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落葉松亭日記(2014年5〜6月)

ニュース・評論のスクラップ、凡夫の日々雑感

27日(金) ブーメラン?

韓国で元「米軍慰安婦」122人が国に賠償求め集団提訴 政府の厳しい管理下で「人権侵害」 2014.6.25 23:56 [「慰安婦」問題]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140625/kor14062522110006-n1.htm

 【ソウル=加藤達也】朝鮮戦争の休戦後、在韓米軍基地近くの売春街(基地村)で米兵ら相手の売春をしていた韓国人女性ら122人が25日、「米軍慰安婦」として韓国政府の厳しい管理下に置かれ、人権を侵害されたなどとして、1人当たり1千万ウォン(約100万円)の国家賠償を求める集団訴訟をソウル中央地裁に起こした。訴訟を支援する団体によると、「米軍慰安婦」による国家賠償訴訟は初めてという。

 慰安婦たちは「基地村女性」と呼ばれ、1960〜80年代、韓国政府が在韓米軍維持などのために売春を奨励したほか、性病検査も強制していたとされる。
 実際、96年まで慰安婦の「性病管理所」が存在していたことが確認されており、女性団体が政府に対応を求めていた。

 この問題はこれまで国会でもたびたび取り上げられ、政府も施設の存在を認めていたが、「旧日本軍の慰安婦」ほど注目されていなかった。
 昨年11月の国会では、野党議員が朴正煕元大統領の決裁署名入りの文書記録を基に政府を追及。それによると、基地村は62カ所あり、「米軍慰安婦」は9935人いたという。
 昨年の国会質疑では、韓国政府は当時、女性らを「ドルを稼ぐ愛国者」として何度もたたえたとされている。朴元大統領が直接管理していたとする指摘もあり、今後、長女の朴槿恵大統領が野党や訴訟支援勢力から追及される可能性もある。

米軍御用達の慰安婦もあったとなれば、慰安婦像を建てた米各地の関係者も居心地悪かろう。


6月22日(日) 河野談話検証報告書の反応

河野談話検証報告書は、隠されていた河野談話の実体をさらけ出した。

報告書では、
・今年2月に国会で河野談話について証言して談話検証のきっかけとなった当時官房副長官の石原信雄氏が、慰安婦全体への強制性認定を求める韓国側に対し、「慰安婦全体について『強制性』があったとは絶対に言えない」こう拒否した。
・河野談話は日韓間のすり合わせの結果、最終的に「募集、移送、管理等も甘言、強圧によるなど、総じて本人たちの意思に反して行われた」という表記に落ち着いた。

と云っている。
つまり、強制性がなかったにもかかわらず、韓国の意向を汲み「総じて本人たちの意思に反して行われた」という「強制性」が盛り込まれたとのことで、今までの河野談話の印象を否定するものだ。

せっかく検証報告書を公表しておきながら、政府のコメントは以下のように従来通り河野談話を継承していくと云う。菅義偉官房長官の記者会見談話は余計、検証チームを労うだけでよい。
「千年の恨み」(朴槿恵)、「未来永劫謝罪させる」(江沢民)といった金縛りで、日韓友好、日中友好などあり得ないと思うが。
河野談話検証 「談話の見直しは事実上不可能」、菅官房長官記者会見
http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/140620/plt14062021170024-n1.html

 河野談話作成過程検討チームの報告書発表を受けた菅義偉官房長官の記者会見要旨は次の通り。

 「河野談話の作成過程に関し、これまで明らかにされていなかった事実が含まれている。平成19年に閣議決定した政府答弁書を継承する政府の立場は変わらない。慰安婦問題については筆舌に尽くしがたいつらい思いをした方々の思いに非常に心が痛む。政府の立場は変わらない」 ・・・・

【主張】「河野談話」検証 やはり見直しが必要だ 国会への招致で核心ただせ
http://www.iza.ne.jp/kiji/column/news/140621/clm14062103140003-n1.html

 信憑(しんぴょう)性のない作文をまだ継承しようというのか。

 慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野洋平官房長官談話」について、政府の有識者による検証結果が公表された。強制性を裏付ける証拠のないまま、韓国の修正要求を入れ作成された過程が政府の公式の検証で明らかにされた意味は重い。

 検証では、唯一の根拠とされた元慰安婦16人の聞き取り調査がまとまる前にほぼ談話がつくられ、聞き取りは事実の究明より「儀式」として行われたことが明らかにされた。事実に目をつぶり、政治決着を急いだ談話の虚構性が一層明確になり、その信頼性が、根本から崩れた。

 ≪日韓の合作を「隠蔽」も≫
 根拠のない談話により、日本の名誉は著しく傷つけられている。やはり談話は、破棄、撤回を含め見直さなければならない。
 河野談話は、業者による募集が慰安婦の意思に反して行われた事例があり、「官憲等が直接これに加担したこともあった」などと記述している。ありもしない日本の軍や警察による「強制連行」の論拠として利用されてきた。
 しかし、政府が集めた公式資料に、強制連行を裏付ける証拠はなかった。談話作成の事務方トップだった当時の官房副長官、石原信雄氏も今年2月の衆院予算委の証言で認めている。
 検証報告書には、日本政府は一連の調査で「いわゆる『強制連行』は確認できない」との認識だったことが明記された。

 また談話が原案段階から韓国側に提示され、韓国側からの修正要求で、慰安婦の募集にあたった業者について「軍の意向を受けた」を「軍の要請を受けた」に書き換えるなどした交渉経緯が詳述された。こうしたすりあわせによる日韓合作の作文であることは産経新聞の取材でも判明していた。
 事実認定に関わる部分まで韓国側の意向をうかがっていたのに、日本政府が「主体的」に談話を作成し、談話に正当性があるなどという強弁は通らない。
 検証では、談話の文言をすりあわせた経緯について日本側から「マスコミに一切出さないようにすべきであろう」と韓国側に求めるなど隠蔽(いんぺい)工作が行われていたことも明らかにされた。国民への背信行為である。

 当初から政府は、安倍晋三首相の国会答弁で、検証は進めるが、談話は「見直さない」ことを明言していた。菅義偉官房長官は20日の記者会見で「談話を見直さないという日本政府の立場に何ら変わりはない」と重ねて表明した。
 安倍政権は河野談話の見直しに意欲を示していたのではないのか。談話を見直さず継承するという結論ありきで、一体この検証も何のために行ったのか、国民は理解できない。

 元慰安婦の聞き取り調査資料を国民に早急に公開し、事実の核心の再調査が欠かせない。

 ≪謝罪外交やめ事実発信を≫
 偽りの談話の作成過程は政府内で引き継ぎがなかったことも分かっている。河野氏は談話発表の際の記者会見で強制連行の事実があったか認識を問われ、「そういう事実があった」と述べている。河野氏や韓国との折衝経緯を知る当時の内閣外政審議室長の谷野作太郎氏らを早急に国会招致し、説明責任を果たしてもらいたい。
 韓国では、検証結果公表前から激しい反発があった。発表と合わせるように、島根県の竹島沖の日本の領海を含む海域で射撃訓練を強行する暴挙にも出た。都合が悪いことに対し、力による挑発をしても日韓関係の改善や問題解決にはならない。

 河野談話は、歴史教科書など教育にも影を落としている。談話にも使われた戦後の造語である「従軍慰安婦」の記述は、一時中学教科書に一斉に登場した。その後、実証的研究をもとに「従軍」が削除され是正されてはきたが、高校教科書を中心に河野談話に基づく記述が依然ある。
 海外でも、韓国だけでなく米国など国際社会に「日本軍の性奴隷」といった誤解と曲解が広がっている。
 相手の意向を踏まえ、謝罪を重ねる外交姿勢は国益を害し、国際的にも信用されない。根拠が崩れた河野談話という負の遺産をなくし、事実を発信していかねば、過去の問題が蒸し返され、新たな謝罪要求を生むばかりだ。


6月21日(土) 河野談話検証有識者チームの報告書

「河野談話が日韓のすり合わせによるものだった」というのは驚きだった。
そして、当時の調査でも「強制連行」は確認されなかったのに、いつのまにやら慰安婦が「(軍の)強制連行・性奴隷」となっていく恐ろしさ。
河野氏の独断が災いの種蒔く  2014.6.21 00:54 [「慰安婦」問題]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140621/plc14062100540013-n1.htm

 河野談話を検証する有識者チームの報告書により、20年以上も国民の目から隠されてきた談話の実態が白日の下にさらされた意義は大きい。産経新聞が繰り返し報じてきたとおり、談話は歴史の厳密な事実関係よりも、強制性の認定を求める韓国側への政治的配慮に基づき、日韓両国がすり合わせて合作していた。また、当時の河野洋平官房長官が政府の共通認識を踏み外し、独断的に「強制連行」を認めてしまったことも改めて確認された。

 報告書は、政府が実施した関係省庁や米国立公文書館の文書調査、旧軍関係者や元慰安所経営者からの聞き取り、韓国の元慰安婦支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」の慰安婦証言集の分析などを通じ、こう結論付けている。
 「(政府の)一連の調査を通じて得られた認識は、いわゆる『強制連行』は確認できないというもの」
 その上で報告書は、平成5年8月4日の談話発表時の河野氏による記者会見について、1つの章を設けてこう特記している。
 「(河野氏は)強制連行の事実があったという認識なのかと問われ、『そういう事実があったと。結構です』と述べている」

 これについて、現在の政府高官は「それまで政府は強制連行は証拠がないという一線を守っていた。それなのに、河野氏の発言で強制連行説が独り歩きすることになった。完全な失敗だ」と指摘する。実際、河野談話には「強制連行」という文言は出てこない。
地位ある政治家の単なる失言か確信犯的な放言か。いずれにせよ、不用意な発言で後世に災いの種をまいた瞬間だったといえよう。
 また報告書は、今年2月に国会で河野談話について証言して談話検証のきっかけとなった当時官房副長官の石原信雄氏が、慰安婦全体への強制性認定を求める韓国側に対し、こう拒否したことも記している。
 「慰安婦全体について『強制性』があったとは絶対に言えない」
 ところが、報告書によると河野談話は日韓間のすり合わせの結果、最終的に「募集、移送、管理等も甘言、強圧によるなど、総じて本人たちの意思に反して行われた」という表記に落ち着いた。
 この「全体」とも「おおむね」ともどちらとも解釈できる「総じて」という玉虫色の言葉は、当然のことながら韓国側では「全体」と受けとめられることになった。この間の事情も、趙(チョ)世暎(セヨン)・元韓国外務省東北アジア局長の産経新聞に対する次の証言と符合する。
 「韓国側から『こうした表現ならば大丈夫ではないか』と意思表示した」(17日付紙面で既報)
 韓国側は、日本側が河野談話の一部修正に応じなければ「韓国政府としてはポジティブに評価できない」とも通告しており、韓国ペースで最終調整が行われていたことも分かる。

また、こうしたすり合わせについて、日本側から韓国側に「マスコミに一切出さないようにすべきであろう」と申し入れ、韓国が了解したというエピソードも重要だ。河野氏をはじめ政府はその後、すり合わせの事実を繰り返し否定し、国民を欺いていたからだ。
 ただ、報告書は個々の事例や事実関係への評価は避けており、物足りなさも否めない。チームのメンバーの一人は「報告書の作成過程で、情報を提供する側の外務省は一貫して『穏便に、穏健に』という意向だった」と振り返る。
 政府の公式見解ではなく、民間の有識者チームの検証結果報告という形をとってもなお、なるべく波風を立てたくないとの配慮が働いている。日本外交の宿痾(しゅくあ)だろう。(阿比留瑠比)

政府検証全文(1〜) 
2014.6.21 00:26 [河野談話 政府検証全文]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140621/plc14062100260005-n1.htm


6月20日(金) またもやイラク戦争?

1990年、イラクのクーウェート侵攻に端を発した湾岸戦争、
2001年、あの白昼夢のような アメリカ同時多発テロ事件、
そして2003年3月、イラクが大量破壊兵器をもっているという確たる証拠もないまま、米英軍による空爆が始まった。TVゲームのようなピンポイント爆撃が報道された。同年5月大規模空爆終了。
同年7月、イラク統治評議会が発足、復興支援が始まる。以降、テロ事件、内戦が続く。
2011年駐留米軍撤退完了。(Wikipedia)

しかし、またもや大規模な内戦が勃発している。
ISIS、バクダッドの北60キロまで侵攻 イラク 2014.06.18 Wed posted at 09:19 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35049539.html

バグダッド(CNN) イラク全土で進撃を続けるイスラム教スンニ派武装勢力「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)は17日、首都バグダッドの北約60キロに位置するバクバへの進撃を開始した。
ISISのバクバへの進撃は16日夜、同都市西部の警察署への大規模な攻撃から始まった。治安部隊とISISの武装勢力が激しく衝突し、当局によると、少なくとも治安部隊の隊員1人、武装勢力のメンバー9人、囚人44人が死亡した。またイラク国営テレビの報道によると、ISISの武装集団が地元刑務所に手投げ弾を投げ入れ、52人の囚人が死亡したという。

現地の警察や知事室の関係者によると、ISISの武装集団は同都市を支配しようと攻撃を強めているが、まだ陥落はしていない。同都市のすぐ西に位置する村々や一部地域はすでにISISの支配下にあるという。バクバ西部の住民、特にシーア派の住民は同都市から避難しているという。
またバグダッドでも、道端に仕掛けられた4発の爆弾が爆発し、少なくとも2人が死亡、8人が負傷した。地元警察が明らかにした。誰が爆弾を仕掛けたのかは明らかになっていない。
さらにクルド自治政府の治安部隊によると、バグダッドの北約89キロに位置するサアディヤ近くでも、ISISからサアディヤの支配を奪い返そうとするクルド人民兵組織「ペシュメルガ」とISISの武装勢力が衝突したという。両者は、キルクークの南西に位置するバシール村の支配をめぐっても争っている。

一方、米国防総省はイラクにさらなる武器・兵士を投入し、オバマ大統領の命令に備えている。バグダッドの米国大使館には、警備強化のためすでに数十人の海兵隊員や陸軍部隊が派遣されており、さらに支援要員として100人が待機しているという。
ペルシャ湾には、空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」のほか、5隻の空母が配備されており、500人以上の海兵隊員と数十機のヘリコプターが待機している。
また英国のキャメロン首相は17日の記者会見で、シリアとイラクにおけるISISの進撃は「英国の安全保障上の最大の脅威だ」と述べた。
キャメロン首相は「何としても現地の英国民の安全を守る」とし、具体策として「陰謀に関与した者を逮捕」し、さらにISISが活動する地域における「安全確保、治安維持、諜報活動を重点的に行う」と述べた。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成26(2014)年6月19日(木曜日)弐 通巻第4272号
http://melma.com/backnumber_45206/

イラク最大のバイジ精油所は本当にISISの手に落ちたのか?
バグダット陥落へ秒読み、いや米軍の空爆介入がある。情報が錯綜


 これほど電光石火の軍事作戦で意外なことがおきたからには、その背景に何か目に見えない大きな仕掛けがあるのではないか。突如、新顔の武装集団が登場し、イラク政府を窮地に陥れたのだから。
   シリア国境から出撃してきた武装集団ISIS(イラク・シリアのイスラム国)は、イラク政府と米国メディアが命名するところの「テロリスト」、6月10日に北部モスルを陥落させた。
戦闘員僅か5000名程度と言われるISISが、イラク政府軍30000が守備した街を、それほど容易に陥落させることが出来るのか?

   モスル住民はもともとスンニ派が多く、日頃からマリキ政権という名のシーア派を嫌っている。憎悪はふかまっていた。
 イラク北西部はサダム・フセインの故郷チクリートに限らず、反政府感情が強く、しかも旧軍人と旧バース党員が十一年間、ひそかに逼塞し、雌伏してきた。この旧体制構成員が一斉にISISに合流し、このためイラク政府軍はモスルから「蒸発」した。

 モスル陥落翌日、チクリートとバイジにISISは侵攻した。
16日にはシリアとの幹線道路を確保し、さらにイラク最大の石油精油所があるバイジを陥落させたと現地メディアなどが伝えた。だがニューヨークタイムズの報道によれば、精油所は二ヶ所の入り口が破られたが、まだイラク軍との戦闘がつづいており、精油所はイラク政府軍がコントロールしている観測もあると報じている。

 イラクは米軍に空爆を要請した。
しかしオバマ大統領はマリキ政権の背後にいるイランの動きを見ながら「空爆はしない」と反応し、駐バグダット米国大使館員の撤収を開始し、保安のための特殊部隊300名をバグダットに投入した。
 在留邦人もおおかたが国外脱出した。

 ここで謎だった地下水脈の構図が浮き上がってきた。
イラク北西部は表面の行政をマリキ政権が抑えたかにみえたが、地下では旧バース党とスンニ派の地下組織、それに旧軍人らが一気に合流できる基盤が整っていたのである。

 そして、米国が介入したアルカィーダ壊滅作戦で、寧ろイラクに存在しなかったアルカィーダが組織をもたげ外人部隊が介入して、国土を血の海とし、米軍の進めた「民主化「とは旧バース党解体、旧軍人追放という、事実上のスンニ派圧迫であったために、ISISの突如の登場を機に反抗に転じたということになる。

「究極的には米国のイラク介入方法の拙速による失敗の結果が、こんにちのカオス的状況をもたらしたといえる」(『アジア・タイムズ』、6月18日)。

■ブログ「白髪頭でズバリと斬る -じじ放談-」
シリア・イラクの内戦(宗教戦争)は消耗戦。狼狽するオバマ、欣喜雀躍のイラン、そしてサウジアラビアは?
http://blog.livedoor.jp/gold_7777/archives/51985309.html#comments


19日(木) 感動的・口パク(笑)

閑散とした空港で、この髭面のむくつけき兄ちゃんがやったこと。

なんと、口パク、セルフ・ミュージックビデオ。
動く歩道やエスカレータにiPhoneを取り付けて画面に動きを与える工夫も凄い(笑)。
無人の空港で一晩を過ごした男性のミュージックビデオが大ヒット
2014年06月12日 16:05 発信地:米国
http://www.afpbb.com/articles/-/3017483

【6月12日 Relaxnews】まぶしい蛍光灯の光の下で丸まって少しの睡眠をとろうとするわけでもなく、午前3時にぼんやりとウインドーショッピングをするわけでもなく、米ラスベガス(Las Vegas)の空港で一晩過ごす羽目になったリチャード・ダン(Richard Dunn)さんは、その時間を生産的に過ごすことにした。セリーヌ・ディオン(Celine Dion)版の「オール・バイ・マイセルフ(私ひとり)」に合わせて、自分の孤独を1本のミュージックビデオに仕立てたのだ。
 6月8日に動画サイトのVimeoにアップロードされてから数日で、視聴回数は270万回を突破。コメント欄には「気だるさと悲壮感をとらえた傑作」などのコメントが寄せられている。
 ジョージア(Georgia)州で照明デザイナーとして働くダンさんは、自分がラスベガスのマッカラン空港(Mccarran Airport)で一晩を過ごさなければならないと知ったときに、チケットカウンターに立っていた作業員に「動画を撮りたいので、荷物用の粘着テープを1本くれないか」と頼んだという。
 ダンさんは堂々たる態度で、セリーヌ・ディオンの感動的な歌に合わせて口を動かしながら無人の空港施設内を歩き、崩れ落ちて膝をつき、亀のオブジェに寄り添って寂しさを紛らわせたり、さらには椅子とミネラルウオーターのボトルを使って、映画『フラッシュダンス』の名シーンを再現したりしている。
「ドリーショット」と呼ばれる移動撮影をするときは、車いすにiPhoneを取り付けて、車いすごと動く歩道に載せたという。
 ダンさんは「エスカレーターの映像は、撮り終わったら猛ダッシュで上まで走って行かなきゃいけなかった。そうしないと僕のコンピューターバッグが一番上で倒れちゃうからね。楽しかったよ!」と語っている。
 動画はhttp://vimeo.com/97634383で見ることができる。2分30秒あたりからが、より面白いだろう。(c)Relaxnews/AFPBB News



