわり、その周囲を中国海監の艦船が取り巻く、領海侵犯は数限りない。いったい何が目的か?
尖閣諸島は中国領土だとぬけぬけと主張したが、2012年9月に野田政権は国有化を宣言した。

すると中国は『反日暴動』を組織化して全土で日本企業を焼き討ちした。日本の反中感情に火が付き、93%が『中国が嫌い』とする世論調査結果が出た。
日中関係の悪化はすべて中国側に責任がある。

しかし軍事的視点から言えば、尖閣諸島海域への出没目的は「漁場」ではない。ずばり、第一列島線突破の訓練である。『漁船』を装った「海上民兵」であり、日本側の警備、スピード、その規模を計測しているのである。
西太平洋に覇権を打ち立てるのが中国の大戦略である以上、尖閣も小笠原における行動も、そうした戦略に基づいた戦術行使である。

五島列島でも深刻な問題がすでに起きている。
▼五島列島に「台風避難」を名目に数百隻が寄港、現代の「元寇」を思わせた

 以下に拙著から引用する。
「平成二十四年(2012)7月18日だった。平戸から近い五島列島の南端・福江島の南のはずれに位置する玉之浦港に突如、『元寇』を思わせるほど夥しい中国船が、整然と隊列を組むかのように入港した。台風避難が目的であるとされた。合計106隻。
 日中漁業協定で確認された避難ポイントは、この玉乃浦港から100キロ先であり、台風を名目にわざわざ福江島の南端、警備の薄い日本の港を狙っての集団避難は異様な光景、なにか軍事的目的があると考えられた。玉之浦は緯度的には長崎と佐世保の中間、大村飛行場と緯度が同一線上にある。
 「入港後日本の海上保安庁の巡視船が監視にあたりましたが、百六隻の漁船に対して、海上保安線は150トンクラスが一隻と巡視艇というボートが一隻の計二隻だけ」(遠藤浩一編『日本文明の肖像2』所載、山田吉彦論文)
 おもわず背筋が寒くなる光景だった。

 玉之浦の人口は1800人、中国側は各船に20人から50人が乗っていたと推定すると、合計3000名となる。つまり台風避難を名目に玉之浦港は中国に占領された格好だった。漁船といっても遠洋航海の船は魚群探知機を装備している。こうした漁船はすべて中国海軍の管轄下にある。山田吉彦(東海大学教授)は、『この漁船は海上民兵』と推測し、第一列島線の内側を『中国は海洋領土とすることを目指してきた』から、こうした行為に及んだとする。すでにそのときまでに中国は西沙諸島ミスチーフを占領し、2010年8月には『270隻もの漁船団が日中中間海域に出没』し、しかも『そのうちの一隻が海上保安庁の巡視船に体当たりした』。
そして推定される中国の『海上民兵』を駆使した海洋軍事作戦とは、『百メートルおきに横に並ぶと10キロ、二列で間を埋めて50メートルおきに並んでも5キロのエリアで海底を詮索できまる。だから漁船団が動き出すと(日本と米軍の)潜水艦は動けなくなる』」(同前掲論文)』(拙著『吉田松陰が復活する』より抜粋)。

  ▼赤珊瑚盗掘の中国漁船は、じつは漁民ではなく海上民兵である。

 そして小笠原諸島周辺海域に中国漁船が大挙して出没し、珊瑚の密漁を行っている。  2014年九月半ばから十月までの一ヶ月半だけでも出没した中国漁船は211隻におよび、中国人富裕層に人気の高い赤い珊瑚礁を盗んでいくのだ。
自然保護、環境保護を大事にする日本の隙をついてカネになるときけば、中国人は公私の見境なく、だぼはぜのごとくやってくる。

しかし、この密漁団には裏の目的がある。
珊瑚密漁は表向きのこと、実態はまさに第二列島線突破のための『海上民兵』の下訓練、レーダー搭載の漁船は、繰り返しになるが、すべて中国海軍の管轄下にある。

