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プーチンは「北方4島はロシアに主権がある」と明言しての来日だった。
会談の内容は経済協力しかない。
記者会見では「北方四島での共同経済活動の実現に向け、協議を始めることで合意した」と発表した。安倍首相もプーチンも「平和条約締結が重要」と述べているが、日本は4島返還であるがロシアのそれは二の次に思える。
日本の立場は、北方領土の主権が還ってくる前提もないのに共同経済活動には踏み込めないはずで、今後具体的進展があるのか不透明。
【プーチン大統領来日】自民・二階俊博幹事長「国民の大半がガッカリしている」
http://www.sankei.com/politics/print/161216/plt1612160047-c.html
自民党の二階俊博幹事長は16日、安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談について「国民の大半がガッカリしているということを、われわれは心に刻む必要がある」と述べ、成果が不十分との認識を示した。党本部で記者団に語った。
与野党内には安倍首相が今回の会談結果を受けて衆院解散に踏み切るとの憶測もあったが、二階氏は「首相からその解説を聞いていない。この程度のことは解散のテーマにはならないと思っていたから、なんでもない」と述べた。
北方領土問題を含む平和条約交渉については「解決の見通しがつくかのような報道が続いた。日本国民は『これで解決するんだ』と思った。なんの進歩もなくこのまま終わるなら、一体あの前触れはなんだったのかということを、日本の外交当局は主張しなければならない」と述べ、不満をあらわにした。
そのうえで、「時間を区切った交渉のはずだ。経済問題も大事だが、人間は経済だけで生きているわけではない。もう少し、真摯(しんし)に向き合ってもらいたい」と述べ、早期の平和条約締結の必要性を訴えた。
日露首脳は元島民らの北方領土への自由訪問拡充で合意したが、二階氏は「この程度のことで喜んでいるのではなくて、真の平和、真の友好のために一層の努力をするきっかけというか、バネにする方向に進んでほしい」と注文を付けた。
一方で、二階氏は「日露首脳が胸襟を開いて会談がなされたということは、成功だった」と述べ、一定の評価も与えた。
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【日露首脳会談】平和条約の重要性で一致 領土問題では隔たり 四島経済活動で声明
http://www.sankei.com/politics/print/161217/plt1612170008-c.html
安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領は16日、首相公邸で共同記者会見し、北方四島での共同経済活動の実現に向け、協議を始めることで合意したと発表した。安倍首相は「平和条約締結交渉に向けた第一歩となる」と強調。プーチン氏は「一番重要なのは平和条約の締結だ」とし、信頼関係醸成には時間がかかるとの認識を示した。領土問題解決に向けた端緒を作ったともいえるが、具体的な前進には時間がかかりそうだ。
両首脳は北方四島での共同経済活動に関するプレス向け声明を発表した。択捉(えとろふ)島、国後(くなしり)島、色丹(しこたん)島、歯舞(はぼまい)群島の名前を明記し、「共同経済活動に関する協議を開始することが平和条約の締結に向けた重要な一歩になり得るということに関して相互理解に達した」と書き込み、平和条約締結交渉の対象が四島であることを示した。
安倍首相は記者会見で、「共同経済活動は日露両国の平和条約問題に関する立場を害さないという共通認識のもとに進められる」と指摘。日露両政府は今後、日露間だけの共同経済活動実現のため、条約などの形で「特別な制度」を設ける方針。漁業、観光、医療などの分野で協議に入る。
両政府はロシアでの経済連携やエネルギー、医療分野など8項目の経済協力プランの具体化に向けた約80件の民間企業や政府当局間の覚書も交わした。また、両首脳は元島民の高齢化に配慮し、墓参の実現に向けた協議をそれぞれの外務当局に指示した。
安倍首相は16日夜のNHK番組で、プレス向け声明の最後に「平和条約問題を解決する自らの真摯(しんし)な決意を表明した」と明記したことについて、「この1行に私とプーチン氏の思いは凝縮されている」と強調した。
一方、プーチン氏は記者会見で、北方領土周辺の軍港の存在と日米安全保障条約に言及し、「(日本側は)こういったニュアンスやロシア側の懸念を考慮してほしい」と語った。
平和条約締結の重要性については「平和条約は歴史的、中長期的な見通しの中で長期的な協力のためのベースを作りあげるからだ。これは島での活動よりも、もっと重要だ」と説明した。
安倍首相とプーチン氏は15日に首相の地元・山口県長門市で、16日は東京の首相官邸で会談。長門市では2人きりの会談も約1時間半行い、平和条約締結問題などを協議した。プーチン氏は16日夜に帰国の途についた。
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プーチンはかねてから表題のように主張している。
ならば、何を交渉しに来日するのか。
経済協力が先か、領土返還が先か、疑心暗鬼で先に進まない。
WWⅡ で日本の敗戦が確実になって、ソ連は北方領土に駆け込み侵略した。
ロシアにはこの「火事場泥棒」的事実が頭に無いようである。西村眞悟の時事通信 平成28年12月14日(水)
プーチンを日本に入れるな
読売新聞が、十五日に来日するロシアのプーチン大統領と七日に会見して聞き取ったことを、今日になって一面で報道している。
そのプーチン大統領が七日に読売に話した内容の中心は、 ロシアに領土問題はない、だ。
読売は何故、七日にプーチンから聞き取ったことを、 一週間も伏せて報道せず、本日に一面で大きく報道したのか。
それは、読売が、プーチンの「報道統制」に従ったからであろう。
もちろん、プーチンは、 対日交渉を自分に有利に展開させるように読売を統制をした。
読売は、それに従った。 つまり、読売は報道機関であることを放棄して、 自らプーチンの対日工作活動の道具になったのだ。
プーチンは、 我が国がロシアに提供するものを全て両手で抱えてから、 ロシアが我が国に提供するものは何もない、 つまり、ロシアに領土問題はない、と言っている。
そして、それを日本国民に伝えるタイミングを、 安倍が後戻りができなくなる十四日だと見越して読売に命じたというわけだ。
その上で、プーチンは、 日本側のすがるような思いを肌で感じながら、十五日に日本に乗り込むつもりだ。
なめやがって。
とはいえさすが、プーチンは、 KGB(カーゲーベー、ソビエト国家保安委員会)の対日工作員だ。
では、安倍総理は、 如何に対処すべきか。
本日直ちに、モスクワのプーチン大統領に、 日本とロシアに領土問題があるという認識が、 あるのかないのか確認をとり、 「ない」という答えならば、 「では話しあう議題がなくなったのだから訪日無用」と応答し、 プーチンの対日外交の失敗を天下に曝すべきである。
そして、この失敗はプーチンの領土問題に関する不誠実な認識不足からもたらされたものであることを国際社会の天下に知らせなければならない。
さらに、我が国は、 西ではウクライナのクリミアを武力併合し、 東では我が国固有の領土を不法占領している 無法国家ロシアの非を国際社会に示すべきである。
国際社会は、 現在の対ロシア経済制裁をさらに強化すべきである、と。
そこで、KGBに入局するには ソビエト共産党に入党になければならないのであるから、 共産党員のプーチンが忠誠を誓った共産党の親分であるブレジネフが 日ソに領土問題が「ある」ことを認めたことを記しておきたい。
このことを知らずして日本に来るな。
即ち、昭和四十八年(1973年)十月の田中・ブレジネフ会談である。
ソ連の目的は現在と同じ、日本の経済協力で、 日本の目的も現在と同じ、領土返還。
以下、その時の会談を外務省東欧第一課長としてコントロールした 新井弘一氏から私が直接聴いたことと 氏の著書「モスクワ・ベルリン・東京、一外交官の証言」をもとにして再現する。
まず、出発前に、新井課長は、田中総理に、 コミニュケ作成交渉を含め、 決裂も辞せぬ態度をソ連側に示す必要性を強調する。
それに対して田中総理は、 「俺の腹は決まっている。 ソ連が頑迷ならば何も結ばす帰るだけだ。
コミニュケを作る必要もない」 と明確に答えた。
第一回首脳会談
田中首相、 「ソ連の領土は広い、上空からバイカル湖が見えたが、 ソ連から見れば、北方領土などは湖に浮かぶ流氷みたいなものではないか」
ブレジネフ、 「それは私の責任ではない」
第二回首脳会談
冒頭から二時間にわたり、ブレジネフは、 シベリアの産業地図を前に、満面を紅潮させ、拳を振り上げて、高圧的にテーブルをたたき、立て続けにしゃべり続けた。
ブレジネフがしゃべり続ける最中に、 新井課長は、煙草を大きくふかしながら時計を見て不快感を示し、 田中首相に、 「彼の発言を無視して、こちらの主張をぶちまけてください」 と紙に書いて渡した。
