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落葉松亭日記(2015年1〜2月)


ニュース・評論のスクラップ、凡夫の日々雑感

2月23日(月) 鍛冶俊樹氏「狐と狸の化かし合い」

2月19日「中共の崩壊はいつ?」でクリップさせて頂いた鍛冶俊樹氏「中国崩壊で日本はこうなる」の補強記事。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル 第177号(2月23日)
http://melma.com/backnumber_190875/

狐と狸の化かし合い

 前号「中国崩壊で日本はこうなる」について「まもなく後期高齢者に達するぼけ老人」と自称する方から「少々検討不足」とのご指摘をいただいた。前号では加藤氏の記述について「双方の軍隊が腰抜けだから戦争にならないなどというのは平和ボケであろう」と結論付けたのだが、「まもなく・・・」氏は、加藤氏はそんな事を述べていないので、どうしてそんな結論になるのか分からないという趣旨を書いておられる。

 実は加藤氏の記述というのは、加藤氏だけが聞いている事ではなく、中国人民解放軍の幹部と話した日本人なら大抵一度や二度は聞かされたことがある話なのである。小生などは会う中国軍人が誰も彼も異口同音に同じことを言うので、食傷気味の話である。
 ちなみに軍の訓練上の問題点たとえば「一人っ子だから過保護に育てられていて訓練に支障をきたす」というような情報は、通常は機密情報であり外国人などに漏洩してはならない。それを会う軍人、会う軍人みな口にするということは意図的リークつまり情報工作としか考えようがない。

 中国軍の対日情報工作は大体二つである。一つは日本の政治家向けであり、「中国人民解放軍は対日戦争を本格的に検討している」などと軍幹部が日本の政治家に囁く。かくて鳩山由紀夫元総理とか加藤紘一元自民党幹事長などの軍事音痴で親中派が血相を変えて「戦争は絶対に避けなければならない。そのためには靖国でも尖閣でも中国に譲歩するしかない」と叫ぶに至る。
 こうして対日世論工作の第一段階が成功するのだが、次にこれを聞き付けた日本の財界人が「日中戦争が間近だというのは本当か」と中国軍幹部に確認に来る。もし戦争が間近なら中国に展開している日本企業を急いで撤収させなければならないからだ。
 中国としては金のなる木の日本企業に撤収して貰っては困るから、そこで宣撫工作としてこう言うのだ。「今の中国の若者は一人っ子で甘やかされて育てられているから、とても戦争など出来ませんよ」

 古来、軍隊は一人っ子だろうと未成年だろうと、鍛えて一人前の兵士に仕立て上げる訓練のノウハウを蓄積している。昨年末に公開されたブラッド・ピット主演の戦争映画「フューリー」は臆病な少年が勇敢な戦士に育つプロセスを見事に描いている。
 だが今の日本の財界人は軍隊など全く知らないから、こんな子供だましのあやし文句で安心するのである。ちなみに昭和時代の政治家や財界人はみな兵役経験者で軍事常識を備えていたから、中国の情報工作にこんなに簡単には引っ掛からなかった。

 「日中戦争間近」という情報に接すれば当然、自衛隊幹部も中国軍幹部に接触して真意を確認しようとする。そこで中国軍幹部が財界人に言ったのと同じ文句を繰り返すと、自衛隊幹部が「それは我が自衛隊も同じですよ。戦争になれば三分の一は逃げ出しますよ」と言い「じゃあお互い戦争は無理と言う事で」とにっこり微笑みあって杯を交わすのである。
 これは日中情報戦の一コマであり要するに狐と狸の化かし合いなのだが、マスコミ関係者を含めて一般の日本人はこんなやり取りを耳にすると「双方の軍隊が腰抜けだから戦争にならない」と解釈して安心する訳である。
 だがそうした解釈は平和ボケだと前号は主張したのである。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。

習近平の軍部把握も怠りなし
■【禁聞】三軍が大規模演習 中共の思惑とは?↓ 2014年07月31日 新唐人TV
http://jp.ntdtv.com/news/11363/【禁聞】三軍が大規模演習+中共の思惑とは?



2月20日(金) 西村眞悟氏「安倍談話もうやめとけ」

安倍首相は河野談話、村山談話に続く安倍談話(戦後70年談話)を出すつもりらしく、有識者懇談会メンバーを発表した。
野党対策で幅の広い意見を聞きながら主導権は渡さないとのことらしい。(2015/02/19産経新聞)
談話とは本来非公式なものでなんら拘束力はない。しかしその時々の権威を持った国務大臣や首相が「見解」を内外に発表すると、対外的には国民の総意のように取られる。
中韓には利用され、変更しようものなら欧米には歴史修正と突っ込まれる。
そんなパフォーマンスはもううんざり、粛々と国益にそった政策を実行して頂きたい。

政府発表談話とはなんぞや↓(アカヒ系だがいい記事、参考になった)
■政府発表「談話」とは何か
木村幹 神戸大学大学院国際協力研究科教授
朝日新聞系メディア 2015年01月07日
http://www.huffingtonpost.jp/kan-kimura/government-discourse_b_6426768.html

平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2015年2月19日 第1507号 )   ☆☆甦れ美しい日本☆☆
http://melma.com/backnumber_133212/
西村眞悟の時事通信 平成27年2月14日(土)
汚い内臓を見る思いがする

 風は寒いが日差しは優しい仁徳天皇陵の南にひろがる大仙公園を、犬を連れて散歩してから机に向かっている。
 公園の日差しとは反対に、今日この頃の報道を点検すれば、現在の政界の汚い内臓を見る思いがする。
 これでは、昨年末の総選挙は、
 日本を悪くするためにやったということになる。
 「勝者、敗因を蔵し、敗者、勝因を蔵する」、という言葉がある。
 では、我が国の、この特異な戦後七十年政界は、何を蔵しているのだろうか。  それは、敗因でも勝因でもなく、滅亡だろう。

 自民党の総務会長が、大旅行団を率いて韓国を訪問して、例のあの朴大統領と会見し、彼女が、 「慰安婦が生きているうちに解決を」とせっつくと、それに対して 「まったく、その通り」との見解を表明している。
   この人は、かつて小沢一郎氏の大旅行団である「長城計画」や「ジョン万の会」などを企画したり、 観光業界や旅館業界が歓迎する日曜日や土曜日と重なる祝日をずらして連休を多くする制度を作ったりしてきた、まことに器用な御仁である。

 七十年前に売春婦であった人は、今は老婆であろう。
 その彼女らの老後を何とかするのは、  彼女らの母国である韓国の大統領の仕事である。
 それをだ。  日本に対して、解決を、とは何だ。この大統領は!

   韓国政府が認めているように、韓国は「売春大国」である。
 数年前、韓国国内の売春を禁止すると、  売春婦による「売春禁止反対、私達の職業を奪うな」という反政府デモが為された国。これが韓国だ。

   とはいえ、その売春禁止の結果、韓国から売春婦が世界に飛び出し、  アメリカにおける国別外国人売春婦数は、韓国人がダントツの一位である。
 日本にも韓国人売春婦が「うようよ」いる。
 もっとも、彼女ら、自力でアメリカや日本に渡航して「事業」を始める才覚がないから、  朝鮮人業者(昔の女衒)の、儲かるよという「甘言」に騙されまたは誘われて渡航して行く。  現在も斯くの如く。
 七十年前も斯くの如しだ。

 しかし、今から七十年後に老婆となった彼女らの生きているうちに、  七十年後の我が国やアメリカは、彼女らに対して何か「解決」しなけらばならないのか。
 それを「まったく、その通り」という馬鹿が、七十年後にはいないことを願う。
 また、例の、自民と公明の、  「グレーゾーン」をどうするとか、  防衛対象をアメリカ以外に広げるのはいいとか嫌だとかの「安保法制協議」が始まったようだ。
 これも馬鹿馬鹿しいから止めたらどうか。

 敵に、日本攻略のやり方を教えるようなものではないか!
   自民と公明は、「あれはできます」、「これはできない」とやっている。
 敵は、おおきにと言って、  自民公明が「これはできません」と言っている部分にやってくる。
 こいつらのしていることは一体何だ。
 用語を、適切に使えば、  これは、「利敵行為」である。  「外患誘致」である。
 これを、おおまじめに、やっている。

   安倍総理は、この「韓国へのまったく、その通り」の大幹部と、  自民公明の「利敵行為者」の分厚い層を土台にして、  以前の談話と整合性のある「戦後七十年安倍晋三総理大臣談話」を練っている。

   もうやめとけ。
 沈黙しておけ。
 それが一番、民族の名誉を守り、国益に適う。

 ところで、日本人二人の首を切り落としたISの過激テロ組織を非難せずに、  人命尊重とか憲法九条を守れとか戦争反対とか、  中東地域への人道支援を表明した安倍総理が悪いとか、  安倍は見殺しにしたとか、叫び、踊り、  「I AM KENJI」とかの札を持って立っているやつがいる。
   これらの者どもは、  中東で日本人を始め欧米人を酷たらしく殺害したテロ組織の本質に目をつぶる偽善者である。
   どこの国にも馬鹿はいるが、  我が国においては、これらの馬鹿に同調する絵に描いたようなアホ国会議員が多すぎる!
 これは既に我が国の病理である。
 戦後とは、こういう民族の病理を生み出す時代であったのだ。



2月19日(木) 中共の崩壊はいつ?

中共の崩壊が云われて久しい。近々崩壊するのか、まだまだ先なのか誰にも判らない。
13億の人民を擁する国が崩壊するとどうなるのか。欧米や日本の製造工場を担って急成長を遂げた。崩壊すれば国際的経済危機を招くという説もある。
東シナ海、南シナ海での軍事脅威は崩壊すれば収まるのか。
第二次大戦後、連合国側であったはずの米ソが対立し長らく冷戦状態が続いた。
1991年、ソ連は崩壊しロシア連邦となった。その時CISと呼ばれる独立国家共同体がロシア連邦の母体となった。
中共崩壊後ソ連のようにいくつかの自治区が連邦を構成する母体となるのか、そうではなく混沌とした内戦になってまた昔の××皇帝の時代になるのだろうか。
庶民の一凡夫が心配したところでどうにもならないが、周辺国の迷惑にならないよう願いたい。
櫻井よしこ氏と意見交換 大紀元香港支社長「共産党の崩壊は一夜で起こりうる」
http://www.epochtimes.jp/jp/2015/02/html/d96619.html

【大紀元日本2月17日】来日中の郭君・大紀元香港支社長は16日、ジャーナリストで国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこ氏の都内事務所を訪れた。激変を遂げている中国の政治・経済情勢や、香港民主化デモなど日本社会が強い関心をもつ問題について、双方は意見交換を行った。

 櫻井氏は習近平政権の開始後の中国について「日本を含む周辺諸国に対し強硬的な姿勢を取り、アジアインフラ投資銀行を設立するなど経済的影響力を強化させる動きをみせている」と述べ、「今後の動向について、日本は強い関心を持っている」と話した。

 これについて郭支社長は、習近平は江沢民派と激しい政治闘争を展開していると説く。「日本を含む周辺諸国への強硬姿勢は、様々な内政不安を抱える中、ナショナリズムで国民の結束力を高めさせるため」としながらも、「実際に行動を起こす余裕も可能性もない」と分析した。

 内政不安を抱える習近平体制について「今後安定を保てるか」と櫻井氏はいぶかる。郭支社長は「中国共産党の一党独裁体制である以上、習氏がその崩壊を阻止するのは不可能」と述べた。

 郭支社長はまた、香港の民主化デモについて、江沢民派が一国二制度を覆す白書を発表したことで「意図的に誘発した」との見解を示した。「香港で第二の天安門事件を引き起こし、当時の故・趙紫陽元総書記のように習近平を失脚させ、政権奪還を狙っている」と分析した。

 香港問題を含む今の中国の政治情勢に関して、「国際社会の多くの認識は実情と異なる」と懸念を示す。郭支社長いわく「中国の巨大市場に期待を抱いた国際政財界とメディアは共産党政権の特異な本質を見極めることができず、その圧力に屈し、中国政府にうまくコントロールされている」と警告した。

 また郭支社長は国内情勢について「共産党政権の崩壊が一夜で起きるかもしれない」と指摘する。「国民全体の道徳的価値観は喪失し、共産党の求心力が消える中、幹部汚職の氾濫、激しい貧富格差、経済不安など問題山積している。これらに備えて国際社会は対策を講じるべき」と力説した。

 郭支社長は、18日水曜日の午後5時から、東京の京王プラザホテル(新宿)本館4階の会場で、同時通訳付の特別講演会と懇親会を開く。香港民主化デモのほか、中国の経済・政治の今後の動向、日本の対応策などをテーマにし、見解を述べる。当日受付可。詳細は大紀元日本の情報広場で案内中。
(記者・叶子)