第二列島線(Wikipedia)
第二列島線
第二列島線は、伊豆諸島を起点に、小笠原諸島、グアム・サイパン、パプアニューギニアに至るラインである。近年に至るまで、中華人民共和国の海洋調査は、第一列島線付近までに留まっていたが、このところは第二列島線付近でも調査を行っている。海洋調査は、他国の排他的経済水域内では行えないため、第二列島線付近にある沖ノ鳥島問題が持ち上がっている。

この第二列島線は、台湾有事の際に、中国海軍がアメリカ海軍の増援を阻止・妨害する海域と推定されている。中国海軍は、従来、沿岸海軍であったが、第二列島線まで進出することは即ち、外洋海軍への変革を目指していると考えられ、その動向が注目されている。

中国海軍は、第二列島線を2020年までに完成させ、2040-2050年までに西太平洋、インド洋で米海軍に対抗できる海軍を建設するとしている。
現在、中国海軍は、インド洋においてはミャンマーと軍事協力関係にあり、ミャンマー西端のバングラデシュ国境近くのシュトウェと、アンダマン諸島に接する大ココ島の港湾を借りて、海軍基地にしている。シュトウェには通信施設を設置し、主にインドに対する情報収集を行っていると言われる。また、パキスタン西部のオマーン湾の入口に当たるグワーダルでは、現在、パキスタン国内及びカラコルム山脈を越えて中国新疆ウイグル自治区へと通じる物流ルートの起点とすべく中国の援助で港湾整備を行っているが、港が完成した暁には、グワーダル港を間借りして海軍基地を置く見込みであるといわれる。



11月3日(月) 中共「真珠の首飾り戦略」

軍拡著しい中国の潜水艦がスリランカに寄港した。
シーレーン防衛のためとしている。
中国潜水艦、スリランカに寄港 「真珠の首飾り」戦略 妖しく輝くインド洋 産経新聞2014年11月3日(月)07:56
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/asia/snk20141103049.html

 【ニューデリー=岩田智雄】中国の潜水艦がスリランカに寄港したことが初めて確認され、南アジアでの中国の軍事的台頭を警戒するインドを刺激している。中国は、自国のシーレーン防衛に向けてインド洋沿岸国の港湾整備を支援する「真珠の首飾り」戦略を進め、インドは、この戦略が中国海軍艦船の寄港につながるとみてきた。2日付のタイムズ・オブ・インディア紙は、中国潜水艦が近くスリランカに再び寄港するとの見通しを伝えた。

 中国国防省報道官によると、潜水艦が寄港したのは9月15日。通常動力型の宋級潜水艦で、ソマリア沖やアデン湾で海賊に対処している中国海軍に合流する途中、コロンボ港に入った。報道によれば、同7〜13日には別の中国艦船も同港に停泊した。習近平国家主席は同16日、国家主席としては28年ぶりにスリランカを訪問しており、この時期の寄港に政治的意図があったことは間違いない。

 中国は、スリランカのコロンボ港やハンバントタ港の整備を支援してきた。インド政府は中国潜水艦のインド洋での活発な動きも確認しており、いらだちを募らせている。

 インドのジャイトリー国防相らは10月20日、訪印したスリランカのラジャパクサ大統領の弟、ゴタバヤ・ラジャパクサ国防次官と会談し、寄港問題を提起した。インド政府は公式には抗議の意思を表明していないものの、インド政府高官はヒンズー紙に「寄港はインドの安全保障にとり、深刻な懸念だ」と述べた。

 習主席はスリランカを訪問後、インドも訪れた。ニューデリーでの演説で「中国と南アジア諸国は重要な協力パートナーだ。地域の国々との協力を楽しみにしている」と述べ、スリランカを含む南アジア諸国への関与を強めていく決意をあらわにした。インドが嫌う南アジアへの影響力行使を堂々とインド側に突きつけ、中国の台頭を認めるよう迫る意図を、演説に色濃くにじませた形だ。

