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釧路(北海道−7) 2017年7月2日(日) くもり  霧多布岬→釧路湿原 地図
1〜3:浜中海岸
霧多布岬
4〜14:
15、16:キタキツネ
17、18:ノビタキ
19:琵琶瀬
20、21:厚岸・鯨浜
あやめヶ原
22〜24:入り口付近のフキ
25〜30:あやめヶ原
北斗遺跡
31:擦文土器
32〜33:縦穴住居跡
拡大
34:森の遊歩道
35〜38:再現・擦文の村跡
39:北斗遺跡展示館

40:地方道近辺の風景


4時、根室「道の駅・スワン44ねむろ」で朝を迎える。

風蓮湖の南、春国岱というところにあり、一夜明けると、霧で冷え冷えとしていた。
昨日、納沙布岬で会った御仁は、「根室釧路は霧、秋になればもう少しマシです」と仰っていた。

早速、R44を湯沸岬(霧多布岬)に向かって走り出した。
地図では、湯沸岬(霧多布岬)と併記されているが、以下「霧多布岬」と呼ばせてもらおう。

根釧原野のただ中、R44から浜中付近で浜中湾に向かった。

6時頃浜に出ると、海から太陽が上がったところだった。
遠く南側に霧多布岬が望まれる。

6時半、霧多布岬の駐車場に着いた。
アプローチが真っ直ぐ岬の先端に向かっている。
展望台付近に、小さな動物の黒い影がちらりと見えた。
ひょっとしたらキタキツネか・・・

柵まで行ってみると切り立った断崖が海に落ち込んでいる。その先は広い々々北太平洋だ。
岬の先端かと思いきや、断崖は小さな湾をなして東へ続き、先端が海に落ち込んでいる。
その先端付近から、漁船が2,3艘断崖の下に近づいてきた。
望遠レンズで覗いてみると、漁師さんが昆布の収穫をしているのが見えた。
岬の断崖や立岩の風景を柵越しに撮っていると、熊笹の中から小さな動物がこちらを窺っていた。
「おっ、ここにお出ましだ」。さっきの動物はやはりキタキツネだった。
ほんの2,3m先でそれほど警戒する様子もなかったので、落ち着いて2カット撮ることが出来た。
ダイナミックな断崖の風景、キタキツネとの遭遇で霧多布岬は印象深いものになった。

車に戻り、海沿いの別海厚岸線を走ると「あやめヶ原」の標識が見えた。

自分の印象では、あやめは沼や池の畔に咲くものと思っていたが、
北海道に来て見ると、広い原生花園でよく見られる。
「あやめヶ原」の名の通り一面に、海をバックに咲き広がっている。
野生馬だろうか、親子の群れがゆっくりと草を食んでいた。

釧路の街を通っていると、「北斗遺跡」の案内板が見え、寄ってみた。
この旅では、車中からネットにアクセスして翌日の行動を決める予定だったが、ほとんど自分の通信環境では無理であった。
あとは持参の道路地図帳だが、小さな字を老眼鏡で見るのがだんだん面倒になった。
あとは、目に付いた標識で惹かれたところに寄ってみるという、まさに行き当たりばったりの旅になった。
しかし、今こうして机上で、もう一台のパソコンで拡大地図を参照しながらなぞってみると、魅力的なところが沢山あるのに気付く。
もちろんそれらを丹念に訪れると一月はかかってしまうだろう。
旅で出会った2,3人が「毎年来ているんだよ」というのも頷けるのだ。

「北斗遺跡」も標識がなければ通り過ぎたかも知れないが、 寄ってみて大変よかった。

パンフレットより
旧石器時代から縄文・続縄文時代を経て擦文時代に至る重複遺跡で、釧路湿原を望む標高20m前後の台地上の東西2,500m・南北500mの範囲に、縄文・続縄文時代の浅い円形・楕円形竪穴102軒、擦文時代の四角形竪穴232軒がくぼんだ状態で残されています。
過去の発掘調査では、旧石器時代の火を焚いた跡、縄文時代の住居跡・墓や小貝塚、擦文時代の住居跡などが確認されています。
中でも擦文時代は、鉄器、繊維遺物、はた織具の一部、栽培植物の種子などが出土しています。
1977年7月、釧路湿原西縁において最も規模の大きい重要な遺跡であることにより、東側233,471平方メートルが国指定史跡となっています。
無学で、古代は縄文時代、弥生時代ぐらいしか知らなかったが、今は縄文時代、続・縄文、擦文時代と歴史区分がされるようになったらしい。
展示館で見た擦文土器は、縄目の文様ではなく、くっきりと篦(へら)の文様がついていた。
我が兵庫県には、淡路の五斗長垣内遺跡、播磨町大中遺跡など弥生時代の遺跡があるが、この北斗遺跡は広大な釧路湿原を背景にスケールが大きく、時代も古い。

北海道は何処に行ってもフキが目に付く。
遺跡の入り口にも大きなフキが森の中に群生している。それも1m以上のものだ。
傘代わりに出来る充分な大きさである。
コロボックル(千島アイヌ)伝説というものがあって、「蕗の葉の下の人」という意味から小人といわれているが、 2m以上のフキもあり、フキそのものが大きいので、北海道アイヌより少し小柄な程度というのが本当らしい。 (Wikipedia コロボックルの正体)


雨が降ってきたのだが、傘を差して森の中の木道を散策した。(34)

見学を終えると午後4時をまわっていた。
釧路湿原を北上する「釧路鶴居弟子屈線53」を走る。
鶴居村・鶴居湿原温泉で入湯。琥珀色、重曹を多く含む。

休憩のあと、更に北上して弟子屈町の「道の駅」摩周温泉に到着。
駐車場は盛況、なんとかスペースを見つけ、この日の車中泊場所にした。