【2018年の舞台裏】
 
 本当は、今日から慰安旅行として温泉に行く予定だった。
 去年から計画し、ひそかにずっと楽しみにしていた。
 
 が、搭乗する予定だった飛行機の便が大雪により欠航。
 
 代替便が手配できるのは明日の朝一番だけとのこと。
 それだと物理的に空港へ行く手段がない。
 空港のカウンターで野宿するなら話は別だが。
 
 やむをえず自腹をきって新幹線で移動することになったが、
 列車の故障により、長時間にわたって停車。
 点検の結果、もうどうしようもないので車庫へ入ることに。
 
 乗り継ぎ予定の特急にも乗れず、さらに到着がどんどん
 遅れていく。他の参加者たちはとっくに現地入りしている。
 気分はもはや秒速5センチメートルの主人公だった。
 
 慰安旅行の予算もすでにオーバーしているが、その分はまた
 土日にアルバイトを入れて稼ぐ
しかなさそうだった。
 
 オーバーワークの疲れを癒しに温泉に行こうとして
 さらなるオーバーワークが必要になる本末転倒ぶりが
 今年の自分もどうせ通常運転だと暗に告げているかの
 ようだった。
 
 無事に帰れるか今から不安だった。
 
 ――生きて次の年末を迎えられたらまた年の瀬にここで。
 
 再びお会いできる日を楽しみに。どうぞ良いお年を。