果たして、田中総理はドスの利いた声で言った。
「経済協力、大いに結構。 しかし、自分はもっと大きな目的のためにはるばるやってきたのだ。 それは日ソ間の未解決な領土問題を解決する為である。 この問題を解決することは、 両国の政治家に課せられた責務であり、宿命である」
第三回首脳会談
ソ連側の、シベリア開発協力、漁業、安全操業などが延々と取り上げられ、 領土問題の進展はなかった。
ただ、北方領土水域での操業問題が取り上げられたが、 ブレジネフとコスイギンの堅いブロックを破ることができなかった。
グロムイコは官僚の権化であり、 ブレジネフが不用意な発言をしたと思えば、間髪を入れず、それを打ち消す発言を始める。
その都度、新井課長は、 「まだ通訳が終わっていない」といってコスイギンの発言を制止した。
大平・グロムイコ外相会談
共同コミニュケ作成に関し、 日本側は意見の不一致を確認するや、サッサと退出し、決裂の意思を示した。
最終首脳会談
コミニュケ案にある「日ソ間の未解決の問題」に関して、 コスイギンが、 複数の「未解決の諸問題」にしてくれと要求した。
田中首相が、 「領土問題」という言葉を入れることを要求した。
コスイギンは 「不同意」と答えた。
直ちに田中首相がブレズネフに、 「では聞くが、『未解決の諸問題』と複数にする理由は何か。 日ソ間に未解決の問題というのは領土問題しかないではないか」と言った。
ブレジネフは、一瞬、口ごもりながら 「漁業とか、経済協力とか・・・」と答えた。
その時、田中首相は、四本の指を突き上げて、 「では、この未解決の諸問題に、 四つの島が入っていることを確認されるか」 とブレジネフに迫った。
ブレジネフは、 「ヤー ズナーユ(私は知っている)」と答えた。
田中首相は、 「もう一度、ハッキリと確認願いたい」と迫った。
ブレジネフが肯いて、 「ダー(そうだ)」と答えた。
この瞬間、 「日ソ間の領土問題は、ヤルタ以来、一連の国際協定によって解決済みである」 とするソ連の立場が崩れた。
つまり、日ソ(ロシア)間に「領土問題が存在する」ことを日ソ両国は確認した。
重ねて言う。プーチンは、この認識なくして日本に来るな。
お問い合わせ:西村眞悟事務所
TEL:072-277-4140 E-mail:sakaioffice@n-shingo.com
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【プーチン露大統領訪日】「露に領土問題ない」プーチン大統領、交渉長期化を示唆
http://www.sankei.com/world/print/161214/wor1612140006-c.html
【モスクワ=黒川信雄】ロシア大統領府は13日、公式サイト上にプーチン大統領と日本テレビ、読売新聞との会見の詳細を掲載した。プーチン氏は「ロシアに領土問題はない」と発言するなど、15日からの自身の訪日を前に、北方領土交渉に対するロシア側の厳しい立場を明確に示した。
プーチン氏は、北方領土問題以外にロシアには国境線の問題はないとの認識か-との質問に、「ロシアにはそもそもいかなる領土問題も全くないと思っている。日本がロシアとの間に領土問題があると考えているのだ」と述べ、北方領土がロシアの主権下にあるとの認識を改めて強調した。
安倍晋三首相が示した8項目の経済協力プランについては、「(平和条約締結の)条件ではない。これは必要な雰囲気作りだ」と語り、平和条約締結には直接結びつくものではないとの考えを示した。また、中国と40年間にわたり国境問題を交渉した事例を挙げ、交渉が長期化する可能性を示唆した。
プーチン氏は北方領土での共同経済活動について「検討する用意がある」としつつも、「重要なのは条件だ」と指摘。日本の主権の下での経済活動に否定的な見解を示した。
1956年の日ソ共同宣言で示された平和条約締結後の歯舞、色丹2島の引き渡しがどのような形で実施されうるのか-という質問には、「それを話し合うのは時期尚早だ」とする一方、「もし首相と日本政府がこの宣言に立ち返るというのなら、われわれは話し合うだろう」と発言。
ただ、宣言にはどちらの主権で、どのような条件で引き渡されるか明記されていないとの従来の主張を繰り返し、「共同宣言の枠内だけでも、まだ非常に多くの作業が必要だ」との見方を示した。国後、択捉両島を含めた四島の議論は「全く別の状況で別の問題提起だ」とも強調した。
日本が欧米諸国とともにロシアに科している経済制裁に対しては、「なぜウクライナ、シリアの問題を日露関係に結びつけるのか」と批判的な考えを示した。
◇
■読売、会見6日後に掲載
読売新聞は、インタビューは7日に行ったとしている。「プーチン氏のロシア語での発言を和訳し、精査を重ねた」ため、13日付で掲載したとしている。これ以外に理由はないのか尋ねた産経新聞の取材に対し、読売新聞グループ本社広報部は「記事で説明している通りです」と書面で回答した。
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今やインターネットのない世界は考えられない時代となった。
PCの前に座って検索すればあらゆる情報が瞬時に目前に提示される。
買い物もインターネット経由で便利になり、もう後戻りできない。
街を歩けば、スマホ片手のビジネスマン、学生が闊歩しているし、スマホやケータイ片手に自動車を運転する人も見かける。
その裏には万全のセキュリティがあってこそ成り立っている。
国防の分野では、敵対国に情報が盗み取られればたちまち劣勢に立たされる。
今も人力に頼るスパイが暗躍しているが、電子技術による情報戦は、重要な情報が盗まれていることに気がつかない場合があるという。
陸自システムにサイバー攻撃、情報流出か 国家関与も 被害の全容不明 2016/11/28 産経
http://www.sankei.com/affairs/print/161128/afr1611280003-c.html
防衛省と自衛隊の情報基盤で、駐屯地や基地を相互に結ぶ高速・大容量の通信ネットワークがサイバー攻撃を受け、陸上自衛隊のシステムに侵入されていたことが27日、複数の同省関係者の話で分かった。防衛省が構築した堅固なシステムの不備を突く高度な手法と確認された。詳細な記録が残されておらず、被害の全容は判明していないが、陸自の内部情報が流出した可能性が高い。
複数の自衛隊高級幹部は「危機的で相当深刻な事態だ。早急に再発防止策を講じる必要がある」と強調。一方、情報セキュリティーを担当する防衛省の斎藤雅一審議官は「個別の案件には答えられない」とコメントした。
防衛省は外部接続を制限するなど防御態勢を強化してきたが、今回はそれを上回る高度な手法から国家などが関与した組織的攻撃の疑いが強い。同省は深刻な事態と判断。9月ごろに確知し、直後にサイバー攻撃への警戒レベルを引き上げた。
関係者によると、攻撃を受けたのは、防衛省と自衛隊が共同で利用する通信ネットワーク「防衛情報通信基盤(DII)」。接続する防衛大と防衛医大のパソコンが不正アクセスの被害に遭ったとみられる。このパソコンを「踏み台」として利用した何者かが、陸自のシステムにも侵入した可能性が高い。防衛省は確知後、防衛省・自衛隊全体でインターネット利用を一時禁止した。
防衛大と防衛医大は、全国の大学が参加する学術系のネットワークにも入っている。このネットワークを経由して攻撃されたもようだ。
DIIはインターネットに接続する「部外系システム」と、関係者が内部情報をやりとりする「部内系システム」に分かれている。電子メールを通じてコンピューターウイルスが入り込むことなどを防ぐため、二つのシステムは分離して運用されている。
ただ、個々のパソコンは両方のシステムに接続し、切り替えながら利用する仕組みで、切り離しは完全ではなかった。攻撃者はこの仕組みを悪用したとみられるという。
■サイバー攻撃 政府機関や企業の情報通信システムに不正侵入し、機密情報を盗み出したり、データを破壊したりする行為。電子メールでコンピューターウイルスを送りつけ、感染したパソコンを遠隔操作する手口が目立つ。大量のデータを送信してサーバーに過大な負荷をかけ、サイトを閲覧できないようにする手法もある。2011年には国内で防衛産業を狙った大規模攻撃が明らかになり、セキュリティー対策が進む契機となった。
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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル第258号(12月8日)
http://melma.com/backnumber_190875/
真珠湾からサイバーへ
以下は5年前の今日、配信された軍事ジャーナル(12月8日号)「日本は戦争に勝てた」である。現在でも通用すると思われるので、再録する。
「*
今日は大東亜戦争開戦の日だが、毎年この頃になると決まって飛び出す質問が「日本は何故負けると分かっていた戦争に突入したのか?」である。
敗戦後、旧軍人たちは負けた言い訳をするのはみっともないので、ひたすら反省の弁だけを述べた。「戦争を止められなくすみません」そこで上記の質問になる訳だ。
だが戦争をするに当たって勝算がない訳はなく、当然日本にもそれはあった。だから何故失敗したのかを考えることこそが真の反省となろう。