6月18日(水) 「韓国、河野談話すり合わせ認める」

なんらかの取引があったのだろうか、河野談話の裏側が明らかになりつつある。
韓国、河野談話すり合わせ認める 日本政府高官から要請 ZAKZAK 2014/06/17
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140617/frn1406171207006-n1.htm

 慰安婦募集の強制性を認めた1993年の「河野洋平官房長官談話」について、作成当時、韓国政府の当事者だった人物が、日韓間ですり合わせがあったことを認めた。河野氏はこれを否定してきたが、日本と日本人の名誉を傷付ける談話を発表しておきながら、国民をウソで欺こうとした可能性が高まってきた。
 証言したのは、当時、駐日韓国大使館で歴史問題を担当していた趙世暎(チョ・セヨン)元韓国外務省東北アジア局長(現・東西大特任教授)。17日までに、ソウル市内で産経新聞のインタビューに答えた。

 趙氏によると、韓国政府は当時、日本側が出す慰安婦問題に関する談話について「核心は強制性であり、強制性(の認定)は必要」としながらも、中身は「日本側が自らの判断で発表すべきだ」との立場だった。
 ところが、趙氏が立ち会った場で日本政府高官から「日本側で決めてほしいという気持ちは分かる。後ですり合わせをしていたことが明らかになれば、世論から批判される恐れがあると心配するのも分かるが、内々に相談に乗ってほしい」と要請があったという。
 また、談話発表直前には、日本側から「こういう表現だがどうだろうか」と案文の提示があったことも明かした。

 河野氏は97年3月31日付の朝日新聞インタビューで「(河野談話は)韓国とすり合わせるような性格のものではありません」と語っているが、趙氏の証言は、これを完全に否定するものだ。
 国会の証人喚問で、河野氏に説明責任を果たさせるべきではないか。

河野談話ヒアリング対象者に虚偽証言者 「奴隷狩り」吉田氏、「従軍」広めた千田氏  2014.5.20 07:58 [「慰安婦」問題]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140520/plc14052007580006-n1.htm

 慰安婦募集の強制性を認めた平成5年8月の河野洋平官房長官談話の作成過程にあたる同年1月から5月にかけ、内閣外政審議室が実施したヒアリング(聞き取り)の対象者の全容が、産経新聞が入手した政府文書で明らかになった。
 対象者には、韓国で慰安婦の「奴隷狩り」を行ったと告白したものの、後に全くの虚偽だと発覚した吉田清治と、軍属を連想させる造語「従軍慰安婦」を実際に使われていたかのように広めた作家の千田(せんだ)夏光(かこう)=いずれも故人=が含まれていた。史実や事実関係に基づかない「強制連行説」の原点となった2人の証言に政府が影響を受け、河野談話の強制性認定につながった可能性も否定できない。

 ヒアリング対象者は(1)旧軍関係者12人(2)元朝鮮総督府関係者5人(元経済警察課長、元慶尚北道知事官房主事ら)(3)元慰安所経営者1人(4)元厚生省(現厚生労働省)関係者2人(5)大学教授、研究者3人(6)書物執筆者3人-の計26人。

 このうち(5)の大学教授については、慰安婦性奴隷説を唱える中央大教授、吉見義明とそれを否定する拓殖大教授、秦郁彦の双方から話を聞いており、バランスはとれている。ところが(6)に関しては千田、吉田と『慰安婦たちの太平洋戦争』などの著書がある山田盟子の3人で全員が強制説に立つ作家となっている。

 政府文書では、吉田の肩書について「元労務報国会下関支部動員部長(?)」と疑問符がつけられている。吉田は昭和58年の著書『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』でこの肩書を使って「韓国・済州島で奴隷狩りを行った」「女子挺身隊とは従軍慰安婦のこと」などと記しているが、経歴ははっきりしない。
 同書は韓国でも出版されたが、地元紙「済州新聞」の記者、許栄善が取材すると全くのデタラメだと判明。秦も現地取材を行い、許に会ったところ「何が目的でこんな作り話を書くのか」と聞かれたという。
 吉田は週刊新潮(平成8年5月2・9日合併号)のインタビューでは「本に真実を書いても何の利益もない」「事実を隠し、自分の主張を混ぜて書くなんていうのは、新聞だってやっている」と捏造(ねつぞう)を認めた。

 一方、元毎日新聞記者である千田は昭和48年の著書『従軍慰安婦』で、慰安婦を従軍看護婦や従軍記者のように直接軍の管理下にあるよう印象づけた。ノンフィクションの形をとりながら「女性の大半は朝鮮半島から強制動員した」「慰安婦の総数は昭和13年から同20年まで8万人とも10万人とも言うが、その大半は朝鮮人女性」などと何ら出典も根拠も示さず書いた。
実際は、秦の推計では慰安婦の総数は2万〜2万数千人であり、そのうち日本人が4割、朝鮮人は2割程度だった。

 産経新聞はヒアリング内容と評価、見解について内閣府に情報公開請求したが「公にすると今後、任意で協力を要請する調査で、公開を前提とした回答しか得られなくなる」との理由で拒否された。

 河野談話は日本国内にとどまらず海外にも弊害をもたらしている。米カリフォルニア州グレンデール市にある「慰安婦」像の撤去を求める訴訟を起こしている目良浩一は19日の記者会見でこう訴えた。
 「訴訟で中国系団体の介入を招いたのも、真実でないにもかかわらず河野談話があるからだ。日本政府には客観的な事実を広報していただきたい」

 吉田、千田の創作した“小説”が韓国語や英語に翻訳されるなど、史実と異なる強制連行説や性奴隷説が拡大再生産されていった。「歴史戦」第2部は「慰安婦問題」を広めた人たちに焦点をあてる。(敬称略、肩書は当時)



6月13日(金) 自衛権・限定容認とは

集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更について公明党がブレーキをかけ、閣議決定は先送りされる公算がでてきたという。
「限定容認」で調整とあるが、ド素人にはその意味がわかりにくい。

産経新聞が注文を付けているが、シーレーンの確保とか有事の際の邦人救出もあるだろうが、今やミサイル飛び道具が主役で地球全体を考慮に入れなければならなくなっているのではないだろうか。
中韓の意向を汲む公明党(=創価学会)というイメージが払拭できないものとしては、言葉遊びや骨抜きに終わらないかと懸念する。
公明、限定容認で調整=閣議決定、今国会見送りの公算―集団的自衛権  時事通信2014年6月12日(木)23:31
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-140612X860.html

 公明党は、集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈変更について、限定的に容認する方向で調整に入った。安倍晋三首相の強い意向を受けて、譲歩せざるを得ないと判断した。国民の生命などが「根底から覆される事態」には自衛権発動が容認されるとした1972年の政府見解を基に、新たな憲法解釈を検討する。公明党内の調整を見守るため、解釈変更の閣議決定は22日の今国会閉幕後に先送りされる公算が大きくなった。
 公明党幹部は12日、「党内をまとめるために閣議決定を1カ月程度待ってほしい」と11日に関係者を通じて首相に要請したことを明らかにした。別の党幹部も同日、政府高官に電話で同様の考えを伝えた。 

集団的自衛権 危うさはらむ限定容認論 2014.4.6 03:06 [主張]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140406/plc14040603060002-n1.htm

 政府・自民党は集団的自衛権の行使について、条件を付けて限定的に容認する方針を固めた。政府の有識者懇談会の報告後に予定されていた公明党との協議も前倒しで始まり、「限定容認論」が与党内協議の焦点になっている。
 大きな懸念は、こうした議論が自衛隊の活動を強く制約する結論につながることである。
 憲法解釈の変更に国民の支持を得るため、条件を整える議論は重要だ。だが、日米同盟や抑止力の強化を十分実現できない結果を招いてはならない。
 限定容認論は、自民党の高村正彦副総裁が提唱した。
行使は日本の安全保障に直接関係ある場合に限り、他国の領土・領海・領空での行使は原則として認めず、自衛隊の行動は日本の領域や公海に限る方向性を示している。
 これは、行使容認には慎重姿勢をとる公明党の理解を得るための「次善の策」の面が大きい。
 急務である行使容認を実現するため政治的妥協が必要なことは否定しない。
だが、日本の平和と安全を確かなものとするには本来、包括的に行使を認め、政府に判断の余地を与えておくのが望ましい。予想が困難な危機に対処するため、政府が必要な範囲で軍を活用するのは「世界標準」だ。

 日本の安全保障に重大な影響があるケースでも、他国の領域での行使を認めないとどうなるか。
アデン湾で海賊対処活動に当たる自衛隊はジブチに根拠地を持っている。近くには米軍、フランス軍などの拠点がある。自衛隊は今後、これらの国々とともにシーレーン防衛の任務に当たることも想定されるが、仲間の国の拠点が攻撃されても傍観するしかない。

 朝鮮半島有事の際、韓国の在留邦人を含む各国国民、傷ついた各国将兵の救出が必要な場合でも、自衛隊は動けないのか。そうしたことが現実になれば、国際社会からの信頼は失墜するだろう。
 ハワイ近海で共同行動をとっている米艦船が攻撃されても、日本は加勢できないのか。日米の共同防衛を広く認めてこそ、より対等な同盟関係に近づくのに、その道を閉ざすのだろうか。
 安倍晋三首相は防衛大学校卒業式の訓示で「現実を踏まえた安全保障政策の立て直しを進める」と語った。
真に日本を守れる解釈変更を決断してもらいたい。



6月13日(金) マグロ入漁料

マグロは世界的にも漁獲量が減少しているそうな。
遠洋の漁場では入漁料が一日100万円するとのこと。一ヶ月で三千万円。
燃料費、人件費、等々採算に合わせるには何頭必要なのでしょうか・・厳しいですね。

刺身は好きだけどめったに口にはしませんが、ここまで考えが及ばなかった。
お高いので若干安価な鰹のタタキ、普段はさんまの開き、塩鯖、鮭などを食べております。
マグロ入漁料、1日100万円=太平洋諸国が大幅値上げ 時事通信6月12日(木)16時42分
http://news.biglobe.ne.jp/economy/0612/jj_140612_3896465550.html

 【シドニー時事】太平洋8カ国で構成するナウル協定加盟国(PNA)は12日、マーシャル諸島の首都マジュロで会合を開いた。AFP通信によると、豊かなマグロ・カツオ漁場として知られる加盟国水域への入漁料を2015年から、1日当たり1万ドル(約100万円)へ引き上げることを決めた。
 マーシャル諸島のロヤック大統領は、値上げによる収入増で、水産資源の管理体制を改善できると説明した。ただ、外国漁船に対する入漁料は13年の5000ドルから14年に6000ドルに上げられたばかり。一段の値上げは、燃料費高騰に苦しむ日本などの遠洋漁業者に打撃となりそうだ。

近畿大学が開発したマグロの養殖。今では種苗から成魚になるまで完全養殖に成功したそうです。
http://www.yousyokugyojyou.net/index4.htm


6月12日(木) 「国民投票改正案」可決

憲法改正への関門、「国民投票改正案」が参院で可決。
敗戦後制定された日本国憲法改正へ一歩踏み出した。
国民投票改正案、13日成立へ=参院憲法審で可決 時事通信2014年6月11日(水)15:42
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-140611X632.html

 参院憲法審査会は11日、国民投票法の投票年齢を「20歳以上」から4年後に「18歳以上」に引き下げる同法改正案を、与党と民主、日本維新の会など与野党7党の賛成多数で可決した。13日の参院本会議で可決、成立する見通し。
 賛成はほかに、みんなと結い、新党改革の各党。委員がいない生活の党は、本会議での採決は賛成する。共産、社民両党は反対した。
 また、同審査会では、安倍政権が集団的自衛権の行使を可能にするため憲法解釈の変更を目指していることを念頭に、「政府が憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことがあれば、政府の解釈、憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねない」などとする付帯決議を採択した。

憲法施行67年 9条改正あくまで目指せ 集団自衛権の容認が出発点だ 2014.5.3 03:06 [主張]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140503/plc14050303060002-n1.htm

 日本国憲法の施行から67年を迎えた。これほど日本を取り巻く安全保障環境が悪化しているときはない。
一方、憲法をめぐる政治状況には大きな変化がみられる。
 安倍晋三首相は集団的自衛権の行使容認に向けた調整を進めている。大型連休明けには国民投票法改正案が衆院を通過し、今国会成立が視野に入ってくる。
 憲法解釈の変更、さらに条文改正が、次第に国民の目の前に姿を見せ始めたといえる。

 自衛権を強く制約して抑止力が十分働かない状態をもたらしてきた憲法9条の解釈、あり方こそ議論の核心とすべきものであることを改めて指摘しておきたい。

 ≪国守る規定が存在せず≫
 歴代内閣は軍事に関して抑制的態度を取り続け、9条をめぐる問題を放置してきた。今の時機をとらえて着手しなければ、日本の生存と繁栄は確保できない。
 尖閣諸島では2日、中国海警局の公船が今年11回目の領海侵入を行った。北朝鮮も、国連決議違反のミサイル発射を重ね、新たな核実験も辞さない姿勢を示している。
 独立国家として、領土・領海・領空の保全と国民の安全を守り抜く対応をとるべきであるのに、手をこまねいてきた。大きな原因は、現行憲法が国の守りに言及していないことだ。

 日本を含め、どの国も自衛権は国家の固有の権利として有している。だが日本では、実際に自衛権を行使するには「急迫不正の侵害」「他に適当な手段がない」「必要最小限度の実力行使」という3つの条件が課せられる。
 現行の9条は、敵の第一撃を甘受してからでなければ防衛力を行使できない「専守防衛」という基本姿勢も生みだした。攻撃能力の保有が認められず、防衛政策の手足を縛ってきた。
 日本が直接、攻撃されていなくても、同盟国である米国などへの攻撃を阻止する集団的自衛権についても、国際法上の権利は有している。だが、憲法上、「必要最小限度」を超えるとして、行使は許されないと解釈されてきた。

 国会で行われている集団的自衛権をめぐる議論は、9条の下で過度に抑制的にとらえられてきた自衛権のありようを問うている。
 行使容認は、日米同盟の抑止機能を向上させ、日本とアジア太平洋地域の平和と繁栄を確かなものにする方向へ導く。現実の危機を踏まえ、自衛権と抑止力をどうするかの議論を重ねてほしい。
 もとより、集団的自衛権の行使容認で日本の安全保障上の問題がすべて解決するわけではない。
 解釈変更は行使容認を急ぐためにとる方法であり、真に国の守りを高めるためには9条の条文、つまり憲法を改正して必要な態勢を整えなければならない。

集団的自衛権の行使に慎重な人たちの中には、解釈変更は許されないとして、あくまで憲法改正によるべきだと主張する向きもある。しかし、その真意は、憲法改正にはより時間がかかることを見越して、行使容認を妨げ、あるいは先送りしようという手段としか思えず、同調できない。

 ≪「軍」の位置づけが必要≫
 9条の改正によって、国民の保護、国際平和のために「軍」の位置づけも明確にすることができる。
現行の9条は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」としているが、肝心の自衛権に関する記述はない。
昨年、本紙が発表した「国民の憲法」要綱が「軍の保持」を明記し、個別的自衛権と集団的自衛権の行使を認めたのもそのためだ。
 同時に、国の守りは軍だけに任せるものではない。要綱は「国は、その主権と独立を守り、公の秩序を維持し、かつ国民の生命、自由および財産を保護しなければならない」と、政府全体の責任を明確化した。主権者である国民の国を守る義務も明記した。
 政府の国家安全保障戦略は、産官学の力を安全保障分野でも結集させる方針を打ち出している。だが、国立大学法人である東京大学の情報理工学系研究科のように「一切の例外なく、軍事研究を禁止」する内規で軍事忌避の姿勢をとってきたところもある。平和のため国の総力を挙げられないのが9条の下の日本だ。
 集団的自衛権の行使容認を急ぐために憲法解釈の変更を行い、さらに9条改正で自衛権を改めて位置付ける。二者択一ではなく、どちらの実現も欠かせない。



6月10日(火) 「河野談話」見直し・公表へ

米国の諸都市で慰安婦像が建ち、オーストラリアのシドニーにまで建つ話が出ている。
反日韓国の病的なまでのしつこいロビー活動は一体何のためかといいたくなる。
その原因「河野談話」の見直しが進み、国会会期末に公表する意向が示された。

「世界は腹黒い」とよく云われる。昭和初期の帝国主義時代はもとより、現代でも国家による人権無視の残虐な事件が後を絶たない。ひとり日本だけがよい子にはなかなかさせてくれないのだろう。
そこを韓国は巧く利用した。
「河野談話」見直しの結果、22日までに公表方針 政府答弁書2014.6.6 12:42 [「慰安婦」問題]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140606/plc14060612420014-n1.htm

 政府は6日の閣議で、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話の作成過程にかかわる検証チームによる調査結果の取りまとめ時期について、「(6月22日が会期末の)通常国会の会期中にできるように作業している」とする答弁書を決定した。
 また、「国会から求めがあれば、報告する考えであるとともに、公表する可能性も検討している」として、国民に向け情報開示する考えを示した。
 新党大地の鈴木貴子衆院議員の質問主意書に答えた。

河野談話ヒアリング対象者に虚偽証言者 「奴隷狩り」吉田氏、「従軍」広めた千田氏2014.5.20 07:58 [「慰安婦」問題]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140520/plc14052007580006-n1.htm

 慰安婦募集の強制性を認めた平成5年8月の河野洋平官房長官談話の作成過程にあたる同年1月から5月にかけ、内閣外政審議室が実施したヒアリング(聞き取り)の対象者の全容が、産経新聞が入手した政府文書で明らかになった。

 対象者には、韓国で慰安婦の「奴隷狩り」を行ったと告白したものの、後に全くの虚偽だと発覚した吉田清治と、軍属を連想させる造語「従軍慰安婦」を実際に使われていたかのように広めた作家の千田(せんだ)夏光(かこう)=いずれも故人=が含まれていた。史実や事実関係に基づかない「強制連行説」の原点となった2人の証言に政府が影響を受け、河野談話の強制性認定につながった可能性も否定できない。
 ヒアリング対象者は(1)旧軍関係者12人(2)元朝鮮総督府関係者5人(元経済警察課長、元慶尚北道知事官房主事ら)(3)元慰安所経営者1人(4)元厚生省(現厚生労働省)関係者2人(5)大学教授、研究者3人(6)書物執筆者3人-の計26人。

 このうち(5)の大学教授については、慰安婦性奴隷説を唱える中央大教授、吉見義明とそれを否定する拓殖大教授、秦郁彦の双方から話を聞いており、バランスはとれている。
ところが(6)に関しては千田、吉田と『慰安婦たちの太平洋戦争』などの著書がある山田盟子の3人で全員が強制説に立つ作家となっている。

 政府文書では、吉田の肩書について「元労務報国会下関支部動員部長(?)」と疑問符がつけられている。吉田は昭和58年の著書『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』でこの肩書を使って「韓国・済州島で奴隷狩りを行った」「女子挺身隊とは従軍慰安婦のこと」などと記しているが、経歴ははっきりしない。
 同書は韓国でも出版されたが、地元紙「済州新聞」の記者、許栄善が取材すると全くのデタラメだと判明。秦も現地取材を行い、許に会ったところ「何が目的でこんな作り話を書くのか」と聞かれたという。
 吉田は週刊新潮(平成8年5月2・9日合併号)のインタビューでは「本に真実を書いても何の利益もない」「事実を隠し、自分の主張を混ぜて書くなんていうのは、新聞だってやっている」と捏造(ねつぞう)を認めた。
 一方、元毎日新聞記者である千田は昭和48年の著書『従軍慰安婦』で、慰安婦を従軍看護婦や従軍記者のように直接軍の管理下にあるよう印象づけた。ノンフィクションの形をとりながら「女性の大半は朝鮮半島から強制動員した」「慰安婦の総数は昭和13年から同20年まで8万人とも10万人とも言うが、その大半は朝鮮人女性」などと何ら出典も根拠も示さず書いた。
実際は、秦の推計では慰安婦の総数は2万〜2万数千人であり、そのうち日本人が4割、朝鮮人は2割程度だった。