 インドのシンクタンク、オブザーバー研究財団のラジャ・モハン研究員は10月29日付のインディアン・エクスプレス紙で、「インドは、(南アジアに)中国の影響力が及ばなければいいと、単に思っているだけではいけない」と指摘。「南アジアで中国の安全保障の範囲と構造を限定する唯一の方法は、すべての近隣国に対し、国防分野を含めたインドの協力を拡大することだ」と提言した。

インド政府高官はヒンズー紙に「寄港はインドの安全保障にとり、深刻な懸念だ」と述べたが、日本にとっても安倍内閣の「価値観外交」麻生氏の「自由と繁栄の弧」とバッティングし外交戦となる。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26年(2014)11月3日(月曜日。明治節)通巻第4380号
http://melma.com/backnumber_45206/

中国潜水艦部隊も強力に推進、インド洋へ進出した
対潜哨戒能力だけは高い日本だが、あとは米軍の攻撃待ちしかない


 13年12月だった。
 中国海軍は原子力潜水艦がマラッカ海峡をくぐり抜けてインド洋へ達し、スリランカへ寄港したと発表した。そして「航海の安全ルールを守り、国際法に準拠したもので、これにより中国はエリート倶楽部入りを果たした」と言い放った。

 呉勝利(中国人民解放軍海軍司令員)は「これは戦略的なシンボルであり、中国は偉大な国家としてのステイタスを得たのだ」といった。
 事実、空母、ステルス戦闘機に続いて中国は米国、ロシアにつぐ攻撃型ミサイル搭載潜水艦を保有したことを意味し、大変な脅威の出現といえる。

 ちなみに列強が保有する攻撃型潜水艦を一覧すると、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 国、級別     全長       乗員数   搭載ミサイルと射程
 〜〜〜〜〜〜   〜〜〜〜〜〜〜  〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 米国      561フィート  155 24基トライデント(7000マイル)  オホイオ級
 ロシア(デルタ型) 548      130 16基 シネバ(7100)
 英国(バンガード) 492      135 16基 トライデント(7000)
 フランス     453       111 16基 M57(5000)トリオムハン
 中国(94JIN) 443      120 12基 JL-2(4600)
 インド       367       95 12基 サガリカ(4350)  (アリノハント)
―― ただしインドの就航予定は2015年になる

 小笠原近海に珊瑚を盗みに来ている中国漁船、すでに200隻以上。これは第一列島線をすでに突破し、第二列島線すれすれに迫る中国の民間を装った、「軍事演習」と見るべきで、密漁は演技である。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26年(2014)11月4日(火曜日)通巻第4381号    <前日発行>
http://melma.com/backnumber_45206/

中国海軍初の空母「遼寧」にまつわるスキャンダルが発覚 自称「空母の父」=軍出入り山東商人=徐増平が拘束されている

 それにしても数々の曰くが付いた、所謂「空母」である。
 ウクライナ所属だった出来損ないの鉄艦を買いたたき、大連まで曳航して、十年間、杳として外海に姿を現さなかった。ようやく姿をみせた中国海軍初の空母「遼寧」は、訓練航海のあと、ふたたびドッグ入りして消息を絶った。

 もともとソ連が経済的困窮を来して、67%まで仕上がっていた空母の建造を中断し、ウクライナに処分を任せたのは90年代初頭のことである。電気信号系統を取り外し、カタパルト装置を除去し、鉄のかたまり(スクラップ)として処分する予定だった。鉄くずの値段は500万ドルを提示した。

 おりしも中国は空母建造を決めていた。1985年に「中国海軍の父」と言われる劉華清がトウ小平の命令一下、空母戦略を立案し、1989年には国家として正式に建造を決定していた。 軍の造船所で空母建造に着手したが、うまくいくはずがない。空母プロジェクトは中断に追い込まれていた。そんなおりにウクライナに鉄艦の元空母ヴァリヤーグが売りに出されることを知ったのだ。