もちろん大国アメリカと戦争するに当たって、米都ワシントンを占領できるとは軍人達は思わなかった。だが日露戦争に当たってモスクワを占領できると明治の軍人は考えなかったし、実際に占領はしていないが、日本はロシアに勝っている。
当然戦前の軍人達は日露戦争をモデルに対米戦争に勝利する戦略を考えていた。日露戦争では、先ず海軍が露太平洋艦隊を撃滅し陸軍が満州に上陸しロシア陸軍を追い払い、そこで極東ロシアを救うべくアフリカを迂回してやってきたロシアのバルチック艦隊を、日本海軍が壊滅しロシアの戦意を喪失させて講和会議に持ち込んだ。
対英米戦では日本は同様の戦略を立てていた。まずフィリピンに駐留していた米軍を追い払い東南アジアにいた英軍を追い払い、これを救うべく太平洋を渡って来た米太平洋艦隊をフィリピン沖で壊滅し、講和に持ち込む戦略であった。
もしこの通りにやっていたら、あの戦争の結果はまるで違ったものになっていたであろう、というのが米国の歴史家の意見でもある。だが連合艦隊司令長官、山本五十六海軍大将はこの戦略を変更したのである。米艦隊を待ち受ける戦略から米拠点を積極的に叩く殴り込み戦略に変えたのだ。
この空母機動部隊を生かした殴り込み戦略は、米海軍にも評価され現在の米空母戦略の礎となっている。発想はよかったのだが、これを完遂するためにはレーダーの配備が必要だった。
レーダーは英国では1年前に配備されており、米国でも配備が始まっていた。日本海軍は戦艦大和やゼロ戦の開発に見るように当時、世界最高の技術水準を誇っていたにもかかわらず、レーダー開発だけは遅れを取っていた。電子情報に対する認識が欠如していたのである。
結局これが致命傷だった。相次ぐ殴り込みも敵が見えないのでは功を奏さない。米太平洋艦隊の壊滅に失敗し、日本海軍は戦力を消耗し最終的には海軍が壊滅して敗戦したのである。
この教訓は今の日本で生かされているだろうか?。私の体験からは生かされていないと結論せざる得ない。
私は1990年代半ばまで航空自衛隊にいて情報通信関係の仕事をしていた。当時の空自は世界最強の戦闘機F-15を擁し、インターネットのさきがけとなるバッジシステムを整備し、旧海軍さながら最高の技術水準を誇っていた。
だがインターネットの開通に伴い、私のいた部署はサイバー戦争対処を進言したのだが、パイロット中心の上層部はまったく聞く耳を持たなかった。「インターネット?、そんなモン、つなげなければいいんだろう。」
確かに1990年代前半にインターネットの必然性を説明するのは困難だった。だが私が去った後もサイバー戦争対処の必要性を説明した者は空自にいなかったようだ。おかげで1990年には世界最高の防空システムを誇った航空自衛隊は、21世紀には二流の空軍に成り下がったのである。
最近、防衛省は米国防総省からサイバー戦争対処で協力を求められて大慌てしているらしい。だがこの15年の遅れを今後5年で取り戻すのは、どうやっても不可能だろう。
*」
さて、果たして5年後の先月27日、防衛省の情報システムにサイバー攻撃が仕掛けられ陸自の情報が流出した可能性があると報道された。政府関係者は「承知していない」と報道を否定したが、現在の防衛省のサイバーセキュリティが極めて脆弱なのは周知の事実である。
要するに現在も5年前も20年前も、75年前と同じく電子情報戦への認識を欠いたままであり、日本の防衛は何の反省もしていないのである。
軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
動画配信中:「地政学入門」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1475838508
上記動画のテキスト本 「領土の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321212000089
動画配信中:「地図で見る第二次世界大戦」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1441391428
上記動画のテキスト本 文庫「図解大づかみ第二次世界大戦」
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動画配信中:「現代戦闘機ファイル」全編無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1411697197
上記動画のテキスト本「イラスト図解 戦闘機」
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動画配信中「よくわかる!ミサイル白書」全編無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1383640409
上記動画のテキスト本「超図解でよくわかる!現代のミサイル」
http://www.tg-net.co.jp/item/486298102X.html?isAZ=true
その他の著書:
「国防の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)
20世紀初頭は世界中に帝国主義が蔓延していた。日本も満州などに権益を持っていたが、米の嫉妬するところとなり、スターリン、ルーズベルトなどの謀略によって日米戦争が起きた。
戦後の1951年、マッカーサーは議会で「日本の戦争は自衛戦争だった」と証言した。
「戦争原因の見直し
21世紀になり多くの歴史資料が公開されたので米国が何もしないの突然攻撃されたというような子供じみた隠蔽や歪曲は通じない。第一次大戦のベルサイユ条約では独だけが断罪されたが今では訂正されている。太平洋戦争も日本の冤罪は明らかである。」
(落合道夫著:大東亜戦争と日本人の課題)
済んだこととはいえ、戦争の原因を知っておくことは重要だ。
なぜなら「歴史は繰り返す」。
太平洋戦争開戦ラジオ放送
2日、トランプ次期米大統領と蔡英文台湾総統が電話会談を行った。
中国は米に抗議をした。
トランプ氏と蔡総統の電話会談、中国が米国に厳重抗議 2016年12月04日 11:07 発信地:北京/中国第二次大戦後、台湾は中国共産党によって統治されたことはなく事実上主権国家。
http://www.afpbb.com/articles/-/3110113
【12月4日 AFP】中国政府は3日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領が数十年にわたる自国の外交慣例を破って2日に台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統と電話で会談したことについて、米政府に抗議した。
現時点ではトランプ氏と蔡総統の電話会談が、米政府が取ってきた「一つの中国」という原則を堅持する立場からの方針転換を意図したものかどうかは明らかではない。しかし、トランプ氏は国際問題を即興的に扱っているという危惧の念は高まった。
電話会談を受けて中国政府は断固とした対応を取った。中国外務省は「わが国はそれ(トランプ氏と蔡総統の電話会談)についてすでに米側の関係者に厳重に抗議した」「世界には『一つの中国』しか存在しないことをはっきりと示さなければならない。台湾は中国の領土の不可分の一部である」と述べた。
また、中国は米側の関係者に対し、台湾関係問題の慎重な取り扱いと、米中関係全般への不必要な干渉を避けるための配慮を要請した。(c)AFP
「台湾は中国の領土の不可分の一部である」は空しく聞こえる。
米は台湾関係法によって台湾との外交関係を維持し、軍事的な支援もしている。
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル 第257号(12月6日)
http://melma.com/backnumber_190875/
米中激突
先月21日、米原子力空母ロナルド・レーガンが母港、横須賀に帰還した。6月20日に米空母ステニスとフィリピン沖で演習し、6月30日には南シナ海を航行し中国海軍を牽制し、9月からは北朝鮮危機に備え主に日本海、黄海周辺を遊弋していた。
そして横須賀に帰港し乗組員は感謝祭の休暇に、船体はメインテナンスに入った3日後の25日、中国空軍の戦闘機スホイ30、2機が宮古海峡を、また爆撃機H6、2機、偵察機Tu154を含む中国空軍機4機がバシー海峡をそれぞれ突破し、西太平洋で合流した後、宮古海峡を通過して大陸に帰還した。
宮古海峡は台湾の北東、バシー海峡は台湾の南にあることから明らかな様に、中国の作戦の意図は台湾の包囲であり、台湾侵攻の準備である。今月2日にトランプ次期大統領は台湾の蔡英文総統と電話で会談し、台湾防衛の意思を明確にした。
トランプは既にマティス元米中央軍司令官を国防長官に指名しており、狂犬の異名を持つマティスは海兵隊出身である。海兵隊の本来の任務は上陸作戦であり、台湾が中国に軍事占領された場合、これを奪還するための上陸作戦を実施するには最適の人物であろう。
更にトランプは4日、ツイッターで「中国は南シナ海の真ん中に巨大な軍事施設を建設していいかと(米国に)尋ねていない」と中国の南シナ海進出を認めない姿勢を示した。狂犬マティスに任せれば南シナ海の中国軍基地など木端微塵に吹き飛ばせると息巻いているのである。