 産経新聞はヒアリング内容と評価、見解について内閣府に情報公開請求したが「公にすると今後、任意で協力を要請する調査で、公開を前提とした回答しか得られなくなる」との理由で拒否された。
 河野談話は日本国内にとどまらず海外にも弊害をもたらしている。米カリフォルニア州グレンデール市にある「慰安婦」像の撤去を求める訴訟を起こしている目良浩一は19日の記者会見でこう訴えた。
 「訴訟で中国系団体の介入を招いたのも、真実でないにもかかわらず河野談話があるからだ。日本政府には客観的な事実を広報していただきたい」

 吉田、千田の創作した“小説”が韓国語や英語に翻訳されるなど、史実と異なる強制連行説や性奴隷説が拡大再生産されていった。「歴史戦」第2部は「慰安婦問題」を広めた人たちに焦点をあてる。(敬称略、肩書は当時)


6月6日(金) 田母神氏・新党結成へ

「維新の会」は分裂、石原氏と橋下氏は袂を分かつことになった。
その石原氏新党に田母神氏が参加とのニュースがあったが、田母神氏は「日本真正保守党」を立ち上げたいとの意向を示している。ここに田母神氏の意気を感じる。タモちゃん頑張れ。
田母神氏 石原氏と別の新党結成意向 連携視野に2014.6.2 21:57
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140602/stt14060221570007-n1.htm

 元航空幕僚長の田母神俊雄氏は2日、東京都内で講演し、次期国政選挙に向けて「日本真正保守党」を立ち上げる考えを明らかにした。「自民党の右側に一本、柱を立てるような政党が必要だ」と述べた。田母神氏は講演後、産経新聞の取材に対し、日本維新の会の分党を決めた石原慎太郎共同代表が立ち上げる新党との関係について「将来的に政策協議や合流といったことはあるかもしれないが、当面は別々でやっていきたい」と語った。次期衆院選などで日本真正保守党として候補者を擁立し、自身の立候補も検討する。

 田母神氏は「石原新党」に参加する意向を示し、石原氏も歓迎していた。ただ田母神氏の主張に賛同しない石原氏系の維新議員もいるため、自ら距離を置いたとみられる。

田母神元空幕長がスクランブルで見せた実力 「真の近現代史観」懸賞論文、今回の最優秀賞はあの国会議員 2014.2.15 07:00 ([国会]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140215/plc14021507000004-n1.htm

(写真)まさかの主役不在という事態に「緊急発進」し熱弁をふるった田母神俊雄・元航空幕僚長 =平成25年12月6日、東京・元赤坂の明治記念館

 その表彰式はまたまた波乱含みの展開だった。昨年12月6日に開かれた第6回「真の近現代史観」懸賞論文の表彰式には、最優秀賞受賞者である民主党の松原仁衆院議員がまさかの欠席。続いて開かれた受賞作品集の出版記念パーティーが始まっても松原氏が姿をみせない緊急事態に、第1回の最優秀賞受賞者である田母神俊雄元航空幕僚長が急遽(きゅうきょ)、代理でマイクを握ることになったのだった。(溝上健良)

今回も波乱の表彰式

 「真の近現代史観」懸賞論文の表彰式を取材するのはこれで3年連続になるが毎年、波乱があって話題には事欠かない。第4回の最優秀賞受賞者は高田純・札幌医科大教授で、菅直人元首相の暴走を真っ向から批判する形となった「福島は広島にもチェルノブイリにもならなかった」と題する異例の理系論文で話題を集めた。本MSN産経ニュースでも紹介したところ、その記事を漫画家の小林よしのり氏が「SAPIO」誌上で詳細に論評され、これまた注目されたことも忘れがたい。
 第5回の最優秀賞受賞者は元海上保安官の一色正春氏で、表彰式の会場には衆院選期間中にもかかわらず石原慎太郎元都知事が駆けつけ、一色氏を祝福した。マイクを握った石原氏は田中真紀子氏に「暴走老人」と名付けられたのを逆手に取って「日本が第2のチベットになってはいけないので、私は命がけで暴走します」と宣言していた。このときは出版記念パーティーの最中に地震があり、主催者側あいさつが一時中断となるハプニングもあった。

 そして今回。表彰式当日は参院本会議でいよいよ特定秘密保護法案の採決が行われるという日で、民主党の国会対策委員長でもある松原仁氏はなかなか国会を離れることができず、受賞記念スピーチの時間にとうとう間に合わないという不測の事態が発生する。

 振り返ればそもそも第1回、田母神俊雄航空幕僚長(当時)の最優秀賞受賞が決まった際には政府を巻き込んでの大騒ぎとなり、ついには田母神氏が事実上、更迭されることになったことを覚えている人も多いことだろう。その後の田母神氏の活発な言論・出版活動は読者の皆さまご存じの通りである。あまり騒がれなかったが、第2回の最優秀賞受賞者は慶応大講師の竹田恒泰氏で、その後の竹田氏の活躍には目を見張るものがある。第3回の最優秀賞受賞者で戦後問題ジャーナリストの佐波優子氏は昨年、『女子と愛国』(祥伝社)を出版。慰安婦問題などでも積極的に発言しており活動が注目される若手の論客だ。なお高田純氏には『東京に核兵器テロ!』(講談社)など多数の著作があり、一色正春氏も執筆活動に力を入れている。これらの方々の言論活動には、今後とも注目していきたい。

日本は情報戦にいまなお敗北中

 ところで今回の表彰式について報告する前に、松原仁氏の論文を見てみたい。
受賞作は「我らが日本!『三つの敗戦』から脱却して力強い国家を」と題する論文で、日本の3つの敗戦-
(1)対米戦争での敗戦
(2)国内で「自虐史観」が生まれ、根付いてしまったこと
(3)他国との情報戦での敗北-について触れている。
 論文の中では特に第3の点について「情報戦における敗北により、国際社会において日本が極めて悪い国であるという印象を世界に与え、そして日本国内においては日本国民は常に自虐的に振る舞わなければいけないという精神構造を押し付けるものとなった」と強調されている。

そしてこの第3の敗戦は先の大戦中から周到に仕組まれたもので、現在も進行中であるとして、南京事件(いわゆる南京大虐殺)、日本海の呼称問題、慰安婦問題を例として挙げている。
いわく「南京事件については、30万人の虐殺など…あり得ない形の残虐行為が捏造(ねつぞう)された写真等を用いて喧伝(けんでん)されている」「慰安婦問題については、存在しない朝鮮人女性に対する軍の強制連行などが韓国により宣伝されている」。そして「私は、心ある読者とともに、この三つの敗戦からの脱却という大きな戦いに向けて全力を賭けて取り組むことを、今ここに誓いたい」と締めくくられている。

 松原仁氏は民主党の国会議員ではあるが、拉致問題に熱心に取り組んできたことで知られ、いわゆる南京大虐殺についても国会の場で論じてきたのは有名な話である。例えば、平成19年5月、衆議院外務委員会でこんな発言をしている。

 「1937(昭和12)年11月に、国共合作下の(中国)国民党は中央宣伝部に国際宣伝処を設置した。
…南京戦を挟む1937年の12月1日から翌年の10月24日(までに)300回、毎日のように記者会見をやった。参加した外国人記者、外国公館職員は平均35名。何を言ったかというと、日本軍はけしからぬと。 …にもかかわらず、そこで一回も南京で虐殺があったと言っていない。極めて不思議であります。簡単に言えば、なかったから言わなかったのであります…」

 これは実に説得力のある話だ。仮にも30万人規模の「南京大虐殺」があったのであれば、戦時中に中華民国はじめ外国で問題にならなかったはずはないのである。
とかく歴史問題では中国寄りの発言が目立つ民主党(内左派)の国会議員にも、よく味わってもらいたいものだ。松原氏の受賞論文は、アパグループのウェブサイトで読むことができる。

要注目の受賞作の数々

 今回、第6回の懸賞論文では他の入賞作品にも見るべきものが多かった。優秀賞は社会人部門が塩沢修平・慶応大経済学部教授、学生部門が慶応大1年の山本みずき氏と、慶応大の教授・学生でダブル受賞したのが注目される(ちなみに最優秀賞の松原氏は早稲田大卒)。なお山本氏の論文は、もともと月刊『正論』平成25年5月号に掲載されたものだ。

 月刊『正論』には歴史問題をめぐる論文も多く掲載されているが、最近で驚かされたのは平成24年1月号に掲載された福井義高・青山学院大大学院教授の論文「さらば、『正義の連合国』史観-欧州の最新研究が明かす米英ソの大罪」だった。先の大戦で本当にドイツだけが悪玉だったのか、を検証した論文で、なるほど歴史とは勝者が都合のいいように書くものなのだと納得させられる。昨年末にまったく別件で福井教授に取材する機会があったが、歴史関係の論文について「あれは趣味です」と言い切っておられた。趣味であれほどの論文が書けるとはすごい。一読をお勧めしたい論文である。

金曜討論「ブルートレイン廃止」福井義高氏VS石破茂氏

 今回の入賞作で個人的に強く印象に残ったのは、佳作となった元海上自衛隊特別警備隊先任小隊長・伊藤祐靖氏の「日本の掟」だった。伊藤氏は麻生幾著『奪還』(講談社文庫)のモデルとされるが、その父君の戦後が論文に書かれている。今年1月に亡くなった小野田寛郎氏の生涯も壮絶だったが、それに匹敵するすさまじい逸話が盛り込まれており、驚異というほかない。日本人の底力を感じさせられる佳作である。目ざとい編集者なら放っておけない内容だけに、そのうちにどこかの媒体で大々的に発表されることがあるかもしれない。

もう一作、静岡県下田市議会議員の高橋富代氏による「NHKを叩き潰せ〜この反日史観放送局」も強烈だった。
気が付かなかったが、人気を博したドラマ「あまちゃん」では居酒屋の場面で韓国の焼酎「鏡月」が映され、ヒロインの父親が運転するタクシーはヒュンダイ製、さらには作中に出てくる古いブラウン管テレビはサムスン製なのだという(ほぼ同様の指摘は、別冊『正論』20号「亡国の巨大メディアを撃つ! NHKよ、そんなに日本が憎いのか」で、評論家の潮匡人氏も言及されている)。そもそもヒュンダイ製のタクシーを用意するのも結構、大変な気がするが…。そういう点に注目してNHKのドラマを見ると、また違ったものが見えてきそうだ。

 他にも、日本国憲法の問題点を指摘する論文も複数、佳作となっており、今回の受賞作はいずれも見どころがあって興味深いものがあった。これらの論文は作品集『誇れる国、日本〔VI〕』として刊行されている。

秘密保護法は何のために

 さて受賞作品集の出版記念パーティーでは主役の松原仁氏が不在の中、田母神俊雄氏が代打ちでスクランブル(緊急発進)、特別講演を行うことになった。

 冒頭、「危険人物の田母神でございます」とお約束のあいさつで会場をなごませると、「航空自衛隊では有事即応を常に重視しております」と突然の指名にも余裕をみせつつ話を進めた田母神氏。「国際政治の本質は、富と資源の分捕り合戦であると思います。第二次大戦までは軍事力の強い国が戦争をして資源を分捕りに行きました。さすがに今はそれができにくくなり、代わりに情報戦、ウソとかデマとか捏造の情報を流し、また自分の国に有利な条約を結び、自国に有利な国際組織をつくり、一応相手の国にも同意させ、納得ずくで合法的に富や資源を分捕るということが日常的に行われています」として、現代は情報戦の時代だと訴えた。さらに「国際政治は非常に腹黒いもの。一国の大統領や首相が言うことも、そのまま信じてはいけない。『信じる者はだまされる』のが国際社会です」と解説した。

そして松原氏の論文に触れ「日本は情報戦に負け続けているということを松原先生が書かれているように、現在は情報戦が非常に重要な時代。今、特定秘密法が成立しようとしていますが、これは画期的な法律なんです。新聞、テレビの報道では、この法律を何のためにつくっているのかよくわからない。では何のためかといえば、日本でスパイ活動を行わせないため、というのが一つ。もう一つは情報戦の時代で現在、世界中で“スパイ大作戦”が行われており、日本国内には各国のスパイがかなりいるわけです。日本がこれからスパイ網をつくるときに『この人間は国家を裏切ることはないのか』と当然、親兄弟、親族、友人関係、あるいは借金はないのかなどを調べないといけないが、今の日本ではこれを調べられません。スパイ網をつくるためには、そうしたことができるようにしなければいけません。特定秘密法が成立すれば、こうしたことができるようになると思います」として、特定秘密保護法は国際的な情報戦に負けないための第一歩であり画期的な法律であると、制定の意義を説明していった。

 田母神氏はさらに、11月に成立した国家安全保障会議(日本版NSC)創設関連法についても「これは国家の緊急事態に対応する法律で、決して国民をいじめるためとか、戦争を始めるための法律ではなく、国民を守るための法律なんです」と熱弁を振るった。さらに日本は世界で唯一、憲法に国家緊急事態の規定がない国であることも紹介し、スパイ天国状況も含めて「こうした事態に終止符を打たなければなりません」と訴えかけた。そして「本当はあと1時間くらい話したいことはあるけれども、あまり長く話すと評判が悪くなるので、このへんで」と締めくくり、会場から盛大な拍手を浴びていた。

 現在は懸賞論文の審査員を務める田母神氏。松原氏論文の論点を押さえた上での、突然の指名とは思えない流れるような演説だった。今回も見るべき点の多かった「真の近現代史観」懸賞論文、次回もどんな論客が現れるか、今から楽しみだ。

 ところで、年が明けて行われた東京都知事選挙でも、田母神元空幕長が緊急発進。「原発即ゼロ」を掲げた元首相らを相手に一歩も退かない空中戦を繰り広げたのだけれど、それはまた別のお話。

その松原仁氏の論文。
「我らが日本!「三つの敗戦」から脱却して力強い日本を」
http://www.apa.co.jp/book_ronbun/vol6/japan.html
何かの間違いか、松原仁氏は民主党所属。もっとも自民党にもおかしな連中が多いが。


6月5日(木) 「天安門事件25周年 東京集会」

世界で沸き起こる、抗議と民主化要求。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26(2014)年6月5日(木曜日)通巻第4260号
http://melma.com/backnumber_45206/

天安門事件二十五周年東京集会に800名
会場は割れるような熱気に包まれ、中国共産党は崩壊すると多くが発言した


 六月四日、天安門事件25周年東京集会が市ヶ谷で開催され、800名が集まって熱気に包まれた。すでに開場前から長い列ができ、立錐の余地がないほどの盛況な雰囲気を呈した。とくに外国人や外国メディアの取材陣も目立った。

 諸外国でもニューヨーク、台北、香港などで集会が開催され、とくに香港の集会には20万人近くが集まった。 東京では中国大使館へ抗議デモも行われた。

 「天安門事件25周年東京集会」は古川郁絵さんの司会で定刻六時に開会、まず天安門事件で犠牲となった多くの若者に黙祷を捧げたあと、すぐに石平氏の基調講演に移った。
石氏は涙ながらに自国民の自由を求める声を圧殺した独裁政党を批判し、声を詰まらせながら熱弁をふるった。 会場はしーんとなるほど感動的な演説だった。

 ひきつづき米国へ亡命した陳破空氏(民主活動家、『日米中アジア開戦』の著者)が講演し、中国共産党の不正、独裁、腐敗に関して詳細を述べた。通訳は山田智美女史が担った。
 石、陳両氏の感動的な話に引き続き、急遽、国会から会場に駆けつけた西村真悟・衆議院議員(無所属)、おなじく三宅博・衆議院議員(維新の会)、和田政宗(参議院議員。みんなの党)が壇上にたって、挨拶した。
 ほかにも数名の国会議員からメッセージが届いた。

来賓らの憂国の熱弁のあと、各民族に対して中国共産党が展開している血なまぐさい抑圧の実態を訴えた。

 チベットを代表してペマ・ギャルポ(桐蔭大学教授)、ウィグル代表のイリハム代表代理、内蒙古を代表してダイチン氏ら各代表も熱弁。とくにダイチン氏は名古屋から駆けつけた。
 会場には遠く青森、山口県からの参加者もあった。
ひきつづき中国民主活動家の相林氏、台湾独立建国連盟日本本部の王明理女史、ベトナム代表らが演壇に立って、中国共産党の苛烈な支配ぶりを訴えた。さらに政治学者の藤井厳喜氏はフィリピンの実情を訴えた。
各氏は中国共産党が崩壊するまで戦い続けると述べた。

 西村幸祐、黄文雄、河添恵子、板東忠信、水嶋総、宮崎正弘各氏の意見発表に引き続き、バングラデシュ代表が挨拶、最後の閉会の辞は田母神俊雄氏が締めくくった。時間が迫ったため、会場に駆けつけられた賛同者多くが紹介されたあと、東京集会宣言(中国は国際秩序の破壊を止め、自由、民主、人権、法治を目指せ)が満場一致で採択された。
 主催者側の予測を超えて立ち見が出るほどの盛況となった。
なお集会の模様は産経新聞などでも報道されたほか、日本文化チャンネル桜のニコニコ動画などに配信され、7月1日発表の『正論』に誌上収録される予定。

東京の大使館前で抗議 中国人留学生の姿も 2014.6.4 17:47 [中国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140604/chn14060417470015-n1.htm

 天安門事件から25年となった4日、東京都港区の中国大使館前で中国共産党・政府に対し、民主化などを訴えるデモがあり、日本人など約20人が「言論の自由を」「知識人を釈放せよ」などと声を上げた。中国人留学生の姿もあった。
 デモは当時の民主化運動を率いた元学生リーダー、王丹氏が25年に合わせ各国で呼び掛けていた「世界同時アクション」の一環。参加者は大勢の警察官が警備に当たる大使館前で戦車の前に1人の人間が立ちはだかっている、事件を象徴したイラストが描かれた横断幕を広げながら「中国は人権弾圧をやめろ」「犠牲者に謝罪しろ」と訴えた。
 中国人留学生の男性(24)はデモ隊とは別に、一人でやって来た。マスクを着け大使館前で黙ったまま「六四流血/言論自由」と書かれた紙を掲げて抗議した。(共同)

中国本土…「6月4日」を「5月35日」と言い換え抗議 香港…過去最多の追悼集会 2014.6.5 00:35
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140605/chn14060500350003-n1.htm

(写真)天安門事件直後の1989年6月10日に撮影された、中国人民解放軍の戦車や兵士が警備に当たる北京・天安門広場前の様子(上)(AP)。事件から25年を迎えた4日、天安門広場の警備に向かう武装警察官ら(下)(共同)

 【北京=川越一、香港=河崎真澄】北京の天安門広場周辺には4日、いつもより多くの警察車両や小銃を抱えた警官らが配置され、複数ある広場入り口では観光客らの手荷物を厳しくチェックしていた。
 中国外務省の洪磊報道官は同日の定例記者会見で、「1980年代に北京で起きた政治風波(騒ぎ)などについて、中国政府はとうの昔に結論を得ている」などと主張、事件の再評価を改めて拒否した。
 民主活動家らの拘束が伝えられる中、当局は国内報道を規制している。中国共産党機関紙、人民日報をはじめとする中国各紙は事件を黙殺。NHK海外放送の関連ニュースも同日、約3分間中断されるなど規制は海外メディアにも及んだ。