 ソ連が建造していた頃の名称はヴァリヤーグ号だった。ソ連時代に「黒海艦隊」の艦船をつくっていたソ連国有企業「黒海造船」は民営化され、資金不足に陥っていた。

 買い手の名乗りを上げたのは英国、スペイン、フランス、そしてインドだった。
 英国の業者は「浮かぶ監獄に改造する」と言った。フランスは「空母ホテル」にして地中海に浮かべるアイディアをだした。
ここへマカオの謎のビジネスマンが登場し、「マカオに浮かべてカジノ・ホテルに改造する」と言った。買値は2000万ドルだった。

 香港商人を名乗った男は、徐増平。山東省生まれで、退役軍人。皮革ビジネスであて、香港でホテルも経営し、不動産開発もやっているという触れ込みだった。実際にはおりからの不動産ブームにのって建材をあつかう業者で香港に豪邸を持っていた。
広州軍管区に強いコネがあり、一説に息子は劉延東の娘と結婚したという。劉延東といえば、なく子も黙る政治局員である。真偽の程は未確認。

 ▼マカオのカジノ・ホテルという最初の触れこみは消えて
 1998年4月、契約が成立した。マカオでカジノ・ホテルへ流用するというのが表向きの商談の中味だった。
 しかし問題は五万トンもの鉄のかたまりを15200海里、曳航してゆく運搬ノウハウだった。強力なタグボート三隻で引っ張り、バランスをとりながら、黒海、ポス歩ラス海峡、マルマラ海、地中海、ジブラルタル海峡を越えて、アフリカ喜望峰を回航し、インド洋からマラッカ海峡を越えてようやく南シナ海へたどりつくのだ。

 3年近い年月が黒海の通過のためにだけ費やされた。
 NATOの一員であるトルコが通過許可を出さなかったのだ。
2001年11月、ようやくポス歩ラス海峡を通過、ところがギリシア沖で暴風雨に遭遇し、タグボードが遭難、16名の水先案内人と250名の水兵らはひやり肝を冷やした。

ギリシアの港でタグボードの編成替えを行い、同年12月にようやくアフリカ沖、翌2002年二月にマラッカ海峡を通過し、同年3月、ほうほうのていで大連へ入港したのだった。
運搬費用は3000万ドル。艦の購入資金より高くなった。

 以後、大連で艤装工事が開始され、2005年には「事故」で15名の犠牲がでたというニュースも流れた。じつに大連入港から十年の歳月を経て、「空母」が初公開された。当初予定された「毛沢東」号は取りやめとなり「遼寧」と命名された。

初公開をみて、西側軍事筋は密かに笑った。空母とは移動する空軍基地である。遼寧甲板には艦載機がたったの一機(最近、やっとこさ、二機)。速度20ノット、ディーゼルエンジン駆動。「これじゃ、空母の役目は果たせない」と米国軍人が評価するていどのシロモノだった。ちなみに米軍の空母は原子力駆動、速力30ノット、艦載機80-120機である。艦載機は一分ごとに発着艦を行い、敵地攻撃へ向かう。

 問題は、ほかにもあった。
 自称「空母の父」を名乗った徐増平は、この間にますます軍に取り入って、機材調達などで軍のビジネスに食い入った。巨額の収賄が云々された。
香港に数軒の豪邸をかまえ、ベンツなど十数台を所有し、あげくに福建省厦門を舞台とした空前の密輸事件「遠華事件」や軍汚職事件の谷俊山事件にも徐増平がからみ、当局の取り調べを受けて身柄を拘束された。
 自称「空母の父」はこうして自滅した。