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル第176号(2月19日)
http://melma.com/backnumber_190875/

中国崩壊で日本はこうなる

 徳間書店刊「中国崩壊で日本はこうなる」を読んだ。国際評論家の宮崎正弘氏と国際ファンドマネジャーの大竹愼一氏の対談をノンフィクション作家の加藤鉱氏が構成・加筆した書である。
http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198639006

 宮崎氏は言うまでもなく名うての中国ウオッチャーであり、大竹氏は米英金融資本家の対中投資に精通しており、加藤氏は香港在住歴が長く中国についての豊富な取材経験がある。この3人のコラボで現在の中国問題が立体感をもって浮かび上がってくる。
 特に、もはや確実と見られる中国経済の崩壊だが、それが日本の経済にどう影響するかについて、大竹氏が「金融面でいえば、明らかにリーマンショック並の、円高株安ということになろう。
かねてから私が声高に叫んでいた、日経平均4000円も視野に入ってくることになろう。」というのに対して宮崎氏が「しかし、日本の企業はすでに織り込み済み。中国依存の高かったコマツなどは、ピークの半分にまでその比率を下げている。したがって、アベノミックスの成功と相まって二万円ぐらい行く。」と切り返すあたりは圧巻であろう。

 本書は経済だけでなく軍事にもかなり踏み込んでおり、極めて興味深いのだが、加藤氏の加筆の部分で、日中軍事衝突の可能性について、中国は一人っ子政策の影響で過保護になり兵隊を訓練するのも容易でない。
自衛隊も「事前に確実に軍事衝突があると知らされたならば、自衛官の三分の一以上は自衛隊を去るはずで、自衛隊は機能しなくなる恐れがある」との伝聞を記している。
 日中の軍事衝突の公算がそれほど高くないという結論は正しいだろうが、その結論に至る分析のプロセスとしては、問題がある。例えば一人っ子だから軍隊は戦えないというなら、ロシアはどうか?
 ロシアも人口減少で軍は一人っ子ばかりになり、訓練に苦労していたが、グルジア紛争では圧倒的な強さを見せつけた。今のウクライナにもロシアの特殊部隊が侵入しているが、やはり精強さは昔ながらである。一人っ子だから戦えないというのは短絡な議論であろう。
 自衛隊の場合も、確かに支那事変の時の様に大陸に大量の陸上兵力を派遣するというのであれば、任務を拒否する自衛官は出るであろうが、尖閣諸島の争奪戦に投入されるのは少数精鋭の特殊部隊であって、三分の一以上の自衛官が逃亡する事は考えにくい。
 もちろん敵の攪乱情報工作もありうるので、その対策が必要であるのは勿論だが、いずれにしても双方の軍隊が腰抜けだから戦争にならないなどというのは、平和ボケであろう。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年(2015)2月16日(月曜日)通巻第4468号
http://melma.com/backnumber_45206/

(読者の声1)「中国経済の崩壊」が予測されて久しいのですが、まだ崩壊しない。そればかりか、上海株式は上昇しています。これらの事象をみていますと、宮崎さんの予測とは逆のことが起きていますね。
(HI生、名古屋)

(宮崎正弘のコメント)世界第二位のGDPを誇る中国は巨大ゆえに、一夜で潰えることはありません。しかし不動産バブルは瓦解しており、デベロッパーの倒産が連鎖しています。銀行は不良債権を糊塗するために、壮大なごまかしをやっており、そのあおりで真実の公開に頬被りした米国の四大監査法人は罰金を支払いました。
中国人民銀行など金融当局は預金準備率を引き下げ、理由のない緊急貸し出しを数回もおこない、さらに大手企業の債権デフォルトを予防するために、「謎の投資家」がつぎつぎと登場したり、あらゆる手段を講じて防戦中です。
 何回か指摘しましたが、中国経済は危殆に瀕しているにもかかわらず、まだ持っているのは外国企業からの直接投資がまだ続いているからです。
 そして米国のFATCA発効により、世界のタクスヘブンに逃げていた巨額不正資金の一部が「外国籍」を装って中国に環流しているため、上海株式があがっているのです。
破裂は秒読みですが、これを回避するために次に国務院が打ち出すのが稀有壮大というより破滅へ向かっての世紀の賭け、すなわち都市化プロジェクトです。
 ゴーストタウンをまた増やすだけのことですが、経済成長維持のトリックをしばらく中国は続けざるを得ないのです。
 つまり中国経済は事実上破綻しているが、壮大なトリックで外国投資がつづき、未曾有のごまかしをやっているのが実態です。



2月12日(木) テロ事件・欧州にとっての落とし穴

ISILがヨルダン軍パイロットを殺害したとする映像を公開したことを受け、ヨルダン空軍は7日までの3日間でISILの拠点56カ所を空爆したと発表した。
イスラム国拠点56カ所空爆=ヨルダン空軍「地上から一掃する」 時事通信2015年2月9日(月)09:09
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-150209X649.html

 【エルサレム時事】ヨルダン空軍は8日、過激組織「イスラム国」がヨルダン軍パイロットを殺害したとする映像を公開したことを受け、7日までの3日間でイスラム国の拠点56カ所を空爆したと発表した。地元メディアなどが伝えた。
 場所は明らかになっていないが、イスラム国の支配地域の拠点であるシリア北部ラッカが中心とみられる。

 空軍のマンスール・アルジョブル司令官は8日、イスラム国の訓練施設や武器庫、兵舎などを破壊したことを明らかにし、「イスラム国の攻撃能力を約20%低下させた」と強調。また、「このテロリストを地上から一掃する覚悟だ」と述べ、今後数日間、空爆を強化する意向を示した。
 また、米軍率いる有志連合にヨルダンが参加して以降、約7000人の戦闘員を殺害したという。

この応酬は今後更にエスカレートしていくのだろうか。
|視点|パリの大量殺傷事件―欧州にとって致命的な落とし穴(ロベルト・サビオIPS名誉会長)
http://www.ips-japan.net/index.php/news/politics-confict-peace/2283-opinion-the-paris-killings-a-fatal-trap-for-europe-2
Roberto Savio【ローマIPS=ロベルト・サビオ】ROME, Jan 12 2015 (IPS)

かつて文明の揺籃の地であった欧州大陸が、イスラム教に対する聖戦という落とし穴へと、やみくもに突き進んでいる様を見るのは辛い。しかも僅か6人のイスラム過激派テロリストがその引き金になるのに十分だったという現実に、思わず暗澹たる気持ちになる。
しかしそろそろ、世界を席巻した「私たちはシャルリー・エブド」という熱狂から目を覚まし、事実を検証するとともに、私たちが実は少数の過激派の術中にはまり、彼らと同じような思考に染まろうとしている現実を理解すべき頃合いだろう。なぜなら、「西側欧米諸国とイスラム教の間の対立が今後さらに先鋭化すれば、その先には世界を巻き込むより悲惨な結末が待っているからだ。

まず一つ目の事実は、イスラム教が全人類の23%にあたる16億人の信徒を擁する、世界で2番目に大きな宗教という点だ。その内、アラブ人の信徒数は僅か3億1700万人に過ぎない。世界でイスラム教徒が人口の大半を占める国は49カ国にのぼるが、その3分の2近く(62%)がアジア・太平洋地域に位置している。事実、中東・アラブ地域のイスラム教徒よりもインドとパキスタンのイスラム教徒(3億4400万人)の方が多いのだ。また、インドネシア一国だけでも、2億900万人のイスラム教徒がいる。

ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)は、イスラム世界に関する調査報告書の中で、イスラム教の戒律の順守や見解については、中東よりもむしろ南アジア地域の方が、より過激な傾向にあると指摘している。例えば、「犯罪者に対して厳しい刑罰で臨むべき」と回答した者は、中東・北アフリカで57%だったのに対して南アジアでは81%であった。また、「イスラム教を棄教したものを死刑にすべき」と回答した者は、中東では56%だったのに対して、南アジアでは76%にのぼっている。
従って、今日欧米諸国との紛争にとりわけアラブ人が関与している特異性の背景には、明らかに(イスラム教そのものというよりも)中東の歴史が関っている。以下にその4つの理由を解説しよう。

一つ目の理由は、
全てのアラブ諸国が(かつての欧州植民地帝国或いは列強諸国による)人工的な創造の産物であるという点だ。
第一次世界大戦中の1916年5月、フランスの外交官フランソワ・マリ・ドニ・ジョルジュ=ピコ氏と英国の中東専門家マーク・サイクス卿が、ロシア帝国とイタリア王国の支持のもとに会談を重ね、大戦終結後のオスマン帝国領(現在の中東地域を含む)の分割に関する秘密協定をとりまとめた(サイクス=ピコ協定)。
従って今日のアラブ諸国は、フランスと英国が中東地域の民族、宗教、或いは歴史的背景を一顧だにすることなく地図上に国境線を引き、互いの勢力圏を分断定義した結果誕生した国々なのだ。
中にはエジプトのように歴史的なアイデンティティを保持できた国もあったが、イラク、サウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦といった国々ではそれさえ叶わなかった。
今日、人口3000万人におよぶクルド人が未だに自らの国を持てず中東の4カ国(トルコ、シリア、イラク、イラン)に分断された状態に置かれている問題のルーツは、まさに、この欧州列強による中東分割にあることを、想起しておく価値はあるだろう。

2つ目の理由は、
欧州列強が、そうして打ち立てた新国家に、息のかかった人物を王や首長に据えた点だ。当時、こうした人工国家を経営していくには、強権による支配を必要とした。
そこで、これらの国々では、当時欧州で進行していた民主主義のプロセスとは全く合わない政治体制が敷かれ、民衆の政治参加は建国当初から完全に欠如することとなった。つまり中東諸国では、欧州列強の承認のもと、「時」が事実上「封建時代」で凍結されたのである。

さらに3つ目の理由として、
欧州列強がこれらの国々に対して、産業開発や地元民衆の真の発展に資するような事業に一切投資を行なわなかった点が挙げられる。
一方、欧州列強は石油採掘権については、外国企業に独占させた。その結果、石油輸出の恩恵がアラブ人に享受されるようになったのは、第二次世界大戦後の、非植民地化プロセスが進展してからのことだった。
こうして第二次大戦後に欧州列強が去った時、アラブ諸国には、いかなる近代的な政治体制もインフラ設備も、地元の管理体制も皆無な状態だった。

最後に、より現在の問題に関る点だが、
4つ目の理由として、
欧州列強が残していった中東の支配者らが一般民衆に対する教育や医療を顧みなかった中で、代わりに敬虔なイスラム教徒らが、政府が提供しないサービスを提供する役割を担ってきた点が挙げられる。
そうしたイスラム系慈善組織が設立した神学校や病院のネットワークは、その後中東各国で大きく発展したことから、複数政党制が導入されると、こうした草の根の実績がイスラム系政治団体の正当性と民衆支持の基盤となっていったのだった。
それだけに、中東の2カ国を例に挙げると、エジプトやアルジェリアでは、イスラム系政党が選挙で勝利し、その勢いを止めるには、欧米諸国の黙認のもとで軍事クーデターを引き起こすしか手段がなかったのである。

もちろん長年に亘る歴史をこの限られた紙面に凝縮して説明しようとすれば、当然ながら内容は表面的なものとなり、欠落している点も多々出てくることは避けられないだろう。 しかし、今日の中東地域全体を覆っている民衆の怒りと不満がどのようなものか、そして、それらがいかにして貧困層の人々の「イスラム国」への関心を惹きつける結果となっているかを理解するには、この容赦なく要約した中東の歴史プロセスが役に立つだろう。

私たちはこうした歴史的な背景を忘れてはならない。
なぜなら中東では、たとえ歴史に疎い若者でも、イスラエルによるパレスチナ占領という現実から、欧米によるアラブ支配の歴史を常に思い知らされる構図があるからだ。
とりわけ米国のイスラエルに対する無条件の支援は、アラブ人の間では屈辱の歴史を永続化する行為と受け止められている。
また、歯止めがかからないイスラエルによるユダヤ人入植地の拡大は、パレスチナ国家樹立の可能性を事実上不可能にしている。

昨年7月から8月に勃発したイスラエル軍によるガザ空爆に際して、欧米諸国の反応は形式的な抗議に終始するものだった。
このことはアラブ世界では、「欧米の意図は結局のところ、アラブ民衆を抑えつけ、本来排除されるべき腐敗して正当性が疑われている中東の支配者らとの同盟関係のみに関心がある」という明らかな証左だと受け取られた。
また、ピュー・リサーチ・センターも指摘しているとおり、欧米諸国のレバノン、シリア、イラクへの絶え間ない干渉や、各地で展開している無人攻撃機による爆撃作戦は、イスラム教徒の間では、イスラム教を抑え込もうとする欧米諸国の歴史的な政策の一環だと広く受け取られている。

