戦時中生まれの私は戦争の実体験がない。物心つく頃には両親の庇護のもと平穏な日々があったが、そのほんの数年前に空襲や飢えなどの悲惨な状況があったとは毛頭思うことはなかった。父(1912-1999)は折りにふれ戦争について語ってくれた。しかし、親には悪いが真剣に聴いてはいなかった。中高生になるころは、父母はわれわれ子供を養うため日々働きそれどころではなかった。自立し親元を離れるとなおさら聴く機会はなくなった。
戦後60年たった今、自分の来し方を振り返る時間ができたが、父親は他界してしまい、もう親の口から話を聞くことはできなくなった。恥ずかしながら「親孝行したいときには親はなし」である。幸いなことに、父は晩年「自分史」を書き残してくれた。おかげで私の子供たちにも我が家の歴史を伝えることができた。
以下は当時否応なく戦争に巻き込まれていった一市井人の記録です。戦争を知らない世代の方々が読んでくだされば幸いです。(2005/03)
市民(1)
市民(2)
風景(1)
風景(2)
生活
i. 再び入隊 ii. 門司出港 iii. 機帆船行動開始 iv. タワオ駐留生活 v. ブルネーへの転進命令出る vi. ラナウ到着 |
vii. ブルネーに於ける戦闘 viii. 六月八日戦闘下令 ix. サエ山の戦闘と退却行軍 x. 武装解除 xi. ボーホート捕虜収容所 xii. アピー収容所の生活 |