なにかすれば巨額の贈収賄がついて回るのが中共。


11月1日(土) 加瀬英明氏「日本の新聞は再生できるか」

朝日新聞は従軍慰安婦問題で虚偽報道を認めたが、いまだ営業中だ。
多くの日本の読者を騙し、韓国はこの記事を根拠としていわれのない中傷を世界中にばらまいた。NYTも慰安婦を日本軍の性奴隷と広めた。真に受けた米国の単細胞某市民が慰安婦像を建造するに至った。韓国大統領は「千年の恨み」と国民を指導している。
これが食品会社なら保健所から営業停止を命令されたり、店頭から商品が撤去されるところだ。

朝日だけではない。毎日新聞も日本の母子のありもしない変態記事を英文で世界中にばらまいた。
新聞だけではない。NHKを始めとするTVも偏向報道が後を絶たない。ネットで検索すればたちどころにずらずらと出てくる始末だ。

どうしてこんなことが起こるのか・・・
評論家加瀬英明氏によれば、メディアの問題だけではなく、日本人の特質ではないかと論評しておられる。
■「加瀬英明のコラム」メールマガジン 2014年11月1日
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日本の新聞は再生できるか

 新聞界に王者として君臨してきた、朝日新聞の落日が始まった。
 朝日新聞社は8月に、いわゆる従軍慰安婦について、32年間にもわたって読者を騙して、虚偽報道を行ってきたことを認めて、撤回した。社長が逃げ隠れしていたが、何日もたった後に、謝罪記者会見を行った。

 私はもう50年にわたって、雑誌の紙上を舞台として、朝日新聞が亡国的な報道を行ってきたことを、攻撃してきた。
 昭和50年に、月刊『文芸春秋』に「最近朝日新聞紙学」という題で、27ページにわたる長文の批判を寄稿したところ、朝日新聞社が名誉毀損で、私と文芸春秋社を訴えるといってきた。裁判は望むところだった。
 福田恆存氏をはじめ保守派知識人が、私の応援団をつくってくれることになった。ところが、著名な財界人が仲介に入ったために、裁判は実現しなかった。

 日本の新聞は先進諸国のなかで、民主社会を脅かす、もっとも遅れた面をつくっている。
 欧米の新聞が民衆のなかから生れてきたのに対して、日本の新聞は明治に入って、藩閥政府に不満を持つ武士がつくった。これらの武士はエリート意識が強く、蒙昧な民衆を導くという、使命感に駆られていた。

 日本の新聞の読者に対する目線
 今日でも、日本の新聞は誰に頼まれたわけでもないのに、「社会の木鐸」であることを、自負している。欧米では新聞が読者と対等な関係を結んでいるが、日本では読者を上からみる目線で、見降ろしている。
 日本の新聞は「これを読め」という態度で、読者に接してきた。32年間にもわたって、虚偽の報道を撤回しなかったのは、読者を大切にしてこなかったからだ。

 欧米紙と日本紙の投書欄は何と違うことか
 アメリカや、ヨーロッパの新聞でもっともおもしろい欄は、投書欄だ。その新聞の記事や、論説に対する読者の批判を、率先して掲載している。なかには、辛らつなものもある。
 ところが、日本では産経新聞も含めて、投書欄は愚にもかない内容のものばかりで、批判をいっさい受けつけない。
 もし、カレントの読者のなかに、朝日新聞を購読されている会員がおいでだったら、孫や、子供に読ませないことを、お勧めしたい。次代の日本人が嘘つきに育ったら、たいへんだ。
 今回の朝日新聞社社長による謝罪記者会見が、日本国民の目を覚ますきっかけとなることを、期待したい。

 聖書から学ぶこと
 私はキリスト教信者ではないが、旧約、新約聖書に親しんできた。
 新約聖書の『ヨハネの福音書』のなかに、妙に気にかかる言葉がでてくる。キリストの「私が来たのは、彼らがいのちを得、またそれを豊かに持つためです」(10―10)という言葉だ。
 いったい、英語ではどういうのか、英語の聖書をあたってみた。I have come that men may have life and may have it in all its fullness.と、なっていた。
 しばらく後に、ドイツ語の聖書もめくってみた。Ich bin gekommen, damit sie Leben haben und es in Fulle haben. とあった。
 これは、キリストの言葉のなかでも、有名なものだ。