また私たちは、イスラム世界にはいくつかの内部対立があること記憶にとどめておくべきだ。 なかでも最大のものが、スンニ派とシーア派の対立である。
しかし中東アラブ地域ではスンニ派イスラム教徒の少なくとも40%がシーア派を同じイスラム教徒とはみなしていないのに対して、アラブ地域以外ではこの傾向が希薄になる。
インドネシアでは、自身をスンニ派と自認した人々は僅か26%にとどまり、実に56%の人々が自身を「ただのイスラム教徒」と回答していた。

アラブ世界で、人口の大半を占めるスンニ派住民がシーア派住民を同じイスラム教徒として認め、両者のコミュニティーが共存してきた国は、イラクとレバノンのみである。中東地域における両派対立の構図は、全イスラム教徒の僅か13%にあたるシーア派が多数を占めるイランと、スンニ派が多数を占めるサウジアラビアを軸に展開しており、両国の指導者が対立を掻き立てている。

「イスラム国」の前身組織でイラクを活動拠点とした「メソポタミアの聖戦アルカイダ機構」は、当時の指導者アブムサブ・ザルカウィ(1966〜2006)の指揮の下に、シーア派住民への攻撃を執拗に繰り返すことで、イラク社会の二極化(それまで共存してきたスンニ派住民とシーア派住民間の対立と暴力の連鎖)と、首都バグダッドのスンニ派住民(約100万人)に対する民族浄化の悲劇を引き起こした。
その際、シーア派の住民や武装組織による報復の対象となり、家族や財産を奪われたスンニ派住民の多くは、同じスンニ派の「イスラム国」(そもそもシーア派住民を攻撃してこの悲劇を引き起こした張本人)に保護と求めた。
過激なカリフ制の復活を謳い欧米のみならずアラブ世界全体と対立している「イスラム国」がイラクで多くのスンニ派住民を引き付けている背景にはこのような皮肉な事情がある。

さて、オタワ、ロンドン、そして今回のパリと、欧米で発生した全てのテロ事件には、奇妙な共通点がある。
つまり、実行犯はいずれもアラブ地域出身者ではなく犯行が行われた国出身の若者で、居場所を転々とし、職につかず社会から孤立していた人物であった。
また、いずれも10代を通じで全くと言っていいほど信仰心に篤い人物ではなかった。
さらに、犯人のほぼ全員が、過去に司法当局の世話になっていた。


犯人がイスラム教に改宗し不信心者を殺せという「イスラム国」の要求を受け入れたのは犯行の僅か数年前のことだった。
現世の将来に絶望していた若者は、これにより自分の人生に意義を見出し、殉教者として天国で重要な位置を得られると考えたのだ。

こうしたテロ事件をうけて、近年欧米諸国では、イスラム教そのものを敵視する動きが高まってきている。
1月7日版の「ニューヨーカー」誌は、「イスラムは宗教ではなくイデオロギーだ」とする感情的な記事を掲載した。
イタリアでは、右派で移民排斥を訴えている政党「北部同盟」のリーダーであるマッテオ・サルビーニが、イスラム世界との対話を進めているとしてローマ法王を公然と批判したほか、政治評論家のジュリアーノ・フェッラーラがテレビ番組の中で「我々は聖戦を戦っている」と宣言した。

パリの大量殺傷事件に対する欧州(と米国)の全般的な反応は、フランソワ・オランド大統領が言う、「極端なイデオロギー」が引き起こした結果として非難するものだ。
しかし一方で、アンゲラ・メルケル首相が先般反対の立場を表明した、右派ポピュリスト団体「PEGIDA(西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人)」がドレスデン(イスラム教徒の人口は2%)で行った反移民デモ行進も、高まる反イスラムの潮流という「極端なイデオロギー」を示すものだ。
Pegidaの標的はドイツへの亡命を希望している200万人の難民(大半がイラク人とシリア人)で、「彼らの真の意図は戦争からの逃避ではない」等と主張して、昨年10月から毎週ドイツ各地で反移民集会を開いている。

一方で欧州各国を網羅した調査報告書によると、移住者の圧倒的多数が、移住先の経済にうまく溶け込んでいる。国連の報告書も、欧州における人口減少問題との関連から、今後欧州諸国が今日の社会福祉体制を維持し、国際社会において競争力を維持していくためには、2050年までに少なくとも2000万人の移民を受け入れる必要があると結論付けている。
しかし、今日欧州各地で発生している現実は、それに逆行するものである。

また今日欧州では、政府を解散に追い込んだスウェーデン民主党や前回の地方選で25%の得票率を獲得し、更なる躍進を狙うフランス国民戦線の例にみられるように、排外主義的なナショナリズムを掲げる右派諸政党が、英国、デンマーク、オランダ等、各地で勢力を伸ばしている。

今回パリで発生したテロ事件は、言うまでもなく極悪非道の犯罪であり、如何なる意見の表明も、民主主義に欠かせないものだが、一方で、今回の事件以前にシャルリー・エブド紙を実際に読んでその挑発の程度を確認したことがある者は極めて少なかったという事実も、踏まえておくべきだろう。
ガーディアン紙のタリーク・ラマダン氏が1月10日付の論説の中で指摘しているように、シャルリー・エブド紙は、「表現の自由」を主張する一方で、2008年に社員の漫画家がニコラ・サルコジ大統領(当時)の子息とユダヤ人女性の結婚を風刺した作品を反ユダヤ的だと非難された際には、その社員を解雇している。

シャルリー・エブド紙は、世界におけるフランスの優越性とフランス文化の優位性を擁護する声であり、読者数はごく限られたものだった。そしてそうした読者も(異なる文化や宗教間の尊重と協力を基礎とした世界観とは真逆の)挑発的な内容を売りにして獲得したものだった。
そして今、「私たちはシャルリー・エブド」の大合唱が起こっている。
しかし、世界の二大宗教間の衝突を先鋭化させれば、決して些細な出来事では終わらないだろう。
私たちは、犯人がイスラム教徒であろうがなかろうが、テロと戦わなければならない
(私たちは、ノルウェー人でキリスト教原理主義者のアンネシュ・ベーリン・ブレイビクが、イスラム教徒がいない祖国を訴えて同胞のノルウェー市民91人を殺害した事件のことを忘れてはならない。)

しかし私たちは今や致命的な落し穴にはまり込み、イスラム教への聖戦を押し進め、結局は圧倒的な大多数を占める穏健なイスラム教徒までが追いつめられ、やむなく武器をとって戦う…という、まさにイスラム過激派が望むシナリオへと突き進んでいるのだ。

欧州諸国の右派諸政党が、こうした社会の急進化から恩恵を被る状況は、実は、イスラム過激派らにとっては歓迎する事態なのだ。
イスラム過激派は、世界を戦いに巻き込み、その中で独自のイスラム教(つまりイスラム教であれば何でも良いわけではなく、スンニ派の教義を彼らが独自に解釈したもの)を唯一の宗教として打ち立てることを夢見ているのだ。
これに対して、私たちは、本来ならこうした過激派を孤立させる戦略を採用すべきなのに、(彼らが望む)対決策に手を染めているのだ。

さらに言えば、アラブ世界で現在起こっていることと比べれば(例えば、シリア一国だけでも昨年だけで50,000人が命を失った)、これまで欧米諸国で命を失ったテロの犠牲者の数は、ニューヨークの9・11同時多発テロ事件のケースを除いて、ごく小さい規模でとどまっている。
私たちは、実は「世界規模の悲惨な衝突を創り出そうとしている」ということに気づくことなく、なぜこうもやみくもに落し穴に向かって突き進んでいこうとするのだろうか?

(原文は↓)
http://www.ipsnews.net/2015/01/opinion-the-paris-killings-a-fatal-trap-for-europe/

本記事の中で紹介されている見解は著者個人のものであり、インター・プレス・サービスの編集方針を反映したものではない。
翻訳=IPS Japan



2月11日(水) トルコ・ロシアの急接近

トルコはイスラム教の国であるが世俗主義をとっている。 親日国とも云われている。
トルコはエネルギー分野でロシアとさらなる関係構築に踏み出している。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年(2015)2月10日(火曜日)通巻第4463号
http://melma.com/backnumber_45206/
G20財務相会議はイスタンブールで 直前トルコに飛んで派手なデモンストレーションを行ったのはロシア

 トルコと露西亜が異常接近している。
 かつて露と戦争を闘い、オットーマントルコ(オスマントルコ)帝国は南北から列強の挟み撃ちとなって南カフカスからバルカン半島、アラブ世界、そして北アフリカの宏大な領地を失った。
 ロシアへの恨みは深く、日本が日露戦争に勝ったとき、トルコは国中がお祭り騒ぎとなって日本の勝利を祝福した。

 それほど反露感情の強かったトルコが、なにゆえにロシアに接近したのか。
 繰り返し小誌でも指摘してきたように、トルコは「ヨーロッパの一員」という歴史認識の下、NATOの重要なメンバーとして冷戦時代はロシアに対峙し、黒海の南端を守備してきた。
NATOの地中海パトロールの拠点はトルコ第三の都市イズミールである。
 冷戦終結後、東西ドイツは統合され、NATOは変質し、西欧はEU、そしてユーロの統一通貨を産んだ。
トルコは当然、ヨーロッパの一員として加盟申請したが、つめたくあしらわれ、ユーロに加えてもらえなかった。

このあたりからトルコの欧州離れが始まり、湾岸戦争、イラク戦争、そして現在のシリアから「イスラム国」戦争を通じて、イスラムへ大きく回帰し、トルコ全土の大学にモスクを建設し、イスラム世俗主儀の一部を、宗教の彩りを加えた政策に切り替える。
 目には見えないがトルコにはイスラム原理主義が深く存在している。
 サルマンラシュディ事件のときも、三十名近い翻訳者や作家、ジャーナリストが殺害された。
イスラム国の拠点地域のシリアへ向かう若者らの通り道もトルコであり、当局は間接的にイスラム国の過激派の兵站ルートを兼ねた。
 エルドアン大統領はオザル元政権のような親米色が薄く、強固なナショナリスト、あたかもオスマントルコ帝国の再来を期するかのような政治的発言が目立つようになった。

 ▼新しいパイプライン敷設予定地域を上空からランデブー視察
 異変が起きた。
 水面下でトルコに接近してきたロシアは西欧へ輸出する石油とガスのパイプラインの新ルートに「サウザンルート」(黒海西側からブルガリア、ルーマニアを経由して西欧へ)を止めて、トルコ経由とすることを正式に発表したのだ。
 これは日本では殆ど無視されたが、西欧に衝撃を与える事件だった。

 現在は北海ルート(海底パイプラインをドイツへ)を建設中のほか、既存のパイプラインはウクライナルートとセイハンルート(南カフカスからトルコをまたぎ地中海へ)があり、このうえに黒海東側からトルコ北西部を通過し、ギリシアとの国境へパイプラインを繋げる。
 そして2月7日、ロシア国有の大企業ガスプロムのCEOであるアレックス・ミラーがイスタンブールへ現れた。
トルコのタネル・イズデズ(エネルギー大臣)が出迎え、ふたりは特別ヘリコプターへ乗り込んで四時間の飛行を楽しんだ。
イスタンブールから黒海上空を経てマルマラ海まで。ガスパイプラインの敷設予定地を空から視察したのである。

 折からイスタンブールではG20財務相会議が開催される。直前に、これほどの当てつけデモンストレーションはないだろう。

ロシア=トルコとのさらなる協力関係へ、パイプライン建設で新会社 2014/12/17 07:43
 エネルギー分野で近年、中国やインドとの関係を強化してきたロシアだが、ここにきてトルコとのさらなる関係構築に踏み出した。ロシア国営天然ガス企業のガスプロムはこのほど、トルコ向け天然ガスパイプラインを建設するための新会社「ガスプロム・ルスカヤ」をサンクトペテルブルクに設立することを公表した。・・・・
(全文は↓)
https://www.rim-intelligence.co.jp/news/select/category/feature/article/580413



2月8日(土) 「大紀元」へ大規模サイバー攻撃

webでニュースを読む人はお馴染みと思うが、大紀元が2日アクセス不能になっていた。 最初は自分のパソコンか通信回線の不調かと思ったが、大紀元サイトのみで翌日3日まで続いた。6日、同サイトのニュースで「中共本部による大規模サイバー攻撃とみられる」とのことであった。
シナでは共産党による情報統制があるのは承知しているが、ニュースを国際的に配信するサイトへのサイバー攻撃を初めて目にした。