中国は南シナ海と東シナ海への侵略を加速しているが、台湾は二つの海の中間にあり、台湾を軍事的に獲得しなければ両海の支配権は確立しない。そもそも、台湾併合は毛沢東以来の中国の悲願であり国是でもある。今さら諦められるものではない。
今までは両岸繁栄で潤ってきたから現状維持で良かったが、経済不況に苦しむ現在では、かつて香港返還が経済成長の起爆剤になったように、台湾併合を実現して経済の起死回生を狙う本音も見え隠れする。
米中激突の発火点は台湾となりそうである。
*
1日、田母神裁判、検察による被告人尋問があった。
https://www.youtube.com/watch?v=f3oV51O2TsQ&t=2493s
軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
動画配信中:「地政学入門」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1475838508
上記動画のテキスト本
「領土の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321212000089
動画配信中:「地図で見る第二次世界大戦」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1441391428
上記動画のテキスト本
文庫「図解大づかみ第二次世界大戦」
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動画配信中:「現代戦闘機ファイル」全編無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1411697197
上記動画のテキスト本「イラスト図解 戦闘機」
http://www.tg-net.co.jp/item/4528019388.html
動画配信中「よくわかる!ミサイル白書」全編無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1383640409
上記動画のテキスト本「超図解でよくわかる!現代のミサイル」
http://www.tg-net.co.jp/item/486298102X.html?isAZ=true
その他の著書:
「国防の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)
46年前の1970年、作家三島由紀夫氏が憲法改正を訴えて憂国の諌死を遂げた。
5月の憲法記念日では毎年話題に上がるものの、進展がない。
『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)平成28年(2016)11月25(金曜日)通巻第1004号
http://melma.com/backnumber_45206/
本日、憂国忌です
下記は今朝の日本経済新聞のコラムです
「僕はコスモポリタン(世界市民)にだけは絶対なりたくない」。外国語が話せても原書は読めない。日本の伝統文化を知らない。古典も読まない。それで国際的といえるのか。外国ではそんな日本人はバカにされる。三島由紀夫は有吉佐和子との本紙の対談で嘆いた。
▼ほぼ2年後の1970年11月25日。三島は陸上自衛隊市ケ谷駐屯地で、クーデターを呼びかけた。「ここで立ち上がらなければ、諸君は永久にアメリカの軍隊になるんだぞ」。訴えがどこまで本気だったか。決起を憲法改正に結びつけるという破天荒な筋書きだった。演説はむなしく響いただけで、衝撃的な最期を遂げる。
▼当時は、冷戦が激しくなり、ベトナム反戦や日米安保条約への反対などで学生の反乱が起きていた。デモや争乱も相次いだ。一方で、高度成長がもたらした豊かな社会があった。三島は日本人が伝統文化を捨てて、西洋化し、堕落していると考えた。その根本原因に憲法解釈のゆがみがあるとみて、改憲草案も作っていた。
▼冷戦が終わり世界は変わった。列島には北朝鮮のミサイルや中国の軍事力増強が迫る。トランプ政権誕生で、米国は日米同盟の見直しを求めそうだ。同盟が揺らげば隙ができる。三島が願った改憲議論もようやく始まったが、改憲と護憲の論争は相変わらずだ。環境変化にどう対応するのか。いまの日本人が問われている。
いつまでも米国依存はだめ・・・
ケント・ギルバート氏「9条だけでも改正を」 自民党群馬県連で講演
写真:講演するケント・ギルバート氏(右)=25日、前橋市
http://www.sankei.com/politics/print/161126/plt1611260035-c.html
自民党群馬県連は25日、県議団の研修として弁護士でタレントのケント・ギルバート氏を招き憲法についての講演を開催した。県連に憲法改正推進本部を立ち上げたことなどを記念し、日本会議群馬のメンバーや県議ら約150人が参加した。
講演は「日本の自立と憲法改正」と題し、ギルバート氏は日本国憲法がGHQ(連合国軍総司令部)民政局が1週間程度で作ったことや「よくできているが、ワケあり」であることなどを説明。「国民の安全と生存を守ろうとする憲法なのに、いざという時に守れない9条こそが憲法違反。国を守る方法がない大きな欠陥だ」と主張した。
さらに、GHQが戦後、日本人の精神に贖罪(しょくざい)意識を刷り込もうと報道機関に設けた禁止事項「プレスコード」にも触れ、「意見が分かれるものは公正に放送しなければならないのに、偏った放送しかしない。メディアが憲法改正を反対しており、議論さえしてくれない」と現代にも影響していることを指摘。その上で「憲法改正をしない限り戦後は終わらない。自民党はもたもたせず早く9条だけ直してほしい」と訴えた。
一方、米大統領選でトランプ氏が勝利したことには、「彼の発言で、日本がいつまでも米国に依存してはだめだということに気付いてほしい」と日本自立への期待を示した。
同県連は、地方の憲法改正議論を活性化させようとの党本部の要請で、山本一太参院議員を本部長に憲法改正推進本部を10月末に発足させた。発足以前から勉強会などで活動する本部長代行の南波和憲県議は「今後も同様の会で、県議それぞれが考え方を醸成させ、(改憲を)呼びかけたい」と話した。
同本部幹事長、狩野浩志県議は「憲法を守って国が滅びることを危惧している。今回を機に『憲法改正は自民党群馬から』を合言葉に頑張りましょう」と参加者に呼びかけた。
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日露(日ソ)に容認しがたい、歴史教科書にも載っている事実がある。
1945年8月、日ソ中立条約を破棄し日本に宣戦、当時日本の支配下にあった満州、朝鮮に侵攻した。いわゆる火事場泥棒。
1946年2月には、千島・樺太領有を宣言した。
これらの北方領土の回復なしに平和条約交渉はない。
西村眞悟の時事通信 平成28年11月21日(月)
我が領土の返還に関し「様々な案」などない!
ペルーのリマで行われた安倍総理とプーチン大統領の首脳会談に関して、重大な懸念を表明する!
十二月のプーチン大統領の山口県長門市訪問向けて、日露交渉はプーチンのペースで進んでいるからだ。
会談の前半、我が国の「ロシア経済協力相」が、次官級協議でまとめた我が国の対露経済協力プランについて説明すると、プーチン大統領は、「良い計画だ」と評価した。
ところで、我が国には、核ミサイル大国のロシア専属の「ロシア経済協力相」があったとは知らなかった。
そして、このロシア専属大臣が対露経済協力プランを説明したという、では、この日本側の対応に対して、ロシア側に、「日本領土問題担当相」などがあって、安倍総理にプランを説明したのか。 これは、はなかった。
そして、領土問題は、通訳だけを付けた安倍・プーチンの二人だけの話になった。
つまり、日本側は、プーチンの欲しいものを開示し、プーチンはそれに満足した。
しかし、ロシア側は、安倍総理に手の内を何も開示せず、二人だけの安倍・プーチン会談に入った訳だ。
その会談後、安倍総理は、「内容は言えないが、二人だけで腹蔵のない意見交換を行うことができた。
しっかりと話をできたことは意義があった」と述べ、その次ぎに、「平和条約(の締結)は七十年間できなかった。
大きな一歩を進めるのはそう簡単ではない」と強調した(読売新聞、11月21日朝刊)。 そして、プーチンは、記者会見で次のように述べた。
領土問題が第二次世界大戦によって生じた問題であることを認めた上で、「(領土問題に関して)可能な様々な案について検討している」(NHK)
以上の安倍・プーチン両人の発言のうち、注目すべきは、安倍総理が、日露交渉の目的を「領土問題の解決」とは言わず、「平和条約締結」、と言っていること、プーチン大統領が、(領土問題に関して)「可能な様々な案がある」、と発言したことである。
そこで、安倍総理に言いたい。
日露交渉の目的は、「領土問題の解決」であり「平和条約締結」ではない。
平和条約は領土問題解決という目的達成を示すレッテルに過ぎない。
また、プーチンに言う。
日露間の領土問題解決に「可能な様々な案」などない。