 生きる心と生かされる違い
 キリストがやって来たことによって、人間が罪から解き放されたので、生き生きと生きることができるという、痛烈な叫びである。
 英語や、ドイツ語で読むと、人間は眠っていないで、生命力の限りにいっぱいに生きろという、血が滾(たぎ)るような響きがある。ところが、日本語になると、このように燃えるようなところがない。どうも弱々しいのだ。
 英語とドイツ語とでは、人間が生命(いのち)を持つというのは、have it / Leben habenであるのに対して、日本語では「それを‥‥持つため」といって、生命を持つというよりは、「持たされている」という感じが、強い。
 英語やドイツ語であると、個人が生命を持つのに、日本語では共有のものを持たされているようなのだ。

 自己意志の表現の力
 I haveというと、きわめて強い。「持つ」対象となっている物にも、「私」の強い執着がこめられている。そして、自分の行為まで持つことができる。I have comeとI came、I have seen、I sawとでは、同じ「私は来た」と「私は見た」のであっても、強さがちがうものだ。

 自己存在と所有価値との接点
 日本語で「私は鉛筆を持っている」といっても、鉛筆があたかも共有物であって、私が預かっているようにきこえる。自分だけの鉛筆だ、という叫びがない。
 「私は金を持っている」「傘を持っている」といっても、共有物である金を、一時、預かっているような感じが強い。I have moneyとか、my umbrellaというより、弱い。
 日本人の生活のなかから、haveが欠落してしまっているように思える。それだけ、自我が希薄なのだろう。

 日本では、ほんとうは不十分なものであるのに、そのものにあたかも大きな力が備わって、権威があるかのように、まわりから作り上げてしまうことが、しばしばみられる。戦前、戦時中の神国思想や、軍国主義のように、まったく得体の知れないようなものが、コンセンサスとして権威をふるって、横行する。

 日本では、人々が得体が知れないものに、寄りかかりやすい。

 “暗愚な帝王”と“暗愚な新聞”

 私たち日本人には、どこか無意識に満場一致を求める心情が、働いている。コンセンサスに従おうとする力が、強く働いている。
 このようなことは、ほとんどの日本人が成熟した自己を持っていないことから、起ると思う。大多数の日本人が不十分な、中途半端な自我形成しか、行われていない。多くの日本人にとって、自我の中心が自分のなかにあるよりも、集団のなかにある。
 自分を1人ぼっちの人間として、意識することがなく、自分が属している集団の部分としてみる。しっかりした自分を、確立することがない。そのために、得体が知れないコンセンサスによって、支配されてしまうことになる。
 日本では、首相にせよ、大企業の社長にせよ、周囲が作ることが多い。本人が自分の力によって、その地位を勝ち取るよりも、まわりがそのように作るということが、みられる。集団が中心を探り合ううちに、その人にコンセンサスの中心としての役割が、与えられる。
 かつて、鈴木善幸首相がそう呼ばれたが、宇野宗佑首相や、鳩山由紀夫首相や、菅直人首相のような“暗愚な帝王”が担がれることが、起こる。

 朝日新聞が擁護してきた日本国憲法が、よい例だ。日本国憲法は「暗愚な憲法」なのだ。
 日本国憲法は、今日の世界の現実にまったくそぐわないものと、なっている。
 人間生活では、あらゆるものが相対的であって、流動しているために、人が状況に合わせてゆかねばならないはずである。
 憲法も道具の1つであり、人間生活の手段であって、目的となってはならない。道路交通法と同じような、生活の道具だ。道交法を時代にかなうように、しばしば改めなければならないのと、同じことだ。