システム関係の知人に聞いた話では、銀行のサーバーにはしょっちゅう不法アクセスがあるらしい。クレジットカードの情報を盗むためとのことだ。
我々の知らないところで、企業や官公庁国防関係など不法アクセスが多いのではと想像される。
大紀元へ大規模サイバー攻撃 サーバに通常時の数百倍の負荷
http://www.epochtimes.jp/jp/2015/02/html/d74046.html

【大紀元日本2月6日】2月2日から大紀元グループに対して大規模なサイバー攻撃があり、日本語を含む一部サイトでは閲覧に支障が生じた。関係者の話では、大紀元日本を運用するサーバには平均時の数百倍近い、一日10億回以上の問い合わせ(クエリ、データ処理要求)があったという。

 海外拠点の中国メディアが中国政府の資金を受けて宣伝機関となっている一方、大紀元は独立メディアとして一線を画してきた。中国共産党の検閲を受けない大紀元は、これまでに幾度となくサイバー攻撃を受けてきた。この度の攻撃の首謀者は明らかになっていないが、過去の事例では、中国の政治変動や事件事故により社会事情が不安定になった時、比例してサイバー攻撃は強まった。

 今回の攻撃元は中国、米国、日本など世界中で、一日10億回以上の問い合わせ(クエリ)が大紀元日本のサーバへ送られた。膨大なアクセスでサーバ管理側は運用を一時停止せざるをえなくなり、それによりサイトは閲覧できなくなった。

 大紀元日本の情報技術者はその特徴から、第三者のコンピュータを、悪意を持って操作し攻撃の「踏み台」にして、標的に対し膨大な負荷を掛ける「DDoS攻撃」とみている。現在、この種の攻撃から完全に防衛する方法はなく、インターネットの脅威とされている。

 大紀元グループへのサイバー攻撃は日本時間2日夜に確認された。「閲覧できない」との通報を受けた情報技術者がサーバ管理会社に問い合わせると、アクセス過多により運用停止措置を取られていたという。

 容赦ない攻撃は翌3日も続いた。複数の企業からサーバを次々と新規に設置するも「トラフィック量が多過ぎる」として各社は運行の継続を拒んだ。この情報技術者は「日本のインターネットサービスプロバイダで耐えられる量ではない」と攻撃規模を表現する。

 大紀元中国語と英語、同じく独立メディアの衛星放送局・新唐人テレビも同時期、閲覧不可やサイト表示の一部に異常が出るなどの被害に遭っている。深夜や早朝には攻撃規模が収まり、閲覧できるようになるため、攻撃者は日中に作業していると見られる。

 これまで大規模なサイバー攻撃は、主に大紀元中国語と英語に対して行われていた。10年目を迎える日本語では、今回が初めての大規模攻撃だ。大紀元日本の盧勇編集長は「中国の隠された内情が、日本社会に伝わるのを中国共産党は恐れているためではないか」「中国問題を指摘してきた香港支社長の来日講演への妨害か」と、今回の攻撃が共産党主導のものとの推論を述べた。

 大紀元はこれまでも、中国の政治や社会事情に変化が起きると、集中的なサイバー攻撃を受けてきた。江沢民元国家主席の右肩・周永康氏の汚職や職権濫用に係る報道や、薄煕来元共産党幹部のクーデター計画をいち早く報じた時、大紀元本部が置かれる米国では大規模なサイバー攻撃を受けた。また多数の法輪功学習者が収監され、拷問や強制労働が行われている遼寧省馬三家労働教養所の実態について報じた時なども、同様な攻撃被害があった。

 いずれの報道も中国共産党のタブーとされる事項で、中国国内では知ることが出来ない内容だ。大紀元日本のサイトは現在、技術的な調整により閲覧が可能になったが「ここ数日は予断を許さない状況。次なる大規模な攻撃が予想される」と技術者は語る。大紀元日本は警戒を強めている。
(文・佐渡 道世)



2月6日(金) 西村真悟氏「やはり、言はずんば、収まらず」

テロ事件に便乗して安倍さんを攻撃するTVコメンテータやマスゴミ。
真悟先生はちと違う。本質をこれだと指摘しておられる。

■平河総合戦略研究所メルマガ■□□(2014年2月5日 第1505号 )
http://melma.com/backnumber_133212/
■真悟の時事通信
http://www.n-shingo.com/jiji/?page=1064
やはり、言はずんば、収まらず 平成27年2月4日(水)

 安倍総理大臣は、二月一日、次の声明を発した。
1、御親族の御心痛を思えば、言葉もありません。
  政府として、全力を挙げて対応してまいりました。
  まことに無念、痛恨の極みであります。
2、非道、卑劣きわまりないテロ行為に、強い怒りを覚えます。
  許し難い暴挙を、断固、非難します。
  テロリストたちを絶対に許さない。
  その罪を償わせるために、国際社会と連携してまいります。
3、日本が、テロに屈することは、決してありません。・・・。
  テロと闘う国際社会において、日本としての責任を、毅然として、果たしてまいります。
4、協力してくれた、世界の指導者、日本の友人たちに、心から感謝。
5、今後とも、国内外における国民の安全に万全を期してまいります。

 これは、「イスラム国」による湯川遥菜さん殺害に続く後藤健二さん殺害に対して為された声明である。
 政府として、全力を挙げて対応してまいったのは、  一月二十日の「イスラム国」による二人殺害脅迫から殺害映像を確認した二月一日までのことだ。

 そこで問う。
 安倍内閣が、北朝鮮に対して昨年十月末に、「拉致問題は我が国の最重要の国家的課題である」と伝達してから解散総選挙を経て現在まで、何をしてきたのか。
 「全力を挙げて、対応して参った」のか。

 さらに問う。
 安倍総理は、北朝鮮の日本人拉致が、「非道、卑劣極まりないテロ行為である」と思うのか、  「強い怒りを覚える」のか、「許し難い暴挙、断固、非難する」のか、「テロリストたちを絶対に許さない」のか、そして、「その罪を償わせる」のか。

 この度、「イスラム国」に殺された二人は、アメリカ人やフランス人が首を切られて殺されている極めて危険な「イスラム国」支配地域に、厳しい雪山に危険を承知で入山した登山者のように危険を覚悟して入った者である。
 しかし、拉致された同胞は、日本国内で行楽の際や学校からの帰宅中に、突然後ろから襲われて猿ぐつわをされ手錠をかけられ袋に入れられ暗い船倉に押し込まれて北朝鮮に連れて行かれ長年抑留されている者である。
 これ、「非道、卑劣窮まりないテロ行為」ではないか。そして、「被害者本人の驚愕と苦痛と無念」そして「御親族の御心痛」、共に計り知れない。

 安倍総理と内閣は、昨年に、この拉致問題を「我が国の最重要の国家的課題だ」と北朝鮮に伝達してから、その口先で用は済んだとでも言わんばかりに、すぐに解散総選挙に取りかかり、以後現在に至るも、拉致問題への関心を示したことはなく、対北朝鮮圧力を高めて交渉を迫った形跡もない。
 即ち、安倍総理と内閣は、一貫して拉致被害者に無関心、冷淡である。
 この無関心と冷淡さが、極寒の地にいる拉致被害者と「御親族の御心痛」を如何に耐え難いほどにしたか察してはいまい。

 しかし、総選挙の結果に浮かれて、北朝鮮による日本人拉致(テロ)の被害者に無関心・冷淡であったまさにこの時に、突如「イスラム国」から邦人殺害を突き付けられた安倍総理と内閣は、十日間、テロリストに振り回されたあげくに、沈痛な表情で冒頭の声明を発して、 自ら、テロに対して「為さねばならないこと」を表明することによって、 却って拉致というテロに関しては、その「為さねばならないこと」の正反対を為している内閣であることを、世間にさらけ出したといえよう。
 その結果、本日報道されているように、日本人拉致に関わっている北朝鮮テロリストの我が国内の総本部(GHQ)である朝鮮総連本部建物が、朝鮮総連によって、「実質買い戻し」(産経新聞朝刊一面)という事態になっている。

 これが、「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために、国際社会と連携してまいります」という安倍総理と内閣の容認できることか。
 また、「テロと闘う国際社会において、日本としての責任を、毅然として、果たしてまいります」という安倍総理と内閣の容認することなのか。

 そう考えれば、この声明、口先だけの「あほらしい」声明である。
 何故、口先だけか。
 少し考えていただきたい。
 私達(田母神俊雄と西村眞悟と次世代の党)が闘った総選挙の大義を。
 自民党と公明党を引き剥がさなければ、日本の将来は危うい、と私達は訴えた。これが戦いの大義だ。
 しかし、この大義。あまりにも短期間の総選挙であったが故に、国民に浸透する前に選挙が終わった。
 その結果、自公連立は温存され、次の通りになる。

   この自民党と公明党の連立政権に乗る安倍総理は、いざとなれば声明を裏切って逃げる。
   安倍声明に曰く、  「その罪を償わせるために、国際社会と連携する」さらに曰く、「日本としての責務を、毅然として果たしてまいります」

   そこで、「国際社会」が東京で一同に会して、「イスラム国支配地域への合同武力進撃とテロ首謀者の掃蕩」を決議した。
 安倍総理は、声明通り、「国際社会と連携」し「日本の責務を毅然と果たす」か!

 保証する、安倍総理と自民と公明の党幹部は、一致して以下のごとく言って「国際社会」から、さらに「日本の責務」から逃げる。
「えー、我が国は憲法で、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して物事を解決することを基本方針としております。
 えー、さらに我が国には憲法九条がありますので武力行使はできません。」

朝鮮総連627億円の借金踏み倒し→競売→マルナカ入札22億円で購入→グリーン社へ44億円で売却→総連へ賃貸の可能性?
スゴイからくり
総連本部、「退去逃れ」…転売先から賃借か 2015年02月05日 09時37分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150205-OYT1T50015.html

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部(東京都千代田区)の競売問題は、落札した不動産関連会社「マルナカホールディングス」(高松市)が不動産会社「グリーンフォーリスト」(山形県酒田市)に転売したことで、朝鮮総連が中央本部を継続使用する可能性が高まった。

 朝鮮総連の関連会社がグリーン社に購入資金を融資し、朝鮮総連が同社から中央本部を賃借する構図とみられている。専門家らは、朝鮮総連側が「退去逃れ」に成功したことになるとして、一連の経緯を問題視している。

 問題の発端は、バブル崩壊の余波で1990年代、朝鮮総連と関係の深い信用組合の破綻が相次いだことだった。不良債権を引き継いだ整理回収機構は、焦げ付いた融資のうち約627億円分が実質的な朝鮮総連への融資と判断。朝鮮総連は返済に応じず、同機構は2012年、強制競売を申し立てて中央本部を差し押さえた。

 入札の結果、東京地裁が昨年3月、マルナカ社への売却を決めると、朝鮮総連は東京高裁に不服を申し立てた。都心にある中央本部は、国交のない北朝鮮の「大使館」となる重要施設。危機感を募らせた北朝鮮が、昨年5月の日本との政府間協議で、競売への「強い懸念」を表明したほどだった。

 不服申し立ては最終的に最高裁で退けられ、マルナカ社は昨年11月、22億1000万円で所有権を取得した。マルナカ社は「朝鮮総連に直接売却したり、賃貸したりすることはない」と明言。一方、朝鮮総連は沈黙を貫いた。

 水面下で仲介に動いたのが、マルナカ社の地元選出の元参院議員・山内俊夫氏(68)だ。「朝鮮総連への賃貸も視野に入れてほしい」。山内氏は昨年12月、付き合いのあったグリーン社幹部にこう伝えたという。

 グリーン社がマルナカ社から中央本部を購入したのは1月28日。売買価格は約44億円とされる。山内氏は取材に対し、「朝鮮総連が継続使用できれば、日朝関係が進展して国益にもかなうとの思いからだ。朝鮮総連の意向を直接受けたわけではない」と説明する。
2015年02月05日 09時37分 Copyright © The Yomiuri Shimbun



2月5日(木) 鍛冶俊樹氏「(テロ)狙いはヨルダン王室」

外務省が警告を発しているにもかかわらず巻き込まれ殺害されたとみられる二人の行動や動機は、あまり同情できない。周囲の心配をよそに親よりも先に死ぬという親不孝でもある。
TV、新聞による安倍政権に対する「テロ便乗攻撃」には呆れる。
テロ事件の背景はなかなか判りにくい。軍事ジャーナリスト鍛冶俊樹氏の解説。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル第174号(2月4日)
http://melma.com/backnumber_190875/