 中国国内の知識人らは「6月4日」を「5月35日」と言い換えてネット規制をかいくぐり、中国版ツイッター「微博」などに投稿。「今夜はろうそくをともして晩餐(ばんさん)だ」といった表現で哀悼の意を示した。
 一方、中国国内で「一国二制度」が保障されている香港では4日夜、民主派団体「香港市民愛国民主運動支援連合会」の呼びかけで、犠牲者を悼む集会が香港島のビクトリア公園で行われた。主催者側は、香港で開催された追悼集会としては過去最多の18万人以上が参加したと発表した。
 これに対し「事件は学生の暴動で鎮圧は当然」などと主張する親中派の複数の団体が式典に反対し、公園の外で抗議活動を行った。
 また香港の大学生が、天安門広場などで学生らを弾圧した中国人民解放軍の戦車の実物大模型を製作し、中心部のショッピングセンターに展示していたが、関係者によると、4日午後、親中派とみられる人物によって覆いがかぶされた。

天安門事件関連の米公文書を公開、「兵士が笑いながら発砲」 2014年06月04日 11:20 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/articles/-/3016695?ctm_campaign=must_read

【6月4日 AFP】中国・北京(Beijing)で1989年に起きた天安門事件で、国内各省から派遣された兵士らが、民主化を求めるデモ隊に対し笑いながら無差別に発砲していたことを示す米政府の文書が、事件からちょうど25年となる3日に機密解除された。
 米ジョージ・ワシントン大学(George Washington University)の国家安全保障公文書館(National Security Archive)が「情報自由法(Freedom of Information Act)」に基づき取得して公開したこれらの文書では、89年6月3日夜から4日未明にかけて中国当局が学生運動を武力弾圧する中、中国全土に広がっていった混乱の様子が示されている。

 米軍のある機密報告書は、ホテルの一室から天安門広場(Tiananmen Square)の様子を目撃した匿名の人物の話として、武力弾圧が多くの死者を出すことを意図した「残虐」なものだったと記している。
 第27集団軍(27th Army)に属する非北京語話者の兵士たちは「人々の集まりに遭遇すると、それが誰であろうとも笑いながら無差別に発砲していた」という。
 また、中国各地に広がる危機感を示す別の公電では、天安門での惨事を受け、現金を引き出そうとする人々が殺到したことから、当時国営だった中国銀行(Bank of China)の上海(Shanghai)支店に軍が空路で外貨を運んだと書かれている。

 しかし天安門事件の翌日の米公電に、中国と関係の深い外国政府当局者とみられる人物の話として、実際には1997年に死去した鄧小平(Deng Xiaoping)氏が既に死亡していたとする情報があるなど、今回公開された文書には大ざっぱなところがある。
 天安門事件では、兵士らが非武装の市民ら数百人を殺害。死者は1000人を超えるとの推計もある。(c)AFP

【天下圍城】天安門事件世界同時アクション・中国大使館前抗議デモin東京[桜H26/6/4] ↓
http://www.youtube.com/watch?v=ImQ-bR2Z8E4&list=UU_39VhpzPZyOVrXUeWv04Zg


6月4日(水) 六四天安門事件

中共では、25年前に起きた天安門事件が話題になることはない。
当局が事件の記憶を消すのにやっきとなっている。
中国当局が狙う、天安門事件の記憶消去
http://www.epochtimes.jp/jp/2014/06/html/d58290.html

【大紀元日本6月3日】AP通信などによると、六四天安門事件25周年の到来をひかえ、中国当局が国内において事件の痕跡を人々の記憶から完全に消去しようとする狙いがみられるという。
 AP通信は6月1日付の報道で、六四天安門事件25周年を間近に控え、中国国内メディアの扱い方は天安門事件が無かったかのように、この事件に関するものが一切出ていないことを明らかにした。
 一方、米公共ラジオ局NPRは6月1日、北京の4カ所の大学で大学生100人を対象に、1989年の天安門事件で、「戦車男」王維林が長安街を天安門に向かう戦車の行く手を1人で遮った有名な写真について聞き取り調査を行ったと報じた。その結果、100人のうち、15人がこの写真の背景知識を知っており、19人が観兵式ではないかと推測したほか、他のほとんどの学生はこの写真について何も知らなかったという。
 AFP通信6月1日付の報道によると、中国国民の3分の1は、天安門事件以降に生まれ、天安門事件を経験した人々もこの政治的に敏感な話題を持ち出したがらない。よって、25歳以下の若者らは、同事件について無知である割合がかなり高いという。
 また同通信は、中国当局は膨大な検閲システムを駆使し、書籍やテレビ、インターネットから天安門事件に関する情報をすべて削除してしまった。この事件に関する公開討論を禁止し、若い世代の頭から関連情報を消去しようとしていると指摘した。
(翻訳編集・王君宜)

天安門広場、厳戒下に 中国、武力弾圧から25年「異例の厳しさだ」 2014.6.4 09:13 [中国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140604/chn14060409130011-n1.htm

 中国当局が民主化運動を武力弾圧した天安門事件から25年となった4日、治安当局は北京の天安門広場周辺に警察車両を多数配置して厳戒態勢を敷いた。広場前の通りでは小銃を抱えた警官らが周囲に目を光らせていた。
 日の出に合わせて広場で行われた国旗掲揚式には約千人が見物に訪れた。幹線道路の複数箇所に検問所が設置され、警官が北京ナンバー以外の車を停止させてチェック。広場に通じる歩道では観光客らの荷物を細かく検査していた。
 北京出身の男性(50)は「今年の警戒は事件後数年間のような異例の厳しさだ」と話す。各地で大規模暴力事件が相次ぎ、習近平指導部が警戒を一段と強めているとみられる。
 旅行会社勤務の女性(30)は「事件のことは聞いた事はあるが、家族や友人と話題になることはない」と話した。(共同)

天安門事件25年 圧政と挑発いつまで続く 2014.6.4 03:09[主張]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140604/chn14060403090003-n1.htm

 学生らの民主化運動を武力で弾圧した天安門事件から25年を迎えた。
 事件は「解決済み」だとして真相を闇に葬った共産党支配の下で、中国は民主化を置き去りにして経済だけを膨張させ、内で圧政を強め外では覇権を求めだしている。
 内外の平和と安定のため習近平政権は政治改革に踏み出さなければならない。
 改革派の胡耀邦総書記の死に始まった民主化デモを、党支配への脅威とみた●小平氏ら長老が軍で押さえ込み、惨劇に至った。
 血の鎮圧は今でも許されるものではない。事件を風化させることなく、民主化を強く求めたい。

 四半世紀を経た中国は近隣諸国の抗議に耳を貸さず、東シナ、南シナ海での強引な海洋進出が目立つ。事件を境に民主化に背を向けて経済成長へひた走りし、軍備拡張を進めた帰結である。
 冷戦終結などで生じた共産主義イデオロギーの空洞を埋めるために、「愛国教育」という反日思想を広めたことも、中国を対外強硬路線へと突き動かしている。
 習指導部になって、国内の圧政は一段と強化されている。
少数民族には「テロ防止」を掲げた抑圧が続き、天安門事件25年を控えた今春からは、浦志強氏ら人権派弁護士や民主化を求める知識人が多数拘束された。
 インターネット上の言論弾圧も厳しさを増し、宗教にすがる人々が増えた温州では、政府公認のキリスト教団体の教会まで形式違反を口実に取り壊された。
 わずかでも自由な思想や信条を一切認めない手法は、政治体制の違いを超えて容認できない。
 対外的な強硬姿勢と国内的な抑圧政治が共産党支配の本質だとしたら、世界が見守る中で「人民の軍隊」が国民に銃を向けた天安門事件は、その本性がむき出しになった出来事だったといえる。

 事件後もしばらくは、経済成長に伴い段階的に民主化が進み、国際的な責任も担える国になるとの期待もあった。だが、今の姿はそれを裏切るものでしかない。改革を支援してきた米国などの関与政策の見直しは当然だろう。
 天安門事件で、中国の民主化は25年も遅れてしまった。発展著しい経済と後進性から脱せない政治の間の落差はあまりに大きく、中国はますます「いびつな大国」になってしまう。いつまでも放置されていいわけがない。
●=登におおざと

東京では記念集会が行われている。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル第149号(6月4日)
http://melma.com/backnumber_190875/

*今日、この時、この場所から

 「この日、この場所より、世界史の新しい時代が始まった」とはゲーテの言葉だ。ドイツの文学者で政治家でもあったゲーテは1792年、ヴァルミーの戦いに参加して、この有名な一句を書き記すことになる。
 1789年、フランスで革命が始まったが、貴族政治が続く周辺国はこれに反対し、革命を鎮圧すべくフランスに攻め込んだ。フランス革命軍はこれをヴァルミーで迎え撃ち、勝利したのである。
 もしここでフランス革命軍が敗れていたら、フランス革命はあっけなく終焉し、民主主義の潮流は途絶えていただろう。ゲーテは革命を鎮圧する側のプロイセン軍に従軍していたのだが、この歴史の潮流を正しく評価したのである。

 さてフランス革命から200年後の1989年、中国の天安門広場に民主化を要求する学生達、数十万人が結集し広場を占拠した。ところが民主化の要求に応じる姿勢を一時は見せた中国共産党は突如、態度を一変させ6月4日、軍を投入し民主化の流れを武力鎮圧した。広場には戦車に轢き殺された学生達の夥しい血痕が残された。
 もし、このとき、中国が民主化されていたら、2年後のソ連崩壊と相俟って世界の状況は現在とはまるで違ったものになっていただろう。それから25年経った現在、中国の内外では中国共産党独裁体制に対する怨嗟と反発の声が一斉に挙がり始めた。

 今日、6月4日、世界中で天安門事件25周年集会が開かれる。ゲーテの様に歴史の潮流を目の当たりにしたい者は集うが良い。今日、この時、この場所から世界史の新しい1ページが始まる。
東京集会は下記参照
http://www.tiananmen1989.net/


6月3日(火) アジア安保会議 日本vs中共

5月30日〜6月1日、シンガポールでアジア安全保障会議が行われた。
南シナ海、東シナ海で軍事覇権を拡大する中共は孤立を深めているようだ。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26(2014)年6月2日(月曜日)通巻第4257号
http://melma.com/backnumber_45206/

「アジアで四面楚歌の中国」だが、そのことを認識できない中国の軍人
パラノイアは日米攻撃に移って、シャングリラホテルは寒々としていた


 5月30日からシンガポールで開催された「アジア安保会議(シャングリラ対話)で、安倍首相が基調演説を行い、中国を正面から批判した。アジアにおける対中姿勢の明確な変化が背景にあり、このシャングリラ対話は今後の国際政治に重大な意味を持つことになる。

 安倍首相はこう演説した。
 「既成事実を積み重ね現状の変化を固定する(中国の)動きは強い非難の対象である」
 「南シナ海での紛争を回避するため実効ある行動規範が出来ることを期待する」
 「航行や飛行の自由を保全するためアセアン各国への支援は惜しまない」
 「集団的自衛権や国連平和活動をふくむ法制基盤の再構築について日本国内で検討を進めている」


 この発言は従来の日本の消極的関与からアジアの安全に関して強い積極性を示したため注目されてしかるべきだが、日本のマスコミの反応は鈍かった。

 シャングリラ対話は2002年からシンガポールのシャングリラホテルで継続されているが、日本の首相が参加したのは初めてであり、またアセアン諸国へ対中包囲網の形成を示唆し、アジアの安全保障に日本が積極的に乗り出す姿勢を示したことは今後に相当な影響を持つのである。
げんにフィリピンとベトナムは米国のピボット(基軸変更)発言以後、急速に日本への依存をたかめているように。

 シャングリラホテルの舞台裏ではもうひとつ重要会談が進んでいた。
安倍首相は同会議に参加していたヘーゲル国防長官と会談し、小野寺防衛大臣も個別に会談をもった。また米国の斡旋で日米韓の防衛相会議も開かれた。歩み寄りはなかったが、韓国の姿勢にやや柔軟性がでた。

 ヘーゲル国防長官は「ベトナム、フィリピンと領有権をあらそう海域で埋め立てや掘削作業を強行する中国は(地域を)不安定化させている」と名指しで中国を批判したうえ、
(1)中国は地域諸国と協力して地域を安定させるのか、
(2)平和と安全保障を危機にさらすのか。
「二つに一つだ」と迫った。

 中国の対応は頑なで硬直的でヘーゲル発言に猛反発した。王冠中・副総参謀長は「根拠がない。アジアの平和は中国抜きには成立しないし、火に油を注ぐような米国発言は歓迎できない」と居丈高。
同会議に出席していた朱成虎ともなると「米国は重大なミステークを犯した。偽善の最たる例であり、米国の言い分は中国が何をやってもすべて悪く米国はすべてが正しいと言っているようなもの。米国は中国に敵対するのではなく「パートナー」として扱うべきではないのか」

 朱成虎は「核の先制使用も辞さない」と物騒な発言をして、人民解放軍の強硬派を代弁し、米国でもっとも嫌われる軍人論客だが、続けてこう言った。
「もし米国が敵対を続けるのであれば中国はそれなりに対応しなければならなくなるだろう。中国は米国の忠実な友であるにもかかわらず」(ウォールストリート・ジャーナルへのインタビュー、同紙6月1日)。

 オバマ政権のなかで、ヘーゲルがもっとも強硬な対中論を主張するが、国務省は親中路線を維持しており、日本の突出を寧ろ抑える側にある。
したがって中国は米国内の矛盾と日米離間を巧妙についており、ひたすらシャングリラ対話でも強硬路線をまくし立てた。
深刻な亀裂が浮き彫りとなった「対話」だった。

アジア安保会議 日米VS中国の対立さらに 産経新聞2014年6月1日(日)07:59
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20140601058.html

 ■「一方的に領有権主張」「根拠ない」
 安倍晋三首相や小野寺五典(いつのり)防衛相、ヘーゲル米国防長官は31日、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議の場で、中国による覇権的な海洋進出や挑発行動を強く批判した。中国側も反論し、アジア太平洋での日米対中国の対立の図式が一層鮮明となった。
 中国は南シナ海における強引な海洋進出で、ベトナムやフィリピンとの緊張を増幅させている。東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国では、対中感情が悪化している。

 ◆新華社「火に油」
 安倍晋三首相は31日、シンガポールの首相府でリー・シェンロン首相と会談。中国による南シナ海での石油掘削活動を念頭に、「境界未画定海域において一方的な開発は進めるべきではない」と指摘すると、リー首相は「全ての当事者に抑制した対応を求めたい」と同調した。
 会議では、マレーシアやインドネシアの参加者も南シナ海での中国の行動に懸念を表明した。

 「中国は一方的な行為によって南シナ海の領有権を主張している」

 ヘーゲル米国防長官は31日、アジア安全保障会議での演説で、フィリピンやベトナムと領有権を争う海域で埋め立てや石油掘削を強行する中国は「(地域を)不安定化させている」と名指しで批判した。
 ヘーゲル氏はまた、尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、日米安全保障条約の適用範囲だと明言。そのうえで、中国には周辺国と協調して地域を安定化させるのか、平和と安全保障を危機にさらすのか、「2つの選択肢がある」と迫った。
 ヘーゲル氏は演説後、中国代表団の王冠中・人民解放軍副総参謀長(次官級)と会談した。王氏は、ヘーゲル氏の演説での厳しい中国批判について、「根拠がない」などと不満を表明。これに対しヘーゲル氏は「地域におけるすべての紛争は、外交を通じて解決されなければならない」と述べたという。

 中国国営新華社通信は31日、ヘーゲル氏の中国批判について、「アジアの平和は米国と同盟国だけでは絶対に実現しない。火に油を注ぐような米国の言動は歓迎できない」とする評論を配信した。

 ◆「捕鯨」にチクリ
 中国は、全国人民代表大会外事委員会の傅瑩(ふ・えい)主任を中心に、大規模な派遣団を組んでアジア安全保障会議に参加した。傅氏はソフトな語り口で知られるものの、2月にドイツで開かれた安全保障会議でも、安倍首相の靖国参拝を非難するなど、日本批判の急先鋒(せんぽう)だ。
 傅氏は5月30日に行われたアジア安全保障会議の公開討論で、安倍首相について「釣魚島(尖閣諸島の中国名)問題を拡大し、『中国が脅威だ』と言っている」と批判。「(中国脅威論の)神話を作りあげ、それを言い訳に防衛政策を変更しようとしている」と続けた。

 尖閣諸島をめぐっては、杉山晋輔外務審議官が31日の討論会で、力による現状変更ではなく「国際法による解決」の重要性を主張した。だが、傅氏は「国際法という言葉をたくさん使うが、(その意味は)自分の国の法律のようだ」と反発。
 同時に「安倍首相は、国際法順守のよい例を示したいのなら捕鯨をやめたらどうか。友人としての提案だ」と当てこすった。

 中国は1日の全体会合では、王氏が講演する予定で、再び対日批判を展開することも予想される。
 冷え込む日中関係が改善に向かう道のりは険しそうだ。(シンガポール 比護義則、吉村英輝)

アジア安保会議 首相、中国の威圧批判 ASEANとの連携重視  産経新聞2014年5月31日(土)07:59
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/snk20140531086.html

 【シンガポール=比護義則】安倍晋三首相は30日夜、シンガポールで同日開幕したアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に出席、基調講演した。首相は「法の支配」の順守を強調し、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)、パラセル(同・西沙)両諸島での領有権争いをめぐりフィリピンやベトナムの行動を支持、「既成事実を積み重ね、現状の変化を固定しようとする動きだ。強い非難の対象とならざるを得ない」と中国を批判した。

 首相は、「海における法の支配」について「国家は法に基づいて主張する」「力や威圧を用いない」「紛争解決には平和的収拾を徹底すべし」との3原則を示し「当たり前のことであり、人間社会の基本だ」と訴えた。その上で「最も望まないことは、威圧と威嚇が、ルールと法に取って代わり、不測の事態が起きないかと恐れなければならないことだ」と指摘した。

 南シナ海で中国がベトナムやフィリピンと領有権をめぐり対立していることや、日中間の連絡メカニズムが運用に結びついていないことを挙げて、中国に対し「交わすべきは言葉だ」と交渉のテーブルにつくよう促した。

 また、「米国との同盟を基盤に、東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携を重んじながら、地域の安定、平和、繁栄を確固たるものとしていく」と述べ、日米同盟を基軸としたASEAN地域の安全保障に貢献する姿勢を表明。空や海などの国際公共財を重視する姿勢を打ち出し、ASEAN各国に「航行、飛行の自由を保全しようとする努力に支援を惜しまない」と約束した。

 日本が戦後70年近くにわたり平和国家として歩み続けてきた実績を踏まえ、世界平和に貢献する「積極的平和主義」に基づく取り組みを強化する姿勢を打ち出した。さらに「もっと世界の平和に貢献したい」と訴え、首相が目指す集団的自衛権の行使容認や国連平和維持活動(PKO)について政府・与党内で検討を進めていることを説明し、各国の理解を求めた。


6月2日(月) 6・4「天安門事件25周年 東京集会」

イベント予告
宮崎正弘の国際ニュース・早読み(号外、転送、転載歓迎)
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(天安門事件25周年 東京集会)は4日です!!
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6・4「天安門事件25周年 東京集会」のお知らせ

           記
とき    6月4日〔水〕午後6時〜8時15分(午後5時半開場)
ところ   アルカディア市ヶ谷 三階大ホール(JR・メトロ「市ヶ谷」徒歩三分)
      http://www.jstc.jp/map/kenshu-mapARCADIA.html
 入場(会場分担金) おひとり1000円 (外国人留学生と学生は無料。ID提示)
       <どなたでも、予約なしでご参加いただけます!>
 主催   「天安門事件二十五周年 東京集会」実行委員会」
呼びかけ人 黄文雄、石平、相林、ペマ・ギャルポ、宮崎正弘 水島総
共催   「アジア自由民主連帯協議会」(ペマ・ギャルポ代表)
「頑張れ日本! 全国行動委員会」(田母神俊雄 代表)
「国防問題研究会」(玉川博己 代表幹事)

 プログラム 天安門事件のフィルム上映
       開会の辞(水島総)、犠牲者に黙祷  (司会 古川郁絵)
       基調講演 石平「私は天安門事件で中国を捨てた」
       ゲスト 陳破空(在米、亡命作家。通訳があります)
発言 ペマ・ギャルポ(チベット)、イリハム・マハムディ(ウィグル)
相林(中国)、オルホノド・ダイチン(蒙古)、王明理(台湾)、ベトナム
フィリピン、ミャンマー代表ほか藤井厳喜、西村幸祐、黄文雄から挨拶。
ならびに国会議員挨拶など・
   ◆
この集会は世界でもめずらしい日本人の保守陣営が中国の民主活動家、亡命作家、そして中国の抑圧される少数民族団体と連携し、さらに領海問題で中国に侵略されているベトナム、フィリピンの代表らをまねいての画期的なイベントになります。
当日は「天安門事件25周年」のバッジを頒布します。また石平、黄文雄、陳破空、宮崎正弘らの中国批判書籍頒布会もあります。
入場者には記念冊子を差し上げます!