では、日露が果たすべき「領土問題の解決」とは何か。
それは、ただ、一つあるのみ、即ち、「歯舞、色丹、国後、択捉」の日本への返還である。
従って、冒頭に言った日露交渉の懸念とは、安倍総理が、「平和条約締結」を追いかけるあまり、日露交渉の眞の目的を見失い、プーチンの仕掛ける「可能な様々な案」の一つに飛びついて、我が国の「国後と択捉」という広大な領土を永久に失うことである。
領土を、外務省と一人安倍総理の功名の為に、それを略奪した国との平和条約という虚妄のもとに差し出す国家に未来はない。
歴史を観れば明らかなように、そういう国は滅びている。
従って、今為すべきことは何か。
第一に、
十二月三日、岸田外務大臣がプーチン訪日の事前調整としてモスクワを訪問し、ラブロフ外務大臣と交渉する予定があるが、この日露両国外相会談を「決裂」させることである。
第二に、
我が国の朝野に於いて、日露の領土問題解決は、「歯舞、色丹、国後、択捉」の全面返還以外にあり得ないとの論陣を張り、その国民の全面返還の声を高めることである。
この意味で、今、韓国でやっているデモを見習うべきであろう。
なお、この外相会談決裂と、我が国内の国民の主張を強めることは、何も突拍子もないことではない。外交交渉では常に駆使しなければならない。
その例を一つ挙げる。
昭和四十八年(1973年)十月、田中首相がモスクワに乗り込んでソビエトのブレジネフと会談し、日ソ間には「領土問題がある」と詰めより、ブレジネフから「ダー(そうだ)」と言う歴史的発言をはかせた。
この時、日本側は、日ソ首脳会談に先立っておこなわれる日ソ外相会談を決裂させる方針で臨むと共に、克明に連日ソビエト内のプラウダなどの機関誌の論調を調べあげた上で、首脳会談に臨んでいる(当時の外務省東欧第一課長新井弘一氏著「モスクワ・ベルリン・東京」)。
この先例でも明らかなように、外交に当たっては各国の外交担当者は、交渉の決裂を恐れず、相手国の国内論調に最深の注意を払う(このことに鈍感なのは、この度、アメリカ国民の動向に気づかなかった我が外務省だけだ)。
従って、プーチンの手下達も、現在、日本国内の動向に最深の注意を払っている。
さらに、日本人エージェントを使って、日本国内世論をプーチンに有利なように誘導しようとしている。従って、現在、我が国内では、「歯舞、色丹、国後、択捉」の返還以外の「様々な案」が飛び交っているではないか。
この意味で、産経新聞の「正論」欄に表れた木村汎北海道大学名誉教授の「ロシアの対日戦術を見極めよ」(平成28年11月8日)と「ロシア接近は百年の計を誤る」(同10月5日)や 袴田茂樹新潟県立大学教授の「東京宣言を無視する露の詭弁」(同10月24日)と「露への楽観的思い入れを見直せ」(9月6日)は、非常に有力な論考で、日本の対露外交に有利に作用していると大いに評価すべきである。
さて、日露の領土問題を、プーチンは、「第二次世界大戦によって生じた問題」であると言い、 日本側も異論がないようなので、何となく打ち過ぎているのである。
しかし、この事実認定は、プーチンのロシアに、ヨーロッパ方面での沢山の「第二次世界大戦によって生じた問題」を再燃させるので、それを変更する為の一切交渉には応じられないという武器を提供しているのだ。
従って、言っておく。歴史を振り返って欲しい。
我が国が第二次世界大戦におけるポツダム宣言を受諾したのは、昭和二十年八月十四日である。 そして、全国民に天皇陛下がその旨を伝達されたのは翌十五日正午。
さらに、天皇陛下が大元帥として、広大なアジア各地に展開する交戦中の全陸海軍に、自衛戦以外の戦闘行動の中止の命令、大陸命と大海令を発せられたのは、翌十六日である。
従って、大東亜戦争(第二次世界大戦)の戦闘状態は、昭和二十年八月十六日に終結した。
この我が国の戦闘停止を受けて、米ソは何をしたか。
分担地域を決めたのだ。
その時スターリンは、北海道の分割占領を望んだが、アメリカはそれを許さず、千島と樺太のソビエト分担が決定された。
しかし、ソビエト軍は、我が国が戦闘を停止しているのに、一方的に戦闘を継続し、千島最北端の占守島に八月十八日、艦砲射撃の後に戦闘部隊を上陸させて日本軍を攻撃し、樺太の真岡には、八月二十日、艦砲射撃の後に上陸し多くの住民を殺戮した。
そして、「歯舞、色丹、国後、択捉の北方領土」には八月二十八日から九月五日にかけて上陸した。
我が国がソビエトを含む連合国と正式に降伏文書を取り交わしたのは、九月二日である。
驚くべきことに、ソビエトは、東京湾で我が国と降伏文書に署名し合っていながら、樺太、千島そして北方領土で軍事行動を継続展開して日本人に対する攻撃を続行していたのである。
以上の事実経過を踏まえて、我が国は、ロシアのプーチンに何が言えるのかを確認する。
それは、歯舞、色丹、国後、択捉の北方領土、さらに南樺太と千島は、「第二次世界大戦の結果ソビエトが占領した地域」ではない。
これらの地域は、第二次世界大戦の戦闘終結後に「ソビエト軍が一方的に侵略した地域」であり、我が国はこの地域で、「第二次世界大戦の戦闘」ではなく「自衛のための戦闘」をしたのである。
つまりこの地域は、ソビエトが「火事場泥棒として略奪した地域」ではないか。
二年前にプーチンが奪ったウクライナのクリミアと同じ「ソビエトの略奪地域」なのだ。
従って、我が日本は、ウクライナがクリミアの返還をプーチンに要求するのと同様に、北方領土だけではなく南樺太と全千島の返還をプーチンに要求することができる!
これが、日露の領土問題である!
従って、プーチンが言うような、歯舞、色丹、国後、択捉に関して解決の為に「可能な様々な案」などはない。
あるのは、ただ一つ!
全島の返還である!
かつて、三国干渉後に、我が国民はロシアに対して「臥薪嘗胆」を以て臨んだ。
この度も、臥薪嘗胆だ。
百年かかっても領土を取り戻す覚悟をプーチンに表明すべきである。
お問い合わせ:西村眞悟事務所
TEL:072-277-4140 E-mail:sakaioffice@n-shingo.com
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米大統領選、米も日本も大方のメディアは、ヒラリー氏勝利を予測していたそうな。
得票数では西海岸、東海岸の都市部がヒラリー氏であったが、中央部はトランプ氏が圧倒していた。白人中間層の支持を得たという。
英のEU脱退からなんとなく世界の雰囲気が反グローバリズムになってきた。
先頃、日本では衆院でTPP承認案が採決された。「政府・与党が進める農業改革に悪影響が及ぶ可能性がある」と云われている(産経11/05)。
トランプ氏はTPP反対を唱えている。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成28年(2016)11月11日(金曜日)弐 通算第5082号 <前日発行>
http://melma.com/backnumber_45206/
痛ましいほどに的外れ、各紙のトランプ勝利分析
歴史的な流れという文脈で捉えた解説は皆無に近かった
「悪夢」「衝撃」という語彙が頻出した。
「異端」「大衆迎合」「怪物」「絶望」『保護主義』『市場が懸念』というタームが次の多用されている。日本の五大紙を読み比べてみたが、痛ましいほどに的外れである。
「予想を覆したから衝撃だった」というのも、各社はヒラリーが勝つと見込んで予定原稿を用意していたからで、トランプ勝利の予定草稿がなかった。外務省高官は直前にも「接戦ですらない」と吐き捨てていたという。外務省が国連総会出席の安倍首相とクリントンとの会談しか設定していなかったのも、その現れである。つまり日本政府はトランプを無視していたことになる。
それにしてもBREXIT(英国のEU離脱)の時も直前まで外務省は「離脱はない」と首相に進言していた。これで二回連続の大失敗。外務省の情報収集能力に致命的欠陥があるのではないか。
ネタニヤフ(イスラエル首相)は、訪米時にちゃんと二人に会った。とくにネタニヤフとトランプは相性があう。理由はふたりとも「敵はジャーナリズム」という、本質を知っている。 そのうえで、この左翼ジャーナリズムとの戦いかたのコツも心得ている点で、不思議なほどに共通しているからだ。
グローバリズムの信奉者の代表格は「日本経済新聞」。日経はこう書いた。
「米国民は過激な異端児に核兵器のボタンを預け、経済と政治の変革を託した」(11月10日一面トップ、「トランプショック」コラム)。
異端というのはグローバリズムから見ればそうでも、ナショナリストから見れば、グローバリズムそのものが異端であることには触れていない。
グローバリズムを鼓吹し、その失敗が現れていることに同紙は無関心である。
TPP反対を唱えるトランプの勝利はグローバリズムの破綻がはじまったことを意味するのだから。
▼アウトサイダーだから?
読売は「大衆迎合では大国導けぬ」と書いた。トランプは大衆迎合と断じているあたりが皮相な分析ではないか。
「選挙で撰ばれる公職か軍幹部のいずれの経験もない『アウトサイダー』が大統領選に勝利するのは米国史上初めて」(読売新聞、同日、一面トップ)。読売は続けて「こんなに怒りや不満を抱え、『疎外』されていた人が多かったのか、と驚くばかり」と書いた。
チと気がつくのが遅かったのでは?