狙いはヨルダン王室だ。
 「安倍総理が後藤氏を殺した」という、テロリストと同様の発言をする人が日本にもいるらしいが、ヨルダン軍パイロットの焼殺映像が公開されて、「これも安倍政権の責任だ」とでも言うのだろうか?
 ISIL(イスラム国)は始めからヨルダン王室を標的にしていた。12月に後藤氏の身代金20億円を要求しながら、1月には240億円の身代金を要求している。20億円を支払わない相手が240億円を支払う筈はない事は猫でも分かるのに、である。
 つまりISILは日本が身代金を支払わない事を知った上で、敢えて法外な金額を提示して、世界の注目を集めたのだ。「安倍総理がイスラエルの首相と握手している写真がイスラム教徒を刺激した」との指摘もあったが、ビデオ声明ではそれには触れていない。

 声明で述べているのは「日本の首相がイスラム国と敵対する国々に2億ドル拠出した」事への不満である。この2億ドルは安倍総理が1月中旬、中東歴訪で表明したもので、その半分の1億ドルはヨルダンに拠出されることも表明されていた。
 最初のビデオ声明から4日後、湯川氏が殺害された写真を含む映像が公開され、そこでISILは身代金の要求を取り下げ、代わりに後藤氏とヨルダンに収監されている女死刑囚との交換を提案し、さらに3日後「応じなければ捕虜となっているヨルダン軍パイロットを殺す」と脅迫したのである。
 ここで脅迫の対象が日本ではなく、実はヨルダンであることが明らかになる。そしてヨルダン国内で、「女死刑囚を日本人と交換するより、ヨルダン軍パイロットと交換せよ」という声が澎湃として沸き起こり、ヨルダン政府批判から王室打倒のデモにまで発展した。

 本誌昨年の7月3日号「イスラエルの戦略」で、筆者は「イスラエルがISILを利用してヨルダンの解体を目論んでいる」可能性を指摘した。ISILは元々、米CIAが反シリア勢力として養成したもので、現在は米国と敵対しているものの、トルコやイスラエルなど、米国と中近東で特別な関係にある国々とは現在でも敵対していない。
 国際政治は常に中近東から動き出す。今回の事件も戦後秩序崩壊の過程の一コマなのだろう。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。


鍛冶俊樹の軍事ジャーナル第152号(7月3日)
イスラエルの戦略

 イスラエルの高名な戦略研究家の話を聞く機会があった。話には刺激的な所もあったが、イスラエル政府の顧問の立場にあるようで、全体的には慎重な言い回しで、現在中東で起きている事象のある重要な部分については、質問しても回答を拒否するという場面もあった。
 従って以下に記すことは、その人の発言ではなく、その発言を聞いた筆者の印象に基づく分析である。

 現在、中近東で起きている事象は、国家対国家の戦争と言うより国家崩壊の戦乱である。イスラエルは周辺の国家が崩壊していくことを自国にとって好ましい事象と見ており、陰では推進している。
 イラクにおける戦乱については、北部クルド地域、中部スンニ派地域、南部シーア派地域の3分割は不可避であり、イスラエルは既にクルド独立承認の姿勢を見せている。クルド人地域はイラク、トルコ、イランに跨っているからクルディスタン国家が成立すれば、必然的にイラク、トルコ、イランの解体となる。
 またイラク中部スンニ派地域が独立すれば、アルカイダが主導権を握ることは確実であるが、アルカイダはサウジ王家を標的にしているから、必然的にサウジアラビア崩壊に直結する。  イスラエルがシリア解体を目論んでいることは既に知られているが、新たにヨルダンの解体を目論んでいる。現在イラクに侵入しているイスラム武装勢力ISILはシリア、イラク、ヨルダンに跨るイスラム国家の樹立を目指しているのである。

 ヨルダンが解体されれば、パレスチナ人をヨルダンに強制移住させ、かくてパレスチナ問題は解消する。イスラエルが中近東全面支配を目指しているかの印象を与えるが、そこは巧妙なバランス・オヴ・パワーを考えている。
 イラク南部シーア派地域をイランに併合させ、イラン北部クルド地域独立の見返りにし、さらにはイランの核開発を承認し、イスラエルとイランの2大核武装国で中近東を分割する。

 以上は筆者の類推を交えた分析だが、モサドがこの位の計画をしていると聞いても中近東の専門家なら驚かないだろう。ついでに言えば、中近東に限らず、もはや国際情勢の流動化は誰の目にも明らかであり、こうした大胆な再編計画は東アジアにも必要だろう。



2月3日(火) 映画「Always 三丁目の夕日」

一昔前明治百年と云われた時期があったが、今年は早昭和九十年という。
その前半三分の一昭和三十年代を再現した「Always 三丁目の夕日」をレンタルDVDで鑑賞した。
古希路に入った私は、昔を懐かしむことが多くなった。

映画の一場面




昭和三十年代と云えば、私は小・中・高校生、社会人になる時代。
高校を卒業し、就職したもののイマイチ面白くなく一年で辞めてしまい、暫く家業を手伝っていた。
映画のシンボルになっている東京タワーが出来、TVが登場し、皇太子殿下(今上陛下)がご成婚され、東京オリンピックが開催された。
家業従事のため、親が自動車学校にやってくれた。その学校ではトヨペットクラウンが採用されていた。
家ではダットサントラックで配達をやらせてもらった。
この映画のなかに、その頃の町並みや道路が再現されている。オート三輪、ミゼットなど当時の車がせわしく走っている風景が見られ懐かしい。CGとのことだが、実写との区別が付かない。 市電の走る大通りは、配達に回った神戸市街とよく似ている。

登場人物は小さな自動車修理工場「鈴木オート」の家族、東北から集団就職で採用された従業員、近所の三文作家、ストリッパー、居酒屋の客等々。笑いあり、涙ありの群像劇だ。
そんなこともあったなぁと大いに自分の思い出と重ね合わせてしまった。

六年ほど家業に従事したが商売は自分には不向きと自覚した。
弟が専門短大を出て家業を継ぐことになり、私は幾つかのアルバイトの後30歳でまた勤め人になった。

■Always 三丁目の夕日
http://movie.walkerplus.com/mv34960/
■Always 続・三丁目の夕日
http://movie.walkerplus.com/mv36772/
■Always 三丁目の夕日'64
http://movie.walkerplus.com/mv48089/


1月28日(水) 朝日新聞集団訴訟

朝日新聞の長年にわたる「従軍慰安婦報道」は日本の名誉毀損、中韓の反日捏造歴史にネタを提供した。そればかりか、河野談話、村山談話のような謝罪外交のベースになった。
米国では真に受けた市民が慰安婦像を各地に建立し、在米日本人が肩身の狭いおもいをするに至った。
「朝日新聞を糾す国民会議」(事務局=「頑張れ日本!全国行動委員会」)が推進する朝日新聞集団訴訟の原告団が一月二十六日午前、起訴状を東京地裁に提出した。
原告団は8700余名にのぼるという。
【メルマガ台湾は日本の生命線!】より
朝日新聞集団訴訟ー宣戦布告の記者会見!原告団は日本史上最大に! 2015/01/26/Mon
ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2505.html

朝日新聞の慰安婦に関する虚報により名誉と信用を棄損された国民の法廷闘争がいよいよ始まった。
「朝日新聞を糾す国民会議」(事務局=「頑張れ日本!全国行動委員会」)が推進する朝日新聞集団訴訟の原告団が一月二十六日午前、起訴状を東京地裁に提出したのだ。
原告数は八千七百四十九名。しかしその数は今後も増える見込み。そこで近々第二次の訴訟提起も行われるが、「JAPANデビュー」を巡るNHK集団訴訟の一万三百三十五人を上回り、裁判史上最大の規模となりそうだ。

日本の官憲による慰安婦の強制連行という朝日の宣伝により、旧軍将兵、そして国民は集団強姦犯人、あるいはその子孫という汚名を着せられ、人格権、名誉権が著しく損なわれた。
日本の国家、国民の国際的評価は著しく低下して世界から言われなき非難を浴び続けている。

たしかに虚報を巡って朝日は「読者」に対し反省と謝罪の意は表明した。しかし捏造情報で迷惑を被ったのは「読者」だけではないのである。国際社会における国家、国民の名誉回復の努力も一切していない。
そこで朝日新聞全国版で謝罪に一面広告を掲載することと、原告に対する一万円の慰謝料の支払いを求めるのがこの訴訟なのだ。

この日午後、司法記者クラブで原告団による記者会見が開かれた。
出席した原告は渡辺昇一氏(原告団代表)、小堀桂一郎氏、高山正之氏、藤岡信勝氏、水島総氏。そして弁護士の高池勝彦氏、荒木田修氏、尾崎幸廣氏。
会場には朝日新聞を含むマスコミ各社の記者、カメラが集まった。

渡辺氏は訴訟の目的についてこう語った。
「朝日のウソのため、戦地にいた日本人あけでなく、我々の子供、孫、曾孫に至るまで恥ずかしい思いをさせられることになり、怒りを感じる。朝日には日本人としての恥というものを知ってほしい」
小堀氏は「虚報で国と国民の名誉を深く傷つけたのは事実。『我が社の報道は誤りだった』と広告を出せば問題は解決する」と説明した。
これに対して「敵意」を感じさせる質問はマスコミからは出なかった。ただ訴訟に懐疑的と思わせるものが、フリージャーナリストの江川紹子氏から出された。

「渡辺氏は『恥』という言葉を使ったが、慰安婦そのものが恥なのか。それとも慰安婦などなかったというのか」と。
これに対して荒木田氏が間髪入れずに応じた。吐き捨てるかのように「誰も慰安婦はなかったなどと言っていない」と。
「慰安婦強制連行はなかった」という主張を「慰安婦は存在しなかった」との誤った主張と思わせるような印象操作を朝日は行って来ているが、江川氏はそれを真に受けたのか。
それとも朝日の手法を真似て、何かしら原告団から誤った見解を引き出し、今後の原告団批判に利用しようとしたのか。

江川氏はさらに「問題にする慰安婦は朝鮮半島のものに限るのか」「強制連行はなかったということか」と質問した。「軍人の何らかの犯罪行為はあったとしても、それは軍法会議でも裁かれている。官憲による強制連行はなかったということだ」と高池氏が答えた。
江川氏は軍人の個人的な犯罪行為をも、官憲による強制連行とし、朝日を擁護したかったのだろうか。高池氏からそう説明され、「官憲がやったことはないと受け止めていいか」と確認し、「いい」ときっぱり言われ、質問を終えた。
江川氏の質問を聞き、訴訟を快く思わない人々が今後行うであろう原告団批判の論法とは、おおよそこういうレベルのものになるのだろうと感じた。
少なくとも真正面からは朝日の慰安婦報道を擁護できないわけである。それでいながらも敵意を抱くというのなら、「恥」を知らないということになろう。

問題はこれから裁判官がいかなる判断を見せるかだ。
国家、国民の名誉を巡り、正が勝つのか邪が勝つのか。全国国民は注目すべし。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「朝日新聞を糺す国民会議」より 
http://www.asahi-tadasukai.jp/
「朝日新聞集団訴訟」原告募集!
「朝日新聞を糺す国民会議」では、「朝日新聞集団訴訟」の原告を募集中です。
希望される方は、下記より訴訟委任状(PDFまたはWord)をダウンロードしていただき、必要事項をご記入の上、「朝日新聞を糺す国民会議」まで必ず郵送にてお送りください。
訴訟委任状(PDF) 
http://www.asahi-tadasukai.jp/ininjyo.pdf

ご記入される際は、以下の「記入例」をご参照のうえ、日付・郵便番号・住所・お名前(直筆)・印(三文判可・シャチハタ不可)・電話番号・捨印(三文判可・シャチハタ不可)を忘れずにご記入ください。お名前だけは必ずパソコンではなく直筆でお願い致します。
※必ず現物を郵送にてお送りください。
※FAXやメールでは受け付けておりません。
※裁判の全てを訴訟代理人に委任することになりますので、実際に法廷にお越しいただく必要はありません。
※外国在住の日本人もご参加になれます。
その場合、委任状に記載する御住所は現住所でお願いいたします。
また、お名前と御住所の記載は、アルファベット等の現地語とカタカナ等の日本語を併記してください。
外国在住で印鑑をお持ちでない場合は、イニシャル等のサインで結構です。
訴訟委任状送り先
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1-1-16 若草ビル
頑張れ日本!全国行動委員会内 「朝日新聞を糺す国民会議」
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
「朝日新聞を糺す国民会議」事務局
……………………………………………………
朝日新聞の捏造報道によって、具体的な実害を受けられた方がご参加いただく場合、一度、事務局まで電話・ファックス・メール等にてご連絡いただければ幸いです。