 あの衝撃の天安門事件〔1989年6月4日〕から四半世紀。ことしは世界各地で中国共産党の凶暴な独裁政治を糾弾し、中国に「自由・民主・法治・人権」をもとめる集会が開催され、東京では各派が大同団結、世界でもユニークな集いになります。どなたでも参加できます。

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賛同者(五十音順、敬称略)
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浅野和生、阿羅健一、荒木和博、一色正春、井尻千男、井上和彦、伊原吉之助、入江隆則
植田剛彦、潮匡人、梅原克彦、呉 善花、大高美貴、大原康男、岡田英弘、岡崎久彦
小田村四郎、小山和伸、加瀬英明、加地伸行、鍛冶俊樹、門田隆将、加藤康男
川口マーン恵美、河添恵子、川村純彦、北村良和、工藤美代子、小林 節、小堀桂一郎
酒井信彦 佐々木良昭、佐藤雅美、佐藤 守、澤 英武、新保裕司、杉原志啓、関岡英之
高池勝彦 高森明勅、高山正之、高田純、田久保忠衛、竹本忠雄、田中秀雄、田母神俊雄、塚本三郎、堤 堯、頭山興助、富岡幸一郎、中西輝政、中村彰彦、永山英樹、西尾幹二
西村幸祐、花田紀凱、板東忠信、日暮高則、福井雄三、?田 逸、藤井厳喜、馬渕睦夫
三浦小太郎、三橋貴明、宮脇淳子、三輪和雄、宗像隆幸、村松英子、室谷克実、鳴 霞
茂木弘道、 山内健生 山際澄夫、山口洋一、山田吉彦、山田恵久、山村明義、柚原正敬
渡部昇一、渡辺惣樹 劉 燕子、林 建良

   後援 日本ウィグル協会 チベット百人委員会 モンゴル自由連盟党
台湾独立建国連盟日本本部、日本ベトナム島嶼会議 日比連絡会議準備会
協賛 史実を世界に発信する会、日本文化チャンネル桜 日本李登輝友の会、呉竹会
   台湾研究フォーラム 士気の会
       ▽

6月2日(月) 拉致再調査

北朝鮮による拉致事件から早三十数年が経過した。
ここに来て動きが出てきたという。
昨年北朝鮮は中共とのパイプ役である張成沢(チャンソンテク)元国防副委員長を処刑し、経済的な後ろ盾だった中共との関係を悪化させていた。金剛山観光も中断し資金難に陥っている背景がある。
拉致再調査 前のめりの北朝鮮「誠意示せば何人か帰す」
http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/140601/plt14060110550005-n1.html

 【検証・拉致再調査】(上)
 ■万景峰出港、前のめりの北
 政府の情報機関が今年5月、北朝鮮のある動きをキャッチした。かつて北朝鮮と日本の間の物流の動脈だった貨客船「万景峰(マンギョンボン)92」が数年ぶりに、母港である朝鮮半島東海岸の元山港を出港したのだ。
 万景峰92は平成18年7月、当時の小泉純一郎政権が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」発射への制裁として日本への入港禁止措置を取って以来、元山港に“塩漬け”となっていた。
 「北は拉致被害者らの再調査で、船に関する制裁解除が見込めると踏んでいたのだろう。日朝協議に前のめりだった」

 日朝関係筋はこう振り返る。北朝鮮工作員の連絡などにも使われた万景峰92の入港禁止は日本が独自に科す経済制裁の象徴で、北朝鮮は3月に中国・北京で行われた政府間協議でも入港を認めるよう要求した。  5月28日に終わった日朝政府間協議で、日本側は万景峰92の日本国内港への入港禁止措置を継続する方針を北朝鮮側に伝え、北のもくろみは外れた。だが、万景峰92の出港は日朝協議に対する北朝鮮の期待感の強さがうかがえるエピソードだ。

■ミスターXの元部下参加
 複数の政府関係者によると、日朝間で水面下の極秘交渉が始まったのは昨年12月ごろだ。
 同じころ、北は中国とのパイプ役だった張成沢(チャンソンテク)元国防副委員長を処刑し、経済的な後ろ盾だった中国との関係を悪化させていた。「金王朝」の資金源だった韓国人観光客を対象にした金剛山観光はもう6年近く中断したままだ。
 「北には今、とにかくカネがない」(日朝関係筋)。この苦境を脱するには拉致問題を動かして日本の制裁を解き、経済支援を引き出すしかないのだ。
 交渉には、北朝鮮の最高指導機関である国防委員会の直轄組織「国家安全保衛部」の金(キム)ジョンチョル氏も参加していた。金氏は、14年の小泉首相初訪朝時の秘密交渉で北側の窓口役を務めた「ミスターX」の元部下だとされ、日本側も「北の本気度を感じた」(政府関係者)という。
 3月30、31両日に北京で開かれた公式の日朝政府間協議の前には、こんな神経戦もあった。
 「拉致被害者が戻ってこなければ、制裁の解除はおろか1円の支援もすることはない」
 3月18日の記者会見で古屋圭司拉致問題担当相がこう述べたところ、北側が「この発言を撤回しなければもう日朝交渉はやらない」と抗議してきたのだ。
 このため、古屋氏は2日後の20日の記者会見では次のようにトーンを弱めた。
 「あらゆる場面を通じて拉致問題解決のためチャンスを捉えていく」
 日朝双方が細心の注意を払いながら少しずつ前進した。

■“強硬”安倍政権だから…
 極秘交渉の中で北側は、拉致の可能性が排除できない特定失踪者を念頭にこう伝えてきたという。
 「日本が誠意をきちんと行動で示せば、何人かは帰すことになる」
 ただ、日朝間には相互不信が横たわる。日本から見れば、北は無辜(むこ)の民を連れ去り、核・ミサイル開発などで嘘を重ねてきた不実な相手だ。一方、北からすれば日本は、故金正日正(キムジョンイル)総書記が拉致を認めて謝罪したのに日朝国交正常化とそれに伴う経済支援を実行しなかった裏切り者となる。
 「北はここ2カ月の交渉では、安倍晋三首相の真剣度、どこまでやる気があるのかを心配していた」
 政府関係者はこう証言する。安倍首相が5月29日夕、首相官邸で拉致被害者らの再調査について自ら発表したのも、国民に向けたメッセージであると同時に、北に対しても「本気だ」と示す意味があったとみられる。
 「北は内閣支持率が高く、対北強硬派として鳴らした安倍首相でなければ、制裁解除をはじめ日朝間の問題は解決できないとみている。特定秘密保護法の際も、反対世論にひるまなかった首相だからこそ、米国や韓国の牽制(けんせい)も押し切って事態を進められると」
 政府の拉致問題担当者の一人はこう語る。高齢化が進む拉致被害者家族をはじめ、国民の期待はいやが上にも高まっている。(水内茂幸、阿比留瑠比)

拉致再調査 「金正恩は相当困っている」極まる窮乏、体面捨てた北
http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/140601/plt14060111010006-n1.html

 再調査に合意し、「拉致問題は解決済み」とし続けた従来の立場を変え、体面を捨てたかのような姿勢には、窮乏する金正恩政権の切迫感が背景に…。

 【検証・拉致再調査】(下)
 日本人拉致被害者らの再調査に合意したことで、北朝鮮は日本独自の対北制裁の解除への突破口を開いた。「拉致問題は解決済み」とし続けた従来の立場を変え、体面を捨てたかのような姿勢からは、制裁緩和を早急に実現し外貨を獲得、経済立て直しと内政の安定を図ろうとする金正恩(キム・ジョンウン)政権の切迫感が見て取れる。

 ◆張氏処刑きっかけ
 北朝鮮は今年に入り突然、韓国政府に“対話”を呼びかけた。これを受けて朴槿恵(パク・クネ)・韓国大統領が1月、離散家族の再会実施を北側に提案。約3年ぶりに離散家族再会が実現した
。  「金正恩は相当、困っているようだ」。韓国の情報関係者はこう語っていた。昨年12月の張成沢(チャン・ソンテク)氏処刑後、経済的、内政的に金正恩第1書記が「窮地に追い込まれている」という。
 離散家族再会は北朝鮮にとり、わずかながらでも外貨を獲得できる手段だ。同時に北朝鮮は、制裁解除を通じ、さらなる外貨流入が期待できる日本にも対話攻勢をかけた。
 張氏が処刑された昨年12月ごろ、北朝鮮は日本と水面下で交渉を開始。今年3月には北朝鮮の呼びかけで日朝赤十字会談を行い、日朝局長級協議再開にこぎ着けた。「何が何でも、すぐにでもカネがほしい状況に金正恩は置かれている」と、同関係者はみている。
 中国とのパイプ役だった張氏の処刑後、冷え込んだ中朝関係は北朝鮮経済にも打撃を与えた。中国は1〜4月の間、北朝鮮に原油を全く輸出していないとみられる。また、中朝関係消息筋によれば、張氏処刑後、中朝の大規模な貿易事業は中断状態という。

◆「とりあえず安心」
 張氏の処刑後、“恐怖政治”のイメージは国内に拡散した。
 食糧危機が続き、多くの餓死者が出た1990年代後半の“苦難の行軍”の時代には、中国への脱北者が激増。しかし北朝鮮は現在、中朝国境の監視を厳しく強化している。
 ソウル在住の脱北者によると、民心の離反は金正日(キム・ジョンイル)時代より金正恩体制下の方が進んでいる。内政安定のためにも、金第1書記は住民らを食べさせていかねばならない。
 「制裁の一部解除で北朝鮮が一気に息を吹き返すことはない」(朝鮮日報)との見方がある一方、韓国では「送金と人的往来規制の緩和、船舶入港許可だけでも北朝鮮は安心しているはず。とりあえずは在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)からのカネが確約されたも同然だからだ」(情報当局者)との分析もある。

 ◆「父の決定」を否定
 北朝鮮は今回の日朝合意で、「従来の立場はあるが」と断りつつ、「日本人に関する全ての問題を解決する意思」を表明した。従来の立場とは、「拉致問題は解決済み」との金正日体制における立場で、これを遠回しに修正している。
 日本との国交樹立の実現は、金第1書記にとり祖父・金日成(キム・イルソン)、父・正日から受け継いだ“遺訓”だ。しかしそのために、金第1書記は、父の決定を否定しなければならないというジレンマを抱えることになる。
 北朝鮮側は「特別調査委員会」を設け、調査、確認状況の日本政府への報告を約束した。証拠を偽造した以前のような調査を日本政府は受け入れない。となると、調査過程で金正日時代の説明との矛盾が出てくることは必至。権力内部に動揺が広がる可能性もある。
 このもろ刃の剣を金第1書記がどう克服するのか。「韓国を無視した安倍晋三政権の対北接近」と韓国メディアは日朝合意を冷ややかに見ているが、韓国統一省や情報当局者は「金正恩の能力や手腕の判断材料になる」と注視している。(ソウル 名村隆寛)

拉致事件概要(Wikipediaより)
1970年代から1980年代にかけ、日本において不自然な形で行方不明となる者が出ていた。警察による捜査や、亡命北朝鮮工作員や逮捕された土台人の証言などから北朝鮮による拉致の疑いが濃厚であることが明らかになった[4]。1991年以来、日本政府は北朝鮮に対し拉致事件を提起していたが、北朝鮮側は否定し続けた。 そのため拉致事件ではなく拉致疑惑と呼ばれ続け、拉致を否定する立場を取る人々により日本政府や右翼による陰謀であると新聞紙面やTV報道で度々主張され続けた。

2002年9月17日、内閣総理大臣小泉純一郎(当時)らが訪朝し、日朝首脳会談を行った際に、当時の北朝鮮の最高指導者(国防委員長であり、朝鮮労働党中央委員会総書記)である金正日は、北朝鮮の一部の特殊機関の者たちが、「現地請負業者」(土台人とみられる)と共謀して日本人を拉致した事実を認め、口頭で謝罪した。これにより、5人の拉致被害者が日本に一時帰国し、間もなく本人たちの意思で日本に残ることとなった。

2004年5月22日、小泉の2度目の平壌訪問により、先に帰国していた拉致被害者の夫や子供が日本への帰国を果たした。

北朝鮮は日本政府が認定した拉致被害者17人のうち残り12人について「死亡」あるいは「入境せず」として、「拉致問題は解決済み」と説明し、その後の協力を拒んでいるが、日本政府は「拉致問題の解決なしに国交正常化はありえない」との方針により、解決を目指して交渉を続けている[5]。


5月30日(金) 「60年間、洗脳」

戦争放棄を謳った憲法下での安保。国会での論戦が伝えられている。
麻生副総理の派閥会合での発言があった。
「自分の国は自分で守る。自分のことは自分でやる」。明快。
日米同盟はあるが、アメリカの若者が日本のために血を流してくれるとはとても思えない。
アメリカもどんどん変質してきている。
アメリカは、シナ人、コリアン、台湾人、日本人の区別を国益主眼で行っていると見るべきでは。
麻生氏「60年間、洗脳されている」 集団的自衛権行使 2014年5月29日(木)21:09
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/ASG5Y4PQCG5YUTFK005.html

 麻生太郎副総理は29日、派閥の会合のあいさつで、集団的自衛権の行使について「60年間、洗脳されている。色々な意味で逆の方向に誘導されている」と語った。60年前の1954年は自衛隊が発足した年。「集団的自衛権は保有するが行使できない」とする政府見解で、自衛隊の活動に制約がかかってきたことを指摘した発言とみられる。
 麻生氏は「自分の国は自分で守る。自分のことは自分でやる。お巡りさんも消防士も自衛隊も、いざという時のためにいるということを頭に入れておかねばならない」とも主張。

 麻生氏の発言は「歴代政権も洗脳されてきた」とも受け止められる。行使を認めない見解は、麻生首相時代も含め、歴代の自民党政権が踏襲してきた。行使容認に慎重な公明党はこの見解を支持しており、与党協議に影響を与える可能性もある。

「洗脳」ではなく「遺伝子組み換え人間」。
あれから2,3世代経過した。「遺伝子組み換え人間」に例えられるのも宜なるかな。
マッカーサーが造った「遺伝子組み換え人間」 2014.5.30 08:21
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140530/plc14053008210009-n1.htm

(写真)離島奪還訓練で、江仁屋離島の砂浜に上陸する陸自隊員。日本独力の離島防衛が米軍来演の大前提となる=22日、鹿児島県瀬戸内町

 聯合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー米陸軍元帥(1880〜1964年)は、遺伝子工学の権威? そうでなければ突如、戦後の日本で増殖・跋扈し始めた「遺伝子組み換え生物」のような新種の“日本人”発生の説明がつかぬ。(SANKEI EXPRESS)

外国に国運委ねる卑屈さ
 「(日本国)憲法第9条に解釈変更の余地はない。法律の専門家である(バラク)オバマ大統領(52)に賢明なご高配を賜りたい」
 小欄には「ご交配を賜りたい」とも読めてしまう驚天動地の発言は、民主党の小西洋之参議院議員(42)により発せられた。蓮舫元行政刷新担当相(46)や社民党の吉田忠智党首(58)ら両党国会議員18人とともに大統領来日前の4月21日、憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認で《日本が立憲主義や法の支配を失う国となりかねない》と、大統領に書簡で訴えた。その際の記者会見で「ご高配」発言は飛び出した。軍を保有しながら、集団的自衛権を自らに禁ずる国は地球上に日本以外に存在しない。国際が公認・保障する自衛権を、自国でいかに扱うかは国家主権の基本。外国に国運を委ねる、軽率で卑屈な態度は憲法前文そのものではないか。曰く-

 《平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと“決意”した》

 民主党の長島昭久元防衛副大臣(52)は、書簡に対し「属国でもあるまいし」と嘆いたが、憲法を改正せぬ限り「属国」であり続ける。外国に生存権を委ねる憲法前文の哀れな“決意”は、占領時代に示された《マッカーサー3原則2項》などで「ご高配を賜った」。

 《国家の主権としての戦争は廃止される。日本は、紛争解決の手段としての戦争のみならず、自国の安全を維持する手段としての戦争も放棄する。日本は、その防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理想に信頼する。日本が陸海空軍を保有することは、将来ともに許可されることがなく、日本軍に交戦権が与えられることもない》

ゾッとする「思考停止派」
 どこかで聴いた言い回しなのは、憲法9条の原型になったからだ。違いは《自国の安全を維持する手段としての戦争》まで《放棄する》とされた個所。日本を丸腰にせんと謀った、マッカーサー元帥による「命令」だった。
憲法を占領国が制定するだけでも完全な国際法上の違法行為となる。
ところが、わが国の将来の陸海空軍保有について《許可されることがなく》、交戦権も《与えられることもない》と、堂々と命ずる“神性”。
わが国の未来は元帥の“託宣”で決まってしまった。
この「命令」を基に、日本国民の多くが疑わぬ“平和条項”なる下記9条が即製された。

《日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する》
《前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない》

 繰り返すが、3原則2項の「命令」と異なるのは《自衛戦放棄》が削られた点。
民族の最低限の生存権は土壇場で蘇生した。
半面「命令」にある《日本は、その防衛と保護を、今や世界を動かしつつある崇高な理想に信頼する》は、既述した前文の主柱に転用。
生存権を外国の「ご高配」に委ねる異常な“国体”を生み落とす。

 斯くして日本国憲法は、政治・思想上の左右を問わず、米国に「ご高配を賜りたい」日本人?を増殖させていく。
ただ、来日したオバマ氏は書簡を発信した19議員と左翼的DNAを共有するそぶりは見せず、安倍政権の集団的自衛権行使に向けた努力を一応、支持してみせた。

 「尖閣諸島は日本の施政下にあり、それ故に、日米安全保障条約第5条の適用範囲にある」

 集団的自衛権行使を実現しようとする非左翼系人士の多くは日米同盟の有効性を信じ、欣喜雀躍した。
小欄も日米同盟深化を不可欠と確信するが、もろ手を挙げはしない。
むしろ、ホッと胸をなで下ろす「思考停止派」の姿に、元帥による「遺伝子組み換え人体実験」の成果を確認させられ、ゾッとした。

米国はすべて国益次第

 米国は国益のためなら、国際法を無視し、原子爆弾も落とせば、無差別空爆も平然と行う。
従って、日本を軍事支援する見返りがなければ、無人の小島に米国青年の血は流さない。
「施政下」と「5条の適用範囲」の間に「それ故に」をわざわざ、咬ましたのはなぜか。
「施政下」でなければ支援しない。「施政」ぐらいは自力で勝ち取れ、という警告でもあろう。
実際、ロバート・ゲーツ氏(70)は国防長官離任に際し「国防に力を入れる気力も能力もない同盟国を支援すべく、貴重な資源を割く意欲や忍耐は次第に減退していく」と、はっきり言っている。