朝日は「未知数」「不透明感」を語彙に多用しつつ「女性蔑視の発言などから、『資質』を問われてきた。政治経験もないうえ、外交政策に精通した側近も現状では見あたらない」。そのうえ共和党内の不協和音が残り、『同党主流派との対立が深刻で政権運営がスムースにいくかは不透明』と批判のオクターブを挙げる(同日一面)。
懸念には及ばない。人材は山のようにあり、読売はいち早く、次期政権のキーパーソンを写真入りで伝えているのとは対照的である。
毎日新聞は「拡散する大衆迎合、強まるエリートvs庶民」と解説する一方で、一面の分析では「反既成政治 世界のうねり」と世界同時発生的な反グローバリズムの流れに一言言及している。ただしナショナリズムへの回帰を単に「グローバリズムへの反動」と短絡的に総括している。
それもこれも、グローバリズムの行き過ぎが破綻したという現実を正面から捉えていないのである。不思議である。
こうしたなかで産経新聞は異色だった。
『トランプ大統領でいいじゃないか』と編集局長の乾正人が大胆な発言に続けて、こう言う。 「いよいよ米軍が撤退するとなれば、その際は自前の空母も選択肢となり、内需拡大も期待できる。沖縄の基地問題だって解決に向かうかも知れない」
また同紙三面には古森義久氏が、『保守の怒り、国内外で変革の波』として、『草の根保守勢力が、民主党リベラル派のオバマ政権と後継のクリントン氏の政治姿勢に対する強烈な否定を広めたことを意味し』云々と、トランプ勝利の第一義的意議がオバマ政治の否定であることを鮮明に指摘している。
そうだ。トランプの勝利はオバマ政治への全否定なのである。
さて、事前の世論調査を完全に覆してトランプが勝ったかという点で、意外な側面を分析したのは読売新聞だった。
つまり固定電話にアンケート対象が限られていたのに、現実には携帯電話しか持っていない人が43%もあり、『1970年代には世論調査に応じる人の割合が八割近かった』のだが、いまや「8%にまで下落しており、調査として信頼できるサンプル数が確保できていない」のである。 全体の民意を世論調査がくみ上げることが出来なかったからだというのは或る意味で的を得ている。
つぎに識者のコメントを読むと、これまで皮相で的外れな解釈が山のように羅列されていたが、気がついたのは左翼、リベラル、体制保守のコメンティターばかりが紙面に登場している点で、やはり日本のマスコミには進歩がないと思った。
トランプ大統領で、いいじゃないか 産経新聞東京本社編集局長・乾正人
http://www.sankei.com/column/print/161110/clm1611100003-c.html
写真:
米大統領選で当選が決まり、笑顔で演説する共和党のトランプ氏=9日、ニューヨーク(ロイター)
ついに「驚くべき日」がやってきた。
シリア難民の大規模流入をきっかけに欧州を席巻した排外主義と一体化した反グローバリズムの大波は、英国に欧州連合(EU)からの離脱を決意させ、米国のエスタブリッシュメント(支配階層)を直撃した。
いや、打ち砕いた、といっても過言ではない。トランプ氏勝利で日本の株価は暴落し、円が急騰したのもむべなるかな。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のお蔵入りが確定的となったばかりか、日本の安全保障の先行きも「日本がタダ乗りしている」と日米安保を誤解する米最高司令官の登場によって予見不能となった。
蛇足ながら、日本の外務省はまたも下手を打った。先月から今月にかけて話を聞いた高官や有力OBの誰一人として「トランプ大統領」を予測していなかった。某高官などは「接戦ですらない」とまで断言していた。外務省の楽観的な見通しも後押ししたであろう9月の安倍晋三首相とクリントン候補との会談は、失策としか言いようがない。
彼らの予測のもとになった各種世論調査は何の役にも立たず、クリントン候補に異様なまでに肩入れした米メディアがいかに嘆こうが、さいは投げられたのだ。だが、モノは考えようである。
トランプ大統領で、いいじゃないか。
トランプ流の「在日米軍の駐留経費を全部出せ」といったむき出しの本音には、日本も本音で向き合えばいいのである。
大統領になったらそんなむちゃな要求はしないだろう、という幻想は捨てなければならない。
いよいよ米軍が撤退する、となれば、自衛隊の装備を大増強すればいい。その際は自前の空母保有も選択肢となり、内需拡大も期待できる。沖縄の基地問題だって解決に向かうかもしれない。
トランプ氏が“容認”する日本の核兵器保持は、唯一の被爆国という国民感情が強く、現実的ではないが、中国をにらんだ外交カードとしては有効だ。
TPPも米国抜きで発効させる方策を真剣に検討していい。
日米安保体制の枠内で憲法9条がどうの、安保法制がどうの、といったことが大問題となった牧歌的な世界はもはや過去となった。
日本も米国に軍事でも経済でも過度に依存しない「偉大な国」を目指せばいいだけの話である。
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注目の米大統領選はドナルド・トランプ氏が勝利した。
トランプ氏はどちらかといえば「内向き」といわれ、TPPも反対、日本には「自分の身は自分で守れ、核兵器保有も結構」と云っていたが、さて世界への影響は・・・
トランプ氏勝利、米大統領選
2016年11月09日 17:50 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/articles/-/3107353
写真:
米ニューヨークのニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウンでの集会で、当選確実の知らせを受けて演説するドナルド・トランプ氏(2016年11月9日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Chip
【11月9日 AFP】(更新、写真追加)米大統領選挙は9日、共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官に勝利した。
トランプ氏はニューヨーク(New York)マンハッタン(Manhattan)で支持者を前に勝利演説を行った。トランプ氏によると、クリントン氏からも勝利を祝福する電話があったという。
ライバルのクリントン氏を破るために、ポピュリズムに対する不満の波に乗り大統領選を戦ってきたトランプ氏が米国の第45代大統領に決定したことに、全米と世界が驚がくしている。
またトランプ氏がクリントン氏に勝利したことにより、世界の株式市場は混乱し、米国政府の指導力に左右される世界の政治秩序の先行きを不透明にしている。(c)AFP
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成28年(2016)11月10日(木曜日)弐 通算第5079号 <前日発行、その2>
http://melma.com/backnumber_45206/
<速報、その3>
プーチンにんまり。習近平、顔面蒼白。ウォール街は周章狼狽
トランプ当選ほぼ確定。NYタイムズ予測ライブは95%でトランプ
1325現在(日本時間)、ニューヨークタイムズの予測ライブは、じつに95%の確立でトランプ勝利を予測している。選挙人獲得は290から305人。
ほぼ勝負は見えたようである。
地殻変動のつづいた世界政治のなかで、「グローバリズムへNO」という回答がでた。主権と独立心の回復を叫んできたナショナリズムの勝利、というより、これは左翼リベラリズムの完全敗北を示してあまりある。
次の予測はフランス総選挙で、ルペンが大統領となる可能性もゼロではなくなった。オーストリアの大統領選挙のやり直しも保守が勝ちそうである。
この結果をほくそ笑んでいるのはロシアのプーチン、顔面蒼白は習近平。中東ではサウジもイランも、トランプを歓迎としてきたから、安堵しているに違いない。
過去、ヒラリー陣営のあやしげな財団に巨額を迂回献金してきた中国としては、まずい事態の出来というわけだ。
間接的にトランプを支援してきたロシアはにんまりというところか。
選挙結果の分析は早すぎるにしても、左翼全盛のニューヨーク、バージニア、ペンシルバニア、そしてイリノイ、これから開票が始まるカリフォルニアなど西部三州のうちワシントン州は共和党が勝つかも知れないが、いずれもクリントンの牙城でもあり、トランプが勝つ見込みははじめから考えにくい選挙区だった。
ところがこうした民主党の牙城でも、トランプが予想外の善戦をしている。
日本のマスコミはなにしろ左翼偏向のニューヨークタイムズやボストングローブ、そしてロスアンジェルスタイムズなどを基準にして報道するから、間違えをやらかすのである。テレビの変更はもっとひどく、CNN、ABC、NBCは左翼の牙城である。
ウォール街は「こんな筈ではなかった」と周章狼狽、株価下落。日本に跳ね返り、前場は株価が上昇する場面もあったが、円高にぶれて、500円の下落を示した。
いってみればエスタブリシュメントの既得権益をまもるヒラリーと共和党保守派はおなじ穴の狢だから、アウトサイダーを排撃するのは自然の流れである。
フロリダ州とオハイオ州でも、トランプ辛勝。中西部、南部は当然ながらほぼ全勝。例外はニューメキシコ州とコロラド州で、移民問題がトランプの敗因だろう。
西村眞悟の時事通信 平成28年11月9日(水)
何れが大統領になろうとも、同じ覚悟あるのみ
アメリカの大統領選挙の結果が出る前に記しておきたい。
この度のアメリカ大統領選挙も第二次世界大戦後の世界秩序崩壊という 国際政治の地殻変動の上で行われている。