1月27日(火) 人質事件進展無し

「交渉なし」、長期化視野=邦人人質、27日で1週間
http://news.goo.ne.jp/topstories/politics/1112/10e098415065256c43e41156ac885bbc.html

 過激組織「イスラム国」によるとみられる日本人人質事件で、菅義偉官房長官は26日午後の記者会見で、イスラム国側との接触について「全く交渉がない」と明らかにした。政府は後藤健二さん(47)の早期解放に向け全力を挙げているが、安倍晋三首相は同日、事件長期化の可能性に言及した。インターネット上で邦人殺害を警告する動画が確認されてから27日で1週間となる中、事態解決への展望は開けていない。

 首相は26日午後、首相官邸で岸田文雄外相と会い、人質事件に関し「今すぐに動きがあって不思議ではない一方、時間がかかり、今後の成り行きが不透明になることも考えられる」と指摘。長期化も視野に対処するよう指示した。これに関連し、政府高官は26日夜、事態が長引けば、ヨルダンの現地対策本部で指揮を執る中山泰秀外務副大臣をいったん帰国させ、別の責任者の派遣を検討する考えを明らかにした。

 首相はこの後の自民党役員会でも「厳しい状況だが、ヨルダンはじめ各国と連携し、緊張感をもって努力していきたい」と語った。
(時事通信) 2015年01月27日 00時35分

ISIS傘下のラジオ局、湯川さんの殺害伝える 2015.01.26 Mon posted at 16:43 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35059500.html?tag=top;topStories

東京(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」によるものと見られる邦人人質事件で、ISIS傘下のラジオ局は25日、インターネット上で、湯川遥菜さんが殺害されたと報じた。また、後藤健二さんの名前には言及しなかったものの、人質交換の要求がなされたことも伝えた。
ISISは今月20日、インターネット上に湯川さんと後藤さんの殺害を予告する映像を公開し、日本政府に対して72時間以内に2億ドルを支払うよう要求。
24日には湯川さんの殺害場面とされる写真を掲げた後藤さんの画像がインターネットで公開され、画像と共に流れた音声では、後藤さんの解放と交換にヨルダンで2005年に拘束された女の釈放を要求していた。

小沢氏、共産党議員らピンボケ発言 人道支援と後方支援を混同…
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150126/plt1501261147002-n1.htm

 反対に終始する小沢代表。その発言はもはや的外れでしかない。
 「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件で、野党議員による仰天発言が続いている。安倍晋三首相による人道支援表明を軍事的な後方支援と混同したり、残虐非道なテロ行為より安倍政権を批判するなど、見識を疑われかねないものも多い。「利敵行為になりかねない」との指摘もある。
 「安倍さんが、イスラム国にとっては宣戦布告ともいえるような話をしたということですね」
 25日のNHK「日曜討論」。「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表から、耳を疑う発言が飛び出した。
 安倍首相はエジプト・カイロで行ったスピーチで、イスラム国対策として2億ドル(約236億円)の支援を表明した。これは避難民の命をつなぐ人道支援だが、小沢氏は軍事的な後方支援とごっちゃにして、「ご飯食べなきゃ、兵隊さんは戦争できませんから」「後方支援、補給が戦争そのものだということを国民は考えるべきだ」との持論を繰り広げた。
 共産党の池内沙織衆院議員は、湯川遥菜さんの殺害場面とされる画像がネット上に出回った直後の25日未明、ツイッターに「『ゴンゴドウダン』などと、壊れたテープレコーダーの様に繰り返し、国の内外で命を軽んじ続ける安倍政権」「安倍政権の存続こそ、言語道断」と書き込んだ。イスラム国の蛮行への批判はなく、さすがに不適切だと思ったのか、同日中に投稿を削除した。
 国際政治学者の藤井厳喜氏は「国内で敵(=テロ集団)を利するような発言が出れば、相手は『やればやるほど日本国内に味方が増える』と考える。政権批判をするなら、事態が一段落してからにすべきだ」と話している。

与党野党の安保やテロなど対外問題の意見は一致すべきと思うが、さにあらず。
便乗攻撃する野党、日本政界の弱点が露呈している。

その他、登場人物の事情。
シリア拘束の湯川遥菜氏 事業失敗、妻の死、自殺未遂… 渡航の背景を父が激白 2014.08.22
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140822/dms1408221518020-n1.htm
 シリア北部アレッポで、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に拘束されたとみられる湯川遥菜(はるな)さん(42)の消息がいまだ不明のままとなっている。そんななか、千葉県内に住む父親の正一さん(74)が夕刊フジの取材に応じ、揺れる胸中を激白した。事業の失敗に妻の死、自殺未遂。シリア行きは、多くの挫折を経験した湯川さんにとって再起を賭けた「人生のラストチャンス」だったという。・・・

「湯川さんを救う」…後藤さん、昨秋に中東へ 2015年01月21日
http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000679/20150121-OYT1T50010.html

「自己責任で行く」と言葉残し、後藤さん現地へ 2015年01月21日 17時10分 http://www.yomiuri.co.jp/national/20150121-OYT1T50067.html

ブログ「正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現」
後藤健二は反日カルト信徒だった!日本基督教団(西早稲田2-3-18)の信徒で、アグネスの友人
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-5709.html


1月22日(木) イスラム過激派・日本人殺害警告

日本は金持ち国と見られているのだろうか。
また日本人ジャーナリスト等が人質となり、法外な身代金を要求されている。
ここで屈しては日本人を標的にすることが常習化する事になるかもしれない。
日本人殺害警告 首相の中東歴訪のタイミング突く 2015年1月21日(水)08:02
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20150121077.html

 中東歴訪最終日の朝に安倍晋三首相のもとに飛び込んできた過激派「イスラム国」とみられる集団による日本人2人の殺害警告の一報。首相は今回の外遊で、イスラム国対策として2億ドルを拠出し、「テロとの戦い」での連携を表明したばかり。イスラム国側は、そのタイミングに合わせてきた格好となった。
 「人命を盾にとって脅迫することは許し難いテロ行為であり、強い憤りを覚える」
 安倍首相は20日午前10時45分ごろ(日本時間同日午後5時45分ごろ)、当初の予定より約1時間遅れで始まったエルサレムでの記者会見でこう述べ、テロに屈しない姿勢を重ねて強調した。
 安倍首相はその約3時間前、殺害警告のビデオ声明をネット上で確認した外務省から報告を受けていた。首相自身も確認し、午前9時ごろ(同午後4時ごろ)に菅義偉(すが・よしひで)官房長官に対し(1)事実関係の確認に全力を尽くす(2)関係各国と協力し、人命第一に対応する-ことを指示した。

 安倍首相がテロとの戦いに強気の姿勢を示すのは、中東歴訪で中東和平に向けた非軍事分野の支援を打ち出し、各国で好意的に受け止められたことが大きい。エジプトの英字紙「エジプシャン・ガゼット」が安倍首相とシーシー大統領との会談を1面で報じたほか、イスラエルで最大の有料新聞「イディオト・アハロノト紙」は、日本とイスラエルの連携強化などに関する安倍首相の寄稿に「真の友からの提案」と見出しを付けた。
 そうした中で起きた殺害警告。イスラエルのネタニヤフ首相が首脳会談で「日本が巻き込まれる可能性もある」と述べていたことが現実となった。
 安倍首相は記者会見で、2億ドルが避難民に食料や医療を提供するための支援だと強調。会見後には再び菅氏と連絡をとり「あらゆるメディアを使って人道援助だと発信する必要がある」と指示した。
 安倍首相はパレスチナのアッバス議長との会談後、エルサレムに戻り、ヨルダンのアブドラ国王に電話で「早期解放に向けた支援をいただきたい」と協力を要請。国王は「あらゆる協力を行う用意がある」と応じた。
 トルコのエルドアン大統領らにも協力を求めたが、軍事的な対抗措置を持たない日本にとって、テロ組織との交渉手段は限られている。(エルサレム 沢田大典)

日本人殺害警告・・・ダッカ事件の二の舞は許されない平成27年1月21日(水)
http://www.n-shingo.com/jiji/

 二十日の「イスラム国」による二人の日本人の七十二時間後の殺害警告に対し、  イスラエルに滞在中の安倍晋三総理、さらに日本国民は如何に対処すべきであるか。
 この殺害警告は、安倍内閣発足直後の平成二十五年一月十六日のアルジェリアの南部砂漠地帯イナメナスにおける十人の日本人殺害テロとは、全く違う事態である。この時も、安倍総理はインドネシアを訪問中であった。

   安倍総理は、あの時は、戦後体制的対応で済ました。  つまり、何も決断しなかった。
 アルジェリア首相の決断に対して「人命尊重」を要請しただけだった。

   しかし、この度は、世界注視の中で決断を迫られている。
 しかも、その決断内容は、  昭和五十二年(一九七七年)九月二十八日の、日本赤軍による日航機ダッカハイジャック事件  における福田赳夫総理の決断と同様であることは許されない。

   ダッカハイジャック事件に対して、  福田赳夫総理は「人の命は地球より重い」ので「超法規的措置」として、  犯人の要求に全面的に応じた。
 即ち、ダッカにおいて過激派服役囚六人と六百万ドルを犯人に渡した。
 しかも、解放した過激派には真正なパスポートも携行させた。

 そこで、それから三十八年後の現在、  テロとの世界戦争(グローバル ウォー オン テロリズム)を展開している国際環境のなかで、  我が国は二人の日本人の命と引き替えに二億ドルを「イスラム国」に支払うのか。

   「イスラム国」が、人質の命と引き替えに膨大な資金を得て武器と戦闘継続能力を強大化し維持していることは欧米国際社会で「公知の事実」である。
 いま、二億ドルの資金を「イスラム国」が握れば、  彼らの殺人能力は飛躍的に増大し、それによって無量の民が殺される。
 脅迫者がビデオで言ったように、日本は中東から八五〇〇キロ離れている。
 しかし、「イスラム国」が二億ドルを獲得する重大な危険性に無関心であってはならない。

 よって、安倍総理に申す。
   我が国は、二億ドルを「イスラム国」に支払うことはできない。
 もはや、福田赳夫総理の判断は、不可なのだ。

   しかし、二人の総理の決断を見習ってもらいたい。
 その一つは、福田赳夫総理の「超法規的措置」である。
 この福田総理の「超法規的措置」は、「超法律的」であるが、  憲法六十五条「行政権は内閣に属する」に基づく法規的措置である。
 従って、安倍総理は、福田総理と同様に法律に縛られず、二人の日本人と日本国民をテロから守るために、  「行政権は内閣に属する」(憲法)と  「内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮監督権を有する」(自衛隊法)に基づいて、  福田赳夫総理のいう「超法規的措置」を断行されたい。
 その際、特殊部隊による特殊作戦実施は、公表する必要はない。公表すれば「特殊」でなくなる。

 もう一人は、  今 滞在しているイスラエルの建国の老女性闘士ゴルダ・メイヤ首相の決断だ。
 福田総理がダッカ事件に遭遇する五年前の一九七二年九月、  イスラエルは、ミュンヘンオリンピックでイスラエル選手とコーチ十数名をレバノンなどの中東を根城にしてパレスチナ解放を叫ぶブラック・セプテンバーという過激派に殺害された。
 その時のイスラエル首相ゴルダ・メイヤ(七十四歳)は、  直ちに「神の怒り作戦」を発動してパレスチナキャンプを空爆し、  ブラック・セプテンバー全員を殺害して復讐することを宣言して数年かかって殺害した。
 これにより、以後、イスラエル人(ユダヤ人)をターゲットにするテロは起こらなくなったのだ。

 安倍総理、  せっかく滞在しているイスラエルのこのゴルダ・メイヤイスラエル首相に倣って、  イスラエルにおいて「イスラム国」に対して、 「もし、お前達が日本人の命を奪うなら、日本は地球の果てまで追いかけてその犯人に復讐する」  と宣言し、  今囚われている二人の日本人と、これからテロに巻き込まれる可能性のある他の多くの日本人の命を守る   「日本という抑止力」  を世界に示すべきである。
 これが、「戦後からの脱却」を掲げる貴兄の、「戦後から脱却した姿」である。
  そして、二人の同胞の命の無事を、共に切に天に祈ろう。


池田信夫氏ブログ
■問題は「2人の生命か2億ドルか」ではない
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51926652.html#more