 しかも、大統領の公言だけでは「空証文」同然。
安保条約5条は《締結国の憲法に従って》と定める。その米国憲法第1条は宣戦布告にあたり、連邦議会決議を得る必要をうたう。
2条では、大統領令で派兵は許されるが、60日間が上限で継戦には再び連邦議会の承認がいる。

 財政状況と国民の厭戦気分、何よりも「世界の警察官」を放棄するオバマ氏の外交感覚の致命的欠陥…。
内向きに歯止めのかからぬ米国に、対日軍事支援を決断できるのか。
現下の米国は、日本の抑止力強化と紛争に備え「巻き込むべき」存在へと、変質しつつある。
だのに、集団的自衛権の行使実現や9条改正に反対する人々は、60年安保以来「戦争に巻き込まれる」と、いまだ声を張り上げる危険を冒す。
わが国国体の完全破壊に都合の良い新憲法が完成する日まで、「反米」の表看板は降ろさず「マッカーサーのお手製憲法」を死守するのだろう。

 「思考停止派」にせよ《平和を愛する諸国民の公正と信義に》半ば疑問を持ちつつも、とりあえず《信頼して、われらの安全と生存を保持しようと》何となく《決意》する。

 武装解除のみならず、精神的解体まで成功させた、元帥による戦慄の「遺伝子組み換え人体実験」。憲法改正は「遺伝子組み換え人間」を漸減させ、真性日本人を増やす狼煙と成る。(政治部専門委員 野口裕之)



5月29日(木) 今年は天安門事件25周年

平成元年6月4日、中共で天安門事件が起きた。
証拠が確認されるもので数百人、未確認で数千人が殺された可能性があるという。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル 第145号(5月17日)
*1989.6.4天安門
http://melma.com/backnumber_190875/

 今年は天安門事件25周年に当たり東京でも集会が開かれる。筆者も賛同しているから、下記参照の上、参加を検討されたい。
http://annai.sblo.jp/

 さて1989年は世界史的に見て激動の一年だった。フランス革命200年、大日本帝国憲法発布100年、に当たるこの年は昭和64年として明け、1月7日、天皇崩御、平成に改元して平成元年となったが、同時に日本は経済的繁栄の頂点にあり、平均株価は年末に史上最高値3万8000円台を付けた年でもある。現在日本の平均株価は1万4000円台であるから、その2.5倍以上であり、バブルと呼ばれた繁栄の凄さが偲ばれよう。
 そして、中国における天安門事件は丁度この年の中間の6月4日に勃発している。そこで事件前後の国際情勢を調べて見ると、現在との類似性に驚かされる。というのも、今月20日にロシアのプーチン大統領が中国上海を訪れ、習近平主席と会談、そしてロシアと中国の海軍は東シナ海で過去最大規模となる合同軍事演習を挙行する予定だ。  ところが25年前の5月15日、ソ連のゴルバチョフ書記長は北京を訪れ中国の最高実力者・?小平と会談し、中ソは30年ぶりの歴史的和解にこぎ着けた。当時のソ連は国内の民族運動や周辺国の反発、そしてアフガニスタン侵攻の行き詰まりに苦しんでいたし、中国は国内の民主化要求への対処に苦慮していた。

 つまり行き詰った二つの独裁国家が救いを求めて急接近を図った訳だが、現在では中国がかつてのソ連同様に国内の民族運動や周辺国の反発、尖閣侵攻の行き詰まりに苦しみ、ウクライナの民主化要求への対処に苦慮するロシアに接近を図っている。
 ならば、かつてのソ連の立場に現在の中国は類似し、今の東アジアの状況がかつての東欧や中央アジアの状況に近似していることになる。そこでかつてのソ連を現在の中国に、かつての中国を現在のロシアに、そしてかつての東欧や中央アジアを現在の東アジアに置き換えてみると、どうなるか?

1989年6月4日:中国、天安門広場の学生たちを虐殺して、民主化運動を弾圧。
2014/6/4:ロシア、ウクライナの民主勢力を弾圧。

1989年7月15日:ソ連領アブハジア自治共和国で民族対立、激化
2014/7/15:中国、新疆ウィグル自治区で民族対立、激化

1989年8月23日:バルト3国で反ソ独立運動、表面化
2014/8/23:東南アジア諸国で反中運動、激化

1989年9月12日:ポーランドで反ソ政権、誕生
2014/9/12:東南アジアで反中政権、誕生

1989年10月18日:東ドイツのホーネッカー書記長、退陣
2014/10/18:北朝鮮の金正恩第1書記、退陣

1989年11月9日:東ドイツ、国境を開放、ベルリンの壁崩壊
2014/11/9:北朝鮮、国境を開放、38度線消滅

1989年12月3日:マルタ島で米ソ首脳会談、冷戦終結を宣言
2014/12/3:海南島で米中首脳会談、中国、北朝鮮権益を放棄

1990年3月8日:東ドイツで自由選挙、実施
2015/3/8:北朝鮮で自由選挙、実施

1990年7月1日:東ドイツ、西ドイツ・マルクを導入
2015/7/1:北朝鮮、韓国通貨ウォンを導入

1990年8月31日:ドイツ再統一条約、調印
2015/8/31:韓国朝鮮再統一条約、調印

1990年10月3日:東西両ドイツ統一
2015/10/5:韓国朝鮮統一

1991年9月6日、エストニア、ラトビア、リトアニア、ソ連を離脱
2016/9/6:内モンゴル、ウィグル、チベット、中国を離脱

1991年12月31日:ソ連、消滅
2016/12/31:中華人民共和国、消滅

 勿論これは予言ではない。一つのシミュレーションとして考えて貰えば、現在の国際情勢の分析の一助となるであろう。

統計には不正確な点もあるらしいが今や中国は世界第二位の経済大国。
しかし、暴動、テロ、環境破壊が進行し中共政府の崩壊が迫っているといわれる。
その一方で東シナ海南シナ海での軍事拡張が著しい。
この国と経済的な結びつきの強い国やグローバル企業は崩壊されては困るところもあるのだろう。
それが崩壊と云われてから久しいにもかかわらず延命を続けている理由ではないだろうか。
また、崩壊後かつて云われた五族(漢満蒙回西)共和に移行する素地が人民にあるのだろうか。
それとも中共皇帝に変わる別の皇帝が出現するのだろうか。


5月28日(水) EU議会選挙・右旋回が顕著

EUでは、移民による社会の混乱が著しくなっているらしい。
伝統文化・雇用を大切にする気運が「右旋回」となって現れた。
さて、日本では安倍政権による移民20万人政策が推進されているが・・・
欧州議会選で極右政党躍進 仏首相が「地震」と危機感 2014.05.26 Mon posted at 12:29 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35048444.html?tag=top;mainStory

(CNN) 欧州各国で投票が行われた欧州連合(EU)議会選の開票が25日始まり、極右政党が軒並み議席数を増やす見通しとなった。フランスのバルス首相はこの事態を「地震」と表現している。
フランスのメディアは25日、出口調査の結果、極右政党の国民戦線(FN)が推定得票率25%で第1党になる見通しだと伝えた。同党が全国規模の選挙で勝利するのは初めて。中道右派の国民運動連合(UMP)の得票率は20.3%、オランド大統領率いる社会党は14.7%で第3党となった。
同国のバルス首相はこの結果について、「警鐘どころではない。衝撃であり、地震だ」と形容。「フランスと欧州は極めて深刻な時を迎えた」と述べ、有権者がEUに対して懐疑的になっていると指摘した。
デンマークとオーストリアでも極右政党の勝利が予想されている。
欧州議会は加盟28カ国の751議席で構成され、フランスはこのうち74議席を占める。有権者は約4億人、投票率は約43%だった。
出口調査によれば、EU議会の過半数は依然として中道左派と中道右派が確保する見通し。しかし極右政党は、演説の機会の増加や一部委員会の議長就任などを通じて影響力を強めるとみられる。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成26(2014)年5月26日(月曜日)弐 通巻第4246号
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http://melma.com/backnumber_45206/

 (速報)
EU議会選挙、ルペン率いる国民戦線が大躍進
EU反対、移民排斥の保守、「地震」のような勝利

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 25日に行われたEU議会選挙、フランスで国民戦線が25%以上を獲得し「地震がおきたような勝利」となった模様。ルペン女史率いる国民戦線は左翼ジャーナリズムから「極右」などと批判されてきたが、日本における「維新」ブームの二倍以上の勢いをもって迎えられた。
 AFP、フィナンシャルタイムズなどが速報している(日本時間26日午前五時現在)。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成26(2014)年5月26日(月曜日)肆 通巻第4249号 <増刊号>
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http://melma.com/backnumber_45206/

(速報 その二)
この日、「ヨーロッパが右旋回した日」と後世の歴史家は書くだろう
英国でも保守新党が第一党に躍進、フランスではオランド与党、第三位に転落

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 まるで「地震に遭遇したかのようだ」と英国メディアが目を丸くして伝えた。
予想だにしなかった結果となったのだ。25日に行われたEU議会選挙で、EU懐疑派がつぎつぎと勝利し、既成政党を脅かした。
「欧州は右に旋回した」(英紙インデペンデント、5月26日)

ドイツでさえ、「ドイツのための二者択一党」というやや中道保守の新党が7%を獲得して初めて議席をえるなど番狂わせが各国で起こった。

まず最大の衝撃は英国である。
地方選挙ならまだしも全国的な選挙で結成間もない新党(UKIP)が、第一党に躍進し保守、労働の既成政党をひっくり返した。Uキップ(UKIP)がトップ、既成二大政党についで「緑の党」が四位、リベラルデモクラット党(リブデモ)は五位に転落しEU議会での議席を失った。
 Ukipは29・2%、労働党は24・5%,保守党が23・5% 極左「緑の党」は7・6% リブデモは6・9%で党首さえ落選。

 フランスではルペンの「国民戦線」が26%の得票を獲得し、移民排斥、EU反対の声がいかに国民の支持を拡大しているかを如実に物語った。
オランド大統領が率いるフランス社会党は三位に転落し、左翼の凋落ぶりを改めて示した。

 ベルギーでは右派政党が三分の一の得票、オーストリアでも五分の一獲得した模様である。
またデンマークとオランダでも移民排斥を訴えた右派が第2党となった。

こうした右派、ナショナリスト政党の大躍進は移民による失業が潜在的に大きな理由である。
ただし右派が各国で大幅に躍進したとはいえ、過半数には遠く、全体を俯瞰するとまだEU賛成、移民融和の政党がかろうじて過半を抑えると予測される。

■参考
ドイツは人種のサラダボウル?5人に1人が移民 2014.03.29(土) ドイツニュースダイジェスト
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40313


5月27日(火) 中国人数千人がベトナムから脱出

18日から19日にかけて、反中デモに沸くベトナムから中国人数千人が脱出した。
危なくなれば逃げる、当たり前のことだが、その行動は組織だっており侮れない。
長野での五輪聖火リレーの時、国旗を持って動員集結したシナ人たちが思い出される。
中国人数千人がベトナムから退避、チャーター船到着2014.05.20 Tue posted at 10:32 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35048138.html

香港(CNN) 反中デモが激化しているベトナムに19日、中国人を退避させるためのチャーター船2隻が到着した。
中国国営新華社通信などの報道によると、チャーター船は、中国の施設や労働者を狙う暴動が起きたハティンに入港。1隻は同日989人を乗せて、中国南部の海南省海口に向かった。
さらに2隻がベトナムに向かっており、約4000人の中国人をベトナムから出国させる予定だとしている。
中国当局は18日の時点で、既に3000人以上がベトナムから退避したと発表していた。
当局によると、これまでの暴動で中国人2人が死亡、100人以上が負傷している。重傷者16人はチャーター機で18日に中国に帰国し、四川省成都の病院に入院した。
重傷を負ったのはハティンで鉄鋼施設の建設を請け負っていた中国企業の従業員で、鉄棒で殴られてけがをしているという。
ベトナムの反中デモは、中国とベトナムが領有権を主張している南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で、中国が石油掘削作業に着手したことを巡る衝突が発端となった。
ベトナム当局はデモの摘発に乗り出して数百人を逮捕。主要地域の警備を強化して、デモに参加しないよう市民に呼びかけている。
一方、中国は国民にベトナムへの渡航自粛を呼びかけるとともに、ベトナムとの間で予定していた一部の二国間交流事業を中止すると表明した。

中国、ベトナムから自国民退避を加速 南シナ海での対立で2014.05.18 Sun posted at 17:47 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35048065.html

ベトナムから中国人3000人が避難
香港(CNN) 中国の国営新華社通信は18日、ベトナム内での反中デモの高まりを受け、これまで3000人以上のベトナム在住の中国人が同国外へ退避したと報じた。デモは、ベトナムが領有権を主張する南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島近くでの中国企業による石油掘削作業の着手が誘因となった。
新華社は中国の交通運輸省の情報として、船舶5隻をベトナムに送り、より多数の中国人の出国支援に当たると伝えた。船舶の1隻は既に海南島(省)から出港した。
新華社によると、中国系の工場を襲うなどしたデモで中国人2人が死亡、100人以上が負傷した。重傷を負った16人は18日朝、中国当局が手配した医療専門機でベトナムから離れた。
今回のデモは特にベトナム中部ハティン省で激化し、中国や台湾系の工場を中心とする外国資本の工場での放火や略奪が続いた。中国当局はベトナム政府に対し再三、デモに伴う暴動鎮圧、中国人保護や被害者への支援を要求した。
ベトナム内でのデモ活動は通常禁じられているが、当局は今回、黙認の姿勢を示した。ただ、工場襲撃などの過激行動の発生後、規制に乗り出している。
国営ベトナム通信(VNA)は17日、チャン・ダイ・クアン公安相の発言を引用し、デモなどに絡み容疑者数百人を逮捕したと伝えた。デモ規制の警官数十人が負傷したとも報じた。
一方、パラセル諸島近くでの両国船舶のにらみ合いに緩和の兆しはなく、ベトナム通信は17日、中国側はパラセル諸島近くに設置した海上油井設備周辺への軍用船を増強させたと伝えた。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」  平成26(2014)年5月26日(月曜日)参        通巻第4248号
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http://melma.com/backnumber_45206/

けっきょくベトナムから逃げ帰った中国人は七千人
  チャーター機は三機、大型旅客船やフェリーなど五隻の艦船でエクソダス作戦


 五月半ばに突発的におきたベトナムの反中国暴動は、大量の中国人を脱出させる結末となったが、合計7000名が駐越中国大使館のアレンジで取った行動であることが判明した。
 大使館が指導する組織動員は、北京五輪前の聖火リレー長野で、動員された中国人の狼藉をみた。あの日、長野は五星紅旗で覆い尽くされ、反対にでかけていった日本人と衝突を繰り返した。中国人の暴力は不問に付された。
また東日本大震災のとき、およそ18万人の中国人が逃げ帰った様を、われわれわれは目撃した。大使館のアレンジで、一斉に逃亡するということは日頃から、そういうマニュアルが存在していることを意味する。むしろ不気味である。
在日中国人の動向をつねに大使館の或る部門が把握し、携帯電話の番号もちゃんと統括しているからこそ出来る「芸当」だからである。
 カダフィ政権崩壊後のリビアから合計36000名の中国人が世紀の大脱走を演じたように。

 日本は、率直に言ってこのポイントを重視する必要がある。
 なぜならイラン・イラク戦争のおり、テヘラン空港に取り残された在留邦人に、日本政府は何をしたか? 見かねてトルコ航空機が助けにきてくれたではないか。
 湾岸戦争前夜、バグダットに取り残された在留邦人に日本航空は救援機を飛ばすことを拒否した。けっきょく誰が助けてくれたのか。台湾のエバ・エアーだったではないか。中国でおきた反日暴動でも、在留邦人はばらばらに帰国した。


 さてベトナムからのエクソダス作戦はどのように展開されたか?
 駐越中国大使館は5月16日に特別チームを編成した。
 5月17日にはやくもチャーター機が二機、ハノイへ飛んだ。三千人は、この日までに陸路あるいは独自のフライト予約でベトナムから逃げ出したが、チャーター機二機は四川省成都へ飛んでおもに負傷者、重傷者を運んだ。重軽傷は307名で中国南方航空が飛来した。

 五月19日までには海南島海口港を出港した大型客船、フェリーは5月20日に合計3553人を収容した。「五指山号」「銅鼓号」「紫刑号」「白石号」の四隻は大型客船で、ベトナム永安港から海口港へと運んだ。 海南省海口市では120の緊急病院が受け入れ準備をしていたという。



24日(土) ベトナム衝突事件を仕掛けた中国の「黒幕」

中共の南シナ海に於ける横暴は目に余るものがあるが、事件のタイミングはアセアン外相会議に合わせたものであった。通常なら自国の印象を悪くするような行動は控える。
中共ウォッチャーの石平氏はここに中共の内部抗争、習近平が行っている中共幹部の汚職摘発に対抗する勢力の陰謀と見ている。

メルマガ「石平(せきへい)のチャイナウォッチ」より
http://archive.mag2.com/0000267856/index.htm
■ ベトナム衝突事件を仕掛けた中国の「黒幕」(1/4)
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南シナ海での石油掘削をめぐる中越衝突が発生して以来、 関係諸国の猛反発の中で中国の孤立化が目立ってきている。

▼タイミングが悪すぎる掘削開始の不可解さ

たとえばケリー米国務長官は5月12日、両国の艦船の衝突について 「中国の挑戦だ。この攻撃的な行動を深く懸念している」 と中国を名指しで批判した。
さらに5月16日、カーニー米大統領報道官は 記者会見において、南シナ海での中国の一方的な行動は 「挑発的だ」と改めて批判し、領有権争いをめぐるベトナムとの対立激化は 中国側に原因があるとの考えを示した。

これでアメリカは、中国とベトナムとの対立において ほぼ完全にベトナム側に立つことになったのである。
もちろんアメリカだけでなく、 南シナ海周辺諸国の中国に対する反発も強まってきている。

5月10日から開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は、 中国とフィリピン、ベトナムなどが領有権を争う南シナ海問題をめぐり、 関係国に自制を求める共同宣言を採択したが、 首脳会議に先立つ外相会議では、 南シナ海での緊張の高まりに「深刻な懸念」を表明する共同声明を発表した。 ASEAN諸国が結束して中国をけん制する立場を示したといえる。

それに対し、中国外交部の報道官は5月10日に談話を発表して反発した。
ASEAN外相会議・首脳会議の共同宣言・声明は 中国を名指しで批判したわけでもなく、 「関係諸国の自制」を求めているはずであるが、 唯一中国だけがそれに反発したのは、要するに中国自身も、 上述の宣言と声明はまさに中国に矛先を向けているものである と分かっているからであろう。

とにかくベトナムとの海上衝突の一件をもって、 中国は米国から強くけん制されているだけでなく、 東南アジア諸国から総スカンを食った結果となっている。
外交的に見れば、それは中国にとって大いなる誤算と失敗であると言えよう。

このような失敗はすべて、中国自らの行動が招いた結果である。
事実関係を整理すると、ことの発端はまず5月初旬、 中国側が問題海域での石油掘削を一方的に宣言し実施したことにある。
それに対して、ベトナム側はまず外交ルートを通じて中国に抗議して 掘削の中止を求めたが、中国側がそれを拒否して掘削を継続したことから、 ベトナム船がこの海域に入って中国側の掘削を阻止する行動を取ると、 中国船は逆に体当たりしてきて放水の応酬などの衝突事件に発展した。

▼混乱が観られる当局の対応

このような経緯を見れば、今回の事件は 中国側の一方的な行為が原因で起きたことがよく分かるが、 ポイントは、中国側が一体どうしてこのようなタイミングで このような問題を起こしたのか、ということである。

より具体的に言えば、中国は一体なぜ、 わざわざASEAN首脳会議開催の直前というタイミングを選んで このような挑発的な行動に至ったのか、それこそが問題なのである。
ASEAN諸国の結束を促して中国自身の孤立化を自ら招く、 あまりにも愚かな行動である。

5月13日付の英フィナンシャル・タイムズ紙も、 「中国とベトナムの衝突、観測筋が首ひねるタイミング」 と題する記事を掲載して、 中国側がことを起こしたタイミングの悪さを指摘しているが、 まさしくその通りである。

したたかな中国がどうしてこのような初歩的なミスを犯してしまったのか。 それがまず湧いてくる疑問の一つであるが、さらに不可解なのは、 ベトナム船との衝突が世に知られた後の中国外交当局の対応である。

5月7日、ベトナム政府は証拠の映像を公開し、 中国側の船舶がベトナム船に意図的に衝突してきたと発表、 中国側を強く批判した。

それに対して8日、中国の程国平外務次官は「そもそも衝突していない」と言って、 衝突という明らかな事実を頭から否定し問題から逃げるような姿勢を示している。
しかし同日午後、同じ中国外務省の別の高官が急きょ会見し、 「ベトナム側が大量の船を出し、170回以上中国側にぶつかってきた」と発表した。
つまり中国側もこれをもって「衝突があった」ことを認めたが、 それは結局先の「衝突していない」という外務次官の発言を、 中国外務省自ら否定することになる。この二つの発言の あまりにも明々白々な矛盾は、中国政府自身の対応が かなり混乱していることを露呈している。

■ ベトナム衝突事件を仕掛けた中国の「黒幕」(2/4)
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▼掘削を実施した「中国海洋石油総公司」とは?