この地殻変動は、武力によって領土領海を拡大する 核保有大国の中共とロシアの軍事行動によって顕在化したが、 それは、アメリカのオバマ大統領が、 アメリカの後退を鮮明にしてお膳立てをしたものである。
従って、アメリカ、ロシアそして中共が、世界秩序を崩壊させている。
そして、今の嫌われ者と言われている二人の候補の何れが大統領になっても、 この最悪だったオバマの世界の警察官からの後退路線を踏襲するであろう。
従って、我が国は、世界秩序崩壊の荒波のなかに浮かぶ船だ。
荒波とは、平穏な今までの国際秩序がないということである。
つまり、戦後のGHQ製の「日本国憲法」が想定した 「『平和を愛する諸国民』は既にない(はじめからないが)」 ということだ。
それ故、日本国民は、 その荒波のなかで自力で航海し、 国家と国民を護る覚悟を固めねばならない。
そこで、その「覚悟」の内容を指摘する。
それは、第一に、
荒波を想定していない「日本国憲法」の無効を確認することである。
「日本国憲法」によって荒波を克服することはできない。
毒の樹を残して危機克服はできないのだ。
第二に、
軍隊を回復することである。
何故なら、軍隊を保持せずして 「平和のための戦略」を確立しそれを実施することは不可能であり、 国防は最大の福祉であるからだ。
お問い合わせ:西村眞悟事務所
TEL:072-277-4140 E-mail:sakaioffice@n-shingo.com
http://www.n-shingo.com/
トランプ、クリントンの両氏はどちらも一癖二癖ある人物と伝えられている。
それぞれ「暴言癖」「嘘つき」のレッテルを貼られている。
この二人しかいないのなら「嘘つき」よりは「暴言癖」の方がマシと思うが、どうなるか・・・
【米大統領選】投票、いよいよ明日 「安定」か「変化」かの選択 影響は国際社会を左右
http://www.sankei.com/world/print/161107/wor1611070034-c.html
【ワシントン=青木伸行】米大統領選は、一歩リードする民主党のヒラリー・クリントン候補(69)を、共和党のドナルド・トランプ候補(70)が激しく脅かす展開のまま、いよいよ8日に投開票を迎える。クリントン氏の私用メール問題について、米連邦捜査局(FBI)が6日、訴追を見送る方針を公表し、同氏には追い風になるとみられる。「安定」か「変化」か、「国際協調路線」か「孤立主義」かの選択であり、選挙結果は米国のみならず国際社会の針路に大きく影響する。
クリントン氏はオバマ政権の主要政策を引き継ぐとしている。日本をはじめとする同盟国との関係強化など、国際協調路線を旨としている。大きな変化は予想されず、安定感が強い。
一方、トランプ氏は不法移民の排除など排他的な国内政策を推し進め、対外的には「米国第一」主義を掲げて、国際社会への関与を低減し距離を置こうとしている。
米国民の選択は不透明感を強める国際情勢と秩序の行方に影響し、分岐点となる可能性さえある。有権者が投じる1票は、かつてないほど重い。
連邦捜査局(FBI)が10月28日、クリントン氏の私用メール問題に関する再捜査を発表して以降、主要メディアの世論調査による支持率は、目まぐるしく変動している。 ・・・・
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成28年(2016)11月6日(日曜日)通算第5074号
http://melma.com/backnumber_45206/
トランプ。九回裏二死満塁。「逆転満塁さよならホームラン」の可能性
民衆の反エスタブリシュメント、反グローバリズムへの怒りは強烈
不思議な現象が起きている。
あれほど全米マスコミに罵倒されながら、ドナルド・トランプの支持率は尻上がり。ヒラリー・クリントンとの差は僅か1%にまで猛追している。
通常の誤差の範囲は5%だから、事実上、逆転しているのではないか。
全米の新聞のなかで、1紙をのぞき、ほぼ200紙がトランプを批判し、そのうち、30紙がヒラリー支持を社説に掲げた。残り1紙は「リバタリアン党」を支持した。まさに異常事態である(ワシントンタイムズとて、明確にトランプ支援をしていない)。
テレビはかろうじて「フォックス・テレビ」が中立的だが、残りの局は、なべてヒラリー支援。CNNは90%の番組が民主党支援キャンペーンのごとくであり、いったい、これほどの四面楚歌にマスメディアの報道合戦の上で晒されながら、トランプはテフロンのように強い支持に支えられている。これが謎だった。
地下マグマのようなダイナミズム、あの熱狂の根っこにあるのは、アメリカ人大衆のワシントンへの怒りだ。火山の爆発のような突発事が起きるのではないか。スタインベックの『怒りの葡萄』を思い出した。
エスタブリシュメント、ウォール街、そして1%の富裕層に対して、多くのアメリカ国民は既成政治家のゲームに厭いた。だからヒラリーはウォール街の操り人形と訴えるトランプのレトリックに酔う。
そのヒラリーがウォーレン・バフェット(全米投資家トップ)を応援弁士に担ぎ出したことは、ひょっとして致命的ミスに繋がるのではないか。
既に「期日前投票」(不在者投票)を済ませた有権者は過去最高にのぼっており、また従来は「投票に行かなかった」人々が、こんどはトランプに票を入れに投票所へ行くという。
対照的にヒラリー支持者は、絶対に行くと答える人が少なく、熱狂が薄い。集会における空席が目立ち、盛り上がりが欠けるのはヒラリー集会であり、トランプの集会は立錐の余地がない。全米のテレビは意図的にこの場面を映し出さない。映像操作をおこなっているようである。
トランプ。絶体絶命と言われた九回裏二死満塁。長嶋茂雄の天覧試合を思い出しませんか? 「逆転満塁さよならホームラン」の可能性が高まった。
AC通信 No.617 小悪は巨悪に勝てるか(2016/11/06)
http://www.melma.com/backnumber_53999
前の記事(No.616)でウィキペディアと書いたのはウィキリークの 筆の誤りでした。訂正してお詫び申し上げます。
さて、投票日まであと二日となり、毎日いろいろな情報が飛び交っ ているが情勢は混沌として誰が勝つか予測できない。アメリカのメ ディアはヒラリー贔屓だからヒラリーに不利なニュースは書かない。 FBIのコミー長官がメール問題の調査を再開すると国会に通知した 後ヒラリーの人気は下がりトランプの人気が上昇した。
●トランプ小悪とヒラリー巨悪
投票二日前の情勢ではヒラリーが有利で当選に必要な270票を上回 っているが、フロリダ、ノースカロライナ、ネバダ、オハイオ、ペ ンシルバニア、アリゾナなどの州では僅差で、誰が勝つか予測がつ かない。FBI長官のメール調査再開の発表のあとヒラリーの人気は 各地で下がりつつある。しかしトランプはあまりにも暴言が多かっ たので人気は上らない。有権者の多数はトランプに投票するのでは なくヒラリーに当選させたくないからトランプに投票するのだ。
トランプは幼稚な自大狂で敵を作りすぎた。女性蔑視発言の録音が 暴露されて女性票を失い、違法移民問題で南米移民の反感を買い、 黒人層の殆どはオバマ支持だからヒラリーに投票する。つまり有権 者の過半数がトランプに反対である。この中からトランプに投票す る者が出るのはヒラリーの罪悪があまりにも酷いからだ。
ヒラリーのメール問題が再燃したとたんに国民はヒラリーが有罪判 決を受けてクリントン一家の巨悪を裁くことに熱中しだした。正に 悪事千里を走るでヒラリーのメール調査ニュースは、トランプの小 悪よりもヒラリーの巨悪を裁くことに興味が移ったのだ。
あと二日で投票だが、現在の情勢はヒラリーに有利だが上に挙げた 重要な州の情勢が変わればトランプ当選もありうる。宮崎正弘氏が 言ったように投票二日目の現状は9回裏の二死満塁、サヨナラホー ムランもありうる。小悪は巨悪に勝てるかである。
今回の選挙は期日前投票が有権者の4割ぐらいあったとされる。期 日前投票はメール調査再開のニュースが出る前からあったのでヒラ リーに有利と言われている。
別の面では共和党のトランプに批判的だった党員や議員などがトラ ンプに投票したと発表した。つまりヒラリーの巨悪を暴くためには トランプの小悪はまだ我慢できると言うのだ。
●ウィキリークの公開情報
ウィキリークは毎日のようにヒラリー陣営のメールを暴露し、ヒラ リーの違法だけでなくクリントン慈善基金の数々の違法が明るみに 出ている。クリントン家の罪悪追及は選挙後も続くはずだ。
FBIはヒラリーのメール調査の外にも公表していない、クリントン 基金の違法行為やビルクリントン大統領の収賄で赦免など、5件以 上のクリントン家犯罪を調査しているとウィキリークが発表した。 ウィキリークは一日に数千件から数万件のメールを公開しているの で、ヒラリーやクリントン一家の命取りとなりそうだ。
これまでに公開されたニュースだけでも、
(1).慈善基金からビルクリントンの個人口座に多額の金が入るよ うに操作した、
(2).ヒラリー国務長官はUBS銀行の脱税を見逃す、クリン代償と してトン基金に献金するよう操作した。
(3).ヒラリーはアメリカ産のウラニュームの20%をロシアに売る 約束をしていた、
(4).ヒラリー陣営の副委員長が弁論会の質問を事前にCNNから取 得していた、
(5).ヒラリーはフィリッピン人の掃除婦に、機密メールを含むヒ ラリー国務長官あてのメールを印刷することを命じていた、
(6).クリントン慈善基金はチェルシー・クリントンの結婚費用を 支払い、彼女の生活費まで基金が提供していた、