1月21日(水) 2016台湾総統選挙

中共は経済の衰退、共産党幹部の汚職などで不安定さはあるが依然として第一列島線、第二列島線を対米防衛線として軍拡に努めている。
2015年になったばかりだが、来年2016年は、台湾総統選挙、米大統領選挙がある。
台湾は第一列島線上にあり、台湾が中共に併呑されるようなことになれば、日本にとっても重大な脅威となる。
Andyの国際ニュース解説日時: 2015年1月20日 06:28:19JST
[AC論説] No.526 2016年の総統選挙
http://www.melma.com/backnumber_53999

九合一選挙が終わったばかりだが、2016年1月の総統選挙があと一年となった。米国の大統領選挙は2016年11月だから台湾の10ヶ月後である。国民党が大敗したので候補者選びが困難となった。米国の中間選挙でも共和党が大勝利、オバマ・民主党は惨敗した。

いまのところ民進党は蔡英文が立候補すると言われている。台湾では一般にヒラリーが当選すると言う予測がある。蔡英文より他の候補が出る可能性もある。ヒラリーの選挙は台湾選挙の10ヶ月後だから台湾の選挙に影響しない。米国では共和党が勝つと思われる。

●人民の反政治感情

去年秋の台湾と米国の選挙は反対政党が勝ったのではなく国民の反政治が勝ったのである。馬政権とオバマ政権に反対して反対党に投票しただけで、反対党が勝利したのではない。

台湾ではヒマワリ革命が国民党独裁に反対し、香港では雨傘革命が反中国独裁の抗議運動がおきた。民間の「現状に不満」感情が執政党に反対したのである。台北市長に立候補した柯文哲は民進党に入党を拒み、無党派で立候補したが民間の支持率が高かったので民進党は自党の候補を出さず柯文哲を支持した。

台湾と米国の選挙に見られる傾向は、国民が「政治からの脱却(Political Freedom)」を求めていると思う。しかも国民が現状に不満で現状から脱却を求める傾向は来年の選挙まで続くと思われる。国民は政党所属よりも「世直し大明神」を求めているのだ。

●台湾の核心課題

台湾選挙の核心課題は三つある。中国、米国と民意である。この三つが人民の投票を決める。

台湾の政治にとって中国は最も複雑で困難な課題である。中国は台湾併呑を目指し、国民党も統一を目指している。台湾人民は統一に反対だが、中国との政治経済関係を切ることが出来ない。中国と国民党政権がグルになっているのが大問題で、彼ら(中国人)は「92共識」と呼ぶ合意があったと主張するが合意は存在しない。台湾人は合意はなかったと主張するが、中国はウソを言い張り、台湾独立反対、武力行使で恫喝する。しかも民進党は中国関係を重視し、党綱領から台湾独立を消去した。人民は民進党に失望し、無党派の柯文哲を支持した。

米国は中国の横暴に対処できず、台湾の主権問題を放置している。
中台問題は平和解決すべきと主張するだけで、中国のウソ、「台湾は中国の一部、二つの中国反対、台湾独立反対」に反対しない。米国は現状維持で対決を避ける。2012年の選挙ではダグラス・パールを台湾に派遣して馬英九を支持し、選挙に干渉した。
台湾人民は来年の選挙に米国の干渉を強く警戒している。民意を無視して独裁支持はできない。米国の民主党はいつも国民党を支持してきたが、ヒラリーが人民を支持する発言をしたが、明かにヒラリーの選挙活動、リップサービスである。

台湾人民は中国統一に反対である。民進党が独立を棄てて中国路線をとっため人民は柯文哲を支持した。
選挙で明らかになったのは、台湾人民が政党闘争に飽きて柯文哲の政治中立、台湾優先、経済優先を支持したのである。政党政治を棄てて台湾の為になる候補者を選ぶ、「台湾優先路線」である。中国、米国の圧力も人民の総意に対抗できない。

●柯文哲旋風とその他の候補者

柯文哲は台北市長に就任した当日から政治改革に乗り出し、遅延工事、汚職摘発、公務員の職務効率と無駄遣い監督など、毎日の新聞トップを飾る高能率を発揮した。
この一月で中国人が70年も悪辣な汚職や掠奪をしていたことが明らかになった。
つまり中国人が政権を奪回する可能性を限りなくゼロにしたのだ。

数日前、柯文哲が南部の東港を訪問したとき、数千人が広場に押し寄せ、握手、胴上げで柯文哲を歓迎した。正に「世直し大明神」である。この状況から見れば、もし柯文哲が来年の総統選挙に出馬すれば8割以上の得票率で当選するだろう。しかし彼は台北市長に就任したばかりだから出馬は難しい。柯文哲のほかに人気が高いのは頼清徳台南市長だが、彼も再選を果たしたばかりである。

民間では蔡英文が出馬すると予想しているが、蔡英文は2008年の選挙で「台湾=中華民国」の中国路線を主張したので人民の支持率は低い。おまけにダグラス・パールが馬英九を支持したから米国の蔡英文支持は期待できない。逆に米国が国民党の朱立倫を支持する可能性もあるが、米国では選挙の真っ最中だから各候補は台湾問題を避けるかもしれない。

●米国と日本の動向

極東問題の焦点は中国にある。米国や日本の宥和政策は中国が増長するだけである。
台湾は中国の描いた第一防衛線の中央にあり、中国の太平洋進出を防ぐ重要拠点である。
台湾が併呑されれば中国の太平洋進出を防ぐことはできず、尖閣と沖縄、日本全体に大きな脅威となる。

米国は台湾の重要性を知りながら現状維持を主張し、中国の尖閣諸島、パラセル、スプラトリー諸島の覇権行動を抑止できない。台湾を失えばアジアピボットは失敗する。
口先でリバランスとかピボットとか言いながら台湾問題を放置しているのは大きな間違いだ。
しかも米国は現状維持、国民党支持という愚劣な政策を変更しない。

中国の軍艦が尖閣付近に出没してもアメリカは軍艦を派遣しない。
第7艦隊は台湾海峡を通過せず太平洋側を通るようになった。
アメリカはパラセルやスプラトリー諸島で中国の軍事行動や建設を監視する軍艦を常駐させたことがあるか。

米国と同じく、日本政府も台湾問題について介入を避けている。
日本の不干渉が中国の無法を許し、極東の不穏、日本の安全が脅かされる。
台湾と日本は「唇亡歯寒」の連帯関係である。台湾を失えば日本も危ない。
台湾問題を避けてアジアの平和は得られない。

当たらず障らずいつまでも事なかれ主義で通せるだろうか。

■台湾の統一地方選挙(九合一選挙)の開票結果(2014/12/01)
http://www.taiwanembassy.org/ct.asp?xItem=569027&ctNode=1453&mp=202


1月18日(日) 新型「国際放送」

中韓は慰安婦問題や南京事件、領土問題などで史実と異なる様々な国際宣伝を行っているが、安倍政権でようやく対抗措置として英語による新型国際放送の創設を検討している。
国際放送はこれまで「NHKワールドTV」があるが、不十分との見解がはっきりした。
NHKのニュース解説は中韓寄りであることは保守系ブロガー、ジャーナリストがいつも指摘しているが、改まることはない。
インターネットでは「史実を世界に発信する会」が反日宣伝に英文で反駁している。
本来政府が行うべきものであった。検討だけでなく、是非実施にまで運んでもらいたい。
新型「国際放送」で正しく日本の立場発信 慰安婦など歴史問題…「攻めの情報発信」 NHKと別、自民が創設検討へ
http://www.sankei.com/politics/news/150114/plt1501140038-n1.html

 自民党は14日、国際情報検討委員会(原田義昭委員長)などの合同会議を党本部で開き、慰安婦問題や南京事件などで史実と異なる情報が海外で広まっている現状を踏まえ、日本の立場を正確に発信する新型「国際放送」の創設を検討する方針を確認した。中国や韓国などの情報戦略を分析、在外公館による情報発信の拡充についても議論し、今年の通常国会会期内に結論を出すことにしている。

 会議で原田氏は「どういう形で相手国に情報が伝わるかにも目配りしながら、正しいことをきちんと発信していくことが大事だ」と述べ、「攻めの情報発信」の意義を訴えた。

 英語による海外への国際放送は現在、「NHKワールドTV」がある。しかし、検討委は「従来の枠内では報道の自由など基本的な制約が多いため、今日の事態に十分対応できない」として、新型「国際放送」の創設を挙げた。

 昨年11月に北京で開かれた日中首脳会談直前の日中両政府の合意文書に関し、中国側が「意訳」した英訳文を日本側より早く公表し、外国メディアに引用されたケースもあった。検討委は、外交文書や論文を外国語で迅速に発信するよう政府に求める方針だ。

慰安婦問題「これまで以上に対外発信を強化」 朝日報道受け政府が答弁書
http://www.sankei.com/politics/news/141014/plt1410140023-n1.html

【朝日慰安婦検証】
 政府は14日の閣議で、朝日新聞が慰安婦報道の一部に誤りを認め、取り消した問題に関し「政府として個々の報道について答弁することは差し控えたいが、国際社会において、客観的事実に基づく正しい歴史認識が形成され、日本の基本的立場や取り組みに対して正当な評価を受けるべく、これまで以上に対外発信を強化していく」とする答弁書を決定した。無所属の浜田和幸参院議員の質問主意書に答えた。



15日(木) フランスの怒り

1月7日のフランスのシャルリー・エブド本社の銃撃テロ事件をうけて、12日370万人という空前の反テロ集会が開催された。これには各国の首脳も参加した。
さらに、フランス議会はIS空爆に空母派遣を決定したという。
ドイツ他移民人口比率が10%を越える欧州各国に保守政治運動が目立ってきた。
フランス全土で反テロ集会、史上最多の370万人参加 2015年01月12日 07:35 発信地:パリ/フランス
http://www.afpbb.com/articles/-/3036244?ctm_campaign=topstory

【1月12日 AFP】フランス各地で11日、テロに反対するデモ行進や集会が行われ、仏国務省によると同国全土で史上最多の370万人が参加した。首都パリ(Paris)では、世界各国の首脳ら数十人が率いるデモ行進などに、約160万人が参加。「自由」や「シャルリー」などと叫びながら街を練り歩いた。

 パリを象徴する街並みを埋め尽くした参加者らは、7日の風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件に始まり、2件の人質立てこもり事件に発展して終結した連続テロ事件の犠牲者を追悼。一連の事件では3日間で17人が犠牲となり、フランスの過去50年間で最悪のテロ事件となった。

 パリの行進では、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相やパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長を含めた世界の指導者らと腕を組み、歴史的な団結の決意を示した。

 シャルリー・エブドのコラムニスト、パトリック・ペルー(Patrick Pelloux)氏はオランド大統領との抱擁に感極まり、涙を流した。オランド大統領は「今日、パリは世界の首都だ」「国を挙げて立ち上がる」と宣言。各国首脳らのデモ行進参加を受け、パリ市内の警備態勢は強化されたが、警察によると同日午後9時時点で大きなトラブルは報告されていなく、現場ではデモ参加者が解散を始めている。(c)AFP

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年(2015)1月15日(木曜日)通巻第4442号
http://melma.com/backnumber_45206/

イスラム過激派はなにを誤算したか
ついに日和見フランスが空母をシリア、イラクのIS空爆に派遣。


 パリの風刺漫画週刊誌「シャルリーエブド」編集部を襲ったイスラム過激派。「アラビア半島のアルカィーダ」が犯行声明を出した。
同調するイスラム過激グループは個別的にナイジェリアで、イエーメンで、ソマリアで残忍性を伴う自爆テロ、誘拐、破壊活動を拡大競争中だ。誘拐した女性等は性奴隷か、自爆テロ実行者に仕立てている。

 フランスの反応は激越だった。
 ナチス占領のパリ解放以来、フランスで100万人をこえるデモ行進や政治集会はなかった。テロ直後、フランス全土で合計370万人が抗議集会と行進に参加した。

 フランス議会は97年ぶりに国歌を歌った。民族、宗教をこえてフランスが団結をみせようとしたのだ。ワインをのんで革命を語るサロン・マルキストを含めて。
 オランド大統領は主力空母「シャルル・ドゴール」の艦上へおもむき、中東海域への空母の派遣を決める。IS(イスラム国)拠点への空爆強化である。

 そしていま、フランスで大統領選挙が行われるとすれば、保守復調の波に乗ったサルコジ前大統領の復活・復権は難しくなり、マリーネ・ルペン率いる「国民戦線」が勝利するだろうと言われる。
ルペンは外国人労働者排斥、フランス愛国主義を訴える。

 ドイツでも保守の新勢力が台頭した。予測外の事態である。
 ドイツではナチスを連想する一切の図書も、宣伝も禁止されているため民族排外主義的な政治風土は育たないとされた。