このような状況では、掘削の開始から ベトナム船に体当たりで衝突するまでの 中国側の一連の行動が果たして、 中央指導部の指揮下におけるものであったのかどうか、 という疑問が当然生じてくるのである。

ASEAN首脳会議の直前という中国にとって悪すぎるタイミングから考えても、 それが東南アジア諸国の対中国結束を固めることになる結果からしても、 あるいは衝突直後の中国外務省の混乱した対応ぶりからしても、 掘削の断行は中央指導部の統一意志の下で行われた 戦略的・計画的な行為であるとはとても思えないのである。
だとすれば、今回の断行は、掘削を実施した部門の 個別的判断によるものであろうという可能性も出てくる。 それならば、その関係部門は何の目的のために、 中国にとって大変不利なタイミングで 大きなトラブルとなるような判断を行ったのか、 という疑問が浮上してくる。そうなるとここではまず、 掘削を断行した張本人の中国海洋石油総公司 という巨大国有企業に目を転じてみるべきであろう。

▼石油閥の正体と激しい権力闘争

ベトナムとの係争海域で今度の掘削を実施した中国海洋石油総公司。
9万8000人以上の従業員を有するこの巨大企業は、 中国国務院国有資産監督管理委員会直属の国有企業である。
「国務院国有資産監督管理委員会」とは中央官庁の一つだが、おそらく中国政府は、 採掘すべき石油資源は全部「国有資産」であるとの視点から、 中国海洋石油総公司をこの中央官庁の直属下に置いたのであろう。

それはともかくとして、実は去年の夏から、 まさにこの国務院国有資産監督管理委員会において、 驚天動地の腐敗摘発が行われていたのである。
2013年9月1日に国営新華社が伝えたところによると、 中国共産党中央規律検査委員会は、 国務院国有資産監督管理委員会の蒋潔敏主任に対し 「重大な規律違反」の疑いで調査を始めた、というのである。
蒋氏は国有石油大手、中国石油天然気集団(CNPC)前会長で、 2013年3月に国資委主任に転じたばかりだった。
彼は共産党内では約200人しかいない中央委員も務めており、 2012年11月の習指導部発足後、調査を受けた党幹部では最高位に当たる。

このような立場の蒋氏に対する汚職調査は当然、 習近平政権が進めている「腐敗撲滅運動」の重要なる一環であろうが、 ここで注目されているのは、石油畑出身の蒋潔敏氏の背後にある、 「石油閥」という共産党政権内の一大勢力のことである。
中国でいう「石油閥」とは、蒋氏が会長を務めた 中国石油天然気集団という巨大国有企業群を基盤にして 中国の石油利権を一手に握る政治集団のことである。
この政治集団の始祖は、1958年に中国の石油工業相に就任した余秋里氏である。

中国の建国に貢献した「第一世代の革命家」の一人である余氏は 建国の父である毛沢東からの信頼が厚く、58年に石油工業相に就任してから、 中国最大の大慶油田の開発を仕切って「中国石油工業の父」と呼ばれるようになった。 その後も中国経済を取り仕切る国家計画委員会(国計委)主任や 国家エネルギー委員会(国エネ委)の主任などを歴任した。
共産党内で隠然たる力をもつ石油閥の形成はまさにこの余秋里氏からはじまる。
1999年に余氏が亡き後、彼の後を継いで石油閥の元締めとなったのは 元国家副主席の曽慶紅氏である。2002年からは中国共産党政治局常務委員、 03年から国家副主席を務めた曽慶紅氏は、 元国家主席江沢民の懐刀として知られていて江沢民政権の要だった人物であるが、 実はこの曽氏は江沢民の腹心となる以前、余秋里氏に仕えていた。

余氏が国計委主任を務めた時に同委の弁公庁秘書となり、 余氏が国エネ委に移ると、曽氏も同委弁公庁に異動した。 そして余氏はその後も中央顧問委員会常務委員などを歴任して実権を握っていたため、 曽氏は余氏の「ご恩顧下」で石油省や中国海洋石油総公司(CNOOC)で出世した。

このような経歴から、余氏が死去した時、 江沢民の腹心として政権の中枢にいる曽氏は当然、石油閥の次のボスとなった。 そして曽氏自身が政治局常務委員・国家副主席となって権力の頂点に達すると、 彼を中心にして石油閥は党内の一大勢力に伸し上がった。
もちろん、石油閥総帥の曽氏は党内最大派閥の江沢民派(上海閥)の 「番頭」的な存在でもあるから、石油閥はごく自然に江沢民派の傘下に入って 江沢民勢力の一部となった。

そのとき、石油閥の「若頭」として曽氏が抜擢してきたのが 石油畑幹部の周永康氏である。周氏は中国の石油業界の「聖地」とされる 大慶油田でキャリアをスタートして、その後、石油工業省次官、CNPC総経理、 国土資源相などを歴任した。そして2002年に胡錦濤政権が発足するとき、 政治局常務委員となった曽氏は周氏を政治局員に推挙した上で 警察を司る公安部長に転任させた。2007年の共産党17回大会では、 曽氏は自分の引退と引き換えにして周氏を政治局常務委員の地位に昇進させた。
しかも政法部門(情報、治安、司法、検察、公安など)を統括する 中央政法委員会書記という政治的に大変重要なポストに就かせた。

これで江沢民派・石油閥の党内基盤は盤石なものとなって、 胡錦濤政権時代を通して、この派閥の人々は まさに飛ぶ鳥を落とすほどの権勢を振る舞った。 そしてその時、徐々に老衰していく江沢民氏にとってかわって、 引退したはずの曽慶紅氏が江沢民派・石油閥の陰のボスとなり、 現役の政治局常務委員の周永康氏は政権中枢における 派閥の代弁者の役割を果たしていた。

■ ベトナム衝突事件を仕掛けた中国の「黒幕」(3/4)
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▼「腐敗撲滅運動」を手段に

しかし2012年11月に開かれた共産党18回大会において 胡錦濤指導部が退陣して今の習近平指導部が誕生すると、 石油閥はやがて受難の時代を迎えた。
18回大会で誕生した7名からなる新しい政治局常務委員会に、 江沢民派・石油閥は4名の大幹部を送り込んで 習氏を取り囲むような形で勢力を固めた。
あたかも新指導部が彼ら江沢民派・石油閥によって 乗っ取られたかのような形勢であるが、それに不満を持つ習氏は今度、 前総書記の胡錦涛氏の率いる「共産主義青年団派」と手を組んで、 江沢民派・石油閥を叩き潰すための権力闘争を起こした。
徹底的に潰さない限り、自前の政治勢力の拡大と 自分自身の権威樹立は永遠に不可能であると習氏も分かっているからだ。

この権力闘争のために習氏の使用した手法が すなわち「腐敗撲滅運動」の推進である。
石油利権という莫大な経済利権を手に入れて うまい汁を吸っているのは他ならぬ江沢民派・石油閥の面々であるから、 彼らを倒すのに「腐敗の摘発」ほど有効な手段はない。
そのために、習近平氏は自分の盟友である王岐山という 経済部門出身の幹部を畑違いの中央規律検査委員会のトップに据えて、 「腐敗撲滅」という名の権力闘争を始めた。

前述の国務院国有資産監督管理委員会の元主任で 石油畑出身の蒋潔敏に対する「汚職調査」は、 まさに石油閥潰しの政治的摘発の一環であるが、 習近平氏のターゲットは蒋潔敏のような「小物」ではない。
石油閥大物幹部の周永康氏はまず標的にされていた。 蒋潔敏氏に対する調査開始はむしろその前哨戦であったと見るべきだ。

そして2013年12月から周永康氏の消息が断ったことから、 その時点で彼は既に拘束されていてて取り調べを受ける身となったと思われる。
今年の3月初旬に、一部の中国メデイアが いよいよ「周永康問題」について報道し始めたことから、 彼に対する取り調べが進んでいる事実が白日の下に晒された。

▼反撃に打って出た石油閥 掘削事件の「黒幕」か

しかしまさに今年の3月後半当たりから、 習近平氏の石油閥叩き作戦が暗礁に乗り上げる様子となった。 まずは周永康氏自身が、当局の調査に対し横領などの容疑を全面否定、 協力を一切拒んでいることが4月になって複数の党関係筋によって明らかにされた。 どうやら周氏は徹底抗戦の構えのようだ。
彼がそれほど強気になっているのには当然それなりの理由がある。

周氏に対する摘発が進んでいく中で、彼と同様に引退の身となった 一部の長老たちはこのままでは自分たちの身も安全ではなくなると危惧し始めたことから、 江沢民派・石油閥は反撃に打って出た。政治局常務委員会の中では 石油閥の代弁者である筆頭副総理の張高麗氏や 江沢民派重鎮の張徳江全人代委員長らが 「摘発の行き過ぎが党の威信を傷つける恐れがある」との理由から、 習近平・王岐山サイドの進める腐敗摘発=石油閥叩きに ブレーキをかけ始めた模様である。

そうすると、それまで順調に進んできた 周永康摘発の動きが徐々に鈍くなってきた。
前述のように、今年3月の時点で中国の一部メディアは既に 「周永康に問題あり」とのような報道をしていたが、 中国国内の一般常識からすれば、 この問題に関するメディア報道の「解禁」は普通、 摘発に関する政治的決着がすでにつけられていて 正式発表が間近であることを意味している。

しかしこの常識に反して、それ以来現在に至るまで、 周永康摘発の正式発表は一切なく、 摘発の進展を窺わせるような動きも一切なかった。
「周永康問題」はとっくに全国民の知れるところとなっているのに、 問題の決着がここまで先延ばされているとはまさに異常事態である。
しかも、去年9月に「調査開始」と発表された蒋潔敏氏に関しても、 現在に至って何の調査結果も発表されることなく、処分も決まっていない。 それもやはり異様である。

こう見ていると、現在、江沢民派・石油閥は、 習近平氏の叩き潰し作戦に対して必死の抵抗を 試みている最中であることがよく分かるが、このようなタイミングで、 中越間の衝突を起こした掘削の意味を考えてみると、 一件無関係に見えるこの二つの動きの間に 関連性があるのではないかと思いたくなるのである。

そう、問題の海域で掘削を断行したのは まさに石油閥傘下の中国海洋石油総公司であり、 その総公司の上位機関である国務院国有資産監督管理委員会の元主任は まさに石油閥主要幹部の蒋潔敏氏である。今はまさに、 彼らが習近平氏の腐敗摘発によって追い込まれている立場であり、 自分たちの権益と命を守るために最後の戦いを強いられている最中なのだ。

その際、習近平氏に対する最も有力な反撃の一つとして、 外交トラブルをわざと引き起こすことも選択肢の一つとして考えられる。 何らかの外交的危機が発生した場合、中央国家安全委員会主席の習氏は 責任を持ってそれを処理しなければならない。
外交上のトラブルはすなわち習氏自身のトラブルなのである。

■ ベトナム衝突事件を仕掛けた中国の「黒幕」(4/4)
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▼ただただ沈黙を守る習近平

そうすると、浮上してくる可能性の一つは、 石油閥の面々がASEAN首脳会議の直前というタイミングをわざと選んで、 しかもベトナム側の猛反発を見込んだ上で 係争の海域での掘削を断行した、ということである。
そうすることによって習近平氏を外交的窮地に追い込んで その政治的権威を傷つけることができるだけでなく、 いわば対外的危機を作り出すことによって 「国内の一致団結」という大義名分において 「腐敗摘発」の動きを食い止めることもできるからである。

実際、石油閥のこの作戦はすでに 一定の効果を上げていると見ることもできる。
掘削の断行がベトナムとの衝突を引き起こし、 地域における中国の外交的孤立化が進んでいることは前述の通りであるが、 中国国内の動きとしてもう一つ不思議に思えるのが、 この一連の事件発生以来の習国家主席の態度である。
ほとんど信じられないようことであるが、中国国民が ベトナムの反中暴動において殺されたという由々しき事態が発生したにもかかわらず、 国家主席で国家安全委員会の主席でもある習氏は この問題について、いっさい発言していないのである。 少なくともこの原稿を書いている日本時間5月19日午前10時現在まで、 習氏はただただ沈黙を守っているだけである。

5月15日、ベトナムの暴動で中国人が殺されたその翌日、 習近平氏は国家主席として「中国国際友好大会」 というイベントに出席してまさに外交問題について「重要講話」を行ったが、 その中で彼はベトナムとの衝突や ベトナムでの反中暴動については一言も触れなかった。 自国民が暴動で殺された直後に、 何事もなかったかのように行われたこのような「重要講話」は、 実に情けないものである。

要するに習近平氏は進退両難の窮地に立たされているのであろう。 ことを起こしたのは石油閥の陰謀であることを承知しているから、 ベトナムに対して強く出れば中国にとっての外交的トラブルが ますます大きくなり国家主席としての自分の対処はますます難しくなる。
それはまさに江沢民派・石油閥の思うつぼである。

しかしあまりにも弱い姿勢を示すと、 それが逆に国内から「弱腰」の批判を招くこととなる。
そして「弱腰」への国内批判はそのまま、 石油閥にとっての習近平攻撃の材料ともなる。
どの道、嵌められた習近平氏は大変不利な状況になるから、 結局彼のとれる唯一の対処法はすなわち この問題についていっさい態度を表明せず、 外交部門に任せて事態の推移を見守ることであろう。

もちろん、何も発言しないこの態度は結局、 習近平氏の無能さと決断力のなさを国民に晒し出す結果となるから、 やはり習近平氏の負けである。

▼突然姿を現した曽慶紅

窮地に立たされた習近平氏が立ち往生している最中、 得意満面で公の場に姿を現したのは、石油閥の陰のボスの曽慶紅氏である。
中国の一部メデイアが写真付きで報じたところによると、 公職から引退して以来いっさい姿を現したことのない曽慶紅氏は 5月14日に突如、江沢民派の古巣の上海に現れた。
表向きの活動の内容はある美術館の参観であるが、 共産党政治局委員・上海市共産党書記の韓正氏と 江沢民氏の子息で上海科学技術大学校長の江綿恒氏が同伴しているから、 どう見ても単なる個人的な参観ではない。見事な政治的行動である。

それでは、とっくに引退してめったに姿を現すことのない曽慶紅氏が一体どうして、 このようなタイミングで突如姿を現したのか、ということになると、 本稿が今まで記述してきたこの経緯からすれば、彼の意図するところは明らかであろう。 決戦に臨む江沢民派・石油閥に対する激励であると同時に、 相手の習近平氏に対する容赦のない警告でもあろう。
そして14日の曽慶紅氏の登場はまた、 10日ほど前から始まった件の「掘削断行」の黒幕は まさに自分たち石油閥であると自供したようなものである。 この堂々ぶりは、曽氏がすでに習近平氏に対する抗戦を覚悟していることが分かる。 今後、江沢民派・石油閥と習近平国家主席との権力闘争は ますます激しさを増していくことは予想できるであろう。

( 石 平 )

南シナ海問題「重大な懸念」表明 ASEAN外相会議緊急声明 名指し避け中国を牽制 2014.5.10 21:44 [中国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140510/chn14051021440011-n1.htm

(写真)10日、ミャンマー・ネピドーでのASEAN外相会議の集合写真撮影後、拍手する各国外相ら(AP)

 【ネピドー=吉村英輝】東南アジア諸国連合(ASEAN)は10日、ミャンマーの首都ネピドーで外相会議を行い、中国公船とベトナム船の衝突で緊張が高まる南シナ海情勢で、「深刻な懸念」を表明する緊急声明を採択した。加盟国が一致して国際法などによる紛争解決を訴えることで、力による実効支配を強める中国を牽制(けんせい)した形だ。
 声明は、中国を直接批判することは避ける一方、「進行中の事案が海域の緊張を高めた」と中越の対立にふれ、武力の行使や脅しではなく、国連海洋法条約などの順守による「平和と安定を脅かす行為の回避」を求めた。

 ASEAN加盟10カ国中、南シナ海で中国と領有権を争うのは4カ国。中でも、中国からの圧力が高まっているベトナムやフィリピンは、団結して中国に対抗する姿勢を他の加盟国に求めた。会議では外相間で危機感が共有され、11日の首脳会議を待たずに、南シナ海について声明をとりまとめて発表することで一致した。
 シンガポールのシャンムガム外相は会議後、「事態は深刻で、黙っていればASEANの信用にかかわる」と記者団に述べた。フィリピンのデルロサリオ外相もASEANとして一致して対応すべきだという考えを示した。

 ASEANと中国は昨年9月、南シナ海の紛争回避に向けた法的拘束力を持つ「行動規範」の策定に向け、初の公式協議を実施。10月にはブルネイでの首脳会議でも策定へ努力することを確認した。
 だが、中国は二国間での交渉を優先する姿勢を変えず、協議は進展していない。このため声明は、行動規範の早期策定の重要性についても改めて言及し、中国の対応を促した。


5月18日(日) ベトナムの怒り

中共は南シナ海でも海洋進出が著しく、ベトナムやフィリピンの怒りを買っている。
石油資源探索と軍事拡張の側面がある。
1980年代からベトナムやフィリピンが実効支配していた砂州や岩礁が次々に武力によって奪取されている。
ベトナムでは中共に対する抗議でデモが暴動に発展し、進出企業400社に被害が出た。
中には同じ漢字圏の台湾企業、日本企業も含まれていた。

東シナ海、日中の排他的経済水域境界にあるガス田の共同開発はその後どうなったのか。
尖閣諸島を侵犯し、中共の傲慢さばかりが目立っている。
南シナ海緊張、中越が掘削で対立 比は中国漁船拿捕 2014.05.08 Thu posted at 19:37 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35047613.html