違法行為は枚挙にいとまがない。クリントン夫妻は世界各地でマフ ィアまがいの恫喝やゆすりで基金を増やしてきたのである。
●FBI長官は違法ではない
コミー長官がヒラリーのメール調査委を再開する手紙を国会に送っ たことでヒラリーを始めオバマ、司法長官や民主党員がコミー長官 は違法だと譴責した。しかしコミー長官は法を犯していない。長官 は「メール調査を再開すると国会司法委員会に通知した」だけで、 民間に発表したのでなく、ヒラリーが罪を犯したと言っていない。 悪事千里を走るで、このニュースが国内で瞬間的に流され、ヒラリ ーが有罪のような印象を与えたのは確かである。国民はこのニュー スの前までヒラリー当選を疑わなかったが、ヒラリーとクリントン 一家の罪状が調査、起訴される可能性が出てきたことに異常な興奮 を覚えたのである。選挙よりも犯罪調査だと喜んだ、ヒラリーに対 する反感が強烈に表に出たのである。
●選挙後の展望
あと二日で投票である。ヒラリー優勢だが結果はわからない。トラ ンプの逆転勝もありうる。だがヒラリーが当選しても犯罪調査は終 わらない。FBIの調査、国会の調査は続く。トランプは選挙に負け ても告訴するだろうし、国民のヒラリーの犯罪調査に対する関心は 異常に高い。
今回の選挙は小悪と巨悪の戦いである。トランプが当選してもこん なダメな奴が大統領ならアメリカは独裁国家となる。ヒラリーが当 選したら「クリントン・マフィアが世界でのさばる」ことになり、 これは何としても避けねばならない。
国会における共和党優勢は続くだろう。上院では共和党が4人落選 すれば50対50の同数となり、当選した副大統領が最終決定権を持 つことになる。共和党が上院で多数となったらヒラリーが当選して も犯罪調査で大統領罷免に持ち込む可能性がある。
朴槿恵韓国大統領の退陣要求が始まった。
朴大統領の退陣求め大規模デモ 韓国ソウル 2016年11月05日 19:10 発信地:ソウル/韓国
http://www.afpbb.com/articles/-/3106949?cx_part=topstory
関連写真: 韓国・ソウル中心部の光化門広場で、朴槿恵大統領の退陣を求めるデモに参加した人々(2016年11月5日撮影)。(c)AFP/Ed JONES
【11月5日 AFP】韓国の首都ソウル(Soul)で5日、政治スキャンダルで窮地に立たされている朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領の辞任を求めて、数万人が抗議デモを行った。
朴大統領は前日、友人の民間人女性に政府の機密情報を渡していた問題をめぐってテレビを通じて国民に謝罪したが、同大統領の指導力に対する国民の信頼は失墜。デモの参加者たちは、朴大統領の退陣を求めてシュプレヒコールを上げたり、旗を掲げたりした。
ソウル中心部では4万人ほどがデモに参加すると推定され、警察官2万人が警備にあたった。
警察当局はこれに先立ち、交通渋滞を理由に路上でのデモ行進を禁止したが、人々が集まることは許可した。しかし当局は、デモの参加者たちが青瓦台(Blue House、大統領府)に向かって行進するのに備えている。(c)AFP
「告げ口外交」「千年の恨み」と反日で売った政策もこのところ静かだったが、
ここにきて大統領の友人女性実業家が国政に介入していたとの疑惑が生じ検察が調査を開始した。
日本でも疑獄事件や、民主党政権時代、原発事故で判断ミスで退陣に追い込まれた首相がいるにはいたが・・・
韓国は、そういう土壌があるのだろうか、歴代のリーダーが汚職や自殺、暗殺で交代する。
【激震・朴政権】韓国検察、11月中旬にも朴槿恵氏を聴取か メディア報道 時期を検討
http://www.sankei.com/world/news/161105/wor1611050031-n1.html
【ソウル=名村隆寛】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の友人の女性実業家、崔順実(チェ・スンシル)容疑者の国政介入などの疑惑で、逮捕された崔容疑者に続き検察は拘束した朴氏の側近2人の取り調べを続けており、朴氏への聴取の時期について検討しているようだ。
検察は4日、崔容疑者が私物化したとされる2つの財団への資金提供を財界に強要した職権乱用の疑いで、すでに拘束している安鍾範(アン・ジョンボム)前大統領府政策調整首席秘書官の逮捕状を裁判所に請求。さらに、崔容疑者に機密資料を流していたとみられるチョン・ホソン前付属秘書官も3日に、公務上機密漏えい容疑で拘束した。
韓国メディアによると、安氏は検察の調べに対し、財団の設立は朴氏からの直接指示によるもので「財団への資金集めについては随時報告した」と供述しているという。
5日付の韓国紙ハンギョレ紙は、複数の企業関係者の話として、財団への拠出資金に関連し、朴氏が当初の目標の計600億ウォン(約54億円)から計1千億ウォンへの増額を指示していた疑惑が浮上していると伝えた。朴氏は昨年7月にサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長や、韓国ロッテグループの重光昭夫(韓国名・辛東彬=シン・ドンビン)会長らと会い、財団への支援を要請。さらに昨年10月には要請する企業を増やしたという。
京郷新聞などによると、検察は今月中旬にも、朴氏からの事情聴取を行うという。
支持率も急降下。
朴大統領“屈辱謝罪” 支持率「史上最低」に下落…捜査受け入れ表明「すべての責任取る覚悟」 2016.11.05
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20161105/frn1611051000001-n1.htm
写真:精気のない表情で頭を下げる朴大統領=4日、ソウルの青瓦台(聯合=共同)【拡大】
国政介入疑惑で、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領がついに白旗を上げた。「陰の女帝」こと親友の崔順実(チェ・スンシル)容疑者(60)が検察に逮捕されたことを受け、4日午前に2度目の謝罪談話を発表し、検察の捜査を受け入れることを明らかにした。現職大統領に対して検察の捜査が行われるのは同国史上初めて。支持率も1987年の民主化以降、最低の5%まで下落した朴氏は、「汚職大統領」として歴史に名を残すことになる。
朴氏は4日午前10時半ごろ、記者団の前に姿を見せ、青ざめた表情で約10分間にわたり謝罪談話を読み上げた。「検察の捜査に最大限協力する」として、特別検察官の設置も受け入れると表明した。さらに「すべての責任を取る覚悟がある」とも述べた一方で「国政の空白期間を生じさせてはならない」として、当面退陣する意思がないことも示唆した。
2度目の謝罪談話発表前から、朴氏はすでに外堀を埋められていた。朴氏に対して捜査に応じるよう求めてきた野党や国民に加え、身内であるはずの閣僚からも捜査を容認する声が上がっていたのだ。
3日に開かれた国会の特別委員会で、金賢雄(キム・ヒョンウン)法相は「捜査の進展に基づき、真相究明に必要ならば(大統領に対する)捜査の必要性と可能性を検討した上で要請する」と明言した。さらに、「大統領自らが捜査を受け入れる意向を示せば捜査は可能」と語った。
個別の事件について、閣僚が捜査が可能かどうかに言及するのは日本ではあり得ないが、それだけ韓国国民が怒っているということだろう。
世論調査機関、リアルメーターが3日に公表した世論調査の結果では、「大統領も捜査対象に含むべきだ」と答えた人は70・4%に上った。朴氏の退陣か弾劾を求める回答も55・3%と過半数を占めた。
こうした状況にもかかわらず、朴氏の「秘密主義」的な政治手法は変わっていない。2日に新首相に金秉準(キム・ビョンジュン)国民大学教授を指名したが、周囲に相談すらなかった。
中央日報(電子版)によると、朴氏の内閣改造発表については、大統領府の参謀も知らないほどで、秘書官は「(内閣改造は)ニュースを見て知った」と話したという。
案の定、野党は怒りを強めている。国会の人事聴聞会のボイコットを決めており、金氏の首相人事が実現するかも分からない状況だ。
一連の疑惑は韓国財界にも広がった。検察は3日、サムスングループの幹部を参考人として聴取した。聯合ニュースによれば、サムスンは疑惑の財団に資金を出したほか、崔容疑者と娘がドイツに設立した会社を支援した疑惑があるという。
朴氏は4日の謝罪談話で、「家族の関係も切り、一人で寂しく過ごしてきた。長い縁のあった崔順実氏から助けを受け、つきあいを持っていた」と説明した。「孤独」ゆえに崔容疑者を頼ったのかもしれないが、その代償は重い。過去の大統領の悲惨な末路を見れば、朴氏を待ち受けているのは「いばらの道」しかない。
全斗煥(チョン・ドハン)、盧泰愚(ノ・テウ)の2氏は巨額の政治資金疑惑などで、いずれも退任後の1995年に逮捕、投獄された。2009年には不正資金疑惑で検察の調べを受けた盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏が退任後に自殺した。
韓国ギャラップ社が4日に発表した世論調査で、朴氏の支持率は前週調査より12ポイント低い5%まで急落。1987年の韓国民主化以降、歴代政権で最低となった。逆に不支持率は15ポイント増の89%と同政権で最高に。国民の怒りは強まる一方で、朴氏が拘束される可能性も高まってきた。
就任当初、旅客船の転覆事故で300人以上が死亡する事件があって的確な指示ができず無能ぶりが批判された。その後、米中二股外交を展開して米から批判されていた。