 現行憲法を墨守するのは、中世的で不合理な不動の宇宙観を、持っているのに均しい。
 日本人はなぜ動かない物に対して、憧れを持つのだろうか。いったん、怪しげなコンセンサスが固定化してしまうと、全員が寄りかかってしまうために、壊すことがきわめて困難になる。
 朝日新聞は戦後の自虐史観を支えてきたが、「暗愚な新聞」であってきただけではなく、日本の国家としての存立を、脆いものとしてきた。
 日本の新聞は、反社会勢力であってきた。“木鐸”という気取りを、捨ててほしい。
■「加瀬英明のコラム」メールマガジン 2014年10月25日
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi

日本の独立を危うくする朝日新聞の中国報道

 朝日新聞社が8月に、いわゆる従軍慰安婦について、32年間にわたって読者を騙して、虚偽報道を行ってきたことを認めて、撤回した。
 社長が逃げ隠れしていたが、何日もたった後に、謝罪記者会見を行った。
 私はもう50年にわたって、雑誌の紙上を舞台として、朝日新聞が亡国的な報道を行ってきたことを、攻撃してきた。
 昭和50(1975)年に、月刊『文芸春秋』に「最近朝日新聞紙学」という題で、27ページにわたる長文の批判を寄稿したところ、朝日新聞社が名誉毀損で、私と文芸春秋社を訴えるといってきた。裁判は望むところだった。
 福田恆存氏をはじめ保守派知識人が、私の応援団をつくってくれたが、著名な財界人が仲介に入ったために、裁判は実現しなかった。

 私にとって朝日新聞ほど、怒りを駆り立てられてきた相手はなかった。
 なかでも、朝日新聞の中国報道は、日本の独立を危うくするものだった。
 外交は内政の延長だといわれるが、国防は国内世論に依存している。

 中国で昭和41(1966)年に、人民文化大革命が、吹き荒れていた。毛沢東によって、大量の血が流され、文化を破壊した、狂気の沙汰だった。
 朝日新聞は社説で、「そこには、いわば『道徳国家』というべきものを目指す、『世紀に挑む実験』といった意欲が感じられる」と、説いた。
 昭和57(1970)年に、中国の周恩来首相が佐藤内閣による沖縄返還交渉、日米同盟堅持、防衛力強化を、「日本軍国主義復活」といって、激しく非難した。
 朝日新聞は社説で、周首相が「『日本軍国主義はすでに復活し、アジアの侵略勢力となっている』とか、『沖縄返還はペテンだ』と主張した。われわれは、日本軍国主義がすでに復活したとまでは考えない。だが『復活』の危険な情勢にあることは、認めざるを得ない」と、論じた。
 翌年、日米間で沖縄返還協定が調印され、昭和52年に沖縄が祖国に復帰した。

 昭和50年は、1960年に日米安保条約が改定されてから、自動延長か、改定の期限を迎えて、新聞が“70年安保危機”をさかんに煽った。
 朝日新聞は社説で、「日中関係の正常化こそ、わが国の恒久的な安全保障の条件なのであり、“選択の70年代”の課題は、対米関係の調整にたった安保条約の解消と、日中関係正常化への努力を並行して進めて行くことである」と、訴えた。
 “70年安保危機”は、警視庁機動隊員の努力によって、回避された。

 昭和47(1972)年に、日中国交正常化が行われた。
この時の朝日新聞の「日中新時代を開く田中首相の訪中」と題した社説も、憤飯物だ。
 「日中正常化は、わが国にとって、新しい外交・防衛政策の起点とならなければならない。日米安保条約によって勢力均衡の上に不安定な安全保障を求める立場から、日中間に不可侵条約を結び、さらにその環をソ連にもひろげる。あるいはアジア・極東地域に恒久的な中立地帯を設定する。そうした外交選択が可能となったのである」
 朝日新聞は、中国報道も検証してほしい。