香港(CNN) ベトナムの国家国境委員会幹部は8日までに、同国と中国が領有権を争う南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島近くで中国の国営企業が石油の掘削作業を開始し、周辺海域に軍用船を含む60隻の船舶を集結させてベトナムの巡視船らに故意に衝突するなどの威嚇行動に出ていると発表した。
一方、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島近くでは6日、絶滅危惧種のウミガメを大量に捕獲していたとして、フィリピン当局が11人乗りの中国漁船を拿捕(だほ)した。比当局は主権保持のための行動としている。
国営企業の中国海洋石油(CNOOC)は今月2日、パラセル諸島近くで海上掘削施設による作業を開始。中国当局はこれより前、同施設周辺に約4.8キロにわたる排他的海域の設定を宣言し、軍用船による監視活動を始めていた。
ベトナムの国家国境委員会副委員長によると、中国船舶による威嚇行動は4日以降に始まり、放水砲なども用いた。ベトナム側に人的な被害が出たとしている。
中国外務省報道官は掘削作業は中国領内の合法的な行動と主張。ベトナム側の嫌がらせ行為は中国の主権侵害であるとも述べた。船舶同士の衝突については確認しなかった。
CNOOCは、スプラトリー諸島の海底には中国の原油やガス資源の3分の1が埋蔵されていると主張している。南シナ海の領有権論争には中国、ベトナム、フィリピンの他、台湾、マレーシアやブルネイも絡んでいる。中国は同海全域での主権を求めている。・・・・

【主張】ベトナムのデモ 中国の掘削に根拠はない 2014.5.17 03:07
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140517/asi14051703070004-n1.htm

 南シナ海での中越艦船衝突を引き金に、ベトナムで広がった反中デモ隊の一部が暴徒化した。中国系の現地進出企業が放火、破壊され、多数の死傷者が出ている。
 台湾系、日系の企業も巻き添えで襲撃された。焼き打ちや殺傷といった無法な抗議行動は絶対に許されない。
 ベトナム当局はズン首相の指示通り、混乱収拾と暴力の再発防止に全力を挙げるべきだ。
 中国と同様、ベトナムは共産党一党の支配下にある。原則禁止されているデモが発生したのは、少なくとも当局が黙認したからだろう。デモ隊が反中感情と同時に社会不満のはけ口を求めて暴走したものだとしたら、抑圧的な体制の問題ともいえよう。

 ただし、事の大本は、両国などが領有権を争う南シナ海パラセル(西沙)諸島海域で中国が一方的に石油掘削をしたことにある。
 中国は、掘削装置を直ちに撤収して対立原因を取り除き、両国艦船がにらみ合う一触即発の状況を沈静化させねばならない。それなのに、石油掘削を棚に上げ、暴動への「重大な懸念」を表明してベトナム側に抗議している。  一昨年、日本の尖閣諸島の国有化に対し、中国各地で抗議のデモ隊が暴徒化し、日系の企業やスーパーが破壊や放火で甚大な被害を受けた。日本側の抗議に、中国政府は「責任は日本にある」と開き直り、暴動に対しまともな責任追及すらしなかった。
 中国は同じ南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島にあるジョンソン南礁も埋め立て、滑走路とみられる施設の建設を進めている。これも即刻、停止すべきだ。
 南シナ海のほぼ全域を囲む「九段線」を主張して中国は領海と唱えているが、国際法上、何ら根拠はない。

 米国のバイデン副大統領は石油掘削をめぐり、中国側に「深刻な懸念」を伝え、ケリー国務長官も「挑発的だ」と批判した。オバマ大統領は先のアジア4カ国歴訪で、安全保障の重心をアジア太平洋地域に移す再均衡(リバランス)戦略を確認したばかりだ。
 南シナ海での中国の強硬姿勢は、米国がどこまで本気かを見定めるためのものという見方がある。中国の力ずくの海洋進出に対抗するため、オバマ政権は言葉だけでなく、断固たる態度を示してほしい。



5月6日(火) まだ続いていた対中ODA

東シナ海、南シナ海で軍事脅威著しい中共に、まだODA供与が続いていたとは・・・。
「相手が悪いと思う中国人 相手に悪いと思う日本人 (加瀬英明、石平)」という言葉があった。
出させるオレがエライと思うのが中国人だ。
それだけではなく、キックバックに与る輩もいるにちがいないと疑いたくなる。
日本を貶め、軍事挑発している中国になぜ日本政府は年300億円も“貢ぐ”のか…いつまで続ける対中ODA、総額3.6兆円の“受け入れ難き現実” 2014.5.5 12:00
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140505/waf14050512000005-n1.htm

(写真)
日本の政府開発援助(ODA)を利用して建設されたモノレール。だが、駅構内を探してもそれが分かる表示は見当たらなかった=中国・重慶市

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)への領海侵犯を繰り返し、東シナ海上空に防空識別圏を一方的に設定するなど、膨張主義的な政策を取り続けている中国。その中国に対し、日本が政府開発援助(ODA)をいまだに続けており、その額は1年で300億円にもなる。日本固有の領土である尖閣諸島を虎視眈々と狙い、歴史問題を振りかざして国際社会における日本の名誉を徹底的におとしめようとしている中国に資金提供とは…。にわかには信じられないが、動かぬ事実でもある。

この瞬間も…3.65兆円の対中ODA

 ODAは、低利で資金を貸す円借款、返済義務のない資金を供与する無償資金協力、技術や知識のある専門家の派遣や開発計画を支援する技術協力の3つに大別されている。
 中国に対するODA供与は昭和55(1980)年に始まった。以来、平成23年度まで、日本は円借款3兆3164億円、無償資金協力1566億円、技術協力1772億円を中国に対して供与している。

 円借款はかつて中国国内の空港・港湾、鉄道・交通網整備、発電所などの大型インフラ整備に投下され、中国の経済発展を支える基盤となった。しかし、「インフラの整備は結果的に中国の軍事力増強を下支えすることになりかねない」「円借款が中国国内でどのように使われているか不透明な部分がある」などの批判を受けて、20年の北京オリンピック前までに新たな供与を終了することで日中両国政府が折り合った。

 平成19(2007)年12月に日中双方が確認した6つの案件を最後に円借款を新たに供与することを中止。だが、無償資金協力と技術援助についてはいまだに継続されている。
 外務省が出している24年のODAに関する国別データブックによると、23年度の中国に対する無償資金と技術協力の額の合計は約41億円に上る。ただ、これはあくまでも外務省分であって、経済産業省や文部科学省などほかの省庁を合わせた数字はさらに跳ね上がる。

中国に年300億円も「贈与」する事情

 改めて外務省が出している24年版ODA白書をみてみると、23年の中国に対する無償資金協力は約1300万ドル、技術協力は2億8700万ドルの計約3億ドルに上る。1ドル100円で換算してみると、300億円にも及ぶ資金が日本から中国に流れていることになる。
 低利で資金を貸し出す円借款は、中国が拒否しない限り、いずれ日本に回収される。しかし、無償資金協力と技術協力は「贈与」であり、日本には1円も返ってこない。

 円借款の供与中止を決めた際、無償資金協力と技術援助が継続されたのは、黄砂、感染症、大気汚染などの対策や留学生を軸とした人材交流を深めて、日中両国の互恵的な関係を構築しようという狙いがあった。背景には巨額の資金を提供する円借款では日本国内の理解は得にくいが、環境対策や日系企業の進出を念頭に置いた中国国内の社会制度整備に対する援助ならば、大きな反対の声は上がらないだろうとの読みも政府内にはあったという。

 だが、中国国内で発生した微小粒子物質「PM2・5」が流れ込むことに伴う日本国内での健康被害への懸念や頻発する反日暴動による日系企業への甚大な被害などを考えたら、こうした無償資金協力や技術協力がどの程度効果を上げているのかは極めて疑わしいといえるのではないか。

無償資金協力と技術協力は残ったが…

 無償資金協力と技術協力の継続を決めた当時、外務省内には留学支援などの人材育成について「将来の中国を担う幹部候補生を『親日派』に育成する意義は大きい」との声があったが、中国国内に吹き荒れる反日の嵐をみれば、こうしたもくろみは完全に外れたといえる。
 ところが、中国に対するODA供与を改めて見直そうという目立った動きは外務省に起きていない。むしろ、無償資金協力や技術協力の成果や効果を強調している。ODAに関する国別データブックは、中国に対するODA供与について、「両国民間の相互理解の増進も日中関係の健全な発展を促進するために重要であり、そのような分野におけるODAを通じた取組は依然として一定の意義を有している」と記している。

中国は戦争賠償の代替とのとらえ方

 そもそも中国側には日本によるODA供与は、中国に対する戦争賠償の代替の意味合いを持っているとの認識がある。昭和47年9月に出された日中共同声明の第5項では、中国は日本に対する戦争賠償の請求を放棄することを宣言しており、中国が戦争賠償の代替という認識を持っているとすれば完全な誤りだ。
 しかし、平成12年5月に来日した中国の唐家●(=王へんに旋)外相(当時)は「中国に対するODAは、戦後賠償に代わる行為である」との認識を示した。つまり、「日本がわれわれ中国に対して資金を提供するのは当然であり、むしろ義務といえる」という意識が彼らの根底にあるといっていい。

まだ見えない見直し論

 中国は22年に国内総生産(GDP)で初めて日本を追い抜き、25年のGDPは名目で日本の約2倍となる。中国は経済力をバックに軍事拡張を続け、その海軍艦船は東シナ海や南シナ海をわが物顔で遊弋(ゆうよく)し、西太平洋でも頻繁に軍事演習を展開している。しかも公然と日本の固有の領土である尖閣諸島を奪い取ろうとしているのだ。その国に対して資金援助をする必要はどこにあるのだろうか。
 安倍晋三政権がどのような対中ODA政策を打ち出してくるのか今のところ見えてきていない。だが、その答えはもうとっくに出ているはずだ。こんな対中ODA政策を放置していけば、後世の物笑いの種になるのは間違いない。

同じような金額だが、これも外へ出ていく金だ。自国の若者を大切にしない奨学金。
年間293億円! 手厚い外国人留学生への支援 日本の若者にもっと投資せよ! 2013年05月09日(Thu)  山下真弥
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2792

「中国人たちが留学先に日本を選ぶ理由はというと、アルバイトや仕事ができるからということが大きいと思います。欧米に留学となると4倍もの費用がかかりますし、当然アルバイトや仕事はできない。また、学力面も日本は欧米ほど問われません。『そこそこ頭がよければ何とかなる』と。多少の努力で、それなりの成績を収められるのが現状です」
 日本に10年在住歴のある中国人女性のジャーナリストNさんは、日本に留学する中国人の事情をこう語る。

 「奨学金は、そもそも日本での勉強を支援する名目で中国のエリートたちのために日本側が設けた制度です。日本に全面的に奨学金をもらってきている人たちについては、中国でのエリート層とはいえ、欧米に高い金額を払っていけない貧しい階層だという。しかし、中国も最近は裕福になっているので、留学生も正直なところ全面的な支援を必要ないと思っている人も少なくなくありません」

海外では3倍の授業料を払う留学生
 2012年の時点で、日本の外国人留学生は137756人で、出身国上位5位は、中国、韓国、台湾、ベトナム、ネパールとなっている。中国人と韓国人だけで約76%を占めている。(独立行政法人日本学生支援機構)日本人が奨学金で大学に行く場合、社会に出て就職したら返済しなければならないが、外国人留学生は返済する必要がないという話をよく日本人研究生の友人から耳にする。『図表でみる教育 OECDインディケータ (2006年版)』を参考に世界各国の平均授業料を調べてみると、海外では外国人留学生が授業料をおよそ3倍高く払っていた。
 例えば、オーストラリアは自国民の授業料が45.4万円に対し、留学生は129.9万円、カナダは35.6万円に対し、95.2万円、トルコは3.2万円に対し、10.4万円、イギリスは21.5万円に対し、169.3万円と実に留学生から7.87倍高い授業料を取っている。アメリカは55万円に対し、留学生には147.8万円と2.69倍だ。(03年〜04年。為替レート120円で日本円に換算)

 ところが、日本はどうだろうか。国立大学の場合、国費留学生の授業料はほぼ無料。修士課程、博士課程、 研究生といった大学院の外国人留学生には、月額15万円〜15万3000円が支給され、教員研修留学生にも月額15万2000円が支給されている。また、学部学生、高等専門学校留学生、専修学校留学生には月額13万3000円、日本語学校生徒にまで月額12万5000円が支給されている。更には、渡航飛行機代(往復)まで出しているという。外国人の学費、生活費、飛行機代、語学習得費まで、日本の税金で賄われているという事実には驚いた。
・・・・

5月4日(日) ウクライナ政変の実相

3月、ウクライナ南部クリミア自治共和国は住民投票の結果を受けて、17日にウクライナからの独立を宣言し、ロシアに編入を要請した。米国と欧州連合(EU)は同日、ロシアやクリミアの当局者らを対象とした制裁措置を発表した。(CNN)
その後、ウクライナではクリミアに呼応するかのかのように親ロシア派とウクライナ軍との衝突が各地で起き、死傷者が出ている。
ウクライナ各地で衝突 死者40人超、ヘリ2機撃墜
2014.05.03 Sat posted at 12:46 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35047432.html?tag=top;topStories

ウクライナ南部で衝突
ウクライナ・スラビャンスク(CNN) ウクライナ東部で2日、同国の治安部隊が親ロシア派武装勢力に対し、これまでで最も大規模な制圧作戦を開始した。親ロシア派は、ウクライナの約10の都市・町で政府関連庁舎を占拠しているとされる。南部でも衝突が起きており、各地での死者は計40人を超えている。
ウクライナ東部ドネツク州スラビャンスクでは、ウクライナ政府のヘリコプター2機が親ロシア派に撃墜された。ウクライナ防衛省が明らかにした。ウクライナ軍がスラビャンスクで行った軍事作戦で、親ロシア派5人と市民2人が死亡したという。
ウクライナ防衛省によると、スラビャンスク近くの村でウクライナ軍が攻撃され、ウクライナの兵士2人が死亡したという。同省は、親ロシア派の武装勢力が、同地域の橋を封鎖するために女性を含む地元住民を人間の盾として使ったことを明らかにした。
黒海沿岸の都市オデッサでも親ロシア派とウクライナ軍が衝突し、地元警察によれば、少なくとも4人が死亡、40人が負傷した。
警察によると、戦闘の最中に労働組合の建物で火災が発生し、さらに31人が死亡したという。当局は当初、死者は38人と発表したていが、その後修正した。
親ロシア派と、ウクライナ軍およびキエフ政府支持派の衝突を受け、国連安全保障理事会は2日、緊急会合を開いた。ロシアはウクライナによる攻撃の停止を求めたのに対し、西側諸国はロシア政府が親ロシア派武装勢力に資金提供を行っていると非難した。

日本のマスコミでは、EU・米の制裁が善、ロシアが悪といった論調だが、実相はそうではないらしい。
ロシアと欧米、馬淵論文に注目せよ 2014/04/18
http://www.n-shingo.com/cgibin/msgboard/msgboard.cgi?page=960

 ウクライナ情勢とロシアのクリミア併合に関して、我が国に入る外電は、ほぼ全てウクライナのこの度の事態を、 親欧米の民主勢力と親ロシア勢力との衝突と観たうえで、 ウクライナの民主勢力をロシアのプーチン大統領が武力で弾圧しようとしている、 プーチンのロシアは、百五十年前にクリミアに軍隊を南下させた帝政ロシアに回帰して再びクリミアを武力で併合した、 と伝えている。
 しかし、民主勢力と専政勢力との衝突というお決まりの次元で、このウクライナ情勢を眺めて対処するだけでは、我が国は国策を誤る。
 このウクライナの危機の本質を、見事に摘出した論文がある。  それは、「正論」五月号に掲載された  元ウクライナ大使の馬淵睦夫氏が書いた論文 「『ウクライナ』で怯むな!   対露外交を深化させる世界的意義」である。
 この馬淵論文を、諸兄姉に、是非お読みいただきたい。

 とはいえ、本論文の骨格を私なりに記しておく。
 ウクライナ危機の本質は、ロシアの石油と天然ガスの天然資源を誰が支配するかを巡るロシアと欧米との戦いだ。
 その上で、馬淵氏と親しいウクライナの大学教授は、 「今回のウクライナの騒動は、マフィアとマフィアの争いだ」 とシニカルに見ていた。
 ウクライナの政変は、「民主化運動」ではなく民主化の衣を着た 「民族政権転覆活動」で、その背後にアメリカがいる。

 ソビエト崩壊後に生まれた新ロシアは自由主義経済を目指し、急激な市場経済化を実施したが、これを主導したのはアメリカの新自由主義経済学者のグローバリスト達だった。
 その結果、価格統制を外したので年率三百倍というハイパーインフレが起こりロシア庶民の生活は窮乏し、 同時に石油を含む国営企業の民間への払い下げは、一夜にして新興財閥成金を生み出し、ロシアは超格差社会に一変する。
 そして、エリティン時代の八年間でロシアのGDPは半減した。
 この状態を放置すれば、疲弊したロシアの天然資源は、アメリカが背後にいるグローバル資本家の手に落ちる。  よって、二〇〇〇年に大統領に就任したプーチンはロシアを建て直す為にロシアの天然資源を守ろうとした。ロシアのGDPの半分を占めるに至った天然資源を欧米の多国籍企業に牛耳られてロシアの建て直しは不可能だからである。
 よって、この時からアメリカを中心とした欧米つまりグローバリストとロシアつまりスラブとの戦い、即ちグローバリズムとナショナリズムの戦いが始まった。

 このように見てみれば、今までの西側報道には腑に落ちないことがある。
 今回のウクライナ危機が、ヤヌコビッチ大統領がEUとの連合協定を拒否したことを切っ掛けに起こったことは確かであるが、 親欧米の大統領の時は、EUの方が、ウクライナの加盟に反対していたのだ。EUの側がウクライナの加盟に反対していたという事実は意図的に報道されない。

 西側の報道機関は、ヤヌコビッチ大統領は、二〇一〇年の民主的な選挙で正当に大統領に選ばれた大統領であることを、何故か報道しない。
 この民主的手続きで選出された大統領を、欧米の支援のもとに暴力で転覆させたのが今の暫定政権であることもあまり報道されない。

   二月のソチオリンピックの開会式に欧米首脳は欠席したが、その理由はプーチン大統領が同性愛結婚を認めないからだという。
 しかし、二〇〇八年の過酷な人権弾圧を実施している中国の北京オリンピックの時には、欧米首脳はいそいそと出席していた。

 このように、欧米グローバリズムは、明らかにロシア・プーチンのナショナリズムに対して不当なレッテルを貼ろうとしている。
 このグローバリズムとナショナリズムの相克というウクライナ危機の本質を観れば、我が日本は、両者の共存のはかれる立場にある。
 ここに独自の日本外交創造の文明論的可能性が開かれている。
 以後詳しくは、  是非、今発売中の「正論」五月号の馬淵論文を読まれたし。

ウクライナの政変と情報戦の行くへ①』馬渕睦夫 AJER2014.3.7(5)
http://www.youtube.com/watch?v=4x2qZ-HYUJI

5月1日(木) 新緑

公園の欅もいつのまにか新緑をまとっている。雨に濡れて一層あざやか。
新緑の山々が呼んでいる。


日記もサボっているとすぐに日が経ってしまう。

ウクライナのクーデター、韓国の旅客船転覆、オバマの来日といろいろあった4月もあっというまに過ぎ去った。

4月なかば、念願の熊野古道中辺路を歩いた。だが帰ってから鼻風邪をひいた。
車中泊で狭い車の中、自分の出す湿気でなんとなく気持ちが悪いなと思っていたので、それが原因かも知れない。
くしゃみの連発で耳がおかしくなり、自分の声がボーンボーンと頭に響き鬱陶しい。
ネットで症状を調べるとXX症とか。
2回ほど近所の温泉に行って、スチームサウナに入り熱い蒸気を吸うように努め、なんとか鼻風邪を撃退した。
するとXX症も治ってきた。

送られてきた通販カタログをパラパラめくっていると「ヨーグルト製造器」が目にとまった。
材料を入れ温度とタイマーをセットするだけという。こういうのは好きだ。
ヨーグルトや納豆は自分の常食品でもあり、早速注文して製造?してみた。
どちらもうまく出来て、しかも安価に出来る。半年もすれば元がとれるのではなかろうか。
これも楽しみの一つになった。