ドレスデンに誕生したのは「西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者」(PEGIDA)。日本のマスコミも、これを「ペギーダ」と伝えた。

毎週、ドレスデンで集会とデモを繰り返している。ペキーダは直截にイスラム教徒を攻撃せず「憎悪を拡大する宗教家」に反対していると訴えている。
そしてペギーダは、「私たちこそ国民だ」を唱える。
メルケル政権への揶揄である。(メルケルは東ドイツ出身で、当時の東独民主化運動は「私たちこそ国民だ」だった)。

 911テロは米国をして「アフガニスタン」「イラク戦争」への引き金を引いた。アメリカ国民は熱狂的に復讐に燃えた。各地で星条旗が高々と掲げられた。

 パリ編集部へのテロはフランスの空母派遣、国会での国歌斉唱という愛国への急傾斜をもたらした。欧州全土に保守政治運動の嵐が吹き始めた。オランダで、イタリアで、ハンガリーで。

 中国の反日暴動は日本に安倍政権を奇跡的に誕生させた。政局を逆転させ、日本の街頭に日の丸が林立するようになった。朝日新聞は過去の出鱈目報道を謝罪した。
防衛力増強に反対の声はあがらず、戦後七十年忘れられてきた国民精神の復活への兆しが見られる。

 南シナ海での中国の侵略的横暴は、アジア諸国を「反中」で団結させた。
 こうした動への反動が、つぎの政治を想定外の方向へ走らせる。

移民政策がもたらす社会不安。
■主要国移民人口比率推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1171.html


1月9日(金) 加瀬英明氏「一般宮中参賀と日本」

■「加瀬英明のコラム」メールマガジン 2015/01/08
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi

一般宮中参賀と日本

 今年も1月2日に、皇居に8万1千人の善男善女が参賀に訪れて、万歳を唱えた。日の丸の小旗の波が、美しかった。
天皇陛下のお姿は、いつ拝しても神々しい。

 世界に多くの国々があるが、日本だけが125代にわたる御皇室を、戴いている。御皇室こそが、日本を日本たらしめている。
 どうして、日本が開闢(かいびゃく)して以来、天皇がもっとも崇められるべき人である「すめらみこと」として、尊ばれてきたのだろうか?

 神道は万物に神霊が宿っているとする、精霊信仰である。
   世界の先進国のなかで、日本においてだけ、精霊信仰がいだかれている。御皇室と神道は同じ源(みなもと)から、発している。
 日本人は太古の昔から直感によって、万物に神霊が宿っていると、信じてきた。日本人は全宇宙が神聖だと、直感したのだった。

 ところが、長いあいだにわたって、神道には名前がなかった。神道という言葉が日本語に加わったのはかなり最近のことで、日本の2番目に古い歴史書である『日本書紀』(西暦720年)のなかに、はじめて現われる。
 神道は日本が生まれた時から存在してきたが、仏教が伝来すると、仏教と区別するために、「神道」と名づけられた。
仏教とともに、日本に中国大陸から、論理的な考えかたが入ってきた。
 神道は直感によっているから、知性を働かせる論理と、無縁である。そのために神道には、仏教や、大陸から伝わった儒教と違って、今日にいたるまで、教典が存在していない。
 仏教と儒教は、日本が発展するのに当たって、大きく役立ってきた。仏教と神道は争うことなく、互に学びあって混った。

 中国やヨーロッパや中東では、論理が直感を圧倒するようになったのに、日本では神道が今日まで力をまったく失わなかった。
 中国やヨーロッパや中東では、論理や、詭弁による争いが絶えることなく、論理を用いて組み立てられた善と悪を振りかざして、権力を争奪して、王朝が頻繁に交替した。

 日本人は直感を大切にしてきたから、論理によって支配されることがなかった。日本では人が身勝手に決めることができる善悪ではなく、何が清らかで美しいか、何が穢(きたな)くて汚れているかという感性を、尺度としてきた。
 日本では天照大御神が最高神だが、中国の天帝や、ユダヤ、キリスト、イスラム教の最高神と異って、宇宙を創造した万能で、絶対的な権力を握っている至高神ではない。

 日本最古の歴史書である『古事記(ふることぶみ)』(西暦712年)によれば、神々によらずに、宇宙は自らの力で、自成して誕生した。

 中国は、今日でも階級社会である。ヨーロッパにも、厳然とした社会的な差別がある。アメリカでは黒人に対する差別が行われて、大きな社会問題となっている。

 それに対して、日本は平等な社会であってきた。神々も、地上に生きている人も、同じように「みこと」とされている。

 新しい年が明けると、皇居において天皇陛下が主催される、歌会始(うたかいはじめ)が厳(おごそ)かに催される。
毎年、その前の年に御題が発表されて、全国から和歌が公募され、入選者は社会的地位や、職業の貴賤を問わずに、皇居に招かれて、両陛下や御皇族の前で入選歌が披露(ひろう)される。
 どの歌も、平和を願う祈りである。
 歌会始の歴史は、古いものだ。中世の中国やヨーロッパでは、ありえないことである。
 今年の御題は、「本」だった。

山歩きをしていると山頂に神社や祠があり、熊野古道に至っては王子巡りだ。
山麓の神社には巨木にしめ縄が張ってあり、峠や田圃の畦には道祖神やお地蔵さんがあって花が供えられ、赤いよだれかけがしてある。
高いところまでよくこんな重い石を運んだものと昔の人の篤い信仰に心をうたれる。
「日本人は太古の昔から直感によって、万物に神霊が宿っていると、信じてきた。日本人は全宇宙が神聖だと、直感したのだった。」と氏は書いておられる。
教義もなにも知らないが、神社の境内に入ると何となくありがたく頭を垂れる。
幼子には「さぁ、まんまんちゃんにアンしとき」と教え、自分もそう教えられたように気がする。

先般フランスでテロがあって出版社の社員が殺された。移民の多いヨーロッパでは異文化の軋轢が嵩じてきた。
古代からあるイスラムとキリスト教の宗教戦争の一面もある。
日本では幸い穏やかな宗教観でこんな激しい諍いはないのが有り難い。

三が日過ぎて早々、寒いのにご苦労さんと思うが某宗教の勧誘が回ってきた。
日本には強いて言えば全宇宙教がある、この上に何が必要だろうか・・・


1月7日(水) 脱中国進行中

国内製造業 脱中国で国内回帰が鮮明 TDK、中国生産の3割を国内に切り替えへ
http://www.sankei.com/economy/news/150107/ecn1501070007-n1.html

 中国生産を続けてきた日本企業が国内生産に切り替える動きが広がってきた。電子部品大手のTDKが、中国で生産する部品の3割を段階的に国内に移管する方向で検討に入ったほか、パナソニックも縦型洗濯機や電子レンジを国内生産に順次切り替える。円安の加速や人件費の高騰で、中国生産のメリットは低下しており、地方創生を掲げる政府にとっても、企業の国内回帰は追い風となりそうだ。(黄金崎元)

 TDKは、中国で25の主要生産拠点を持ち、売上高全体の4〜5割程度が中国生産とみられる。このうち、スマートフォンや自動車向け電子部品の生産を順次国内生産に切り替える。

 同社によると、中国の工場での従業員の定着率が落ちているほか、人件費も高騰している。こうしたリスクを軽減するため、秋田県や山梨県にある既存工場の遊休施設を活用する方向で検討している。

 パナソニックも、中国で生産し日本で販売する家電を国内生産に順次切り替える。縦型洗濯機を静岡県袋井市の工場、電子レンジを神戸市の工場に生産移管する。すでに家庭用エアコンなどは滋賀県草津市の工場への移管を一部で始めている。

 同社は中国を含め海外で生産する家電約40機種を国内に切り替える方針だが、その背景には円安の影響がある。現在の為替相場は1ドル=120円前後の水準だが、海外で生産した製品を輸入すると採算がとれず、業績面での減益が避けられないという。
 一方、シャープの高橋興三社長も6日の記者会見で、テレビや冷蔵庫の生産の一部を栃木県矢板市や大阪府八尾市の工場に移す方向で検討を始めていることを明らかにした。高橋社長は「1ドル=120円で(国内生産に)移した方がよいものは出てくる。工程数の少ないものから移したい」と述べた。

 このほかには、ダイキン工業が家庭用エアコンの一部生産を中国から滋賀県草津市の工場への移管を完了した。ホンダも国内販売する原付きバイクの一部を熊本県大津町の工場への移管を検討中だ。

 国内生産は海外に比べ、工場の電気代がかなり高いという課題も残るが、かつて多くの製造業が海外生産に踏み切った最大の要因である過度な円高は解消された。今回の国内回帰の動きは、地方で新たな雇用を生み出す可能性がある。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成27年(2015)1月7日(水曜日)通巻第4434号
http://melma.com/backnumber_45206/ メルマガオブザイヤー 2014

ようやく本格化した日本企業の日本回帰
  東芝もパナソニックも、日本に工場を新設し、生産拠点をもどす


 安倍首相は『週刊文春』新年号の櫻井よしこ氏との対談でアベノミクスや外交を語ったが、なかでも東芝を例に挙げて海外で生産してきた拠点の一部の日本回帰現象を強調した。
 円高と中国の賃上げが主因だが、ほかにも日本回帰の要件がある。
 国内に雇用が生まれることである。

 2013年、中国での凄まじい「反日暴動」に嫌気をさして、日本企業の撤退が始まった。同年、日本企業の対中投資は47%の激減となった。
しかし当時はまだ「円高」の状況。それで『チャイナ・プラス・ワン』の標語の下、ベトナムとミャンマーなどアジアへの進出ブームが続いた。

 ところが、ベトナムは親日とはいえ、一党独裁、賄賂まみれの国であり、規制が強い。とくに流通・サービス、金融関係ではなかなか条件をクリアできず、勢いがあるのはODA関連である。
 新年早々も日本が支援したハノイ空港第二ターミナルとアジア最長と言われる吊り橋の落成式に太田国土交通大臣がテープカットに飛んだ。

 ミャンマーも、やっとこさ自由化の波が押し寄せてはいるが、日本企業専用の工業団地は昨秋から工事がはじまったばかり、インフラ整備が遅れている。選別的進出分野は金融、不動産などである。

 この状況に『円安』旋風が吹いた。
 一ドル=80円台から、ドルは120円台となって、日本企業の企業業績も躍進した。

 日本のように賃金が高くても、優秀なエンジニア、労働者が大量にいる国で生産した方が結局は生産効率が良い。
そのうえアベノミクスが掲げる『三本の矢』の中軸には「地方再生」がおかれ、地方に工場を建設し雇用する企業には減免措置が講じられる。

 ▼日本企業が生産拠点を日本にもどすのは自然の流れではないのか
 パナソニックは中国で生産してきた家電製品を順次、国内に戻す。中国にあれだけ奉仕してきた同社も、すでに北京に保持してきた巨大ショールームを閉鎖している。パナソニックは電子レンジ生産を神戸工場に、洗濯機を袋井市工場に移す。

 TDKはスマートフォン、自動車電子部品生産を日本に引き揚げる。
 シャープもテレビなどの製品を栃木、八尾工場に引き上げる計画を発表した。ダイキンは家庭用エアコンの一部の生産を滋賀県に移転完了している。

   戻り遅れは巨大な設備投資をして、下請け企業もろとも大規模に中国に進出し、生産がようやく中国で本格化した自動車、化学コンビナート、造船、鉄鋼などだが、中国に於ける設備拡大をもはや口にしなくなったきた。

 日本株は新年に欧州を襲った通貨危機を切っ掛けに目先弱含みだが、米国の景気が意外に良く、外人ファンドの狼狽売りが一巡すると、回復する気配である。
       □◎◎◎◇◇
職業に貴賎はないというけれど、いい若者がニートになったり、細々と飲食店やサービス業で働いているのを見ると将来が暗く思われた。
またものづくり企業城下町が復活し下請け企業や関連サービス業で賑わうようになるかと思うと気分も明るい。
衣類日用雑貨類で国産品を見つけるのは難しい。
昨年買った靴は一ヶ月しないうちに縫い目が綻んだ。
衣類でも縫いっぱなしで長い糸がポケットや裏地に残っていたりする。
家電などの大型消費財だけでなく、品質のよかった衣類日用品なども帰ってきて欲しい。


1月2日(金) 新年早々の雪

新年早々、雪が舞う厳し寒さになった。






明日はUターンラッシュが始まる。
東京から次男が帰ってきていた。空港まで送ってやりたかったが道が凍り危ないので電車にしてもらった。
新幹線や空のダイヤの乱れが報じられている。無事な仕事始めになってほしい。


1月1日(木) 謹賀新年


本年も宜しくお願い申し上げます